*

「鉄旅日記」2017年夏【私鉄王国で過ごす夏】3日目(姫路-十三)その2-新開地、湊川、鈴蘭台、三木上の丸、三木城址、三木、粟生、神鉄三田、ウッディタウン中央、横山、有馬口、有馬温泉、鵯越(神戸電鉄有馬線/神戸電鉄粟生線/神戸電鉄三田線/神戸電鉄公園都市線)

公開日: : 最終更新日:2023/06/14 旅話, 旅話 2017年

鉄旅日記2017年8月13日・・・新開地駅、湊川駅、鈴蘭台駅、三木上の丸駅、三木駅、粟生駅、神鉄三田駅、ウッディタウン中央駅、横山駅、有馬口駅、有馬温泉駅、鵯越駅(神戸電鉄有馬線/神戸電鉄粟生線/神戸電鉄三田線/神戸電鉄公園都市線)
8:25 新開地(しんかいち)駅(阪神電鉄神戸高速線/阪急電鉄神戸高速線/神戸電鉄神戸高速線 兵庫県)
神戸高速鉄道、神戸電鉄始発駅。

神戸の私鉄提携事情はよく分からないが、利便性はいいのだろう。

地上に出ると新開地交差点。
神戸駅まで1キロ地点。

神戸電鉄改札前に「駅そば」があった。
ハイカラうどん290円。

腰のない丸いうどんに、ネギと天かす。
うまくもまずくもなかったが、敬意を払って汁まで飲み干した。

新開地交差点

8:48 湊川(みなとがわ)駅(神戸電鉄有馬線 兵庫県)
湊川公園は地上にはなく、駅の真上にあった。

公園を囲むように商店街が形成されていて、新開地方向には新開地アーケード街が延びている。
さっきの交差点までつながっているのだろう。

大楠公の銅像は移設にからみ、囲いの中。

ここはかつての戦場。

楠木正成は絶望的な戦いの中で、自ら死ぬことで、戦いの日々が呆れるほど続いた時代に何かを訴えようとした。

その見事な人柄を悪く表現する書は見られない。

湊川駅周辺風景

湊川公園内、楠木正成公銅像

9:09 鈴蘭台(すずらんだい)駅(神戸鉄道有馬線/神戸鉄道粟生線 兵庫県)
スマホに目を落としているうちに列車は急坂を上り、風景が一変した。

足を踏み入れたことのない地域への旅が始まっている。

鈴蘭台はそんな坂の町。

どこからかラジオの音が聞こえ、ダイエーの営業も始まっていて、母親に連れられた小さな背中が階段を上がっていく。

9:42 三木上の丸(みきうえのまる)駅(神戸電鉄粟生線 兵庫県)
すさまじいまでのセミの声が三木城址から聞こえてくる。

線路はいつの間にか単線になっている。

関西は今日も涼しい。
この間に町歩き。

秀吉の「干し殺し」兵糧攻めに屈した、別所一族と城兵に敬意を。

三木城址にて


三木の町並

10:34 三木(みき)駅(神戸電鉄粟生線 兵庫県)
別所長治公夫妻は美しかったらしい。

町は今も悲劇の城主を慕い、金物と共に観光資源にあてている。

城跡に登り、町を眺める。

川が横切り、やがて往く線路が大きくカーブしている。
よく整った、いい町だ。

湯の山街道を通り、町中へ。
車通りも多く、衰退を感じさせない。

ただ、三木とJR加古川線厄神駅をつないでいた三木鉄道は廃線となり、記念公園ができている。
そこへ行こうと思っていたが、迷ってしまった。

コンビニで、レジの順番を譲った野球少年が丁寧に挨拶してくれた。
彼の資質と、この町の教育の賜物だ。

三木駅のレトロな外観を愛でる。

きっとこの駅も、地元民に愛されているだろう。

11:10 粟生(あお)駅(加古川線/北条鉄道/神戸電鉄粟生線 兵庫県)
ここは小野市。

粟生は8年ぶりになる。

JR、神戸電鉄、北条鉄道の3線が交わる駅で、南欧を連想させるエレガントな駅舎を持つが、そこに町はない。
大きな街道もない。

加古川を再び渡る。

車窓から眺める加古川

13:05 神鉄三田(しんてつさんだ)駅(神戸電鉄三田線 兵庫県)
六甲山を上下する神戸電鉄は、とてもダイナミックかつ過酷な運動を求められる。
驚いたよ。

鈴蘭台で乗り換えてから、人々の暮らしはつながっているが、街はなかった。

三田に下りてきたら、彩りが眩しかった。

8年ぶりの三田。
何も変わっていなくて、人の行き来も多い。

あの当時は、やがて神戸電鉄にまで目を向けるとは思っていなかった。

変わっていないのは仕事くらいで、あとはみんな変わった。

あの頃より断然よくなったよ。

三田駅前にて

13:23 ウッディタウン中央(うっでぃたうんちゅうおう)駅(神戸電鉄公園都市線 兵庫県)
どんな町かと思っていたよ。
ここに終着駅がある。

完成されたニュータウンだった。
この町のニュータウン計画は、成功していそうだ。

この線路は公園都市線で、住民はどこへ通っているのか。
神戸までは1時間ほどか。

巨大イオンが進出し、道は広く、走る車は例外なく飛ばしている。

ただ、駅に人の姿が欠けている。
おそらくこの街区ですべてが揃うのだろう。

こんな日曜日に、町への出入りは多くない。

ウッディタウン中央駅周辺風景

13:41 横山(よこやま)駅(神戸電鉄三田線/神戸電鉄公園都市線 兵庫県)
フラワータウンを過ぎると緑に囲まれ、やがて長いトンネルを潜る。

行きには、これから現れる町に何の予測も持たなかったが、こんな風景の先にあのニュータウンがあったのかと思う。

乗り換え駅の横山で降りて、有馬に戻る列車を待つ。

3分だけ滞在した横山。
なかなかステキな広場があったが、駅前にコンビニや商店はない。

14:01 有馬口(ありまぐち)駅(神戸電鉄有馬線/神戸電鉄三田線 兵庫県)
列車を降りると蜩の声。

天気のことはあまり気にしていなかったが、今日は一応晴れか。

三田じゃ暑かったが、今は涼しい。

駅にもあたりにも旅情があるが、降りてみると料理屋を一軒数えるのみ。

14:24 有馬温泉(ありまおんせん)駅(神戸電鉄有馬線 兵庫県)
日帰りで一風呂浴びにきた人も多い。

装いを見れば分かるよ。

どんな湯治場なのかに興味はあるが、湯にはたいして関心はない。
水風呂の冷たさについてはうるさいけどな。

太閤橋までの僅かな距離を往復。

有馬温泉を有名にしたのは、豊臣秀吉と寧々さんということなのだな。
ふたりの湯治旅行は、史書にもドラマにも描かれている。

たいした人出で、当然のように中国語が交じる。

コンビニでビールと焼き鳥を買って、有馬口行の出発を待つ。

ひとりのオレはこれでいい。

有馬温泉駅周辺風景


15:07 鵯越(ひよどりごえ)駅(神戸電鉄有馬線 兵庫県)
義経が降ってきた神戸。

神戸の海岸線に沿って横長に陣取っていた平家軍は、崖から忽然と現れた騎兵部隊に仰天して、多くの命や悲話を残して海上に去った。

その急坂がトンネルの先に見える。

鵯越の険を進んだという義経。
その鵯越が駅名として残っているとは思っていなかった。

集落の人口は僅かなように見えるが、高台に老人ホームらしき建物が見える。

鈴蘭台とここの間に廃駅があった。
秘境駅として取り上げられた駅だろう。
駅名は覚えていない。

今じゃ少なくなった酒を売っている自販機を見ると、120円の見慣れない第3ビールがある。
ドイツ製で味もいい。

やってきた列車に乗って、義経の道を往く。

見下ろす神戸の街が美しい。

鵯越駅前風景

関連記事

「鉄旅日記」2014年春【青春18きっぷで、紀伊半島へ】初日(東京-紀伊勝浦)その1-熱田、尾頭橋、八田、四日市、亀山、一身田、津、高茶屋、松阪(東海道本線、関西本線、紀勢本線)

鉄旅日記2014年3月8日その1・・・熱田駅、尾頭橋駅、八田駅、四日市駅、亀山駅、一身田駅、津駅、高

記事を読む

「鉄旅日記」2014年夏【青春18きっぷで、中国ぶらぶら旅】3日目(鳥取-米子)その2-電鉄出雲市、川跡、旧大社駅、出雲大社前、雲州平田、松江しんじ湖温泉、松江、乃木、東松江、玉造温泉、揖屋、荒島、米子(一畑電車北松江線/一畑電車大社線/山陰本線)

鉄旅日記2014年8月15日その2・・・電鉄出雲市駅、川跡駅、旧大社駅、出雲大社前駅、雲州平田駅、松

記事を読む

「鉄旅日記」2007年新春【本格的に鉄旅が始まりまして、まずは冬の北陸を目指したのでございます。】2日目(高岡-金沢)-高岡駅前、越ノ潟、高岡、氷見、高岡、城端、金沢(万葉線/氷見線/城端線/北陸本線)

鉄旅日記2007年1月7日・・・高岡駅前駅、越ノ潟駅、高岡駅、氷見駅、高岡駅、城端駅、金沢駅(万葉線

記事を読む

「鉄旅日記」2018年師走【伊勢のいくつもの終着駅に降りまして、神島で2018年最後の満月を眺めたのでございます。】2日目(津-松阪-伊勢奥津-鳥羽-神島)その2-多気、伊勢神宮外宮、伊勢市、鳥羽、鳥羽マリンターミナル(参宮線/鳥羽市営定期船)

鉄旅日記2018年12月23日・・・多気駅、伊勢神宮外宮、伊勢市駅、鳥羽駅、鳥羽マリンターミナル(参

記事を読む

「鉄旅日記」2014年春【青春18きっぷで、丹後若狭から北陸、信州へ】2日目(西舞鶴-魚津)その1-西舞鶴、東舞鶴、若狭高浜、小浜、上中、十村、木ノ本、余呉、高月、永原、敦賀(舞鶴線/小浜線/北陸本線/湖西線)

鉄旅日記2014年3月22日その1・・・西舞鶴駅、東舞鶴駅、若狭高浜駅、小浜駅、上中駅、十村駅、木ノ

記事を読む

「車旅日記」2004年夏【九州を一周してみよう。そう思いたった、真夏の日々でございます。】4日目(鹿児島-田原坂-長崎)走行距離384㎞その2-田原坂古戦場跡、大牟田駅、肥前山口駅、長崎ニューポート

車旅日記2004年8月14日 2004・8・14 17:05 田原坂古戦場跡(8月11日の佐賀空港

記事を読む

「鉄旅日記」2020年弥生【富山地方鉄道に乗りにまいりました。太多線、高山本線に乗るのも楽しみにしていたのでございます。】最終日(速星-東京)その1‐速星、越中八尾、楡原(高山本線)

鉄旅日記2020年3月22日・・・速星駅、越中八尾駅、楡原駅(高山本線) 2020・3・22 7:

記事を読む

「鉄旅日記」2015年春【名鉄電車2DAYフリーきっぷで行く、中京旅】初日その2(東京-岩倉)-三河高浜、碧南、高浜港、亀崎、半田、知多半田、内海、富貴、河和(名鉄三河線/武豊線/名鉄河和線/名鉄知多新線)

鉄旅日記2015年3月7日その2・・・三河高浜駅、碧南駅、高浜港駅、亀崎駅、半田駅、知多半田駅、内海

記事を読む

「鉄旅日記」2018年師走【伊勢のいくつもの終着駅に降りまして、神島で2018年最後の満月を眺めたのでございます。】初日(東京-桑名-阿下喜-西藤原-四日市-内部-西日野-津)その3-河曲、富田浜、河原田、津(関西本線/伊勢鉄道)

鉄旅日記2018年12月22日・・・河曲駅、富田浜駅、河原田駅、津駅(関西本線/伊勢鉄道) 18:1

記事を読む

「鉄旅日記」2013年春【爆弾低気圧襲来日、青春18きっぷで西へ】最終日(和歌山-東京)その2-海老江、野田、吹田、摂津富田、向日町、西大路・・・(東西線、大阪環状線、東海道本線)

鉄旅日記2013年4月7日その2・・・海老江駅、野田駅、吹田駅、摂津富田駅、向日町駅、西大路駅(東西

記事を読む

Message

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

「鉄旅日記」2020年卯月【緊急事態宣言発令直前のことでございます。常磐線全線運転再開を祝して人知れず旅に出たのでございます。】初日(東京-新津)その4‐置賜、高畠、米沢(奥羽本線)

鉄旅日記2020年4月4日・・・置賜駅、高畠駅、米沢駅(奥羽本

「鉄旅日記」2020年卯月【緊急事態宣言発令直前のことでございます。常磐線全線運転再開を祝して人知れず旅に出たのでございます。】初日(東京-新津)その3‐仙台、北山、葛岡、山形(仙山線)

鉄旅日記2020年4月4日・・・仙台駅、北山駅、葛岡駅、山形駅(仙山線

「鉄旅日記」2020年卯月【緊急事態宣言発令直前のことでございます。常磐線全線運転再開を祝して人知れず旅に出たのでございます。】初日(東京-新津)その2‐水戸、いわき、原ノ町、鹿島(常磐線)

鉄旅日記2020年4月4日・・・水戸駅、いわき駅、原ノ町駅、鹿島駅(常

「鉄旅日記」2020年卯月【緊急事態宣言発令直前のことでございます。常磐線全線運転再開を祝して人知れず旅に出たのでございます。】初日(東京-新津)その1‐松戸、土浦、友部(常磐線)

鉄旅日記2020年4月4日・・・松戸駅、土浦駅、友部駅(常磐線) 20

「鉄旅日記」2020年弥生【富山地方鉄道に乗りにまいりました。太多線、高山本線に乗るのも楽しみにしていたのでございます。】最終日(速星-東京)その4‐藤枝、静岡、熱海、上野、北千住(東海道本線/常磐線)

鉄旅日記2020年3月22日・・・藤枝駅、静岡駅、熱海駅、上野駅、北千

→もっと見る

    PAGE TOP ↑