「鉄旅日記」2018年弥生【青春18きっぷを握り、目指したのはまたしても会津。練馬から旅立つ最後の旅でございます。】最終日(会津若松-新潟-吉田-三条-東京)その3-燕三条、北三条、三条、長岡、水上、高崎(弥彦線/信越本線/上越線)
鉄旅日記2018年3月4日・・・燕三条駅、北三条駅、三条駅、長岡駅、水上駅、高崎駅(弥彦線/信越本線/上越線)
14:24 燕三条(つばめさんじょう)駅(上越新幹線/弥彦線 新潟県)
日本一の大鳥居を持つ越後一宮弥彦神社。
その鳥居を模した入場口が弥彦線ホームへと誘う。
「合格祈願にどうぞ」と駅では謳っている。
さらに「すべての受験生を応援している」というメッセージが壁に貼られていた。
駅の展示スペースでは「金物の街」をPRしている。
巨大な駅舎だが、1階に三条カレーラーメン、2階に「駅そば」とNEWDAYSがあるだけで、がらんとした構内だった。
新幹線のおもちゃと、同じく新幹線の靴下を土産に買う。
喜ぶ顔を見る機会に恵まれることを願う。
駅を出ると全国チェーンのビジネスホテルが2、3と「カツや」。
8号国道を歩いていく。
14:59 北三条(きたさんじょう)駅(弥彦線 新潟県)
信濃川が枝分かれをする様に感嘆して、こんな風景に出会う旅を計画できたことを喜ぶ。
曇り始めた空が雲を芸術的に配置していて、スマホを向ける。
1時間以上歩き続けている。
そろそろ腰に痛みを感じ始めていた。
川を渡り終えると弥彦線の高架線路が目の前を横切るように見える。
高架下が遊歩道のようになっている。
かつては地べたを走っていたであろう弥彦線。
言ってみれば廃線跡だ。
弥彦線はこの先の東三条がまでだが、1985年まではその先に弥彦東線が延びていて、3駅先の越後長沢を終点にしていた。
当初の構想は、さらに只見まで延ばすという壮大なものだったとのこと。
やがて駅舎に突き当たる。
駅長さんにきっぷを見せて高架ホームに上がる。
間もなく弥彦行がやってくる。
錆を浮かべてはいるが、人気のない場所に敷かれた一本の線路が続いて行く様はとても詩的だ。
15:42 三条(さんじょう)駅(信越本線 新潟県)
コンビニ、酒屋を探して余計に歩いた。
コンビニは新潟日報販売店になり、酒屋はシャッターを下ろしていた。
サカイボウルが駅前を占めている。
錆び付いた建物は撤退後を予感させたが、ボウルが威勢よく転がる音がしている。
部外者ながら、営業していてよかったと思う。
カラスの鳴き声が響く静かな街。
日本旅館のような駅舎を市民は誇りに思うべきだ。
北三条から古い通りが延びている。
脇を覗けばホテルがあり、由緒を持つであろう大きな古い建物が連なる。
突き当たればそこはアーケード街で車が行き交う。
ロイヤルホテルを覚えている。
三条駅を示す道を曲がり、川を渡ってしばらくするとサカイボウルに出る。
三条駅を見た時はその偉容に打たれた。
角に旅館兼食堂が営業している。
フレンチレストランが一軒異彩を放っていた。
三条はジャイアント馬場さんの生まれ故郷。
そうした縁から三条ではテレビマッチや王座戦が多く組まれてきた。
全日本プロレスから連なる系譜を愛する身として、彼への尊敬は生涯変わることはない。
16:27 長岡(ながおか)駅(上越新幹線/信越本線/上越線 新潟県)
上越線水上行に乗り換え。
大きな街。
大きな駅。
でも長岡でこれほどの人海に紛れるとは思っていなかった。
駅に突き当たるを通りを、まるで海へ流れ込む川の流れのように車が左右に分かれていく。
その様がなぜだかあの時のオレには雄大な眺めに見えた。
何度も降りてきたし、泊まったこともあるが、あらためて駅前の巨大さに驚かされた。
水上行の席は埋まっている。
湯沢あたりで空いて酒でも飲めればと思っている。
18:35 水上(みなかみ)駅(上越線 群馬県)
信濃川が流れる越後川口あたり。
魚沼の白い山脈。
混みあっていて雪見酒とはいかなかったけど、飽きない眺めだった。
3週間前にも同じように眺めたけど、それまではずいぶん久しぶりだった。
雪山に向かっていた時代が懐かしい。
父子連れを結構見かける。
今後のオレたちを想い、切なくなる。
はっきりと、寂しいよ。
水上の灯は消えていた。
寒気はなく、昨日の雑踏もなく、町に音もなく、各車両にわずかな客を乗せて高崎に向かう。
19:59 高崎(たかさき)駅(上越新幹線/北陸新幹線/信越本線/高崎線/上越線/両毛線/吾妻線/上信電鉄 新潟県)
帰りはグリーン車で。
フリーきっぷ利用者の誇りだ。
もっとも今年からだ。
川上弘美さんの短編を読んでいる。
図らずも孤独な男女の話ばかりだ。
沼田、渋川、新前橋。
街の灯はやさしい。
空いた車内に話し声はなく、ローカル列車を選んだ者たちの親密な空気を嗅いでいた。
高崎駅は生まれ変わっていた。
これと言って特徴の見当たらない駅ビルだったのが、流線形のモダンなデザインになっている。
無常も悪くない。
この列車は小田原行。
このまま乗っていたいよ。
行田駅で、「遠い昔のことさ」と発車ベルが鳴る。
関連記事
-
-
「鉄旅日記」2019年霜月【津軽鉄道、弘南鉄道に乗りにいきました。羽州街道を歩いた晩秋の旅でございます。】最終日(北上-東京)その1‐北上、横手、醍醐、十文字、下湯沢(北上線/奥羽本線)
鉄旅日記2019年11月4日・・・北上駅、横手駅、醍醐駅、十文字駅、下湯沢駅(北上線/奥羽本線) 2
-
-
「鉄旅日記」2017年夏【私鉄王国で過ごす夏】最終日(十三-東京)その2-野洲、米原、神領、定光寺、中津川、塩尻、岡谷、日野(東海道本線/中央本線)
鉄旅日記2017年8月14日・・・野洲駅、米原駅、神領駅、定光寺駅、中津川駅、塩尻駅、岡谷駅、日野駅
-
-
「鉄旅日記」2007年皐月【夜汽車に乗って東京を離れ、山陰山陽へ。鉄旅最初の長旅でございました。】最終日(岡山-東京)-岡山、長船、明石、米原、大垣、沼津、平塚、北千住、東京葛飾(山陽本線/赤穂線/東海道本線)
鉄旅日記2007年5月6日・・・岡山駅、長船駅、明石駅、米原駅、大垣駅、沼津駅、平塚駅、北千住駅(山
-
-
「鉄旅日記」2005年秋【軽井沢で挙式する身内を祝うために、初めて鉄道で旅をいたしました。ここから鉄旅が始まったのでございます。】2日目(名古屋-塩尻-小淵沢-小諸-中軽井沢)-名古屋、高蔵寺、多治見、中津川、木曽平沢、塩尻、小淵沢、中込、小諸、中軽井沢(中央本線/小海線/しなの鉄道)
鉄旅日記2005年11月6日・・・名古屋駅、高蔵寺駅、多治見駅、中津川駅、木曽平沢駅、塩尻駅、小淵沢
-
-
「鉄旅日記」2019年弥生Part.3【明知鉄道、名鉄築港線。その2線に乗るために、東海道を下っていったのでございます。】初日(東京-多治見)その1-金町、三島、修善寺、蒲原、島田(常磐線/東海道本線/伊豆箱根鉄道駿豆線)
鉄旅日記2019年3月23日・・・金町駅、三島駅、修善寺駅、蒲原駅、島田駅(常磐線/東海道本線/伊豆
-
-
「鉄旅日記」2019年長月【三陸鉄道、八戸線に乗りにいきました。区界、吉里吉里など、駅旅の者として見過ごせない駅にも寄りましてございます。】初日(東京-盛岡)その2-郡山、福島、曽根田、仙台、一ノ関(東北本線)
鉄旅日記2019年9月21日・・・郡山駅、福島駅、曽根田駅、仙台駅、一ノ関駅(東北本線) 11:08
-
-
「鉄旅日記」2020年文月【コロナ禍でございます。内緒の旅でございました。余部鉄橋へ。萩へ。霧の街へ。東京五輪延期で浮いた4連休の記録でございます。】3日目(萩-三次)その4‐宍道、加茂中、出雲横田、出雲坂根(木次線)
鉄旅日記2020年7月25日・・・宍道駅、加茂中駅、出雲横田駅、出雲坂根駅(木次線) 13:
-
-
「車旅日記」2005年初夏【長岡、会津、庄内。戊辰戦争ゆかりの地を巡りたかったのだと記憶しております。】初日(長岡-会津-福島-山形)走行距離388㎞ その1-長岡駅、小出駅、田子倉駅、只見駅、会津水沼駅、会津坂下駅、猪苗代駅
車旅日記2005年7月16日・・・長岡駅、小出駅、田子倉駅、只見駅、会津水沼駅、会津坂下駅、猪苗代駅
-
-
「鉄旅日記」2020年弥生【富山地方鉄道に乗りにまいりました。太多線、高山本線に乗るのも楽しみにしていたのでございます。】2日目(高山-速星)その5‐府中鵜坂、西富山、速星(高山本線)
鉄旅日記2020年3月21日・・・府中鵜坂駅、西富山駅、速星駅(高山本線) 17:53 婦中鵜坂(
-
-
「JR東海&16私鉄乗り鉄☆たびきっぷ」でめぐる東海旅】最終日(桑名-揖斐-樽見-金城ふ頭-東京)その2-大垣、名古屋、金城ふ頭、豊橋、磐田、焼津(東海道本線/名古屋臨海高速鉄道あおなみ線)
鉄旅日記2018年9月16日・・・大垣駅、名古屋駅、金城ふ頭駅、豊橋駅、磐田駅、焼津駅(東海道本線/