「鉄旅日記」2007年如月 初日(東京-天王寺)-東京、名古屋、大垣、米原、草津、柘植、京都、木津、京橋、天王寺(東海道新幹線/東海道本線/草津線/奈良線/学研都市線/大阪環状線) 【初日天王寺、2日目奈良。宿泊地だけを決めて、心のままに移動した記録でございます。】
鉄旅日記2007年2月10日・・・東京駅、名古屋駅、大垣駅、米原駅、草津駅、柘植駅、京都駅、木津駅、京橋駅、天王寺駅(東海道新幹線/東海道本線/草津線/奈良線/学研都市線/大阪環状線)
2007・2・10 23:54 スーパーホテル天王寺303号室
東京は混んでいた。
まだ朝早いのに。
始発ののぞみもそうだった。
東京駅を発車する時点で立ち客がいるような状態で、買っておいたビールは早々に飲み干した。
名古屋で降りるのも一苦労だった。
そうして始まった旅。
大垣行に乗る。
尾張一宮、金華山。
長良川を渡ると大垣。
去年の7月に跨線橋から眺めたホームに立った。
次は米原行。
天下の豪雪地帯関ヶ原に雪はなく、唯一伊吹山頂だけが雪化粧をしていた。
醒ヶ井を過ぎると、もう米原。
すぐに姫路行がやってきて、米原での感慨はなし。
そして草津宿。
外人のカップルが所在無げに駅前を塞ぎ、街へ下りる。
近鉄百貨店があり、商店街では懐かしい田舎の匂いを嗅いだ。

草津線沿線に見所を探せない。
近江の小さな田園風景が続く様は寂しい気持ちも連れてくる。
乗客はそこそこいたが、信楽鐡道、近江鉄道とのターミナル駅、貴生川で大半が降りた。
柘植駅へ。
車内アナウンスは聞いていたが、何のことやら分からずにホームに降りると、こうした事実が待っていた。
関西本線は毎月第2土曜日に保線作業のため、日中の運転を休止するという。
それなら駅周辺でも歩こうかと、駅員にどこか見所はあるかと尋ねると、困ったような顔になり、「一応、松尾芭蕉の生誕地ということになっとるんですが」と歯切れが悪い。
改札を出て、小さな忍者屋敷のような駅舎を眺める。
駅前には食堂はおろか、人家すらまばらだった。

仕方がない。
関西本線で木津へ出て、学研都市線に乗り継ぐ計画でいたけど、草津線で引き返す。
草津で再度姫路行に。
琵琶湖線も混んでいる。
瀬田、やがて琵琶湖、石山、膳所、大津。
いつかこの風景の中で素敵な夜を過ごしたいと思ったことがある。
もう10年以上前の初めての関西行でのこと。
乗換の京都ではかつての恋人を。
生きていれば様々を思い出すが、その対象がかつて愛した女性の場合は切なくていいものだ。
オレにとって京都は永遠にそうした存在としてあり続ける。
「駅そば」で大盛きざみうどんを食べる。
二玉入っていたよ。
「駅そば」に大盛があるとは、注文のうるさそうな関西ならではか。
跨線橋から眺めた東山の風景には目も心も奪われた。
今年のセンバツに京都代表が出場しないことが残念だ。
奈良線では眠ってしまった。
そして降りた木津駅周辺に、かつて感じた郷愁はなかった。
駅は工事中で、外では大きな道路を作っている。
降りた先もただ広いだけの味気ない風景だった。

缶コーヒーと煙草と太宰治。
気づくと吹く風は強く冷たく、学研都市線が来るまで凍えた。
学研都市線は単線だった。
そして脇では近鉄京都線が誇らしげに私鉄王国を謳う。
都会は遠く、四条畷あたりから大阪の始まりを感じた。
東京にはないが、大阪の景色には山がある。
小楠公、楠木正行の墓は駅から400メートルほどだという。
河内は山深く、駅からは見事な山塊が見える。
京橋駅は周辺に高層建築物を並べているが、都会の匂いはしない。
愛すべき大阪に着いた。
大阪城公園、森ノ宮、玉造、鶴橋、桃谷、寺田町そして天王寺。
大阪環状線の乗車マナーは素晴らしい。
7人掛けのシートにきちんと7人が収まっている。
東京を恥ずかしく思う。
天王寺は繁栄していた。
駅構内に並んだ公衆電話の数が印象に残っている。
大阪といえばキタとミナミ。
最近じゃそこにアベノが加わったという。
天王寺駅は天王寺区。
通りを挟んだところに立つ近鉄百貨店、大阪阿部野橋駅は阿倍野区。
大阪のややこしさは、同じ場所にありながらJRと私鉄で駅名が違うこと。
それは大阪駅と梅田駅だけの話じゃない。
アベノの繁栄はHOOPができたことから始まったらしい。
音楽会をやっていて、難波娘の関西弁が聞こえてくる。
天王寺動物園脇の坂を下り、阪神高速の高架をくぐると新世界。
演歌が聞こえる通天閣。

新世界に10年前のヤバさはなく、大阪名物ともいえるオッチャン達は駆逐され、通りはきれいになっていた。
そのことを後で入った天王寺商店街の寿司屋の板前に聞いたら、まったくその通りだという。
でもジャンジャン横丁だけは変わっていないという。
その狭いジャンジャン横丁は賑わい、串カツ屋には行列ができて、将棋センターでは自転車で乗りつけたオッチャンが窓越しに対局を眺めている。
南海電車に阪堺電軌。
天王寺周辺を路面電車が走る。
天王寺とはこういう街か。
交通の大要衝地なのだと知って、道理も何もなくうれしかった。
ビール、熱燗、串カツ、どて焼。
それが新世界。
その串カツ屋では大阪の人情を歌った曲が流れ、居合わせた天王寺青年は気持ちよく、死ぬ前の太宰を想った。
天王寺に戻って熱燗と湯豆腐。
ホテルに着くとすぐに眠ってしまった。
天王寺が心地よかった。

大坂夏の陣で決戦が行われた天王寺。
天王寺動物園内には徳川家康が本陣を構えた茶臼山がある。
その歴史的事実を知った12歳の頃から、天王寺はいつか行くべき街だった。
真田幸村が討たれた安居天神にはかつて寄ったことがある。
地図で確かめたらここからすぐのところにある。
関連記事
-
-
「鉄旅日記」2012年夏 【青春18きっぷで、北海道途中下車旅】4日目(岩見沢-羽後本荘)-岩見沢、札幌、銭函、小樽、倶知安、蘭越、長万部、中ノ沢、五稜郭、上磯、釜谷(函館本線、江差線)
鉄旅日記2012年8月14日・・・岩見沢駅、札幌駅、銭函駅、小樽駅、倶知安駅、蘭越駅、長万部駅、中ノ
-
-
「鉄旅日記」2020年文月 2日目(香住-東萩)その5‐都野津、江津、西浜田、東萩(山陰本線) 【コロナ禍でございます。内緒の旅でございました。余部鉄橋へ。萩へ。霧の街へ。東京五輪延期で浮いた4連休の記録でございます。】
鉄旅日記2020年7月24日・・・都野津駅、江津駅、西浜田駅、東萩駅(山陰本線) 18:27
-
-
「鉄旅日記」2019年長月 2日目(盛岡-宮古)その2-釜石、津軽石、宮古、田野畑、堀内(三陸鉄道リアス線) 【三陸鉄道、八戸線に乗りにいきました。区界、吉里吉里など、駅旅の者として見過ごせない駅にも寄りましてございます。】
鉄旅日記2019年9月22日・・・釜石駅、津軽石駅、宮古駅、田野畑駅、堀内駅(三陸鉄道リアス線)
-
-
「鉄旅日記」2022年盛夏 最終日(大津-東京)その2 ‐大垣、尾張一宮、清洲(東海道本線)/清洲城【讃州高松に時空の友を訪ねて。小海線、津山線、播但線、山陰本線の駅旅も印象深い旅でございます。】
鉄旅日記2022年8月15日・・・大垣駅、尾張一宮駅、清洲駅(東海道本線)/清洲城 9:10
-
-
「車旅日記」2004年夏 2日目(別府-宮崎)走行距離337㎞その1-別府日名子、大分駅、菅尾駅、三重町駅、豊後竹田駅、阿蘇駅 【九州を一周してみよう。そう思いたった、真夏の日々でございます。】
車旅日記2004年8月12日・・・別府日名子、大分駅、菅尾駅、三重町駅、豊後竹田駅、阿蘇駅 200
-
-
「鉄旅日記」2001年祇園会【京都の女性に恋をしていた頃がございました。そんなある宵宵々山の記憶でございます。】
鉄旅日記2001年7月15日 2001・7・15の記憶(京都編) 今頃は店に入って彼女
-
-
「鉄旅日記」2020年如月 2日目(大船渡-釜石)その3‐宮古、蟇目、茂市(山田線)/蛇の目寿司 【東日本大震災で被害を受けた大船渡に泊まりにまいりました。山田線完全乗車も目指しておりましたが・・。】
鉄旅日記2020年2月23日・・・宮古駅、蟇目駅、茂市駅(山田線)/蛇の目寿司 13:25 宮古蛇
-
-
「車旅日記」1998年春 3日目(津軽SA-十和田湖-酒田駅-鳴子温泉)-津軽SA、温川、十和田湖休屋、長木渓谷、道の駅鷹巣、道の駅琴丘、道の駅西目、象潟駅、酒田駅、道の駅戸沢、鳴子サンハイツ 【下北半島を目指した春。男の旅は北を目指すものと思っていた20代後半。高倉健さんの影響でございましょうか。】
車旅日記1998年5月3日 1998・5・3 5:45 東北自動車道-津軽SA 1087km 聞き
-
-
「鉄旅日記」2017年夏 初日(東京-大垣)その2-郡上八幡、北濃、美濃白鳥、郡上八幡、関、美濃太田、岐阜(長良川鉄道/高山本線)【私鉄王国で過ごす夏】
鉄旅日記2017年8月11日・・・郡上八幡駅、北濃駅、美濃白鳥駅、関駅、美濃太田駅、岐阜駅(長良川鉄
-
-
「鉄旅日記」2009年皐月【四国へ、途中下車の旅】5日目(宇和島-観音寺)-宇和島、卯之町、八幡浜、千丈、伊予大洲、伊予市、松山、伊予北条、今治、伊予小松、伊予西条、新居浜、関川、伊予土居、箕浦、観音寺(予讃本線)
鉄旅日記2009年5月5日・・・宇和島駅、卯之町駅、八幡浜駅、千丈駅、伊予大洲駅、伊予市駅、松山駅、
