「鉄旅日記」2017年夏【私鉄王国で過ごす夏】2日目(大垣-姫路)その1-大垣、能登川、栗東、草津、石部、三雲、甲南、油日、甲賀、柘植(東海道本線/草津線)
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最終更新日:2020/09/12
旅話2017年
鉄旅日記2017年8月12日
6:50 大垣(おおがき)駅(東海道本線//美濃赤坂支線/養老鉄道養老線/樽見鉄道 岐阜県)
何度も通りすぎてきた大垣。
でも駅前しか知らずにいた。
お城はちらっとだけ。
西軍はここにいた。
そして美濃赤坂に陣取った東軍とにらみ合う。
関ヶ原合戦でしか歴史上目にしない街だが、鉄道を利用するようになって大垣の存在は強く意識されるようになる。
日付が変わる頃に東京駅を出る夜行列車が毎日走っていた頃。
「ムーンライトながら」号。
その終点が大垣だった。
22:00の繁華街に人の姿はなく、街も夏休み。
それでいいんだ。
大垣日大はもう甲子園に登場したのか?
橋の袂にちいさな子どもの石像があった。
とても愛らしい。
大垣の街並
8:00 能登川(のとがわ)駅(東海道本線 滋賀県)
近江路は雨。
蒸してはいるが涼しい。
東近江市を謳う町に、雨が似合う古い家並みが見える。
写真にしてしまうとつまらないものだが、実際に目にすると旅情に包まれる。
予定を変更して、しばらくここにいようかと思ったよ。
8:36 栗東(りっとう)駅(東海道本線 滋賀県)
ここらあたりにいると、いつも関東では聞かない蝉の声に気づく。
とても静かだから。
栗東に新幹線駅ができる話しが持ち上がり、女性知事が白紙に戻したことがある。
そして「もったいない」という言葉が流行った。
ボーリング場、ジムが入ったビルが駅前にある。
その中に町が収まっていた。
8:56 草津(くさつ)駅(東海道本線/草津線 滋賀県)
街道の交差点に降りた。
東海道と中山道はここで交わる。
草津宿。
駅の両側の出口とも賑わう街。
守山、栗東の静けさは消えて、かつて歩いたアーケード街は姿を変えようとしていた。
草津線へ。
久しぶりにカミキリ虫を目にした。
ホームで踏み潰されていた。
雨が上がり蒸してきた。
9:09 石部(いしべ)駅(草津線 滋賀県)
近江富士的な山を左に見る。
野洲川の堤防が覗いている。
セメント工場の脇に列車は止まり、行き違い3分の停車。
駅前に商店の類いは見られなかったが、乗降客は多く、若い駅長さんが汗をかいている。
9:22 三雲(みくも)駅(草津線 滋賀県)
乗ったのは貴生川行で、以前降りたことのある貴生川ではなく、ここで次の柘植行を待つ。
中東の女性もまたお洒落だ。
新しい駅舎の木製腰掛けに座る姿は絵画的だった。
宝石店などがある小さな町角の先に車通りの多そうな高架が見える。
あれは1号国道か。
かつての車旅では1号国道を上下することがよくあった。
このあたりに差し掛かる頃は、下りでは疲れ果てていて、上りでは先を急いでいて、何も記録されていない。
9:34 甲南(こうなん)駅(草津線 滋賀県)
甲賀路に日が戻る。
行き違い3分の停車。
水溜まりをよけて狭い駅前へ。
改札前は人で埋まっている。
9:51 油日(あぶらひ)駅(草津線 滋賀県)
駅で改札業務を行っていらっしゃる方が忍者の姿をしている。
写真を撮らせてほしいとお願いすると快く収まっていただいた。
甲賀路にはタヌキの置物が付き物。
その脇に立たれた。
FMラジオが大音量で流れ、若者達が騒いでいる。
若いっていうのは、うるさいってことなんだな。
オレもそうだった。
電車好きの男の子を連れたじい様がやってきた。
何でも、お孫さんが駅が好きで、近くの駅を巡っているとのこと。
オレと同じじゃないか。
もっともオレはあの時分にはたいして鉄道は好きじゃなかった。
発着のメロディーが「春がきた」で、思わず口ずさむ。
油日駅前風景
10:18 甲賀(こうか)駅(草津線 滋賀県)
ひと駅戻る。
母親を呼ぶ小さな女の子のかわいらしい声がする。
その声に反応して振り向いた女子高生が微笑んだ。
その光景を眺めてオレも微笑んだ。
オレのことはおいておいて、人が作る優しい光景だった。
新しい駅舎には忍者を描いた壁画が2点。
忍者の里、甲賀をアピールする姿勢が徹底していていい。
駅前商店街では、歴史的な建物が最早使用されることもなく、町の古さだけを伝えていた。
甲賀駅前風景
10:41 柘植(つげ)駅(関西本線/草津線 三重県)
随分色褪せていたけど、駅は変わっていなかった。
旅行者が多く見られる日は、駅の印象も違って見える。
駅前の軽食喫茶中村屋さんでビールを買って軽食。
周囲の見えかたもかつてここに降りた日と違った。
あれは確か2月だった。
冬と夏での感じ方が同じなわけがないか。
駅の案内板で目につくのは松尾芭蕉生誕地のみ。
3月の近鉄旅の際にも記したが、伊賀とはそういうところだ。
未だに全貌は解明されていないのではと思わせる神秘性を有している。
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