*

「鉄旅日記」2019年師走【由利高原鉄道鳥海山ろく線に乗りにいきました。初冬の日本海は荒々しく、美しゅうございました。】初日(東京-酒田)その1‐金町、北千住、上野、高崎(常磐線/高崎線)

公開日: : 最終更新日:2024/04/13 旅話, 旅話 2019年

鉄旅日記2019年12月7日・・・金町駅、北千住駅、上野駅、高崎駅(常磐線/高崎線)
2019・12・7 4:30 金町(かなまち)駅(常磐線 東京都)
3:30に目覚めると、酔っ払いの歌声が通りから聞こえる。
そんな町で暮らして2度目の師走。

一日中開いてる駅前食堂では2軒が10人前後の客を集め、残る1軒は退屈している。

駅で話す男達の声は大きく、ホームには少なくない人々が一番列車を待っている。

ことごとくが成人しか見当たらない大人の世界。
この世には、実はそんな世界がある。

4:44 北千住(きたせんじゅ)駅(常磐線/東武伊勢崎線/東京メトロ千代田線/東京メトロ日比谷線/つくばエクスプレス 東京都)
松戸発の一番列車は北千住行。
乗り換え時間は3分。
大人達は古びた地下構内を通り、地上に出る。

上野行の常磐線快速の始発はすぐにやってきた。
大人達は階段を急いで上がっていく。
オレの足どりは重かった。

初老の男たちは誰もが黒っぽく、風景を重たく見せている。
オレもたいして年は違わないが、今日はそんな身なりじゃなくてよかったと思い、列車はすでに日暮里を過ぎた。

5:08 上野(うえの)駅(東北・北海道新幹線/上越新幹線/北陸新幹線/東北本線/山手線/京浜東北・根岸線/高崎線/常磐線/上野東京ライン/東京メトロ銀座線/東京メトロ日比谷線 東京都)
上野に着いて、街に下りていく人はわずかで、東へ北へそれぞれの行先へ向かう列車が出るホームを探す。

入谷口から上野駅前を眺める。
気温は7度。
街へ下りていく二人の男の背中が見える。

高崎行の一番列車は5:13発。
ボックス席を得て、買い置きのウイスキーハイボールを開ける。

鴬谷を過ぎると辺りは一層暗くなり、次に視線を上げると長大な操車場に差し掛かる。

たいした説明はつけられないが、過ぎ去った時代への郷愁と松本清張の小説を思い出す。
尾久駅での乗降は少ない。

赤羽に着いた。
車内が少しざわついた。
荒川の輪郭は見えなかった。

人物の特定はできないが懐かしく思う人々をぼんやりと思う。
均等にとはいかないが、それぞれ大切に思っていた人々。
あるいは年に一度の年賀状の交換だけとはいえ、努めて交わりを絶やさないでおこうと思っていた人々。

でも今年もリストから外れていく人がいる。
出会った頃は帰る家といえば、親元かそれぞれにひとり暮らす部屋だったのが、今じゃそれぞれに家族を持ち、帰る場所や人生のキャリアを重ねてきた人々。

やがてオレを忘れ、オレもたいした感慨もなく忘れていく。
年を重ねるとより無常を思う。

暮れになると、懐かしい人がひょっこり顔を出したりしますよ。

かつて恋い焦がれていた新橋のママに、オレはそんなことを言っていた。
あの店から常連だったオレの姿が消えて10年になる。

つらつらと記していたら列車は上尾を過ぎて、はす向かいには分厚い本に目を落とす好青年が座っている。

7:02 高崎(たかさき)駅(上越新幹線/北陸新幹線/信越本線/高崎線/両毛線/八高線/上越線/吾妻線/上信電鉄 群馬県)
夜明け前。
籠原ではまだ暗く、眠りに落ちる。

目覚めると神保原を過ぎていた。
箱根駅伝の常連となった上武大学の看板を過ぎるとやがて大河を渡る。

町が続く高崎線の車窓から関東平野を感じられないが、山の気配が漂うあのあたりでようやく旅情が現れる。

高崎に着く。
冷気を浴びる。
人々はめいめいに首元に注意を払う。

NEWDAYSでウイスキーハイボールと食料品を仕入れ両毛線ホームへ。

乗り換え時間7分。
新前橋で水上行を待つ。

関連記事

「鉄旅日記」2019年如月【週末パスで東京から伊豆。そして上州、信州へ。友人は言ったものでございます。何気に大層な移動距離だと。】最終日(安中-東京)その2-屋代、坂城、小諸、三岡、中込、羽黒下、松原湖(しなの鉄道/小海線)

車旅日記2019年2月10日・・・屋代駅、坂城駅、小諸駅、三岡駅、中込駅、羽黒下駅、松原湖駅(しなの

記事を読む

「鉄旅日記」2017年夏【私鉄王国で過ごす夏】最終日(十三-東京)その1-十三、大阪梅田、大阪、東淀川、茨木、島本、桜井の繹跡、桂川、京都(阪急電鉄宝塚本線/東海道本線)

鉄旅日記2017年8月14日・・・十三駅、大阪梅田駅、大阪駅、東淀川駅、茨木駅、島本駅/桜井の繹跡、

記事を読む

「鉄旅日記」2003年冬【ご縁と別れがあり、34歳の誕生日を北九州で迎えた日の記憶でございます。】初日(宇部-飯塚-博多)その2-博多の夜

鉄旅日記2003年2月15日 2003・2・15 サンシティ博多フレックス21 507号 とうと

記事を読む

「車旅日記」2000年夏Part.1【信濃、飛騨、そして能登島。帰りは北陸路。この国の美しさをあらためて感じました夏旅でございます。】2日目(諏訪-飯田-飛騨古川-能登島)上諏訪、辰野駅、駒ヶ根駅、飯田駅、道の駅賤母、ドライブイン飛騨花工場、道の駅飛騨古川、能登島

車旅日記2000年7月21日 2000・7・21 7:55 上諏訪某リゾートクラブ 朝湯につかり

記事を読む

「鉄旅日記」2009年皐月【四国へ、途中下車の旅】5日目(宇和島-観音寺)-宇和島、卯之町、八幡浜、千丈、伊予大洲、伊予市、松山、伊予北条、今治、伊予小松、伊予西条、新居浜、関川、伊予土居、箕浦、観音寺(予讃本線)

鉄旅日記2009年5月5日・・・宇和島駅、卯之町駅、八幡浜駅、千丈駅、伊予大洲駅、伊予市駅、松山駅、

記事を読む

2019年葉月【讃州高松への旅をSNSへの投稿より振り返ります。】2日目その1-栗林公園、琴電屋島駅、屋島ケーブルカー跡、屋島寺、源平合戦屋島古戦場跡、総門跡、佐藤継信墓、長刀泉。

鉄旅日記2019年8月12日・・・栗林公園、琴電屋島駅、屋島ケーブルカー跡、屋島寺、源平合戦屋島古戦

記事を読む

「鉄旅日記」2009年皐月【四国へ、途中下車の旅】初日(東京-三ノ宮)-金町、東京、静岡、浜松、弁天島、大垣、美濃赤坂、石山寺、膳所、尼崎、西宮、芦屋、三ノ宮(東海道本線、美濃赤坂支線、京阪石山坂本線)

鉄旅日記2009年5月1日・・・金町駅、東京駅、静岡駅、浜松駅、弁天島駅、大垣駅、美濃赤坂駅、石山寺

記事を読む

「車旅日記」1997年夏【男鹿半島を目指した夏。友と過ごし、旧友と再会したみちのく旅でございます。】最終日(鳴子-米沢-東京)-鳴子サンハイツ、瀬見駅、羽前中山駅、萬世大路記念碑公園、栗子トンネル、松川駅、里白石駅、常陸大子駅、我孫子、東京町田

車旅日記1997年8月16日 1997・8・16 8:18 鳴子サンハイツ 拝啓 残暑お見舞い

記事を読む

「鉄旅日記」2012年夏【青春18きっぷで、新潟・みちのくひとり旅】初日(東京-横手)-郡山、津川、亀田、さつき野、水原、坂町、村上、あつみ温泉、鶴岡、余目、刈和野(東北本線、磐越西線、信越本線、羽越本線、陸羽西線、奥羽本線)

鉄旅日記2012年8月11日・・・郡山駅、津川駅、亀田駅、さつき野駅、水原駅、坂町駅、村上駅、あつみ

記事を読む

「車旅日記」1996年黄金週間【友を訪ねて大阪へ。そして約束の地、金沢へ。夢を見ながら国道を走った日々でございます。】最終日 北陸より東京へ‐その3(R20)諏訪湖、韮崎、道の駅甲斐大和

車旅日記1996年5月6日 16:28 諏訪湖 松本市内を通過して塩尻峠を下りていく。 塩

記事を読む

Message

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

「鉄旅日記」2020年文月【コロナ禍でございます。内緒の旅でございました。余部鉄橋へ。萩へ。霧の街へ。東京五輪延期で浮いた4連休の記録でございます。】最終日(三次-東京)その1‐三次、上下、府中(福塩線)

鉄旅日記2020年7月26日・・・三次駅、上下駅、府中駅(福塩線)

「鉄旅日記」2020年文月【コロナ禍でございます。内緒の旅でございました。余部鉄橋へ。萩へ。霧の街へ。東京五輪延期で浮いた4連休の記録でございます。】3日目(萩-三次)その5‐備後落合、備後庄原、三次(芸備線)

鉄旅日記2020年7月25日・・・備後落合駅、備後庄原駅、三次駅(芸

「鉄旅日記」2020年文月【コロナ禍でございます。内緒の旅でございました。余部鉄橋へ。萩へ。霧の街へ。東京五輪延期で浮いた4連休の記録でございます。】3日目(萩-三次)その4‐宍道、加茂中、出雲横田、出雲坂根(木次線)

鉄旅日記2020年7月25日・・・宍道駅、加茂中駅、出雲横田駅、出雲

「鉄旅日記」2020年文月【コロナ禍でございます。内緒の旅でございました。余部鉄橋へ。萩へ。霧の街へ。東京五輪延期で浮いた4連休の記録でございます。】3日目(萩-三次)その3‐黒松、仁万、出雲市、荘原(山陰本線)

鉄旅日記2020年7月25日・・・黒松駅、仁万駅、出雲市駅、荘原駅(

「鉄旅日記」2020年文月【コロナ禍でございます。内緒の旅でございました。余部鉄橋へ。萩へ。霧の街へ。東京五輪延期で浮いた4連休の記録でございます。】3日目(萩-三次)その2‐益田、三保三隅、浜田、波子(山陰本線)

鉄旅日記2020年7月25日・・・益田駅、三保三隅駅、浜田駅、波子駅

→もっと見る

    PAGE TOP ↑