「鉄旅日記」2017年冬 最終日(喜多方-東京)その1-会津若松、笈川、堂島、喜多方、会津若松(磐越西線) 【会津へ。会津へ行きたかったのでございます。】
鉄旅日記2017年12月3日・・・会津若松駅、笈川駅、堂島駅、喜多方駅(磐越西線)
2017・12・3 6:39 会津若松(あいづわかまつ)駅(磐越西線/只見線/会津鉄道 福島県)
12月の空が明るい。
きっと晴れるだろう。
磐梯山がよく見える。
街を離れる前にあの山に向かって歩いていこう。
戊辰戦争から150年。
朝敵だの賊軍だのと苛まれた歴史も完全な過去になり、薩摩長州土佐肥前においてもそうだが、現代ではおとなしくなった会津。
歴史に埋もれさせる街じゃない。


「ならぬものはならぬ」
「ダメなものはダメだ」
子供の頃はよく聞いたように思う。
道理も何もあったものじゃない言いざまだが、
でもそういうものだ。
「イヤなものはイヤだ」
人の本質に合っている。
ある種そうした力強い言葉を聞かなくなってから久しい。

車窓から眺める磐梯山





6:59 笈川(おいかわ)駅(磐越西線 福島県)
冬枯れの田野。
霜が下り、水は凍りつき、一面の霧。
幻想的な冬の光景に打たれている。



反対方向からくる次の列車でひと駅戻る。



7:26 堂島(どうじま)駅(磐越西線 福島県)
正面に磐梯山を見る美しい場所にいる。
四方見渡せば山に囲まれた会津盆地。
写真に収めたい風景の中で、まるでオレまでが一枚の絵に収まったような感覚でいた。
貴女に見てほしくて。
厳選した3枚を送る。
分厚い雲がカーテンのように太陽を隠しているが、防ぎきれず日が射してくる。
凍えている指も力を得て、思いが止まらない。
刻一刻と景色は移り変わり、磐梯山は靄に隠れる。
それでも美しい。
そんな場所にいる。
他には何もない。
空の青と靄がシンクロした幻想的な光景を見ながら、愛しい存在をひたすらに想っている。









再び車窓より

8:19 喜多方(きたかた)駅(磐越西線 福島県)
堂島で発生した霧は会津盆地を包み、喜多方に降りると冬の冷気に凍えた。
あたりには雪が残る。
最近降ったものだろう。


これが東北の寒さ。
思えば初めて浴びることになる。
喜多方は20年以上振りになる。
あの日、連休シーズンだったこともあり駅は賑わっていた。
あるいはSLを走らせた日だったのかもしれない。
近寄れないほどだった。
閑散とした駅前。
かつてはここから熱塩まで延びる日中線が敷かれていた蔵の町。


もう一度ここでラーメンを食べたい。
そうも思ってこの旅は計画された。
繁華街は市役所あたりにあるのかと歩いたが、途中で止めた。
案外遠い。
若松に戻れば朝飯が待っている。
9:58 会津若松(あいづわかまつ)駅(磐越西線/只見線/会津鉄道 福島県)
ホテルでしっかり朝食。
味噌汁、うまかったな。
よく覚えておこう。
磐梯山はホテルの部屋からよく見えた。
今日も快晴。
とてもよく映えた。

さっき若松に戻る際、喜多方を出て、若松に間もなく到着するというアナウンスが流れるまで、世界は深い霧に覆われていた。
やがて日が霧を照らし、世界は黄金色に変貌した。
とても幻想的でロマンチックな気持ちにさせられた。
飯森山や大塚山古墳群など駅周辺には見所がある。
でもどうやらオレが気付いていなかった便が、休日限定であとしばらくで出るようだ。
それに乗るよ。

関連記事
-
-
「鉄旅日記」2020年初秋 最終日(高松-東京)その1 ‐高松港3番乗場、直島宮浦海の駅、宇野港、宇野駅(高松→直島宮浦フェリー/直島宮浦→宇野フェリー) 【時空の友を訪ねて讃州高松へ。金比羅さん、瀬戸大橋、大歩危、小歩危などを友とめぐり、義仲寺に寄り、直島に渡り、水島臨海鉄道にも乗った4日間の記録でございます。】
鉄旅日記2020年9月22日・・・高松港3番乗場、直島宮浦海の駅、宇野港、宇野駅(高松→直島宮浦フ
-
-
「鉄旅日記」2009年晩秋 初日(東京-倉敷)その2-北条町、姫路、播州赤穂、日生、備前片上、西片上、倉敷(北条鉄道/加古川線/山陽本線/赤穂線) 【陰陽を行き来した3日間。この国の秋は美しゅうございました。】
鉄旅日記2009年11月21日・・・北条町駅、姫路駅、播州赤穂駅、日生駅、備前片上駅、西片上駅、倉敷
-
-
「車旅日記」2004年春 最終日(稚内-旭川空港)走行距離353㎞その1-稚内サンホテル、稚内公園、ノシャップ岬、サロベツ原生花園、サロベツ河畔、パンケ沼、下沼駅、幌延駅、雄信内駅 【旭川に下りて、思う存分に北の大地を走った旅の記録でございます】
車旅日記2004年5月5日・・・稚内サンホテル、稚内公園、ノシャップ岬、サロベツ原生花園、サロベツ河
-
-
「鉄旅日記」2017年秋 その1-東長崎、本鵠沼、鵠沼海岸、藤沢、石上、柳小路、鵠沼、湘南海岸公園、鎌倉(西武池袋線/小田急電鉄江ノ島線/江ノ島電鉄) 【湘南へ向かう休日。江ノ電に乗りに行ったのでございます。】
鉄旅日記2017年11月12日・・・東長崎駅、本鵠沼駅、鵠沼海岸駅、藤沢駅、石上駅、柳小路駅、鵠沼駅
-
-
「鉄旅日記」2008年初秋 2日目(羽咋-福井)その2-松任、小松、あわら湯のまち、三国港、福大前西福井、田原町、福井(北陸本線/えちぜん鉄道三国芦原線/福井鉄道福武線) 【秋になると北陸に行きたくなるものでございます。能登半島をはじめ、いくつもの終着駅へと行き着いたのでございます。】
鉄旅日記2008年9月14日・・・松任駅、小松駅、あわら湯のまち駅、三国港駅、福大前西福井駅、田原町
-
-
「鉄旅日記」2021年秋 初日(東京-飯坂温泉)その3 ‐槻木、角田、あぶくま、丸森、梁川(阿武隈急行)「鉄旅日記」2021年秋 【4度目の緊急事態宣言明け。これ以降そのようなものが発令されることはございませんでした。阿武隈急行、峠駅、立石寺。お宿は飯坂温泉。秋の東北を満喫すべく常磐線に乗りました。】
鉄旅日記2021年10月9日・・・槻木駅、角田駅、あぶくま駅、丸森駅、梁川駅(阿武隈急行)
-
-
「鉄旅日記」2021年春 初日(東京-米内沢)その1‐金町、上野、古川、陸前谷地(常磐線/東北新幹線/陸羽東線) 【大人の休日倶楽部パスで東北へ。新幹線、在来線特急乗り放題でございます。続くコロナ禍ではございますが、約半年の辛抱の時を過ぎて、天候にも苛まれながら秋田内陸縦貫鉄道に乗りに行きました。】
鉄旅日記2021年4月17日・・・金町駅、上野駅、古川駅、陸前谷地駅(常磐線/東北新幹線/陸羽東線
-
-
「鉄旅日記」2017年夏 初日(東京-大垣)その2-郡上八幡、北濃、美濃白鳥、郡上八幡、関、美濃太田、岐阜(長良川鉄道/高山本線)【私鉄王国で過ごす夏】
鉄旅日記2017年8月11日・・・郡上八幡駅、北濃駅、美濃白鳥駅、関駅、美濃太田駅、岐阜駅(長良川鉄
-
-
「鉄旅日記」2017年冬 最終日(喜多方-東京)その2-会津若松、芦ノ牧温泉、大川ダム公園、芦ノ牧温泉南(会津鉄道)/大塚山古墳群【会津へ。会津へ行きたかったのでございます。】
鉄旅日記2017年12月3日・・・会津若松駅、芦ノ牧温泉駅、大川ダム公園駅、芦ノ牧温泉南駅(会津鉄道
-
-
「鉄旅日記」2017年夏 最終日(十三-東京)その1-十三、大阪梅田、大阪、東淀川、茨木、島本、桜井の繹跡、桂川、京都(阪急電鉄宝塚本線/東海道本線) 【私鉄王国で過ごす夏】
鉄旅日記2017年8月14日・・・十三駅、大阪梅田駅、大阪駅、東淀川駅、茨木駅、島本駅、桂川駅、京都
