*

「鉄旅日記」2012年春【青春18きっぷで、鶴見線・伊豆・駿河途中下車旅】その2-新清水、静岡、草薙、興津、裾野、御殿場、駿河小山、国府津、逗子、横須賀、田浦、新川崎(東海道本線、静岡鉄道、御殿場線、横須賀線)

公開日: : 最終更新日:2024/06/04 旅話, 旅話 2012年

鉄旅日記2012年4月8日その2・・・新清水駅、静岡駅、草薙駅、興津駅、裾野駅、御殿場駅、駿河小山駅、国府津駅、逗子駅、横須賀駅、田浦駅、新川崎駅(東海道本線、静岡鉄道、御殿場線、横須賀線)

清水(しみず)駅(東海道本線 静岡県)にて

13:39 新清水(しんしみず)駅(静岡鉄道 静岡県)
清水を誤解していた。

駅はそれこそ何度も通っている。
そのたびに海側のだだっ広いロータリーを見ていて、それがすべてだと思い込んでいたんだ。

つまり街を舐めていた。
でも降りてみて驚いた。
繁華街は海とは反対の江尻口にあり、富士が見える透き通った街を見て慌てたよ。

駅前銀座を歩いてJR線路を横切り157号国道沿いの静鉄新清水駅へ。

かつて清水港線が走り、1980年の全日本プロレス世界最強タッグ決定リーグ戦開催日には6,000人の大観衆を集め、ちびまる子ちゃんは今も毎週この街でお茶の間を楽しませ、清水商業がおそらく永遠にサッカーの名門校であり続ける街。

午後のけだるい時間に降りたけど、夜は賑やかになるのだろう。
清水という街に感服し、そしてこれが旅の醍醐味だと思い知る。

街は降りてみなきゃ分からない。

新静岡(しんしずおか)駅(静岡鉄道 静岡県)にて

14:33 静岡(しずおか)駅(東海道新幹線/東海道本線 静岡県)
新静岡から静岡駅へと歩く。

駿府公園に行けなかったのが残念だ。

今日は静岡まつり開催日で、街角には大道芸人も出ていた。
今も世界から大道芸人が集まる催しは開かれているのだろうか。

政令指定都市静岡。
大都会に違いはないが、街中の人口はそれほどでもなさそうだ。

丸井や東急ハンズの出店が見られ、まだヤンキー姉ちゃんが闊歩する街。

かつて駅に寄ったことはあるけど、オレは静岡を知らなかった。
これで胸のつかえは一応とれた。

それにしても暑いよ。

14:48 草薙(くさなぎ)駅(東海道本線 静岡県)
新幹線の地均し音が行き過ぎる。

県営草薙球場は地図にはなかった。
確か沢村栄治が大リーガー相手に快投を演じた場所であり、子供の頃には年に一回ジャイアンツ戦が開催されていた。

静鉄駅まで2分の距離。
その間にありふれた町があった。

清水あたりでは富士がよく見える。

草薙の地名はヤマトタケル東征の故事にちなんでいることを黒岩重吾さんの「東征伝」で知った。

同じく焼津も同じ戦で火攻めにあった故事からつけられたとあった。

静鉄草薙(しずてつくさなぎ)駅(静岡鉄道 静岡県)にて

15:06 興津(おきつ)駅(東海道本線 静岡県)
東海道興津宿。

鯛めしをはじめ、鯛料理を売っている町。

あの東名高速のムコウは太平洋。
ここらあたりでは富士とどっちに目をやるかいつも悩む。

和菓子屋と不二家の店が出迎える駅前。

現代の街道に出たら当時の宿場町の様子が見えた気がしたよ。

それで結局オレは海の方を見ている。

16:47 裾野(すその)駅(御殿場線 静岡県)
沼津駅で御殿場線に乗り換え。

裾野があるのは富士だけじゃないが、この街には裾野市を名乗る資格がある。

駅前通りを県道まで歩いたけど、適当に商店もあるいい街だった。

小川が、それが激流だったりすると富士からの水かと思う。
そしてカメラじゃうまく捉えられない霞んだ富士を眺めている。

Yちゃんはこの街に嫁いで何年になるのか。
彼女の笑顔には何度か救われた。

17:14 御殿場(ごてんば)駅(御殿場線 静岡県)
20年以上振りになる。

あの時はOBとして高校剣道部の合宿に参加するために、防具を担いで町田から新松田、松田と乗り継いだのだった。

駅前は変わってないな。
寂れてもいない。

駅に着いたらたくさんの乗客がいる。
変わらない地位を富士の懐に保証された街だ。
その街の空気を吸いたかった。

そして富士が遠ざかる。。

同じく遠くに黄色いスーパーホテルの看板が二つ見えた。
あれは三島か。

17:49 駿河小山(するがおやま)駅(御殿場線 静岡県)
夕暮れにまたステキな場所にいる。

老人団がなかなかうるさいが、あの富士の前にはちっぽけなもんだ。
富士を仰いで拝んでいる者もいる。

名を知りたいと思うが、駅に沿って古い街道が走っている。
今じゃあまり使われなくなったまま残っている日本の街道の家並みがそこにある。

ここで日が暮れるのを待つ。

富士の懐の清楚な風景の中にいる。

冷たい富士おろしにさらされながら、富士山にできるだけ接近して、写真の限界を知った。
その巨大な姿までは写真は記録できない。
脳裏に焼き付けるしかないんだ。

小山は金太郎発祥地とある。
近くには遊女の滝などあって、伝説に彩られている。

東京を離れるとどこも桜の里だったよ。
日本の春はかくも美しい。

春夏秋冬、一度は東京を離れるべきだ。
そう感じた春5日の旅だったよ。


18:41 国府津(こうづ)駅(東海道本線/御殿場線 神奈川県)
スノボー帰りの相模娘2人組の会話は興味深かった。
あれならまだオレもついていけるな。
ともあれ彼女たちにどうかいい人生を。

群青色に染まった富士と湘南海岸。

駅前を照らす仙次郎という飲み屋の赤い灯には引っ張られた。
思い止まったけどさ。

同じ建物にラーメン屋も仲良く収まっている。

19:38 逗子(ずし)駅(横須賀線 神奈川県)
大船駅で乗り換え。

夜の逗子は初めてだ。

列車の旅に目覚めた頃に久里浜から乗って途中下車した。
その前の記憶はその日に記している筈だ。

たくさんの人々が行き違う明るい街だった。

そしてまた風が冷たくなってきた。

19:56 横須賀(よこすか)駅(横須賀線 神奈川県)
終着駅のような駅を出るとヴェルニー公園。
肩を寄せ合っているのはどうやら男女だけではない。

オレンジ色の灯に照らされた軍艦と対岸の工場群。

駅前の前野食堂の灯は落ち、他には何もなかった港横須賀。

港の灯を除けば場末のたたずまい。

ブルースが聞こえてきそうな駅前だったよ。


20:11 田浦(たうら)駅(横須賀線 神奈川県)
横須賀、面白いね。

改札に上がると、用は知らないが海上自衛官がかしこまっている。

人気のない駅前ロータリーは寂しくすべての灯は落ち、隅に近寄りがたい闇ができている。
僅かな灯の中をバットを振る少年がいた。

トンネルに挟まれた愛すべき都会の秘境駅だったけど、脇には高いマンションが建っていたっけな。

乗り込んだ列車に小生意気なガキ共が同乗してる。
どの街まであの姿が通じるのか興味深い。

21:10 新川崎(しんかわさき)駅(横須賀線 神奈川県)
巨大な鉄道基地の周囲に高層マンションの灯が見える。

大勢の人間が暮らしているが、街と呼べるのか。

地上から細長く点々と続く灯の他に見えたのは、ふと足元に視線を転じた先にあった「養老の滝」だけだった。

先週下りた鹿島田駅まで600メートルの位置だという。

関連記事

「車旅日記」2000年春 初日(東京‐足利‐鬼怒川‐会津若松‐新潟豊栄)その1‐葛飾金町、幸手駅、古河駅、渡良瀬遊水地北エントランス、藤岡駅、佐野厄除け大師、足利駅 【一年のブランクを経て、旅再開。出発場所は東京町田から、下町葛飾へと変わっております。】

車旅日記2000年5月3日 2000・5・2 東京葛飾金町 前夜祭 旅に出る前夜。 これほどの胸の

記事を読む

「鉄旅日記」2021年秋 初日(東京-飯坂温泉)その2 ‐竜田、原ノ町、鹿島、新地、岩沼(常磐線/東北本線) 【4度目の緊急事態宣言明け。これ以降そのようなものが発令されることはございませんでした。阿武隈急行、峠駅、立石寺。お宿は飯坂温泉。秋の東北を満喫すべく常磐線に乗りました。】

鉄旅日記2021年10月9日・・・竜田駅、原ノ町駅、鹿島駅、新地駅、岩沼駅(常磐線/東北本線)

記事を読む

「鉄旅日記」2009年皐月【四国へ、途中下車の旅】2日目(三ノ宮-琴電琴平)-三ノ宮、元町、和田岬、兵庫、須磨、西明石、加古川、網干、上郡、和気、高松、志度、琴電屋島、瓦町、一宮、琴平(山陽本線、和田岬支線、瀬戸大橋線、予讃本線、高徳本線、琴平電鉄志度線、琴平電鉄琴平線)

鉄旅日記2009年5月2日・・・三ノ宮駅、元町駅、和田岬駅、兵庫駅、須磨駅、西明石駅、加古川駅、網干

記事を読む

「鉄旅日記」2020年睦月 2日目(湯沢-鷹ノ巣)その1‐湯沢、四ツ小屋、秋田、森岳(奥羽本線) 【秋田内陸縦貫鉄道に乗りにいきました。五能線の名所も歩いた旅初めでございます。】

駅旅日記2020年1月12日・・・湯沢駅、四ツ小屋駅、秋田駅、森岳駅(奥羽本線) 2020・1・1

記事を読む

「鉄旅日記」2015年夏【日本最南端の終着駅、枕崎までの往復旅】3日目(鹿児島中央-西鉄柳川)その1-指宿、枕崎、入野、開聞、山川、喜入、瀬々串、慈眼寺、南鹿児島、郡元(指宿枕崎線)

鉄旅日記2015年8月14日その1・・・指宿駅、枕崎駅、入野駅、開聞駅、山川駅、喜入駅、瀬々串駅、慈

記事を読む

「鉄旅日記」2009年皐月【四国へ、途中下車の旅】4日目(高知-宇和島)-高知、朝倉、伊野、斗賀野、須崎、窪川、中村、宿毛、宇和島(土讃本線、土佐くろしお鉄道中村線/宿毛線、予土線)

鉄旅日記2009年5月4日・・・高知駅、朝倉駅、伊野駅、斗賀野駅、須崎駅、窪川駅、中村駅、宿毛駅、宇

記事を読む

「鉄旅日記」2016年夏【じきに廃線を迎える留萌~増毛に用がありました】3日目(小樽-富良野)その2-深川、増毛、留萌、北一已、深川、旭川、美瑛、千代ヶ丘、富良野(留萌本線/函館本線/富良野線)

鉄旅日記2016年8月12日・・・深川駅、増毛駅、留萌駅、北一已駅、深川駅、旭川駅、美瑛駅、千代ヶ丘

記事を読む

「鉄旅日記」2020年弥生 2日目(高山-速星)その1‐高山、打保、猪谷、富山、電鉄富山(高山本線) 【富山地方鉄道に乗りにまいりました。太多線、高山本線に乗るのも楽しみにしていたのでございます。】

鉄旅日記2020年3月21日・・・高山駅、打保駅、猪谷駅、富山駅、電鉄富山駅(高山本線) 2020

記事を読む

「鉄旅日記」2019年師走 最終日(酒田-東京)その3‐押切、帯織、長岡(信越本線) 【由利高原鉄道鳥海山ろく線に乗りにいきました。初冬の日本海は荒々しく、美しゅうございました。】

鉄旅日記2019年12月8日・・・押切駅、帯織駅、長岡駅(信越本線) 15:35 押切(おしきり)

記事を読む

「鉄旅日記」2021年秋 最終日(飯坂温泉-東京)その3 ‐米沢、赤湯、中川、山形、北山形(奥羽本線) 【4度目の緊急事態宣言明け。これ以降そのようなものが発令されることはございませんでした。阿武隈急行、峠駅、立石寺。お宿は飯坂温泉。秋の東北を満喫すべく常磐線に乗りました。】

鉄旅日記2021年10月10日・・・米沢駅、赤湯駅、中川駅、山形駅、北山形駅(奥羽本線) 9

記事を読む

Message

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

「鉄旅日記」2021年師走 初日(東京-古川)その1 ‐金町、東京、くりこま高原(常磐線/東北新幹線) 【特急乗り放題の大人の休日倶楽部パスで冬の国へ。山田線完全乗車と鳴子温泉郷を始めとした陸羽東線沿線を歩くことが目的でございました。】

鉄旅日記2021年12月4日・・・金町駅、東京駅、くりこま高原駅(常

「鉄旅日記」2021年秋 最終日(飯坂温泉-東京)その5 ‐仙台、鹿島、原ノ町、浪江、常陸多賀(常磐線) 【4度目の緊急事態宣言明け。これ以降そのようなものが発令されることはございませんでした。阿武隈急行、峠駅、立石寺。お宿は飯坂温泉。秋の東北を満喫すべく常磐線に乗りました。】

鉄旅日記2021年10月10日・・・仙台駅、鹿島駅、原ノ町駅、浪江駅

「鉄旅日記」2021年秋 最終日(飯坂温泉-東京)その4 ‐山寺(仙山線)/立石寺山門売店/高砂屋本舗 【4度目の緊急事態宣言明け。これ以降そのようなものが発令されることはございませんでした。阿武隈急行、峠駅、立石寺。お宿は飯坂温泉。秋の東北を満喫すべく常磐線に乗りました。】

鉄旅日記2021年10月10日・・・山寺駅(仙山線)/立石寺山門売店

「鉄旅日記」2021年秋 最終日(飯坂温泉-東京)その3 ‐米沢、赤湯、中川、山形、北山形(奥羽本線) 【4度目の緊急事態宣言明け。これ以降そのようなものが発令されることはございませんでした。阿武隈急行、峠駅、立石寺。お宿は飯坂温泉。秋の東北を満喫すべく常磐線に乗りました。】

鉄旅日記2021年10月10日・・・米沢駅、赤湯駅、中川駅、山形駅、

「鉄旅日記」2021年秋 最終日(飯坂温泉-東京)その2 ‐峠(奥羽本線)/力餅商店/峠の力餅売り/峠駅今昔物語 【4度目の緊急事態宣言明け。これ以降そのようなものが発令されることはございませんでした。阿武隈急行、峠駅、立石寺。お宿は飯坂温泉。秋の東北を満喫すべく常磐線に乗りました。】

鉄旅日記2021年10月10日・・・峠駅(奥羽本線)/力餅商店/峠の

→もっと見る

    PAGE TOP ↑