「鉄旅日記」2015年春【浜名湖周辺で遊ぶ一日】その2-鷲津、新居町、浜松、新浜松、第一通り、西鹿島、遠州森、円田、遠江一宮、原谷、掛川、安倍川(東海道本線/遠州鉄道/天竜浜名湖鉄道)
鉄旅日記2015年3月28日その2・・・鷲津駅、新居町駅、浜松駅、新浜松駅、第一通り駅、西鹿島駅、遠州森駅、円田駅、遠江一宮駅、原谷駅、掛川駅、安倍川駅(東海道本線/遠州鉄道/天竜浜名湖鉄道)
13:32 鷲津(わしづ)駅(東海道本線 静岡県)
湖畔の町にビジネスホテルの存在を2軒確認する。
何度も車窓から眺めてきて、この駅に降りたらあの場所へ向かうだろうと思っていた場所にやはり足は向かう。
湖畔の狭い場所だけど、美しい浜名湖をしみじみと眺められる。
脇の酒屋が今月で店を閉めるとのことでセールを行っていた。
3割引のビールを購入する。
今月で閉めると言えば鷲津駅のキオスクもそうで、時折吹きつける風の中でほんの少し寂しい気持ちになった。



13:56 新居町(あらいまち)駅(東海道本線 静岡県)
東海道31番目の宿場に関所がある。
何度も通ってきたけど湖に目を向けていたから気付かなかった。
そこに行こうかと思ったが時間はなく、車窓からその存在をしっかりと眺めたことで一応の満足感を得る。
駅前を通る1号国道に出て、在りし日の旅の朝を想った。
オレの記憶が正確なら19年前のことだ。
湖畔の駅で、華やかな装いの女性たちが爽やかな笑顔を浮かべていた様を強烈に覚えていて、あれからあれはどこの駅だったのだろうと気にかけていた。
そして、あの駅は間違いなくここだったと確信した。
悩み多い人生が続いている。
昨日は部下を残して家路についたことを申し訳なく思い、今日も休日出勤をしている彼への思いが不安な気持ちへと誘う。
間違ったわけではなく、理不尽な事態に呆然となり、思考回路をおかしくした。
風が邪魔だ。
突き抜けられない。
灰色の男たちが背中を丸めて競艇場出口に向かっている。

浜松(はままつ)駅(東海道新幹線/東海道本線 静岡県)にて



第一通り(だいいちどおり)駅(遠州鉄道 静岡県)にて

14:42 新浜松(しんはままつ)駅(遠州鉄道 静岡県)
路上歌手の歌声が響いている。
「ハレルヤ」と歌っている。
ここに着いてからしばらく経つが「ハレルヤ」パートはまだ続いている。
旅は思い通りに実現し続けている。
車窓から眺め続けたこの場所にもついに立つことができた。
もっと人生に望みをかけよう。
そうしたら叶うかもしれない。
遠州鉄道第一通り駅までの繁華街を往復する。
今風からレトロからヤクザまで。
何でもありの大きな街だった。
浜松は遠州の都。
駿河国ではないことに気付き、町としての静岡との差について考える。
徳川家康出世の街を謳う浜松と、彼が晩年を過ごした静岡。
両都は今や政令指定都市として並び立つという軍配でいいのだろう。
ここ浜松は20年前、旅を知る前のオレには一番遠い街だった。
中田島砂丘が懐かしい。
当時の恋人が好きだった「太陽と風のビール」が懐かしい。
何の因果か、彼女はオレと所縁のある人と一緒になって今じゃ母親だ。
他人のも含めて人生とはつくづく面白く、時に不思議な決着を見ることになる。
高架を走っているが見渡す限り真っ平らだ。
ここらはあたたかくて実なりのいい土地なのだろう。


15:27 西鹿島(にしかじま)駅(遠州鉄道/天竜浜名湖鉄道 静岡県)
眠気を催す遠州鉄道沿線風景。
浜北だけが唯一の町だった。
終点到着。
風の強い北のターミナル駅で稲荷ずし売りのおばさんが声を張り上げている。
便所にいっている間に人気は絶え、広いロータリーに侵入してくる車もなく洋館駅は西日に照らされていた。
再び天浜線に乗る。
掛川へと戻る道中に入る。
二俣城址と思しき緑を背景にした天竜川の撮影には見事に失敗したが、宮脇俊三さんもその著書に書いていたけど、山間を散々縫った挙句に大河が野に放たれる光景には息を呑む。
凄まじい水量と迫力だ。
かつて乗った太多線で、可児の手前で現れた木曽川もそうだったが、まるで虎が暴れてるところにふいに出くわしたような唐突感と非日常感を持つ。

16:06 遠州森(えんしゅうもり)駅(天竜浜名湖鉄道 静岡県)
風は止まない。
侠客「森の石松」の生地には駅員の姿があり駅前にはコンビニもある。
西日に照らされた古い駅には、かつて「男はつらいよ」の車寅次郎がいたことがある。
彼のことだ。
この駅から乗客となったこともあるだろう。
そしてこのオレも3分の間だけだが、ここにいたことが記録される。
森の石松は強烈な個性を持ち、強烈な生き方をして、その人生に沿うような死に方をしたらしい。
ここからまた西鹿島方面に戻る。
オレの旅はややこしい。


円田(えんでん)駅(天竜浜名湖鉄道 静岡県)にて



16:40 遠江一宮(とおとうみいちのみや)駅(天竜浜名湖鉄道 静岡県)
この時間を必要としていた。
邪魔だった風もここで吹かれている分じゃワルくない。
朽ち果てそうなベンチに座って次の列車が来るのを待っている。
ひとつ手前の円田駅で降りて近くのコンビニでビールを買う。
周辺は寺社と緑に囲まれて田舎の風情を見せてくれるが、円田駅は天浜線移行後にできた駅だという。
この3月には「遠州森」と「円田」の間に「森町病院前」駅が誕生し、ひとつの駅が名前を変えている。
ここ一宮のあたりは遠州の小京都を謳っている。
そこへ向けて歩いていく。
シャボン玉で遊ぶ若い親子の姿を見て近い将来を想う。
素朴な風景に似合いの営みだった。
農作業のお婆さんはオレが会釈をしたことで警戒を解いたようだった。
この駅には「和」の飲食店が入っている。
薄暗い店内に亭主の仕込みの姿が確認できた。
不安と寂しさに満ちた旅だったが真理も見つけた。
何はともあれ輝かしい未来を想像しよう。
旅を終えた後に続けていかなきゃならないのはそれだけだ。
再び掛川へと戻る。





17:06 原谷(はらのや)駅(天竜浜名湖鉄道 静岡県)
数分の停車。
二人のオッサンの後にくっついて今日何度目かの文化財駅で降りる。
ドラマの撮影に使われる機会を幾たびか得たという駅だった。
行きの沿線案内で聞いた田園に敷かれた直線道が駅裏で通行人を待っている。

掛川(かけがわ)駅(東海道新幹線/東海道本線/天竜浜名湖鉄道 静岡県)にて


18:26 安倍川(あべかわ)駅(東海道本線 静岡県)
駅を隠すような大きな駐輪場があり、駅は改装中。
ビリヤードダーツ場だけが明かりをつけて、呑み屋にぶら下がっている提灯には火が入れられていなかった。
駿河の山並みに注目したことはなかったが、ここで降りたら他に目を向ける先が見当たらない。
徳川家康を有名にした石合戦が行われた川原の気配はここにはない。
まったく根拠はないが彼らはブラジル人だろうか。
上州大田ほどではないが、巡ってきた静岡県内で居住者と思われる外国人を多く見かけた。

関連記事
-
-
「鉄旅日記」2020年文月 2日目(香住-東萩)その4‐出雲市、直江、五十猛、馬路(山陰本線) 【コロナ禍でございます。内緒の旅でございました。余部鉄橋へ。萩へ。霧の街へ。東京五輪延期で浮いた4連休の記録でございます。】
鉄旅日記2024年7月24日・・・出雲市駅、直江駅、五十猛駅、馬路駅(山陰本線) 15:19
-
-
「鉄旅日記」2021年師走 初日(東京-古川)その2 ‐水沢江刺、盛岡、上米内(東北新幹線/山田線)【特急乗り放題の大人の休日倶楽部パスで冬の国へ。山田線完全乗車と鳴子温泉郷を始めとした陸羽東線沿線を歩くことが目的でございました。】
鉄旅日記2021年12月4日・・・水沢江刺駅、盛岡駅、上米内駅(東北新幹線/山田線) 9:4
-
-
「鉄旅日記」2003年冬 最終日(博多-宇部)その2-門司港にて 【ご縁と別れがあり、34歳の誕生日を北九州で迎えた日の記憶でございます。】
鉄旅日記2003年2月16日 2003・2・16日の記憶 門司港行の鹿児島本線に乗る。 門司港レト
-
-
「車旅日記」1998年夏 4日目(遠野-釜石-気仙沼-鳴子温泉)-遠野徳田屋旅館、遠野駅、釜石駅、釜石大観音、道の駅高田松原、気仙沼港、南気仙沼駅、小梨駅、一ノ関駅、鳴子サンハイツ 【20代最後の旅でございます。青森港から北海道上陸を目指して北へ向かったのでございますが・・・。】
車旅日記1998年8月15日 1998・8・15 8:00 遠野 徳田屋旅館 4日目。 宿で知り合
-
-
「鉄旅日記」2020年睦月 2日目(湯沢-鷹ノ巣)その3‐驫木、風合瀬、大戸瀬、千畳敷、北金ヶ沢(五能線) 【秋田内陸縦貫鉄道に乗りにいきました。五能線の名所も歩いた旅初めでございます。】
鉄旅日記2020年1月12日・・・驫木駅、風合瀬駅、大戸瀬駅、千畳敷駅、北金ヶ沢駅(五能線) 13
-
-
「鉄旅日記」2008年皐月 最終日(善通寺-東京)-善通寺、多度津、丸亀、坂出、岡山、京都、野洲、東京葛飾(土讃本線/予讃本線/本四備讃線/山陽本線/東海道本線) 【旅は京都から始まり、山陰から下関へ。そして四国へと渡ったのでございます。】
鉄旅日記2008年5月6日・・・善通寺駅、多度津駅、丸亀駅、坂出駅、岡山駅、京都駅、野洲駅(土讃本線
-
-
「鉄旅日記」2019年長月 初日(東京-盛岡)その3-盛岡、上米内、区界(東北本線/山田線)/大正館 【三陸鉄道、八戸線に乗りにいきました。区界、吉里吉里など、駅旅の者として見過ごせない駅にも寄りましてございます。】
鉄旅日記2019年9月21日・・・盛岡駅、上米内駅、区界駅(東北本線/山田線)/大正館 17:39
-
-
「鉄旅日記」2018年初秋 初日(東京-桑名)その1-金町、新宿、新松田、松田、沼津(常磐線/山手線/小田急小田原線/御殿場線/東海道本線)【「JR東海&16私鉄乗り鉄☆たびきっぷ」でめぐる東海旅】
鉄旅日記2018年9月15日・・・金町駅、新宿駅、新松田駅、松田駅、沼津駅(常磐線/山手線/小田急小
-
-
「鉄旅日記」2022年水無月 初日(東京-中山平温泉)その2 ‐いわき、竜田、原ノ町、鹿島、新地、仙台(常磐線)【鳴子温泉郷の湯を求めての旅でございます。】
鉄旅日記2022年6月11日・・・いわき駅、竜田駅、原ノ町駅、鹿島駅、新地駅、仙台駅(常磐線)
-
-
「鉄旅日記」2022年弥生vol.1 最終日(熱海-東京)その2 ‐茅ヶ崎、南橋本、上溝、橋本(相模線) 【金沢シーサイドライン、根岸線、湘南モノレール、横須賀線、大雄山線、鶴見線、南武線etc.駅旅人本領発揮の旅でございます。】
鉄旅日記2022年3月6日・・・茅ヶ崎駅、南橋本駅、上溝駅、橋本駅(相模線) 11:03&n
