*

「鉄旅日記」2019年霜月 最終日(北上-東京)その4‐米沢、福島、上野(奥羽本線/東北新幹線) 【津軽鉄道、弘南鉄道に乗りにいきました。羽州街道を歩いた晩秋の旅でございます。】

公開日: : 最終更新日:2025/05/06 旅話, 旅話 2019年

鉄旅日記2019年11月4日・・・米沢駅、福島駅、上野駅(奥羽本線/東北新幹線)

17:38 米沢(よねざわ)駅(山形新幹線/奥羽本線/米坂線 山形県)
蔵王を過ぎて、月に気づいた。
上弦の月か。

山形盆地は暮れなずみ、空は群青に変わりつつある。
山に囲まれた日常をほんの少し想像してみた。

かみのやま温泉を過ぎると両側から山が迫り、景観が一変して鄙びていく。
谷間となり人家は途切れ、夜の訪れを急かすように明かりは絶え絶えとなる。

月はまだある。

赤湯が近づき、また開けてきた。
高台を進んでいた山形線から眺める赤湯の小粒な夜景は美しく、勉強中だった目の前の若い女性はいつの間にか眠っている。

平地に下りた山形線からは、もはや町と夜の境界を見分けにくくなっていた。
月も見えなくなっていた。

汽笛がいくつも聞こえていた。
懐かしくて切ない響き。
あの音を、オレはいつもそんなふうに聞いている。

17:17米沢駅着。
外に出ると強い風に吹かれた。
誰もが寒いと口にする。

この連休も仕事に勤しむ協力先に電話して、米沢牛肉弁当を購入するか迷ったが、胃が許さなかった。

米沢までの列車が後ろ2両を切り離して福島行になる。
17:44発。

19:15 福島(ふくしま)駅(東北・北海道新幹線/山形新幹線/東北本線/奥羽本線/阿武隈急行/福島交通飯坂線 福島県)
峠駅名物の「峠の力餅」。
売り子さんの名調子にほだされて購入。

ひとりで大福を8個も食べることができるのか。
朝に食べるのもいいだろう。

大沢、峠、板谷と、ホームはシェルターに覆われている。
米沢から分かれて後、人家の明かりを見ない峠道。
今日4度目の奥羽山脈越え。

福島~米沢間は、日に上下とも6本ずつの運行のみだが、山形新幹線がこの線路を通るため廃線の心配はない。
しかし人跡まれな道だ。

福島盆地へとひたすらに下っていく中で、福島の夜景が美しいという。
東北本線でも福島盆地の景色は楽しんできたが、夜景は知らない。

庭坂へと下る最中に注意深く車窓から目を逸らさずにいると、左手に夜景が見え始めた。
大都会のそれとは比ぶべくもないが、素朴な灯ほど人の心はあたたまる。

笹木野で人が降り、乗ってきた。

福島着18:30。
テレビ塔が光っている。





初めて見る夜の福島。
市民が楽しそうに歩く姿には救われる。
それほど8年前の震災には日本国民が心を痛めた。

来年のオリンピックで、福島は野球とソフトボールの会場になることが決まっている。

旅の終わりは新幹線で。
やまびこつばさ156号。
上野まで快適な旅が保証されている。

20:53 上野(うえの)駅(東北・北海道新幹線/上越新幹線/北陸新幹線/東北本線/山手線/京浜東北・根岸線/高崎線/常磐線/上野東京ライン/東京メトロ銀座線/東京メトロ日比谷線 東京都)
山形で見ていた月がよりはっきりとした姿で右手から照らしてくれる。

太陽は東京で見ても、同じ日の大阪で見ても不思議とも思わないが、月は違った。

もっとも同じ夜に違う土地で月を見る機会はこれまでになかった。
新幹線が実現してくれた奇跡と言える。

20:45上野着。
地下4階から上がると土浦行が待っている。

これが東京。
帰ってきたよ。

関連記事

「鉄旅日記」2016年春 初日(東京-下北)その1-郡山、安達、苦竹、東仙台、花泉、石越(東北本線、仙石線) 【下北半島から東日本大震災被災地へ】

鉄旅日記2016年3月19日その1・・・郡山駅、安達駅、苦竹駅、東仙台駅、花泉駅、石越駅(東北本線、

記事を読む

「鉄旅日記」2009年晩秋 2日目(倉敷-和田山)その2-郡家、若桜、智頭、京口、福崎、寺前、和田山(因美線/智頭急行/播但線) 【陰陽を行き来した3日間。この国の秋は美しゅうございました。】

鉄旅日記2009年11月22日・・・郡家駅、若桜駅、智頭駅、京口駅、福崎駅、寺前駅、和田山駅(因美線

記事を読む

「鉄旅日記」2009年皐月【四国へ、途中下車の旅】2日目(三ノ宮-琴電琴平)-三ノ宮、元町、和田岬、兵庫、須磨、西明石、加古川、網干、上郡、和気、高松、志度、琴電屋島、瓦町、一宮、琴平(山陽本線、和田岬支線、瀬戸大橋線、予讃本線、高徳本線、琴平電鉄志度線、琴平電鉄琴平線)

鉄旅日記2009年5月2日・・・三ノ宮駅、元町駅、和田岬駅、兵庫駅、須磨駅、西明石駅、加古川駅、網干

記事を読む

「鉄旅日記」2017年夏 3日目(姫路-十三)その2-新開地、湊川、鈴蘭台、三木上の丸、三木城址、三木、粟生、神鉄三田、ウッディタウン中央、横山、有馬口、有馬温泉、鵯越(神戸電鉄有馬線/粟生線/三田線/公園都市線) 【私鉄王国で過ごす夏】

鉄旅日記2017年8月13日・・・新開地駅、湊川駅、鈴蘭台駅、三木上の丸駅、三木駅、粟生駅、神鉄三田

記事を読む

「鉄旅日記」2017年冬 最終日(喜多方-東京)その1-会津若松、笈川、堂島、喜多方、会津若松(磐越西線) 【会津へ。会津へ行きたかったのでございます。】

鉄旅日記2017年12月3日・・・会津若松駅、笈川駅、堂島駅、喜多方駅(磐越西線) 2017・12

記事を読む

「車旅日記」1998年春 初日(東京-岩手山SA)-町田、蓮田SA、都賀西方PA、黒磯PA、阿武隈PA、吾妻PA、菅生PA、前沢PA、岩手山SA 【下北半島を目指した春。男の旅は北を目指すものと思っていた20代後半。高倉健さんの影響でございましょうか。】

車旅日記1998年5月1日 1998・5・1 11:53 東京町田 出発を前にして空が晴れてきた。

記事を読む

「鉄旅日記」2022年弥生vol.1 最終日(熱海-東京)その5 ‐川崎新町、八丁畷、矢向、平間(浜川崎支線/南武線)/ガス橋 【金沢シーサイドライン、根岸線、湘南モノレール、横須賀線、大雄山線、相模線、鶴見線etc.駅旅人本領発揮の旅でございます。】

鉄旅日記2022年3月6日・・・川崎新町駅、八丁畷駅、矢向駅、平間駅(浜川崎支線/南武線)/ガス橋

記事を読む

「鉄旅日記」2014年夏 4日目(米子-呉)その1-米子、安来、来待、西出雲、弘南、温泉津、波子、浜田、石見川本(山陰本線/三江線) 【青春18きっぷで、中国ぶらぶら旅】

鉄旅日記2014年8月16日その1・・・米子駅、安来駅、来待駅、西出雲駅、弘南駅、温泉津駅、波子駅、

記事を読む

「車旅日記」2004年春 2日目(紋別-釧路)走行距離367㎞その2-止別駅、緑駅、裏摩周、摩周駅、塘路駅、釧路湿原駅、細岡駅、釧路パシフィックホテル 【旭川に下りて、思う存分に北の大地を走った旅の記録でございます】

車旅日記2004年5月2日・・・止別駅、緑駅、裏摩周、摩周駅、塘路駅、釧路湿原駅、細岡駅、釧路パシフ

記事を読む

「鉄旅日記」2012年夏【青春18きっぷで、北海道途中下車旅】3日目(室蘭-岩見沢)-室蘭、苫小牧、鵡川、静内、様似、追分、夕張、新夕張、清水沢(室蘭支線、室蘭本線、日高本線、石勝線、夕張支線)

鉄旅日記2012年8月13日・・・室蘭駅、苫小牧駅、鵡川駅、静内駅、様似駅、追分駅、夕張駅、新夕張駅

記事を読む

Message

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

「鉄旅日記」2022年水無月 最終日(中山平温泉-東京)その3 ‐勝田、水戸、友部、宍戸(常磐線/水戸線)【鳴子温泉郷の湯を求めての旅でございます。】

鉄旅日記2022年6月12日・・・勝田駅、水戸駅、友部駅、宍戸駅(常

「鉄旅日記」2022年水無月 最終日(中山平温泉-東京)その2 ‐小牛田、松島、高城町、陸前浜田、榴ヶ岡、仙台(東北本線/仙石線)【鳴子温泉郷の湯を求めての旅でございます。】

鉄旅日記2022年6月12日・・・小牛田駅、松島駅、高城町駅、陸前浜

「鉄旅日記」2022年水無月 最終日(中山平温泉-東京)その1 ‐中山平温泉、鳴子温泉(陸羽東線)/旅館三之丞湯【鳴子温泉郷の湯を求めての旅でございます。】

鉄旅日記2022年6月12日・・・中山平温泉駅、鳴子温泉駅(陸羽東線

「鉄旅日記」2022年水無月 初日(東京-中山平温泉)その3 ‐小牛田、古川、上野目、池月、鳴子温泉、中山平温泉(陸羽東線)【鳴子温泉郷の湯を求めての旅でございます。】

2022年6月11日・・・小牛田駅、古川駅、上野目駅、池月駅、鳴子温

「鉄旅日記」2022年水無月 初日(東京-中山平温泉)その2 ‐いわき、竜田、原ノ町、鹿島、新地、仙台(常磐線)【鳴子温泉郷の湯を求めての旅でございます。】

鉄旅日記2022年6月11日・・・いわき駅、竜田駅、原ノ町駅、鹿島駅

→もっと見る

    PAGE TOP ↑