*

「鉄旅日記」2015年春【浜名湖周辺で遊ぶ一日】その2-鷲津、新居町、浜松、新浜松、第一通り、西鹿島、遠州森、円田、遠江一宮、原谷、掛川、安倍川(東海道本線/遠州鉄道/天竜浜名湖鉄道)

公開日: : 最終更新日:2020/09/09 旅話 2015年

鉄旅日記2015年3月28日その2
13:32 鷲津(わしづ)駅(東海道本線 静岡県)
湖畔の町にビジネスホテルの存在を2軒確認する。
何度も車窓から眺めてきて、この駅に降りたらあの場所へ向かうだろうと思っていた場所にやはり足は向かう。
湖畔の狭い場所だけど、美しい浜名湖をしみじみと眺められる。

脇の酒屋が今月で店を閉めるとのことでセールを行っていた。
3割引のビールを購入する。

今月で閉めると言えば鷲津駅のキオスクもそうで、時折吹きつける風の中でほんの少し寂しい気持ちになった。


13:56 新居町(あらいまち)駅(東海道本線 静岡県)
東海道31番目の宿場に関所がある。
何度も通ってきたけど湖に目を向けていたから気付かなかった。

そこに行こうかと思ったが時間はなく、車窓からその存在をしっかりと眺めたことで一応の満足感を得る。

駅前を通る1号国道に出て、在りし日の旅の朝を想った。
オレの記憶が正確なら19年前のことだ。
湖畔の駅で、華やかな装いの女性たちが爽やかな笑顔を浮かべていた様を強烈に覚えていて、あれからあれはどこの駅だったのだろうと気にかけていた。
そして、あの駅は間違いなくここだったと確信した。

悩み多い人生が続いている。
昨日は部下を残して家路についたことを申し訳なく思い、今日も休日出勤をしている彼への思いが不安な気持ちへと誘う。
間違ったわけではなく、理不尽な事態に呆然となり、思考回路をおかしくした。

風が邪魔だ。
突き抜けられない。

灰色の男たちが背中を丸めて競艇場出口に向かっている。

浜松(はままつ)駅(東海道新幹線/東海道本線 静岡県)にて


第一通り(だいいちどおり)駅(遠州鉄道 静岡県)にて

14:42 新浜松(しんはままつ)駅(遠州鉄道 静岡県)
路上歌手の歌声が響いている。
「ハレルヤ」と歌っている。
ここに着いてからしばらく経つが「ハレルヤ」パートはまだ続いている。

旅は思い通りに実現し続けている。
車窓から眺め続けたこの場所にもついに立つことができた。
もっと人生に望みをかけよう。
そうしたら叶うかもしれない。

遠州鉄道第一通り駅までの繁華街を往復する。
今風からレトロからヤクザまで。
何でもありの大きな街だった。

浜松は遠州の都。
駿河国ではないことに気付き、町としての静岡との差について考える。

徳川家康出世の街を謳う浜松と、彼が晩年を過ごした静岡。
両都は今や政令指定都市として並び立つという軍配でいいのだろう。

ここ浜松は20年前、旅を知る前のオレには一番遠い街だった。
中田島砂丘が懐かしい。
当時の恋人が好きだった「太陽と風のビール」が懐かしい。

何の因果か、彼女はオレと所縁のある人と一緒になって今じゃ母親だ。
他人のも含めて人生とはつくづく面白く、時に不思議な決着を見ることになる。

高架を走っているが見渡す限り真っ平らだ。
ここらはあたたかくて実なりのいい土地なのだろう。

15:27 西鹿島(にしかじま)駅(遠州鉄道/天竜浜名湖鉄道 静岡県)
眠気を催す遠州鉄道沿線風景。
浜北だけが唯一の町だった。

終点到着。
風の強い北のターミナル駅で稲荷ずし売りのおばさんが声を張り上げている。
便所にいっている間に人気は絶え、広いロータリーに侵入してくる車もなく洋館駅は西日に照らされていた。

再び天浜線に乗る。
掛川へと戻る道中に入る。

二俣城址と思しき緑を背景にした天竜川の撮影には見事に失敗したが、宮脇俊三さんもその著書に書いていたけど、山間を散々縫った挙句に大河が野に放たれる光景には息を呑む。
凄まじい水量と迫力だ。

かつて乗った太多線で、可児の手前で現れた木曽川もそうだったが、まるで虎が暴れてるところにふいに出くわしたような唐突感と非日常感を持つ。

16:06 遠州森(えんしゅうもり)駅(天竜浜名湖鉄道 静岡県)
風は止まない。
侠客「森の石松」の生地には駅員の姿があり駅前にはコンビニもある。

西日に照らされた古い駅には、かつて「男はつらいよ」の車寅次郎がいたことがある。
彼のことだ。
この駅から乗客となったこともあるだろう。

そしてこのオレも3分の間だけだが、ここにいたことが記録される。

森の石松は強烈な個性を持ち、強烈な生き方をして、その人生に沿うような死に方をしたらしい。

ここからまた西鹿島方面に戻る。
オレの旅はややこしい。

円田(えんでん)駅(天竜浜名湖鉄道 静岡県)にて


16:40 遠江一宮(とおとうみいちのみや)駅(天竜浜名湖鉄道 静岡県)
この時間を必要としていた。
邪魔だった風もここで吹かれている分じゃワルくない。
朽ち果てそうなベンチに座って次の列車が来るのを待っている。

ひとつ手前の円田駅で降りて近くのコンビニでビールを買う。
周辺は寺社と緑に囲まれて田舎の風情を見せてくれるが、円田駅は天浜線移行後にできた駅だという。
この3月には「遠州森」と「円田」の間に「森町病院前」駅が誕生し、ひとつの駅が名前を変えている。

ここ一宮のあたりは遠州の小京都を謳っている。
そこへ向けて歩いていく。

シャボン玉で遊ぶ若い親子の姿を見て近い将来を想う。
素朴な風景に似合いの営みだった。
農作業のお婆さんはオレが会釈をしたことで警戒を解いたようだった。

この駅には「和」の飲食店が入っている。
薄暗い店内に亭主の仕込みの姿が確認できた。

不安と寂しさに満ちた旅だったが真理も見つけた。
何はともあれ輝かしい未来を想像しよう。
旅を終えた後に続けていかなきゃならないのはそれだけだ。

再び掛川へと戻る。




17:06 原谷(はらのや)駅(天竜浜名湖鉄道 静岡県)
数分の停車。
二人のオッサンの後にくっついて今日何度目かの文化財駅で降りる。
ドラマの撮影に使われる機会を幾たびか得たという駅だった。

行きの沿線案内で聞いた田園に敷かれた直線道が駅裏で通行人を待っている。

掛川(かけがわ)駅(東海道新幹線/東海道本線/天竜浜名湖鉄道 静岡県)にて

18:26 安倍川(あべかわ)駅(東海道本線 静岡県)
駅を隠すような大きな駐輪場があり、駅は改装中。
ビリヤードダーツ場だけが明かりをつけて、呑み屋にぶら下がっている提灯には火が入れられていなかった。

駿河の山並みに注目したことはなかったが、ここで降りたら他に目を向ける先が見当たらない。
徳川家康を有名にした石合戦が行われた川原の気配はここにはない。

まったく根拠はないが彼らはブラジル人だろうか。
上州大田ほどではないが、巡ってきた静岡県内で居住者と思われる外国人を多く見かけた。

関連記事

「鉄旅日記」2015年春【ひらパーGo!Go!チケットで行く、京阪旅】初日その2(東京-宇治)-香里園、寝屋川市、門真市、守口市、淀屋橋、天満橋、中之島、樟葉(京阪本線/京阪中之島線)

鉄旅日記2015年3月21日その2 17:27 香里園(こうりえん)駅(京阪本線 大阪府)

記事を読む

「鉄旅日記」2015年夏【日本最南端の終着駅、枕崎までの往復旅】2日目(新南陽-鹿児島中央)その1-新南陽、新山口、阿知須、宇部新川、小野田港、下関、八幡、陣原(山陽本線/宇部線/小野田線/鹿児島本線)

鉄旅日記2015年8月13日その1 2015・8・13 5:37 新南陽(しんなんよう)駅

記事を読む

「鉄旅日記」2015年春【朝に宇治を出て、近江鉄道に乗る一日】最終日その1(宇治-東京)-宇治、山城多賀、玉水、上狛、木津、加茂、貴生川(奈良線/関西本線/草津線)

鉄旅日記2015年3月22日その1 2015・3・22 5:55 宇治(うじ)駅(奈良線 

記事を読む

「鉄旅日記」2015年夏【日本最南端の終着駅、枕崎までの往復旅】2日目(新南陽-鹿児島中央)その3-宇土、松橋、八代、出水、牛ノ浜、草道、鹿児島中央(鹿児島本線/肥薩おれんじ鉄道)

鉄旅日記2015年8月13日その3 17:40 宇土(うと)駅(鹿児島本線/三角線 熊本県

記事を読む

「鉄旅日記」2015年春【名鉄電車2DAYフリーきっぷで行く、中京旅】最終日その2(岩倉-東京)-笠松、新羽島、岐阜羽島、羽島市役所前、西笠松、新木曽川、名鉄一宮、玉ノ井、萩原、日比野、弥富、近鉄弥富(名鉄本線/名鉄竹鼻線/名鉄羽島線/名鉄尾西線)

鉄旅日記2015年3月8日その2 9:38 笠松(かさまつ)駅(名鉄本線/名鉄竹鼻線 岐阜

記事を読む

「鉄旅日記」2015年春【ひらパーGo!Go!チケットで行く、京阪旅】初日その1(東京-宇治)-東福寺、祇園四条、伏見稲荷、稲荷、男山山上、八幡市、枚方市、私市、河内森、河内磐船、交野市(京阪本線/男山ケーブル/京阪交野線)

鉄旅日記2015年3月21日その1 2015・3・21 14:00 東福寺(とうふくじ)駅

記事を読む

「鉄旅日記」2015年春【名鉄電車2DAYフリーきっぷで行く、中京旅】初日その2(東京-岩倉)-三河高浜、碧南、高浜港、亀崎、半田、知多半田、内海、富貴、河和(名鉄三河線/武豊線/名鉄河和線/名鉄知多新線)

鉄旅日記2015年3月7日その2 15:10 三河高浜(みかわたかはま)駅(名鉄三河線 愛

記事を読む

「鉄旅日記」2015年夏【日本最南端の終着駅、枕崎までの往復旅】4日目(西鉄柳川-広島)その2-田川後藤寺、糸田、糒、金田、門司港、厚狭、湯ノ峠、四郎ヶ原、南大嶺、美祢(平成筑豊鉄道糸田線、平成筑豊鉄道伊田線、鹿児島本線、美祢線)

鉄旅日記2015年8月15日その2 11:18 田川後藤寺(たがわごとうじ)駅(日田彦山線

記事を読む

「鉄旅日記」2015年春【名鉄電車2DAYフリーきっぷで行く、中京旅】初日その3(東京-岩倉)-太田川、常滑、中部国際空港、上小田井、西春、岩倉(名鉄常滑線/名鉄空港線/名鉄犬山線)

鉄旅日記2015年3月7日その3 19:04 太田川(おおたがわ)駅(名鉄河和線/名鉄常滑

記事を読む

「鉄旅日記」2015年春【朝に宇治を出て、近江鉄道に乗る一日】最終日その2(宇治-東京)-水口、水口石橋、水口城南、八日市、近江八幡、高宮、多賀大社前、彦根(近江鉄道本線/近江鉄道八日市線/近江鉄道多賀線)

鉄旅日記2015年3月22日その2 水口(みなくち)駅(近江鉄道本線 滋賀県)にて

記事を読む

Message

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です

「鉄旅日記」2008年初秋【秋になると北陸に行きたくなるものでございます。能登半島をはじめ、いくつもの終着駅へと行き着いたのでございます。】2日目(羽咋-穴水-金沢-内灘一三国港-福井)その2-松任、小松、あわら湯のまち、三国港、福大前西福井、田原町、福井(北陸本線/えちぜん鉄道三国芦原線/福井鉄道福武線)

鉄旅日記2008年9月14日 13:03 松任(まっとう)駅

「鉄旅日記」2008年初秋【秋になると北陸に行きたくなるものでございます。能登半島をはじめ、いくつもの終着駅へと行き着いたのでございます。】2日目(羽咋-穴水-金沢-内灘一三国港-福井)その1-羽咋、七尾、穴水、和倉温泉、北鉄金沢、内灘、粟ヶ崎、金沢(七尾線/のと鉄道/北陸鉄道浅野川線)

鉄旅日記2008年9月14日 2008・9・14 6:40 

「鉄旅日記」2008年初秋【秋になると北陸に行きたくなるものでございます。能登半島をはじめ、いくつもの終着駅へと行き着いたのでございます。】初日(東京-米原-野町-加賀一の宮-羽咋)その2-新西金沢、野町、加賀一の宮、西金沢、羽咋(北陸本線/北陸鉄道石川線/七尾線)

鉄旅日記2008年9月13日 15:19 新西金沢(しんにし

「鉄旅日記」2008年初秋【秋になると北陸に行きたくなるものでございます。能登半島をはじめ、いくつもの終着駅へと行き着いたのでございます。】初日(東京-米原-野町-加賀一の宮-羽咋)その1-東京、大垣、米原、長浜、敦賀、鯖江、西鯖江、大聖寺、加賀温泉(東海道本線/北陸本線)

鉄旅日記2008年9月13日 2008・9・12 23:09

「鉄旅日記」2008年初夏【まほろばの路から紀州へ。紀伊半島で過ごした短い夏の記憶でございます。】最終日(松阪-鳥羽-伊勢-東京)-松阪、鳥羽、伊勢市、宇治山田、亀山、名古屋、名古屋、豊橋、浜松、熱海(近鉄山田線/参宮線/紀勢本線/関西本線/東海道本線)

鉄旅日記2008年7月21日 2008・7・21 8:11 

→もっと見る

    PAGE TOP ↑