「鉄旅日記」2017年冬 最終日(喜多方-東京)その2-会津若松、芦ノ牧温泉、大川ダム公園、芦ノ牧温泉南(会津鉄道)/大塚山古墳群【会津へ。会津へ行きたかったのでございます。】
鉄旅日記2017年12月3日・・・会津若松駅、芦ノ牧温泉駅、大川ダム公園駅、芦ノ牧温泉南駅(会津鉄道)/大塚山古墳群
11:12 会津若松(あいづわかまつ)駅(磐越西線/只見線/会津鉄道 福島県)
休日限定じゃなく休日運休だ。
10:15に出る便はない。
白虎隊のお墓がある飯森山は遠い。
大塚山古墳群へ行こう。
白虎通りから千石通りへ。
モダンな外観の会津中高正門横には、全国大会出場などの華々しい足跡がところ狭しと並んでいる。
その脇にこんもりした山がある。
踏み入れると墓場。
天辺まで続いている。
前方後円墳の後方部分が墓地にあてられ、磐梯山がきれいに見える。
眼下は整然とした墓地だった。
福島県は浜通り、中通り、会津地方と、それぞれに地域性を持つ3つのブロックに分けられる。
中通りの石川町出身の友人から聞いた話だが、
彼は当時旅行代理店の営業をしていて、会津人の頑固さに手を焼いたらしい。
筋を通す。
そこに重きを置いて交渉にあたったとのこと。
その会津。
昨日からよく歩いた。
11:40 芦ノ牧温泉(あしのまきおんせん)駅(会津鉄道 福島県)
駅からは離れているけど、温泉街はとても立派なもののようだ。
錆びだらけのかつての駅名標の横には赤い郵便ポスト。
レトロな駅には猫の駅長さんがいて、ベンチにベッドが用意されているが、残念なことに不在だった。
駅舎内もレトロで、カメラを向ける者がいる。
行き違い待ちで4分の停車。
11:50 大川ダム公園(おおかわだむこうえん)駅(会津鉄道 福島県)
太陽光発電基地に、穏やかな鳥のさえずりのみが聞こえる。
よく晴れた空に全山の赤が映える。
何もないな、ここは。
次の駅まで歩いていこう。
12:38 芦ノ牧温泉南(あしのまきおんせんみなみ)駅(会津鉄道 福島県)
ダム公園に寄ってチワワに吠えかかられる。
なりは小さいけど、共通して戦闘的な犬種だ。
ダム湖を見下ろすように流れに沿って登り道。
熊に注意の看板が5%くらいの恐怖を与えてくる。
雪も降って冬眠に入っているだろうが、こうまで暖かくちゃ何が起きるか分かったものじゃない。
道は蛇行して、ダム湖は木々に隠れてよく見えない。
歩いていて決して楽しい行程ではない。
仕方がない。
これも修行。
20分ほどで視界が開ける。
かつての天領、桑原集落に入った。
入口に碑が立っている。
ダム湖建設で旧集落は湖底に沈み、現在地に越したのだと。
会津線も旧桑原駅が集落と運命を共にして、現在の線路はオレの目の前にある。
復刻した桑原駅の駅名標が鎮守の杜の脇に赤い郵便ポストを従えて立っていた。
この湖の底に集落が眠っている。
そこでは人々が何代にもわたって平和に暮らしていた。
夢のような悲しい話だ。
駅に入る際に駅横のお宅の老ご婦人と会釈を交わしたけれど、あの方ならきっと当時の写真をたくさん持っているのだろう。
ダムの歴史にはそんな話がいくつもあるのだろう。
渡哲也さんが主役を演じた映画「誘拐」に、似たような悲しい過去を背景に持つ事件を扱ったものがある。
それを思い出した。
そよかな風が葉を揺らす。
日差しは暖かく、空は青く澄んで、穏やかな時間が流れている。
ここで待つのもいいが、ちょっぴり退屈だ。
先にくる下りで芦ノ牧温泉まで戻って上りに乗り換えるか。
これで会津ともお別れ。
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