*

「鉄旅日記」2020年文月 初日(東京-香住)その6‐上川口、養父、豊岡、香住(山陰本線) 【コロナ禍でございます。内緒の旅でございました。余部鉄橋へ。萩へ。霧の街へ。東京五輪延期で浮いた4連休の記録でございます。】

公開日: : 最終更新日:2025/05/05 旅話, 旅話 2020年

鉄旅日記2020年7月23日・・・上川口駅、養父駅、豊岡駅、香住駅(山陰本線)

18:35  上川口(かみかわぐち)駅(山陰本線 京都府)
列車行き違い7分の停車。

曇り空に隙間ができて青が覗く。

耳を澄ますわけでもなく、ヒグラシの声が聞こえてくる。

はっと我にかえってあたりを見渡せば、緑濃い古里。

東京で暮らしちゃいるが、オレも元来こっち側の人間だよとささやけば、駅前はもう馴染みの村だ。

送迎車があらかた去って、ひとり残った少女が加わる駅前風景を写す。

19:23  養父(やぶ)駅(山陰本線 兵庫県)

列車行き違い5分の停車。

養父は、山陰本線の中でも町の格を持つ駅だと思っていたよ。

地名に接したことがあるんだ。あるいは昭和に幕を閉じた国際プロレスの王座戦が組まれた町だったのかもしれない。贔屓にしているプロレスリング・ノアに所属するハイフライヤー、YO-HEY選手の故郷でもある。

初めて降りる養父駅前に父兄の迎車はなく、静かにヒグラシの声を聞いていた。

古里が暮れゆく光景に接して、それを美しいと感じる自身と、所詮ははかない2020年の夏の記憶と感じる自身がいる。

今分かったが、それを選ぶのは神じゃない。

20:01  豊岡(とよおか)駅(山陰本線/京都丹後鉄道宮舞・宮豊線 兵庫県)
街は今日7/23を終えている。構わないよ。とっくに日は暮れている。それでいいさ。

豊岡に降りるのは何年振りになるだろう。オレとの関係性からいえば、無沙汰を詫びる間柄じゃない。これまでに何度も足を運んできたんだ。互いの息災を祝うのが最初の礼儀。

それにしても、豪雨にさらされニュース沙汰にもなったあの頃からいく年が過ぎたか。

粗忽にも程があるが、オレはもう何もかもを記憶していない。

駅を眺めても、何だかよそよそしく感じたよ。あるいは夜ここにいるのが初めてだからなのかもしれない。

気の利いた飲み屋でもあればこの街で一杯ひっかけてから香住に向かってもいいと、アーケード街を一度往復した。

でも時間は過ぎた。日本海が見える海辺の町へいく。

福知山から先は有人改札になっている。珍しさの影で、人口減少が続くこの国はどこを目指している?との質問用紙は必要だろう。誰が答えるべきなのかはオレにも分からないが、そんなオレもある氷山の一角では先の質問に答える立場にいる。

かつてはどの駅にも駅員がいたんだ。だから活気もあったのだと言える。

山陰本線は京都から歩を進めるに従って車両が古くなる。かつての江夏豊投手や、晩年に代打に回った若松勉選手のように、千両役者が現れたかのような感慨にふける。

20:58 香住(かすみ)駅(山陰本線 兵庫県)

関連記事

「鉄旅日記」2019年年始 初日(東京-一ノ関)その1-金町、上野、高崎、六日町、長岡、見附(常磐線/高崎線/上越線/信越本線) 【雪が見たくて北へ向かいました。そして初めて仙台空港線に乗ったのでございます。】

鉄旅日記2019年1月5日・・・金町駅、上野駅、高崎駅、六日町駅、長岡駅、見附駅(常磐線/高崎線/上

記事を読む

「鉄旅日記」2020年盛夏 最終日(門司港-東京)その4‐周防高森、徳山、下松、光(岩徳線/山陽本線)/虹ヶ浜 【コロナ禍の内緒旅VOl.2。宮島へ。錦帯橋へ。筑豊へ。島原へ。千綿駅へ。そして若松~戸畑の渡船。日本晴れの4日間の記録でございます。】

鉄旅日記2020年8月16日・・・周防高森駅、徳山駅、下松駅、光駅(岩徳線/山陽本線)/虹ヶ浜

記事を読む

「車旅日記」2003年夏 4日目(帯広-札幌)走行距離374㎞ -帯広東急イン、帯広緑ヶ丘公園、忠類、襟裳岬、様似駅、静内駅、恵庭中島公園、札幌東急イン 【北海道初上陸。2,300㎞を移動した5日間の記録でございます。】

車旅日記2003年8月16日・・・帯広東急イン、帯広緑ヶ丘公園、忠類、襟裳岬、様似駅、静内駅、恵庭中

記事を読む

「鉄旅日記」2013年春【青春18きっぷで、甲斐駿河途中下車旅】その1-新宿、初狩、笹子、酒折、善光寺、甲斐岩間、波高島、内船、芝川、西富士宮(中央本線、身延線)

鉄旅日記2013年3月3日その1・・・新宿駅、初狩駅、笹子駅、酒折駅、善光寺駅、甲斐岩間駅、波高島駅

記事を読む

「鉄旅日記」2019年長月 2日目(盛岡-宮古)その4-陸奥湊、白銀、鮫、久慈、宮古(八戸線/三陸鉄道リアス線) /蛇の目寿司【三陸鉄道、八戸線に乗りにいきました。区界、吉里吉里など、駅旅の者として見過ごせない駅にも寄りましてございます。】

鉄旅日記2019年9月22日・・・陸奥湊駅、白銀駅、鮫駅、久慈駅、宮古駅(八戸線/三陸鉄道リアス線)

記事を読む

「車旅日記」2004年春 4日目(旭川-稚内)走行距離428㎞その1-藤田観光ワシントンホテル、愛別駅、上川駅、白滝駅、丸瀬布駅、遠軽市太陽の丘公園 瞰望岩、遠軽駅、オホーツク氷紋の駅 【旭川に下りて、思う存分に北の大地を走った旅の記録でございます】

車旅日記2004年5月4日・・・藤田観光ワシントンホテル、愛別駅、上川駅、白滝駅、丸瀬布駅、遠軽市太

記事を読む

2022年初秋【SNSへの投稿より】両国散歩-両国駅、吉良邸跡、回向院、鼠小僧供養墓、国技館、旧国技館(日大講堂)跡、隅田川、両国物語

【2022年9月8日 両国散歩】 お得意先を訪ね、お昼時に町に着きました。

記事を読む

「鉄旅日記」2019年霜月 初日(東京-五所川原)その3‐小牛田、一ノ関、盛岡、八戸、野辺地(東北本線/IGRいわて銀河鉄道/青い森鉄道) 【津軽鉄道、弘南鉄道に乗りにいきました。羽州街道を歩いた晩秋の旅でございます。】

鉄旅日記2019年11月2日・・・小牛田駅、一ノ関駅、盛岡駅、八戸駅、野辺地駅(東北本線/IGRいわ

記事を読む

「鉄旅日記」2021年皐月 最終日-勝浦駅、大原駅、大多喜駅、上総中野駅、養老渓谷駅、五井駅(外房線/いすみ鉄道/小湊鉄道)/養老渓谷2階建てトンネル 【ツレと房総に出かけました。宿泊地は勝浦でございます。房総横断鉄道に乗り、養老渓谷でも思い出深い時を過ごしたのでございます。】

鉄旅日記2021年5月23日・・・勝浦駅、大原駅、大多喜駅、上総中野駅、養老渓谷駅、五井駅(外房線

記事を読む

「鉄旅日記」2021年夏 初日(東京-上田)その3 ‐しんざ、十日町、越後鹿渡、津南、戸狩野沢温泉(北越急行ほくほく線/飯山線) 【4度目の緊急事態宣言前。飯山線に乗りたくて旅を思い立ちました。湯檜曽駅で夏の第一声を聞き、信越路を歩いた記録でございます。】

鉄旅日記2021年7月10日・・・しんざ駅、十日町駅、越後鹿渡駅、津南駅、戸狩野沢温泉駅(北越急行

記事を読む

Message

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

「車旅日記」2001年盛夏 初日(東京-琵琶湖西)その1-高尾山口駅、道の駅甲斐大和、道の駅信州蔦木宿【思い出深き四国初上陸でございます。福山に帰省していた友と待ち合わせ、いつも想っていたのは京都の彼女のことでございます。】

車旅日記2001年8月10日~11日 高尾山口駅、道の駅甲斐大和、道

2023年 台風頃【SNSへの投稿より】水没した江戸川河川敷の衝撃を残した記録でございます。

台風2号の接近にともなう記録的豪雨により、たいへんな思いをされた方々

「鉄旅日記」2023年入梅の頃 ツレと訪ねた塩原温泉郷での記憶でございます。/西那須野駅【Facbookへの投稿より振り返ります。】

【塩原温泉郷でいくぶん熱めの湯につかってまいりました】 JR西

「鉄旅日記」2023年浅春 最終日(松本-東京)その3 ‐茅野、甲府、高尾、中野(中央本線)【友を訪ねての信濃旅でございます。篠ノ井線全駅下車を果たした旅でもございました。】

鉄旅日記2023年3月5日・・・茅野駅、甲府駅、高尾駅、中野駅(中央

「鉄旅日記」2023年浅春 最終日(松本-東京)その2 ‐稲荷山、姨捨、田沢、坂北、西条(篠ノ井線)【友を訪ねての信濃旅でございます。篠ノ井線全駅下車を果たした旅でもございました。】

鉄旅日記2023年3月5日・・・稲荷山駅、姨捨駅、田沢駅、坂北駅、西

→もっと見る

    PAGE TOP ↑