*

「鉄旅日記」2017年冬【会津へ。会津へ行きたかったのでございます。】最終日(喜多方-会津若松-会津高原尾瀬口-下今市-東京)その2-大塚山古墳群、会津若松、芦ノ牧温泉、大川ダム公園、芦ノ牧温泉南(会津鉄道)

公開日: : 最終更新日:2023/04/29 旅話, 旅話 2017年

鉄旅日記2017年12月3日
11:12 会津若松(あいづわかまつ)駅(磐越西線/只見線/会津鉄道 福島県)
休日限定じゃなく休日運休だ。
10:15に出る便はない。

白虎隊のお墓がある飯森山は遠い。
大塚山古墳群へ行こう。

白虎通りから千石通りへ。

モダンな外観の会津中高正門横には、全国大会出場などの華々しい足跡がところ狭しと並んでいる。

その脇にこんもりした山がある。
踏み入れると墓場。
天辺まで続いている。

前方後円墳の後方部分が墓地にあてられ、磐梯山がきれいに見える。
眼下は整然とした墓地だった。

福島県は浜通り、中通り、会津地方と、それぞれに地域性を持つ3つのブロックに分けられる。

中通りの石川町出身の友人から聞いた話だが、
彼は当時旅行代理店の営業をしていて、会津人の頑固さに手を焼いたらしい。

筋を通す。
そこに重きを置いて交渉にあたったとのこと。

その会津。
昨日からよく歩いた。

11:40 芦ノ牧温泉(あしのまきおんせん)駅(会津鉄道 福島県)
駅からは離れているけど、温泉街はとても立派なもののようだ。

錆びだらけのかつての駅名標の横には赤い郵便ポスト。

レトロな駅には猫の駅長さんがいて、ベンチにベッドが用意されているが、残念なことに不在だった。

駅舎内もレトロで、カメラを向ける者がいる。

行き違い待ちで4分の停車。

11:50 大川ダム公園(おおかわだむこうえん)駅(会津鉄道 福島県)
太陽光発電基地に、穏やかな鳥のさえずりのみが聞こえる。

よく晴れた空に全山の赤が映える。

何もないな、ここは。

次の駅まで歩いていこう。

12:38 芦ノ牧温泉南(あしのまきおんせんみなみ)駅(会津鉄道 福島県)
ダム公園に寄ってチワワに吠えかかられる。
なりは小さいけど、共通して戦闘的な犬種だ。

ダム湖を見下ろすように流れに沿って登り道。
熊に注意の看板が5%くらいの恐怖を与えてくる。

雪も降って冬眠に入っているだろうが、こうまで暖かくちゃ何が起きるか分かったものじゃない。

道は蛇行して、ダム湖は木々に隠れてよく見えない。
歩いていて決して楽しい行程ではない。

仕方がない。
これも修行。

20分ほどで視界が開ける。
かつての天領、桑原集落に入った。

入口に碑が立っている。
ダム湖建設で旧集落は湖底に沈み、現在地に越したのだと。

会津線も旧桑原駅が集落と運命を共にして、現在の線路はオレの目の前にある。

復刻した桑原駅の駅名標が鎮守の杜の脇に赤い郵便ポストを従えて立っていた。

この湖の底に集落が眠っている。
そこでは人々が何代にもわたって平和に暮らしていた。
夢のような悲しい話だ。

駅に入る際に駅横のお宅の老ご婦人と会釈を交わしたけれど、あの方ならきっと当時の写真をたくさん持っているのだろう。

ダムの歴史にはそんな話がいくつもあるのだろう。
渡哲也さんが主役を演じた映画「誘拐」に、似たような悲しい過去を背景に持つ事件を扱ったものがある。
それを思い出した。

そよかな風が葉を揺らす。
日差しは暖かく、空は青く澄んで、穏やかな時間が流れている。

ここで待つのもいいが、ちょっぴり退屈だ。
先にくる下りで芦ノ牧温泉まで戻って上りに乗り換えるか。

これで会津ともお別れ。

関連記事

「車旅日記」2003年晩秋【紀伊半島に焦がれる日々。南海道を往くのは2度目でございます。】初日(奈良-高野山-南紀白浜)走行距離204㎞ -橿原かっぱ寿司、橋本駅、九度山駅、高野山大伽藍、高野山金剛峰寺、龍神、南紀白浜

車旅日記2003年11月22日 2003・11・22 14:07 24号国道橿原市かっぱ寿司(JR

記事を読む

「鉄旅日記」2015年夏【日本最南端の終着駅、枕崎までの往復旅】2日目(新南陽-鹿児島中央)その1-新南陽、新山口、阿知須、宇部新川、小野田港、下関、八幡、陣原(山陽本線/宇部線/小野田線/鹿児島本線)

鉄旅日記2015年8月13日その1 2015・8・13 5:37 新南陽(しんなんよう)駅(山陽本

記事を読む

「車旅日記」2005年春【松本から富山へ。今にして思えば、なぜこの旅を思い立ったのか思い出せないのでございます。】初日(松本-飯山-富山)走行距離317㎞ その2-妙高高原駅、親不知駅、アパホテル富山駅前

車旅日記2005年4月29日 16:44 妙高高原駅(松本駅より156㎞) このあたりには懐かし

記事を読む

「鉄旅日記」2013年春【爆弾低気圧襲来日、青春18きっぷで西へ】最終日(和歌山-東京)その1-打田、妙寺、高野口、橋本、五条、吉野口、法隆寺、平城山、木津、京田辺、四條畷、住道(和歌山線、関西本線、学研都市線)

鉄旅日記2013年4月7日その1 早朝、和歌山(わかやま)駅(紀勢本線/阪和線/和歌山線/和歌山電

記事を読む

「車旅日記」2006年皐月【東京から出かける最後の車旅。関東、東北を2,265㎞走った記録でございます。】2日目(黒磯-郡山-いわき-仙台)その1-明治の森黒磯、高久駅、黒田原駅、白河駅、安積永盛駅、三春駅、船引駅、磐城常葉駅、川前駅、小川郷駅、四ツ倉駅

車旅日記2006年5月3日 2006・5・3 4:56 枝室街道‐道の駅明治の森黒磯 清々しい朝

記事を読む

「鉄旅日記」2009年晩秋【陰陽を行き来した3日間。この国の秋は美しゅうございました。】最終日(和田山-福知山-大阪-近江塩津-東京)その1-和田山、福知山、丹波竹田、石生、篠山口、三田、神鉄三田、宝塚、阪急宝塚、川西池田、川西能勢口、伊丹、阪急伊丹(山陰本線/福知山線)

鉄旅日記2009年11月23日 2009・11・23 6:09 和田山(わだやま)駅(山陰本線/播

記事を読む

「鉄旅日記」2018年神無月【北陸へ。信州へ。友を訪ねての巡礼旅でございます】2日目(越前大野-福井-米原-名古屋-松本)その1-越前大野、南今庄、敦賀、武並(越美北線/北陸本線/東海道本線/中央本線)

鉄旅日記2018年10月7日 2018・10・7 6:40 越前大野(えちぜんおおの)駅(越美北線

記事を読む

「車旅日記」2004年春【旭川に下りて、思う存分に北の大地を走った旅の記録でございます】最終日(稚内-旭川空港)走行距離353㎞その2-天塩中川駅、音威子府駅、美深駅、名寄駅、風連駅、和寒駅、比布駅、神居古潭、旭川空港

車旅日記2004年5月5日 12:30 天塩中川駅 (5月1日の旭川空港より1802km) 憧れ

記事を読む

「鉄旅日記」2008年皐月【旅は京都から始まり、山陰から下関へ。そして四国へと渡ったのでございます。】3日目(柳井-岡山-高松-鳴門-徳島)-柳井、大畠、西条、岡山、高松、高松築港、オレンジタウン、引田、池谷、鳴門、徳島(山陽本線/瀬戸大橋線/高徳本線/鳴門線)

鉄旅日記2008年5月4日 2008・5・4 8:55 柳井(やない)駅(山陽本線 山口県) 麗

記事を読む

「鉄旅日記」2015年春【朝に宇治を出て、近江鉄道に乗る一日】最終日その2(宇治-東京)-水口、水口石橋、水口城南、八日市、近江八幡、高宮、多賀大社前、彦根(近江鉄道本線/近江鉄道八日市線/近江鉄道多賀線)

鉄旅日記2015年3月22日その2 水口(みなくち)駅(近江鉄道本線 滋賀県)にて 水口

記事を読む

Message

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です

「鉄旅日記」2019年弥生Part.3【明知鉄道、名鉄築港線。その2線に乗るために、青春18きっぷで東海道を下っていったのでございます。】初日その2-西小坂井、三河三谷、愛知御津、三河安城、共和(東海道本線)

鉄旅日記2019年3月23日 13:07 西小坂井(にしこざかい)駅

「鉄旅日記」2019年弥生Part.3【明知鉄道、名鉄築港線。その2線に乗るために、青春18きっぷで東海道を下っていったのでございます。】初日その1-金町、三島、修善寺、蒲原、島田(常磐線/東海道本線/伊豆箱根鉄道駿豆線)

鉄旅日記2019年3月23日 2019・3・23 4:29 金町(か

「車旅日記」2000年夏Part.1【信濃、飛騨、そして能登島。帰りは北陸路。この国の美しさをあらためて感じました夏旅でございます。】最終日(小千谷-桐生-下妻-東京)道の駅おぢや、塩沢らーめんショップ、月夜野情報サービスセンター、旅の駅桐生、道の駅しもつま、柏市あけぼの2丁目、葛飾金町

車旅日記2000年7月23日 2000・7・23 2:09 17号国

「車旅日記」2000年夏Part.1【信濃、飛騨、そして能登島。帰りは北陸路。この国の美しさをあらためて感じました夏旅でございます。】3日目(能登島-氷見-小千谷)能登島、道の駅いおり、氷見港、道の駅ウェーブパークなめりかわ、朝日町栄食堂、親不知ピア・パーク、道の駅能生、長岡市宮本、道の駅おぢや

車旅日記2000年7月22日 2000・7・22 9:00 能登島某

「車旅日記」2000年夏Part.1【信濃、飛騨、そして能登島。帰りは北陸路。この国の美しさをあらためて感じました夏旅でございます。】2日目(諏訪-飯田-飛騨古川-能登島)上諏訪、辰野駅、駒ヶ根駅、飯田駅、道の駅賤母、ドライブイン飛騨花工場、道の駅飛騨古川、能登島

車旅日記2000年7月21日 2000・7・21 7:55 上諏訪某

→もっと見る

    PAGE TOP ↑