「鉄旅日記」2018年弥生 最終日(会津若松-東京)その1-会津若松、広田、野沢、徳沢、津川、五十島(磐越西線) 【青春18きっぷを握り、目指したのはまたしても会津。練馬から旅立つ最後の旅でございます。】
鉄旅日記2018年3月4日・・・会津若松駅、広田駅、野沢駅、徳沢駅、津川駅、五十島駅(磐越西線)
2018・3・4 7:31 会津若松(あいづわかまつ)駅(磐越西線/只見線/会津鉄道 福島県)
晴天の若松。
心の支えともいえる女性から返信が届いたのは、寝静まってから1時間後のことだった。
オレと同じ悲しい選択をして、来月に自由になる。
それまでは気まずい空気の中で生きていかれる。
オレはそうじゃない。
ただ寂しさが残るだけだ。
会津のおばちゃんが訛りも隠さず大きな声で喋っている。
1分前に喜多方に向かう列車の後ろ姿を分岐点で見た。
今オレは郡山方面に向かっている。
7:50 広田(ひろた)駅(磐越西線 福島県)
義経と皆鶴姫の悲恋物語が伝わる町。
義経を慕う姫は後を追い、この地で病に倒れ、池に映るやつれた姿をはかなみ身を投げたという悲しい話。
伝え聞いた義経は駆けつけ、池のほとりに墓を建てて供養したとのこと。
武家屋敷のような駅に惹かれて降りる。
待合室はまるで古い学校の図書室。
若い女性がノートを広げて列車を待っている。
磐梯山に一歩近づき、冷気は心地よく、割烹が2軒に商店街がある駅前も居心地がよかった。
こうしているとさすがに手が凍える。
春3月、雪景色の会津盆地。
どこを眺めても素敵で、子どもの声に微笑み目を向ける。
聞きなれない声が空から聞こえる。
カモメか?
猪苗代にいたのか?
白い編隊飛行が西に向かっていた。
9:16 野沢(のざわ)駅(磐越西線 福島県)
広田から会津若松に戻る。
そして会津若松から新津行に乗って約50分。
12月にも撮った磐梯山の絶景、喜多方手前の山々。
山都からは阿賀野川にまつわる景色を楽しむ。
行楽シーズンを外れた磐越西線新津行はとても空いていて、
酒でも飲もうかとも思うが朝食で腹はくちている。
ここでは25分の停車。
ずいぶんと長い。
ディーゼル音を聞いていると旅の最中であることを実感できる。
こうした否応なくのんびりさせられる時間は消えつつある。
気長に待つ。
こんな言葉も最近じゃ聞かなくなった。
係員の女性が凍りついた通路に塩を撒いている。
「撒くのが遅くなっちゃって」と恐縮されていた。
利用者がいないのだろう。
3番線まであるホームに雪の壁ができている。
駅を降りると角の民宿が目に入る。
坂を上がっていくとさらに2軒古い民宿がある。
ビールでも売っていればと思い、先に目を凝らしたけど見つからない。
青空の下の雪原を眺め、別れ行く愛しき者たちを想った。
切なくて。
それはまた人生を想うことそのものだと理解した。
9:48 徳沢(とくさわ)駅(磐越西線 福島県)
列車交換待ち8分の停車。
加えて上り列車遅延で4分。
23年前の5月にこの駅に寄ったことがある。
今回ここに8分いられることに興奮したよ。
あの記憶がここまでオレを旅につなぎ止めてきた。
当時の記憶で定かなものはない。
阿賀野川に沿って車を走らせる中でたまたま駅を見つけたのだろう。
ベンチに腰かけて到着を待つ老婦人と言葉を交わしたことだけは確かだ。
駅前は川辺の風情。
古い通りに古い軒が連なっている。
日本人はこの景色を懐かしいと表現する。
異存はない。
それにしてもとてつもない積雪量だ。
男4人がかりで古い家屋の雪降ろしをしている場面に出くわした。
今さらながら、それはとても危険な作業に見えた。
今年はよく降った。
10:28 津川(つがわ)駅(磐越西線 福島県)
14分の停車。
駅長さんがいる駅だった。
狐の嫁入りの町。
そうだったな。
6年前にもこうして降りたよ。
かつてこの地で多く見られた「狐火」を、狐の嫁入りの提灯行列と言い慣わしたとのこと。
あの時は阿賀野川に架かるあの赤い鉄橋まで歩いた。
駅前に積まれた雪山に登った少年が、父親に「新潟県民の誇り」を説いている。
微笑ましい光景だ。
それにしても次々と絶景が現れる。
磐越西線に乗った過去2回。
確かオレはこれほど喜んではいない。
「オコジロウの家」がホームに置かれていた。
SLを走らせる時のキャラクターで、イタチ科に属するらしい。
暖炉が描かれた暖かい部屋だった。
10:51 五十島(いがしま)駅(磐越西線 福島県)
3分の停車。
この新津行で途中下車できるのはここが最後になる。
走り上がり走り下り、駅を写す。
他にスマホを向ける対象は見当たらない駅だった。
わずかだか乗客が増えていて、後ろの席では若い女性が化粧をしていた。
阿賀野川はだんだんと護岸化されてきて、川幅も増して都会的な顔になってきた。
五泉からはおそらく次々と乗客が乗ってくる。
関連記事
-
-
「鉄旅日記」2021年秋 最終日(飯坂温泉-東京)その2 ‐峠(奥羽本線)/力餅商店/峠の力餅売り/峠駅今昔物語 【4度目の緊急事態宣言明け。これ以降そのようなものが発令されることはございませんでした。阿武隈急行、峠駅、立石寺。お宿は飯坂温泉。秋の東北を満喫すべく常磐線に乗りました。】
鉄旅日記2021年10月10日・・・峠駅(奥羽本線)/力餅商店/峠の力餅売り/峠駅今昔物語
-
-
「鉄旅日記」2020年文月 3日目(萩-三次)その2‐益田、三保三隅、浜田、波子(山陰本線) 【コロナ禍でございます。内緒の旅でございました。余部鉄橋へ。萩へ。霧の街へ。東京五輪延期で浮いた4連休の記録でございます。】
鉄旅日記2020年7月25日・・・益田駅、三保三隅駅、浜田駅、波子駅(山陰本線) 10:03
-
-
「鉄旅日記」2018年弥生 初日(東京-会津若松)その1-保谷、池袋、赤羽、高崎、井野、水上(西武池袋線/埼京線/高崎線/上越線) 【青春18きっぷを握り、目指したのはまたしても会津。練馬から旅立つ最後の旅でございます。】
鉄旅日記2018年3月3日・・・保谷駅、池袋駅、赤羽駅、高崎駅、井野駅、水上駅(西武池袋線/埼京線/
-
-
「鉄旅日記」2018年秋 初日(松戸-流山-潮来-銚子-東金-松戸)その3-笹川、外川、犬吠、犬吠埼、銚子、椎柴、松岸(成田線/銚子電鉄)【サンキューちばフリーパスでめぐる上総下総安房旅】
鉄旅日記2018年9月22日・・・笹川駅、外川駅、犬吠駅、銚子駅、椎柴駅、松岸駅(成田線/銚子電鉄)
-
-
「鉄旅日記」2019年年始 初日(東京-一ノ関)その3-米沢、福島、仙台、一ノ関(奥羽本線/東北本線) 【雪が見たくて北へ向かいました。そして初めて仙台空港線に乗ったのでございます。】
鉄旅日記2019年1月5日・・・米沢駅、福島駅、仙台駅、一ノ関駅(奥羽本線/東北本線) 17:34
-
-
「鉄旅日記」2020年晩秋 最終日(武生-東京)その1‐越前武生、武生、三方、美浜(北陸本線/小浜線) 【大人の休日倶楽部パスで北陸へ。新幹線、在来線特急乗り放題でございます。魚津、雨晴をめぐり、氷見線、万葉線、城端線、七尾線、えちぜん鉄道、福武線、北陸鉄道との再会でございます。】
鉄旅日記2020年11月23日・・・越前武生駅、武生駅、三方駅、美浜駅(北陸本線/小浜線)
-
-
「鉄旅日記」2020年晩秋 初日(東京-砺波)その1 ‐金町、東京、黒部宇奈月温泉、新黒部(常磐線/北陸新幹線/富山地方鉄道本線) 【大人の休日倶楽部パスで北陸へ。新幹線、在来線特急乗り放題でございます。魚津、雨晴をめぐり、氷見線、万葉線、城端線、七尾線、えちぜん鉄道、福武線、北陸鉄道との再会でございます。】
鉄旅日記2020年11月21日・・・金町駅、東京駅、黒部宇奈月温泉駅、新黒部駅(常磐線/北陸新幹線
-
-
「鉄旅日記」2009年秋 5日目(松浦-若松)その1-松浦、有田、伊万里、唐津、筑前前原、姪浜、天神、西鉄福岡、博多(松浦鉄道/筑肥線/福岡市地下鉄空港線) 【遅い夏休みをとり、長崎までの切符を買いました。】
鉄旅日記2009年9月22日・・・松浦駅、有田駅、伊万里駅、唐津駅、筑前前原駅、姪浜駅、天神駅、西鉄
-
-
「車旅日記」2006年皐月 2日目(黒磯-仙台)その2-末続駅、双葉駅、原ノ町駅、相馬駅、亘理駅、岩沼駅、名取駅、ホテルイーストワン仙台 【東京から出かける最後の車旅。関東、東北を2,265㎞走った記録でございます。】
車旅日記2006年5月3日・・・末続駅、双葉駅、原ノ町駅、相馬駅、亘理駅、岩沼駅、名取駅、ホテルイー
-
-
「鉄旅日記」2021年春 初日(東京-米内沢)その1‐金町、上野、古川、陸前谷地(常磐線/東北新幹線/陸羽東線) 【大人の休日倶楽部パスで東北へ。新幹線、在来線特急乗り放題でございます。続くコロナ禍ではございますが、約半年の辛抱の時を過ぎて、天候にも苛まれながら秋田内陸縦貫鉄道に乗りに行きました。】
鉄旅日記2021年4月17日・・・金町駅、上野駅、古川駅、陸前谷地駅(常磐線/東北新幹線/陸羽東線