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「鉄旅日記」2018年弥生 初日 最終日(会津若松-東京)その3-燕三条、北三条、三条、長岡、水上、高崎(弥彦線/信越本線/上越線)【青春18きっぷを握り、目指したのはまたしても会津。練馬から旅立つ最後の旅でございます。】

公開日: : 最終更新日:2025/05/13 旅話, 旅話 2018年

鉄旅日記2018年3月4日・・・燕三条駅、北三条駅、三条駅、長岡駅、水上駅、高崎駅(弥彦線/信越本線/上越線)

14:24 燕三条(つばめさんじょう)駅(上越新幹線/弥彦線 新潟県)
日本一の大鳥居を持つ越後一宮弥彦神社。
その鳥居を模した入場口が弥彦線ホームへと誘う。

「合格祈願にどうぞ」と駅では謳っている。
さらに「すべての受験生を応援している」というメッセージが壁に貼られていた。

駅の展示スペースでは「金物の街」をPRしている。

巨大な駅舎だが、1階に三条カレーラーメン、2階に「駅そば」とNEWDAYSがあるだけで、がらんとした構内だった。

新幹線のおもちゃと、同じく新幹線の靴下を土産に買う。
喜ぶ顔を見る機会に恵まれることを願う。

駅を出ると全国チェーンのビジネスホテルが2、3と「カツや」。

8号国道を歩いていく。

14:59 北三条(きたさんじょう)駅(弥彦線 新潟県)
信濃川が枝分かれをする様に感嘆して、こんな風景に出会う旅を計画できたことを喜ぶ。

曇り始めた空が雲を芸術的に配置していて、スマホを向ける。

1時間以上歩き続けている。
そろそろ腰に痛みを感じ始めていた。

川を渡り終えると弥彦線の高架線路が目の前を横切るように見える。
高架下が遊歩道のようになっている。

かつては地べたを走っていたであろう弥彦線。
言ってみれば廃線跡だ。

弥彦線はこの先の東三条がまでだが、1985年まではその先に弥彦東線が延びていて、3駅先の越後長沢を終点にしていた。
当初の構想は、さらに只見まで延ばすという壮大なものだったとのこと。

やがて駅舎に突き当たる。
駅長さんにきっぷを見せて高架ホームに上がる。

間もなく弥彦行がやってくる。

錆を浮かべてはいるが、人気のない場所に敷かれた一本の線路が続いて行く様はとても詩的だ。

15:42 三条(さんじょう)駅(信越本線 新潟県)
コンビニ、酒屋を探して余計に歩いた。

コンビニは新潟日報販売店になり、酒屋はシャッターを下ろしていた。

サカイボウルが駅前を占めている。
錆び付いた建物は撤退後を予感させたが、ボウルが威勢よく転がる音がしている。
部外者ながら、営業していてよかったと思う。

カラスの鳴き声が響く静かな街。
日本旅館のような駅舎を市民は誇りに思うべきだ。

北三条から古い通りが延びている。
脇を覗けばホテルがあり、由緒を持つであろう大きな古い建物が連なる。

突き当たればそこはアーケード街で車が行き交う。
ロイヤルホテルを覚えている。


三条駅を示す道を曲がり、川を渡ってしばらくするとサカイボウルに出る。
三条駅を見た時はその偉容に打たれた。

角に旅館兼食堂が営業している。
フレンチレストランが一軒異彩を放っていた。

三条はジャイアント馬場さんの生まれ故郷。
そうした縁から三条ではテレビマッチや王座戦が多く組まれてきた。

全日本プロレスから連なる系譜を愛する身として、彼への尊敬は生涯変わることはない。

16:27 長岡(ながおか)駅(上越新幹線/信越本線/上越線 新潟県)
上越線水上行に乗り換え。

大きな街。
大きな駅。

でも長岡でこれほどの人海に紛れるとは思っていなかった。
駅に突き当たるを通りを、まるで海へ流れ込む川の流れのように車が左右に分かれていく。

その様がなぜだかあの時のオレには雄大な眺めに見えた。

何度も降りてきたし、泊まったこともあるが、あらためて駅前の巨大さに驚かされた。

水上行の席は埋まっている。
湯沢あたりで空いて酒でも飲めればと思っている。

18:35 水上(みなかみ)駅(上越線 群馬県)
信濃川が流れる越後川口あたり。
魚沼の白い山脈。

混みあっていて雪見酒とはいかなかったけど、飽きない眺めだった。

3週間前にも同じように眺めたけど、それまではずいぶん久しぶりだった。
雪山に向かっていた時代が懐かしい。

父子連れを結構見かける。
今後のオレたちを想い、切なくなる。

はっきりと、寂しいよ。

水上の灯は消えていた。
寒気はなく、昨日の雑踏もなく、町に音もなく、各車両にわずかな客を乗せて高崎に向かう。

19:59 高崎(たかさき)駅(上越新幹線/北陸新幹線/信越本線/高崎線/上越線/両毛線/吾妻線/上信電鉄 新潟県)
帰りはグリーン車で。
フリーきっぷ利用者の誇りだ。
もっとも今年からだ。

川上弘美さんの短編を読んでいる。
図らずも孤独な男女の話ばかりだ。

沼田、渋川、新前橋。
街の灯はやさしい。

空いた車内に話し声はなく、ローカル列車を選んだ者たちの親密な空気を嗅いでいた。

高崎駅は生まれ変わっていた。
あるいはこの姿を実は知らずにいたのか。流線形の艶やかなデザインになっている。

無常も悪くない。

この列車は小田原行。
このまま乗っていたいよ。

行田駅で、「遠い昔のことさ」と発車ベルが鳴る。

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