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「鉄旅日記」2012年春【青春18きっぷで、鶴見線・伊豆・駿河途中下車旅】その2-新清水、静岡、草薙、興津、裾野、御殿場、駿河小山、国府津、逗子、横須賀、田浦、新川崎(東海道本線、静岡鉄道、御殿場線、横須賀線)

公開日: : 最終更新日:2020/08/27 旅話 * 結婚後2012年

鉄旅日記2012年4月8日その2
清水(しみず)駅(東海道本線 静岡県)にて

13:39 新清水(しんしみず)駅(静岡鉄道 静岡県)
清水を誤解していた。

駅はそれこそ何度も通っている。
そのたびに海側のだだっ広いロータリーを見ていて、それがすべてだと思い込んでいたんだ。

つまり街を舐めていた。
でも降りてみて驚いた。
繁華街は海とは反対の江尻口にあり、富士が見える透き通った街を見て慌てたよ。

駅前銀座を歩いてJR線路を横切り157号国道沿いの静鉄新清水駅へ。

かつて清水港線が走り、1980年の全日本プロレス世界最強タッグ決定リーグ戦開催日には6,000人の大観衆を集め、ちびまる子ちゃんは今も毎週この街でお茶の間を楽しませ、清水商業がおそらく永遠にサッカーの名門校であり続ける街。

午後のけだるい時間に降りたけど、夜は賑やかになるのだろう。
清水という街に感服し、そしてこれが旅の醍醐味だと思い知る。

街は降りてみなきゃ分からない。

新静岡(しんしずおか)駅(静岡鉄道 静岡県)にて

14:33 静岡(しずおか)駅(東海道新幹線/東海道本線 静岡県)
新静岡から静岡駅へと歩く。

駿府公園に行けなかったのが残念だ。

今日は静岡まつり開催日で、街角には大道芸人も出ていた。
今も世界から大道芸人が集まる催しは開かれているのだろうか。

政令指定都市静岡。
大都会に違いはないが、街中の人口はそれほどでもなさそうだ。

丸井や東急ハンズの出店が見られ、まだヤンキー姉ちゃんが闊歩する街。

かつて駅に寄ったことはあるけど、オレは静岡を知らなかった。
これで胸のつかえは一応とれた。

それにしても暑いよ。

14:48 草薙(くさなぎ)駅(東海道本線 静岡県)
新幹線の地均し音が行き過ぎる。

県営草薙球場は地図にはなかった。
確か沢村栄治が大リーガー相手に快投を演じた場所であり、子供の頃には年に一回ジャイアンツ戦が開催されていた。

静鉄駅まで2分の距離。
その間にありふれた町があった。

清水あたりでは富士がよく見える。

草薙の地名はヤマトタケル東征の故事にちなんでいることを黒岩重吾さんの「東征伝」で知った。

同じく焼津も同じ戦で火攻めにあった故事からつけられたとあった。

静鉄草薙(しずてつくさなぎ)駅(静岡鉄道 静岡県)にて

15:06 興津(おきつ)駅(東海道本線 静岡県)
東海道興津宿。

鯛めしをはじめ、鯛料理を売っている町。

あの東名高速のムコウは太平洋。
ここらあたりでは富士とどっちに目をやるかいつも悩む。

和菓子屋と不二家の店が出迎える駅前。

現代の街道に出たら当時の宿場町の様子が見えた気がしたよ。

それで結局オレは海の方を見ている。

16:47 裾野(すその)駅(御殿場線 静岡県)
沼津駅で御殿場線に乗り換え。

裾野があるのは富士だけじゃないが、この街には裾野市を名乗る資格がある。

駅前通りを県道まで歩いたけど、適当に商店もあるいい街だった。

小川が、それが激流だったりすると富士からの水かと思う。
そしてカメラじゃうまく捉えられない霞んだ富士を眺めている。

Yちゃんはこの街に嫁いで何年になるのか。
彼女の笑顔には何度か救われた。

17:14 御殿場(ごてんば)駅(御殿場線 静岡県)
20年以上振りになる。

あの時はOBとして高校剣道部の合宿に参加するために、防具を担いで町田から新松田、松田と乗り継いだのだった。

駅前は変わってないな。
寂れてもいない。

駅に着いたらたくさんの乗客がいる。
変わらない地位を富士の懐に保証された街だ。
その街の空気を吸いたかった。

そして富士が遠ざかる。。

同じく遠くに黄色いスーパーホテルの看板が二つ見えた。
あれは三島か。

17:49 駿河小山(するがおやま)駅(御殿場線 静岡県)
夕暮れにまたステキな場所にいる。

老人団がなかなかうるさいが、あの富士の前にはちっぽけなもんだ。
富士を仰いで拝んでいる者もいる。

名を知りたいと思うが、駅に沿って古い街道が走っている。
今じゃあまり使われなくなったまま残っている日本の街道の家並みがそこにある。

ここで日が暮れるのを待つ。

富士の懐の清楚な風景の中にいる。

冷たい富士おろしにさらされながら、富士山にできるだけ接近して、写真の限界を知った。
その巨大な姿までは写真は記録できない。
脳裏に焼き付けるしかないんだ。

小山は金太郎発祥地とある。
近くには遊女の滝などあって、伝説に彩られている。

東京を離れるとどこも桜の里だったよ。
日本の春はかくも美しい。

春夏秋冬、一度は東京を離れるべきだ。
そう感じた春5日の旅だったよ。


18:41 国府津(こうづ)駅(東海道本線/御殿場線 神奈川県)
スノボー帰りの相模娘2人組の会話は興味深かった。
あれならまだオレもついていけるな。
ともあれ彼女たちにどうかいい人生を。

群青色に染まった富士と湘南海岸。

駅前を照らす仙次郎という飲み屋の赤い灯には引っ張られた。
思い止まったけどさ。

同じ建物にラーメン屋も仲良く収まっている。

19:38 逗子(ずし)駅(横須賀線 神奈川県)
大船駅で乗り換え。

夜の逗子は初めてだ。

列車の旅に目覚めた頃に久里浜から乗って途中下車した。
その前の記憶はその日に記している筈だ。

たくさんの人々が行き違う明るい街だった。

そしてまた風が冷たくなってきた。

19:56 横須賀(よこすか)駅(横須賀線 神奈川県)
終着駅のような駅を出るとヴェルニー公園。
肩を寄せ合っているのはどうやら男女だけではない。

オレンジ色の灯に照らされた軍艦と対岸の工場群。

駅前の前野食堂の灯は落ち、他には何もなかった港横須賀。

港の灯を除けば場末のたたずまい。

ブルースが聞こえてきそうな駅前だったよ。


20:11 田浦(たうら)駅(横須賀線 神奈川県)
横須賀、面白いね。

改札に上がると、用は知らないが海上自衛官がかしこまっている。

人気のない駅前ロータリーは寂しくすべての灯は落ち、隅に近寄りがたい闇ができている。
僅かな灯の中をバットを振る少年がいた。

トンネルに挟まれた愛すべき都会の秘境駅だったけど、脇には高いマンションが建っていたっけな。

乗り込んだ列車に小生意気なガキ共が同乗してる。
どの街まであの姿が通じるのか興味深い。

21:10 新川崎(しんかわさき)駅(横須賀線 神奈川県)
巨大な鉄道基地の周囲に高層マンションの灯が見える。

大勢の人間が暮らしているが、街と呼べるのか。

地上から細長く点々と続く灯の他に見えたのは、ふと足元に視線を転じた先にあった「養老の滝」だけだった。

先週下りた鹿島田駅まで600メートルの位置だという。

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