「鉄旅日記」2009年晩秋 最終日(和田山-東京)その1-和田山、福知山、丹波竹田、石生、篠山口、三田、神鉄三田、宝塚、阪急宝塚、川西池田、川西能勢口、伊丹、阪急伊丹(山陰本線/福知山線) 【陰陽を行き来した3日間。この国の秋は美しゅうございました。】
鉄旅日記2009年11月23日・・・和田山駅、福知山駅、丹波竹田駅、石生駅、篠山口駅、三田駅、神鉄三田駅、宝塚駅、阪急宝塚駅、川西池田駅、川西能勢口駅、伊丹駅、阪急伊丹駅(山陰本線/福知山線)
2009・11・23 6:09 和田山(わだやま)駅(山陰本線/播但線 兵庫県)
和田山駅前センター街は夜が続いている。
「道の宿」があった丘からは駅の空が赤く見えた。
あたたかいコーヒーと煙草。
いろいろ評判は悪いが、煙草があってよかったと思っている。
東京に帰ったら、やってやろう。
一番列車に乗る。
線路は播但線と分かれて次の梁瀬へ。
7:13 福知山(ふくちやま)駅(山陰本線/福知山線/舞鶴線/近畿タンゴ鉄道宮福線 京都府)
テレビ塔が白く煙っている。
マラソン参加者の到着はまだだが、1万人ものランナーが押し寄せるという。
この街一番の大変な騒ぎになるのだろう。
プロレスラー小橋建太さんの故郷。
どっこいせ福知山。
丹波の首都はこの街になる。
駅前通りから、あおい通り三丁目商店街、浮世小路。
浮世小路では、ここも京都と物思いにふける。

八坂神社石段下の小路はもっと狭かった。
去り際に彼女とキスをした記憶が蘇る。
列車が走り出す。
お城が見えて、土師川が去り、そして福知山を後にする。
7:31 丹波竹田(たんばたけだ)駅(福知山線 兵庫県)
ここは市島町。
すでに兵庫県に入っている。
昔懐かしい石造りの改札口に駅員の姿はなく、駅前商店もない。
「鉄道を守ろう」との標語がかかる小さな駅で、数分の停車。

7:49 石生(いそう)駅(福知山線 兵庫県)
3分の停車。
駅を出て突き当りには大きな古い家がある。
由緒を感じさせる、とても印象的な町角だった。
駅前の喫茶スナックは営業を続けているのだろうか。

8:30 篠山口(ささやまぐち)駅(福知山線 兵庫県)
霧に煙る篠山口。

天空の城跡がある中心地はここから離れていて、そこに行くにはバスが必要。
駅前には殺風景な大型店があるのみで、弁当屋は閉まっている。
霧が深くなる。
濃厚な山の気配があるが、霧で見えない。
木村拓哉さん演じる「華麗なる一族」に生まれた男は、篠山山中に分け入り、自ら命を絶った。
計画を変更して長駈木津まで走る快速列車に乗る。
8:39古市駅着。
この駅にもかつて寄った。
福知山マラソンの参加者の移動はピークを過ぎたようだ。
大阪からは専用列車も出ていた。
霧の中で太陽が顔を出した。
あの朧な光なら真正面から向き合える。
9:43 三田(さんだ)駅(福知山線 兵庫県)
霧は晴れていない。
日差しは戻った。
ここから福知山線の本数は増える。
阪神地域への入口のような街だが、この先にもまだ鄙はある。

阪急百貨店がある西口を武庫川まで歩く。
アーケード街も色街もあって、都会の面相も持つ街だった。
この国にはまだまだ知らない街がある。
神戸電鉄の終着駅がここにある。
霧が晴れた。
神鉄三田(しんてつさんだ)駅(神戸電鉄三田線 兵庫県)にて

10:29 宝塚(たからづか)駅(福知山線 兵庫県)
降りてみて驚いた。
格調高い街。
高台には高級住宅地が雛壇上に並び、品のない店の類は見当たらず、阪急の街であることが判る。

三田からは面相を変えた武庫川が川幅を広げて流れ、阪急電鉄はここ宝塚に始発駅を置いて、偉大なる街を造った。
JR駅はとても小さくて貧相だと振り返ると、その脇に阪急駅を意識したような新駅舎を建造中で、ほぼ出来上がっている。
ほんの少しだが、阪急駅への遠慮があるように思える。


宝塚大劇場は花の通りを抜けた川べりにあるようだ。
列車から見えるだろうか。
今までこんなにも優雅な街に降りたことはない。
阪急宝塚(はんきゅうたからづか)駅(阪急電鉄宝塚線/阪急電鉄今津線 兵庫県)にて

11:03 川西池田(かわにしいけだ)駅(福知山線 兵庫県)
何もないと思わせる駅だった。

今見えている眺めも何の変哲もない郊外風景だが、5分ほど歩いたところに阪急、ジャスコ、西友が固める街中に川西能勢口駅があった。
阪急と能勢電鉄が乗り入れていて、能勢電鉄はここが始発駅になる。
ここらあたりの関西とはまるで縁を持たなかった。
街の名も、そこを走る鉄道の存在も知識の中にはない。
関西にはこうして散発的に街が存在していて、東京には伝わらない底知れない実力を持っている。
彼等の話す言葉も含めて独立圏のように感じている。
改札前ですれ違おうとした爺さんが、大相撲でかつて舞の海関がよく見せた、横に大きく飛んで相手をかわす立ち合いのように、大袈裟に横に飛び、「ぶつかるがな!」と大きく叫び、驚いた表情を向ける。
ぶつからないような間合いで歩いていたのだが。
そんな経験もまた関西らしい。
川西能勢口(かわにしのせぐち)駅(阪急電鉄宝塚線/能勢電鉄 兵庫県)

11:48 伊丹(いたみ)駅(福知山線 兵庫県)
背後にアウトレットモールを持つ。
ここから阪急駅まで街は長かった。
阪神淡路大震災で駅が崩壊した阪急駅は終着駅だった。
私鉄王国関西の鉄道事情を熟知できるのはいつになるだろうか。
JR駅前に有岡城址が残る。
織田信長に叛いた荒木村重が籠り、滅ぼされた街。
開城にあたり、城内にいた者は老幼共に斬られる悲劇が起こった。
土産は酒蔵通りで揃えた。
酒屋ではトム・ウェイツの「トム・トラバーツ・ブルース」が流れていた。
彼女に連絡しよう。
最近はちょっと錯綜していて、いろいろなことがうまくいかず、彼女に対する気持ちも説明のつけられない状態に陥っていて、問題が片づく見込みも立たない。
でも土産は必要だった。

阪急伊丹(はんきゅういたみ)駅(阪急電鉄伊丹線 兵庫県)にて

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