「鉄旅日記」2020年文月 初日(東京-香住)その5‐並河、園部、胡麻、下山、福知山(山陰本線) 【コロナ禍でございます。内緒の旅でございました。余部鉄橋へ。萩へ。霧の街へ。東京五輪延期で浮いた4連休の記録でございます。】
鉄旅日記2020年7月23日・・・並河駅、園部駅、胡麻駅、下山駅、福知山駅(山陰本線)
16:31 並河(なみかわ)駅(山陰本線 京都府)
千代川駅から上り列車に乗る。そしてひと駅。時刻表通りの運行なら、かろうじて並河駅に降りる時間を確保できる。
16:28着。町中のような駅前風景を写すと、下り列車の接近を告げる警告音が鳴る。

振り返って洒落た駅舎を写す。若い男女の駅員が談笑している。
清々しい光景と受けとったよ。事実彼等の対応は清々しい。

16:31発、園部行に乗る。滞在時間3分。
車窓に丹波松茸の文字を見る。
16:46 園部(そのべ)駅(山陰本線 京都府)
16:44着。接続2分で向かいのホームに福知山行が待っている。

内閣官房長官や様々な大臣を歴任して自民党幹事長にもなり、2年前に亡くなった野中広務代議士の地盤だったのが園部。
自民党には仕事上での義理があるが、彼の政治姿勢を尊敬していた。そして彼は同和地区の出自を隠さなかった。
通称嵯峨野線はここ園部まで。園部から先は列車の本数も減ってくる。
これより先は但馬、因幡と本格的に山陰路をたどる。
何年振りだろう。気分の高揚を覚える。
17:07 胡麻(ごま)駅(山陰本線 京都府)
特急の通過待ちと時間調整のため8分の停車。園部から先は単線区間となり、このような停車が増える。

先を急ぐのなら特急に乗ればいい。オレはこうしてひと駅ひと駅止まって、できれば駅と、そして共同体を写して帰りたい。
胡麻にも、そのようにして降りるのは2度目になる。


駅前風景はまるで記憶に残っておらず、谷間を往く風光明媚な道程の途中だったとのみ記されている。
17:23 下山(しもやま)駅(山陰本線 京都府)
上り特急との行き違い7分の停車。迎えの車が行ってしまうと駅前は閑散となる。


見覚えはある。駅到着前にはこの深い谷間を形成した川筋が見えるから。
あの川辺に下りたいと思うが、川筋は視界の遥か下を流れている。
鉄路に沿った旧街道を思わせる趣ある車道。あぁそうだったな。この景色は前回写していない。
ここにもこうして2度目の下車になる。
18:25 福知山(ふくちやま)駅(山陰本線/福知山線/舞鶴線/京都丹後鉄道宮福線 京都府)
18:05着。車窓から見える福知山城の天守閣は記憶よりもはるかに立派で、福知山への再訪を自身促す結果になった。福知山城は明智光秀が築いた城だったとは不覚にも知らなかった。

福知山線とは高架で交わる福知山駅。こうなる前の姿をオレは知っている。


当時とは駅前も姿を変えている。この商店街を歩きもしたよ。




直近の記憶では北近畿タンゴ鉄道の名称で運行していた路線は、京都丹後鉄道に名称変更をしていた。2015年からのことだという。
かつて車寅次郎も訪ねた丹後。「そのうちまた丹後に向けて風が吹くこともあるだろう」との言葉を残して涙したヤクザ者。
オレにもまた丹後へと誘う風がそのうち吹くだろう。名残もある。


山陰地域は歴史の裏側に多く記されているのだろう。
鬼もいれば蛇もいた平安京。京都盆地のように福知山も山に囲まれ、近くの大江山には鬼がいたと伝わる。
その鬼たちが都を制圧しに来るかのように、時に福知山健児が甲子園に現れる。
関連記事
-
-
「鉄旅日記」2021年春 初日(東京-松本)その4 ‐妙高高原、黒姫、篠ノ井、姨捨(しなの鉄道北しなの線/篠ノ井線) 【週末パスで信濃へ。妙高高原駅で引き返し、松本の友人を訪ね、大糸線を旅して思い出の白馬へ。先の旅から一週間後のことでございました。】
鉄旅日記2021年4月24日・・・妙高高原駅、黒姫駅、篠ノ井駅、姨捨駅(しなの鉄道北しなの線/篠ノ
-
-
「鉄旅日記」2021年秋 最終日(飯坂温泉-東京)その1 ‐飯坂温泉駅、福島駅(福島交通飯坂線/奥羽本線) 【4度目の緊急事態宣言明け。これ以降そのようなものが発令されることはございませんでした。阿武隈急行、峠駅、立石寺。お宿は飯坂温泉。秋の東北を満喫すべく常磐線に乗りました。】
鉄旅日記2021年10月10日・・・飯坂温泉駅、福島駅(福島交通飯坂線/奥羽本線) 2021
-
-
「鉄旅日記」2018年弥生 最終日(会津若松-新潟-吉田-三条-東京)その2-新潟、白山、内野、巻、吉田、燕(越後線/弥彦線) 【青春18きっぷを握り、目指したのはまたしても会津。練馬から旅立つ最後の旅でございます。】
鉄旅日記2018年3月4日・・・新潟駅、白山駅、内野駅、巻駅、吉田駅、燕駅(越後線/弥彦線) 11
-
-
「鉄旅日記」2017年秋 その1-東長崎、本鵠沼、鵠沼海岸、藤沢、石上、柳小路、鵠沼、湘南海岸公園、鎌倉(西武池袋線/小田急電鉄江ノ島線/江ノ島電鉄) 【湘南へ向かう休日。江ノ電に乗りに行ったのでございます。】
鉄旅日記2017年11月12日・・・東長崎駅、本鵠沼駅、鵠沼海岸駅、藤沢駅、石上駅、柳小路駅、鵠沼駅
-
-
「鉄旅日記」2020年弥生 2日目(高山-速星)その3‐岩峅寺、立山、電鉄富山、富山(富山地方鉄道立山線/富山地方鉄道不二越・上滝線) 【富山地方鉄道に乗りにまいりました。太多線、高山本線に乗るのも楽しみにしていたのでございます。】
鉄旅日記2020年3月21日・・・岩峅寺駅、立山駅、電鉄富山駅、富山駅(富山地方鉄道立山線/富山地方
-
-
「鉄旅日記」2019年長月 最終日(宮古-東京)その1‐宮古、岩手船越、浪板海岸、吉里吉里(三陸鉄道リアス線) 【三陸鉄道、八戸線に乗りにいきました。区界、吉里吉里など、駅旅の者として見過ごせない駅にも寄りましてございます。】
鉄旅日記2019年9月23日・・・宮古駅、岩手船越駅、浪板海岸駅、吉里吉里駅(三陸鉄道リアス線)
-
-
「鉄旅日記」2022年新春 2日目(湯瀬温泉-三沢)その2 ‐東大館、大館、弘前(花輪線/奥羽本線) 【巨大な土偶が貼りつく木造駅を見たくて冬の東北を旅しました。】
鉄旅日記2022年1月9日・・・東大館駅、大館駅、弘前駅(花輪線/奥羽本線) 9:53 東
-
-
2018年初秋 最終日(桑名-東京)その1-桑名、養老、大垣、揖斐、垂井、美江寺、本巣、樽見(養老鉄道/東海道本線/樽見鉄道) 【JR東海&16私鉄乗り鉄☆たびきっぷ」でめぐる東海旅】
鉄旅日記2018年9月16日・・・桑名駅、養老駅、大垣駅、揖斐駅、垂井駅、美江寺駅、本巣駅、樽見駅(
-
-
「鉄旅日記」2021年師走 最終日(古川-東京)その4 ‐立小路、赤倉温泉、村山、さくらんぼ東根(陸羽東線/奥羽本線/山形新幹線) 【特急乗り放題の大人の休日倶楽部パスで冬の国へ。山田線完全乗車と鳴子温泉郷を始めとした陸羽東線沿線を歩くことが目的でございました。】
鉄旅日記2021年12月5日・・・立小路駅、赤倉温泉駅、村山駅、さくらんぼ東根駅(陸羽東線/奥羽本
-
-
「車旅日記」2000年夏Part.2 3日目(福山-宇部)尾道西PA、奥屋PA、温品PA、玖珂PA 【友を訪ねて備後福山へ。長門宇部へ。2000㎞に及ぶ長大な旅路でございました。】
車旅日記2000年8月14日 3日目(福山-宇部)尾道西PA、奥屋PA、温品PA、玖珂PA 200