「鉄旅日記」2017年夏 2日目(大垣-姫路)その1-大垣、能登川、栗東、草津、石部、三雲、甲南、油日、甲賀、柘植(東海道本線/草津線)【私鉄王国で過ごす夏】
鉄旅日記2017年8月12日・・・大垣駅、能登川駅、栗東駅、草津駅、石部駅、三雲駅、甲南駅、油日駅、甲賀駅、柘植駅(東海道本線/草津線)
6:50 大垣(おおがき)駅(東海道本線//美濃赤坂支線/養老鉄道養老線/樽見鉄道 岐阜県)
何度も通りすぎてきた大垣。
でも駅前しか知らずにいた。
お城はちらっとだけ。
西軍はここにいた。
そして美濃赤坂に陣取った東軍とにらみ合う。
関ヶ原合戦でしか歴史上目にしない街だが、鉄道を利用するようになって大垣の存在は強く意識されるようになる。
日付が変わる頃に東京駅を出る夜行列車が毎日走っていた頃。
「ムーンライトながら」号。
その終点が大垣だった。
22:00の繁華街に人の姿はなく、街も夏休み。
それでいいんだ。
大垣日大はもう甲子園に登場したのか?
橋の袂にちいさな子どもの石像があった。
とても愛らしい。
大垣の街並





8:00 能登川(のとがわ)駅(東海道本線 滋賀県)
近江路は雨。
蒸してはいるが涼しい。
東近江市を謳う町に、雨が似合う古い家並みが見える。
写真にしてしまうとつまらないものだが、実際に目にすると旅情に包まれる。
予定を変更して、しばらくここにいようかと思ったよ。


8:36 栗東(りっとう)駅(東海道本線 滋賀県)
ここらあたりにいると、いつも関東では聞かない蝉の声に気づく。
とても静かだから。
栗東に新幹線駅ができる話しが持ち上がり、女性知事が白紙に戻したことがある。
そして「もったいない」という言葉が流行った。
ボーリング場、ジムが入ったビルが駅前にある。
その中に町が収まっていた。

8:56 草津(くさつ)駅(東海道本線/草津線 滋賀県)
街道の交差点に降りた。
東海道と中山道はここで交わる。
草津宿。
駅の両側の出口とも賑わう街。
守山、栗東の静けさは消えて、かつて歩いたアーケード街は姿を変えようとしていた。
草津線へ。
久しぶりにカミキリ虫を目にした。
ホームで踏み潰されていた。
雨が上がり蒸してきた。



9:09 石部(いしべ)駅(草津線 滋賀県)
近江富士的な山を左に見る。
野洲川の堤防が覗いている。
セメント工場の脇に列車は止まり、行き違い3分の停車。
駅前に商店の類いは見られなかったが、乗降客は多く、若い駅長さんが汗をかいている。


9:22 三雲(みくも)駅(草津線 滋賀県)
乗ったのは貴生川行で、以前降りたことのある貴生川ではなく、ここで次の柘植行を待つ。
中東の女性もまたお洒落だ。
新しい駅舎の木製腰掛けに座る姿は絵画的だった。
宝石店などがある小さな町角の先に車通りの多そうな高架が見える。
あれは1号国道か。
かつての車旅では1号国道を上下することがよくあった。
このあたりに差し掛かる頃は、下りでは疲れ果てていて、上りでは先を急いでいて、何も記録されていない。

9:34 甲南(こうなん)駅(草津線 滋賀県)
甲賀路に日が戻る。
行き違い3分の停車。
水溜まりをよけて狭い駅前へ。
改札前は人で埋まっている。

9:51 油日(あぶらひ)駅(草津線 滋賀県)
駅で改札業務を行っていらっしゃる方が忍者の姿をしている。
写真を撮らせてほしいとお願いすると快く収まっていただいた。
甲賀路にはタヌキの置物が付き物。
その脇に立たれた。
FMラジオが大音量で流れ、若者達が騒いでいる。
若いっていうのは、うるさいってことなんだな。
オレもそうだった。
電車好きの男の子を連れたじい様がやってきた。
何でも、お孫さんが駅が好きで、近くの駅を巡っているとのこと。
オレと同じじゃないか。
もっともオレはあの時分にはたいして鉄道は好きじゃなかった。
発着のメロディーが「春がきた」で、思わず口ずさむ。


油日駅前風景

10:18 甲賀(こうか)駅(草津線 滋賀県)
ひと駅戻る。
母親を呼ぶ小さな女の子のかわいらしい声がする。
その声に反応して振り向いた女子高生が微笑んだ。
その光景を眺めてオレも微笑んだ。
オレのことはおいておいて、人が作る優しい光景だった。
新しい駅舎には忍者を描いた壁画が2点。
忍者の里、甲賀をアピールする姿勢が徹底していていい。
駅前商店街では、歴史的な建物が最早使用されることもなく、町の古さだけを伝えていた。




甲賀駅前風景

10:41 柘植(つげ)駅(関西本線/草津線 三重県)
随分色褪せていたけど、駅は変わっていなかった。
旅行者が多く見られる日は、駅の印象も違って見える。
駅前の軽食喫茶中村屋さんでビールを買って軽食。
周囲の見えかたもかつてここに降りた日と違った。
あれは確か2月だった。
冬と夏での感じ方が同じなわけがないか。
駅の案内板で目につくのは松尾芭蕉生誕地のみ。
3月の近鉄旅の際にも記したが、伊賀とはそういうところだ。
未だに全貌は解明されていないのではと思わせる神秘性を有している。

関連記事
-
-
「鉄旅日記」2020年盛夏 最終日(門司港-東京)その5‐岩国、五日市、広電五日市、広島(山陽本線/東海道・山陽新幹線) 【コロナ禍の内緒旅VOl.2。宮島へ。錦帯橋へ。筑豊へ。島原へ。千綿駅へ。そして若松~戸畑の渡船。日本晴れの4日間の記録でございます。】
鉄旅日記2020年8月16日・・・岩国駅、五日市駅、広電五日市駅、広島駅(山陽本線/東海道・山陽新
-
-
「鉄旅日記」2020年卯月 最終日(新津-東京)その2‐会津若松、郡山富田、喜久田、郡山(磐越西線) 【緊急事態宣言発令直前のことでございます。常磐線全線運転再開を祝して人知れず旅に出たのでございます。】
鉄旅日記2020年4月5日・・・会津若松駅、郡山富田駅、喜久田駅、郡山駅(磐越西線) 9:07 会
-
-
「車旅日記」1998年春 3日目(津軽SA-十和田湖-酒田駅-鳴子温泉)-津軽SA、温川、十和田湖休屋、長木渓谷、道の駅鷹巣、道の駅琴丘、道の駅西目、象潟駅、酒田駅、道の駅戸沢、鳴子サンハイツ 【下北半島を目指した春。男の旅は北を目指すものと思っていた20代後半。高倉健さんの影響でございましょうか。】
車旅日記1998年5月3日 1998・5・3 5:45 東北自動車道-津軽SA 1087km 聞き
-
-
「鉄旅日記」2017年夏 3日目(姫路-十三)その2-新開地、湊川、鈴蘭台、三木上の丸、三木城址、三木、粟生、神鉄三田、ウッディタウン中央、横山、有馬口、有馬温泉、鵯越(神戸電鉄有馬線/粟生線/三田線/公園都市線) 【私鉄王国で過ごす夏】
鉄旅日記2017年8月13日・・・新開地駅、湊川駅、鈴蘭台駅、三木上の丸駅、三木駅、粟生駅、神鉄三田
-
-
「鉄旅日記」2022年新春 2日目(湯瀬温泉-三沢)その4 ‐板柳、川部、撫牛子、大釈迦、鶴ヶ坂(五能線/奥羽本線) 【巨大な土偶が貼りつく木造駅を見たくて冬の東北を旅しました。】
鉄旅日記2022年1月9日・・・板柳駅、川部駅、撫牛子駅、大釈迦駅、鶴ヶ坂駅(五能線/奥羽本線)
-
-
「鉄旅日記」2014年秋 その1-日進、宮原、加茂宮、北大宮、大宮公園、土呂、東鷲宮、鷲宮、栗橋、古河、新古河、野木、間々田、岩舟(川越線/東北本線/両毛線) 【休日おでかけパスで、関東ローカル旅】
鉄旅日記2014年11月3日その1・・・日進駅、宮原駅、加茂宮駅、北大宮駅、大宮公園駅、土呂駅、東鷲
-
-
「鉄旅日記」2022年新春 2日目(湯瀬温泉-三沢)その2 ‐東大館、大館、弘前(花輪線/奥羽本線) 【巨大な土偶が貼りつく木造駅を見たくて冬の東北を旅しました。】
鉄旅日記2022年1月9日・・・東大館駅、大館駅、弘前駅(花輪線/奥羽本線) 9:53 東
-
-
「鉄旅日記」2009年晩秋 初日(東京-倉敷)その2-北条町、姫路、播州赤穂、日生、備前片上、西片上、倉敷(北条鉄道/加古川線/山陽本線/赤穂線) 【陰陽を行き来した3日間。この国の秋は美しゅうございました。】
鉄旅日記2009年11月21日・・・北条町駅、姫路駅、播州赤穂駅、日生駅、備前片上駅、西片上駅、倉敷
-
-
「車旅日記」1996年黄金週間【友を訪ねて大阪へ。そして約束の地、金沢へ。夢を見ながら国道を走った日々でございます。】最終日 北陸より東京へ‐その1(北陸道→R8)有磯海SA、玉ノ木パーキング、親不知ピアパーク、能生
車旅日記1996年5月6日 3:40 北陸自動車道-有磯海SA 多少はスッキリしたんだ。 あれから
-
-
「鉄旅日記」2018年秋 最終日(松戸-五井-大原-安房鴨川-松戸)その1-市川塩浜、五井、上総牛久、馬立、上総鶴舞、里見(京葉線/外房線/小湊鉄道)【サンキューちばフリーパスでめぐる上総下総安房旅】
鉄旅日記2018年9月23日・・・市川塩浜駅、五井駅、上総牛久駅、馬立駅、上総鶴舞駅、里見駅(京葉線
