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「鉄旅日記」2007年如月【初日天王寺、2日目奈良。宿泊地だけを決めて、心のままに移動した記録でございます。】初日(東京-天王寺)-東京、名古屋、大垣、米原、草津、柘植、京都、木津、京橋、天王寺(東海道新幹線/東海道本線/草津線/奈良線/学研都市線/大阪環状線)

公開日: : 最終更新日:2023/07/26 旅話, 旅話 2007年

鉄旅日記2007年2月10日・・・東京駅、名古屋駅、大垣駅、米原駅、草津駅、柘植駅、京都駅、木津駅、京橋駅、天王寺駅(東海道新幹線/東海道本線/草津線/奈良線/学研都市線/大阪環状線)
2007・2・10 23:54 スーパーホテル天王寺303号室
東京は混んでいた。
まだ朝早いのに。

始発ののぞみもそうだった。
東京駅を発車する時点で立ち客がいるような状態で、買っておいたビールは早々に飲み干した。

名古屋で降りるのも一苦労だった。
そうして始まった旅。

大垣行に乗る。
尾張一宮、金華山。
長良川を渡ると大垣。
去年の7月に跨線橋から眺めたホームに立った。

次は米原行。
天下の豪雪地帯関ヶ原に雪はなく、唯一伊吹山頂だけが雪化粧をしていた。

醒ヶ井を過ぎると、もう米原。
すぐに姫路行がやってきて、米原での感慨はなし。

そして草津宿。
外人のカップルが所在無げに駅前を塞ぎ、街へ下りる。
近鉄百貨店があり、商店街では懐かしい田舎の匂いを嗅いだ。

草津線沿線に見所を探せない。
近江の小さな田園風景が続く様は寂しい気持ちも連れてくる。
乗客はそこそこいたが、信楽鐡道、近江鉄道とのターミナル駅、貴生川で大半が降りた。

柘植駅へ。
車内アナウンスは聞いていたが、何のことやら分からずにホームに降りると、こうした事実が待っていた。
関西本線は毎月第2土曜日に保線作業のため、日中の運転を休止するという。

それなら駅周辺でも歩こうかと、駅員にどこか見所はあるかと尋ねると、困ったような顔になり、「一応、松尾芭蕉の生誕地ということになっとるんですが」と歯切れが悪い。

改札を出て、小さな忍者屋敷のような駅舎を眺める。
駅前には食堂はおろか、人家すらまばらだった。

仕方がない。
関西本線で木津へ出て、学研都市線に乗り継ぐ計画でいたけど、草津線で引き返す。

草津で再度姫路行に。
琵琶湖線も混んでいる。
瀬田、やがて琵琶湖、石山、膳所、大津。

いつかこの風景の中で素敵な夜を過ごしたいと思ったことがある。
もう10年以上前の初めての関西行でのこと。

乗換の京都ではかつての恋人を。
生きていれば様々を思い出すが、その対象がかつて愛した女性の場合は切なくていいものだ。
オレにとって京都は永遠にそうした存在としてあり続ける。

「駅そば」で大盛きざみうどんを食べる。
二玉入っていたよ。
「駅そば」に大盛があるとは、注文のうるさそうな関西ならではか。

跨線橋から眺めた東山の風景には目も心も奪われた。
今年のセンバツに京都代表が出場しないことが残念だ。

奈良線では眠ってしまった。
そして降りた木津駅周辺に、かつて感じた郷愁はなかった。

駅は工事中で、外では大きな道路を作っている。
降りた先もただ広いだけの味気ない風景だった。

缶コーヒーと煙草と太宰治。
気づくと吹く風は強く冷たく、学研都市線が来るまで凍えた。

学研都市線は単線だった。
そして脇では近鉄京都線が誇らしげに私鉄王国を謳う。

都会は遠く、四条畷あたりから大阪の始まりを感じた。
東京にはないが、大阪の景色には山がある。
小楠公、楠木正行の墓は駅から400メートルほどだという。
河内は山深く、駅からは見事な山塊が見える。

京橋駅は周辺に高層建築物を並べているが、都会の匂いはしない。
愛すべき大阪に着いた。

大阪城公園、森ノ宮、玉造、鶴橋、桃谷、寺田町そして天王寺。

大阪環状線の乗車マナーは素晴らしい。
7人掛けのシートにきちんと7人が収まっている。
東京を恥ずかしく思う。

天王寺は繁栄していた。
駅構内に並んだ公衆電話の数が印象に残っている。

大阪といえばキタとミナミ。
最近じゃそこにアベノが加わったという。

天王寺駅は天王寺区。
通りを挟んだところに立つ近鉄百貨店、大阪阿部野橋駅は阿倍野区。
大阪のややこしさは、同じ場所にありながらJRと私鉄で駅名が違うこと。
それは大阪駅と梅田駅だけの話じゃない。

アベノの繁栄はHOOPができたことから始まったらしい。
音楽会をやっていて、難波娘の関西弁が聞こえてくる。

天王寺動物園脇の坂を下り、阪神高速の高架をくぐると新世界。
演歌が聞こえる通天閣。

新世界に10年前のヤバさはなく、大阪名物ともいえるオッチャン達は駆逐され、通りはきれいになっていた。
そのことを後で入った天王寺商店街の寿司屋の板前に聞いたら、まったくその通りだという。
でもジャンジャン横丁だけは変わっていないという。

その狭いジャンジャン横丁は賑わい、串カツ屋には行列ができて、将棋センターでは自転車で乗りつけたオッチャンが窓越しに対局を眺めている。

南海電車に阪堺電軌。
天王寺周辺を路面電車が走る。

天王寺とはこういう街か。
交通の大要衝地なのだと知って、道理も何もなくうれしかった。

ビール、熱燗、串カツ、どて焼。
それが新世界。
その串カツ屋では大阪の人情を歌った曲が流れ、居合わせた天王寺青年は気持ちよく、死ぬ前の太宰を想った。

天王寺に戻って熱燗と湯豆腐。
ホテルに着くとすぐに眠ってしまった。
天王寺が心地よかった。

大坂夏の陣で決戦が行われた天王寺。
天王寺動物園内には徳川家康が本陣を構えた茶臼山がある。
その歴史的事実を知った12歳の頃から、天王寺はいつか行くべき街だった。

真田幸村が討たれた安居天神にはかつて寄ったことがある。
地図で確かめたらここからすぐのところにある。

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