*

「鉄旅日記」2017年冬 最終日(喜多方-東京)その2-会津若松、芦ノ牧温泉、大川ダム公園、芦ノ牧温泉南(会津鉄道)/大塚山古墳群【会津へ。会津へ行きたかったのでございます。】

公開日: : 最終更新日:2025/05/15 旅話, 旅話 2017年

鉄旅日記2017年12月3日・・・会津若松駅、芦ノ牧温泉駅、大川ダム公園駅、芦ノ牧温泉南駅(会津鉄道)/大塚山古墳群

11:12 会津若松(あいづわかまつ)駅(磐越西線/只見線/会津鉄道 福島県)
休日限定じゃなく休日運休だ。
10:15に出る便はない。

白虎隊のお墓がある飯森山は遠い。
大塚山古墳群へ行こう。

白虎通りから千石通りへ。

モダンな外観の会津中高正門横には、全国大会出場などの華々しい足跡がところ狭しと並んでいる。

その脇にこんもりした山がある。
踏み入れると墓場。
天辺まで続いている。

前方後円墳の後方部分が墓地にあてられ、磐梯山がきれいに見える。
眼下は整然とした墓地だった。

福島県は浜通り、中通り、会津地方と、それぞれに地域性を持つ3つのブロックに分けられる。

中通りの石川町出身の友人から聞いた話だが、
彼は当時旅行代理店の営業をしていて、会津人の頑固さに手を焼いたらしい。

筋を通す。
そこに重きを置いて交渉にあたったとのこと。

その会津。
昨日からよく歩いた。

11:40 芦ノ牧温泉(あしのまきおんせん)駅(会津鉄道 福島県)
駅からは離れているけど、温泉街はとても立派なもののようだ。

錆びだらけのかつての駅名標の横には赤い郵便ポスト。

レトロな駅には猫の駅長さんがいて、ベンチにベッドが用意されているが、残念なことに不在だった。

駅舎内もレトロで、カメラを向ける者がいる。

行き違い待ちで4分の停車。

11:50 大川ダム公園(おおかわだむこうえん)駅(会津鉄道 福島県)
太陽光発電基地に、穏やかな鳥のさえずりのみが聞こえる。

よく晴れた空に全山の赤が映える。

何もないな、ここは。

次の駅まで歩いていこう。

12:38 芦ノ牧温泉南(あしのまきおんせんみなみ)駅(会津鉄道 福島県)
ダム公園に寄ってチワワに吠えかかられる。
なりは小さいけど、共通して戦闘的な犬種だ。

ダム湖を見下ろすように流れに沿って登り道。
熊に注意の看板が5%くらいの恐怖を与えてくる。

雪も降って冬眠に入っているだろうが、こうまで暖かくちゃ何が起きるか分かったものじゃない。

道は蛇行して、ダム湖は木々に隠れてよく見えない。
歩いていて決して楽しい行程ではない。

仕方がない。
これも修行。

20分ほどで視界が開ける。
かつての天領、桑原集落に入った。

入口に碑が立っている。
ダム湖建設で旧集落は湖底に沈み、現在地に越したのだと。

会津線も旧桑原駅が集落と運命を共にして、現在の線路はオレの目の前にある。

復刻した桑原駅の駅名標が鎮守の杜の脇に赤い郵便ポストを従えて立っていた。

この湖の底に集落が眠っている。
そこでは人々が何代にもわたって平和に暮らしていた。
夢のような悲しい話だ。

駅に入る際に駅横のお宅の老ご婦人と会釈を交わしたけれど、あの方ならきっと当時の写真をたくさん持っているのだろう。

ダムの歴史にはそんな話がいくつもあるのだろう。
渡哲也さんが主役を演じた映画「誘拐」に、似たような悲しい過去を背景に持つ事件を扱ったものがある。
それを思い出した。

そよかな風が葉を揺らす。
日差しは暖かく、空は青く澄んで、穏やかな時間が流れている。

ここで待つのもいいが、ちょっぴり退屈だ。
先にくる下りで芦ノ牧温泉まで戻って上りに乗り換えるか。

これで会津ともお別れ。

関連記事

「鉄旅日記」2009年皐月【四国へ、途中下車の旅】3日目(琴平-高知)-琴平、讃岐財田、阿波池田、大歩危、土佐山田、後免、後免町、安芸、奈半利、高知、桟橋通五丁目(土讃本線、土佐くろしお鉄道阿佐線、土佐電気鉄道桟橋線)

鉄旅日記2009年5月3日・・・琴平駅、讃岐財田駅、阿波池田駅、大歩危駅、土佐山田駅、後免駅、後免町

記事を読む

「鉄旅日記」2019年長月 最終日(宮古-東京)その2‐陸前赤崎、大船渡、気仙沼、一ノ関(三陸鉄道リアス線/大船渡線) 【三陸鉄道、八戸線に乗りにいきました。区界、吉里吉里など、駅旅の者として見過ごせない駅にも寄りましてございます。】

鉄旅日記2019年9月23日・・・陸前赤崎駅、大船渡駅、気仙沼駅、一ノ関駅(三陸鉄道リアス線/大船渡

記事を読む

「鉄旅日記」2022年新春 最終日(三沢-東京)その2 ‐一ノ関、松山町、鹿島台、仙台(東北本線) 【巨大な土偶が貼りつく木造駅を見たくて冬の東北を旅しました。】

鉄旅日記2022年1月10日・・・一ノ関駅、松山町駅、鹿島台駅、仙台駅(東北本線) 11:5

記事を読む

「鉄旅日記」2015年夏 4日目(西鉄柳川-広島)その2-田川後藤寺、糸田、糒、金田、門司港、厚狭、湯ノ峠、四郎ヶ原、南大嶺、美祢(平成筑豊鉄道糸田線、平成筑豊鉄道伊田線、鹿児島本線、美祢線) 【日本最南端の終着駅、枕崎までの往復旅】

鉄旅日記2015年8月15日その2・・・田川後藤寺駅、糸田駅、糒駅、金田駅、門司港駅、厚狭駅、湯ノ峠

記事を読む

「鉄旅日記」2021年春 初日(東京-米内沢)その3‐梅ヶ沢、一ノ関、盛岡、小岩井(東北本線/東北新幹線/田沢湖線) 【大人の休日倶楽部パスで東北へ。新幹線、在来線特急乗り放題でございます。続くコロナ禍ではございますが、約半年の辛抱の時を過ぎて、天候にも苛まれながら秋田内陸縦貫鉄道に乗りに行きました。】

鉄旅日記2021年4月17日・・・梅ヶ沢駅、一ノ関駅、盛岡駅、小岩井駅(東北本線/東北新幹線/田沢

記事を読む

「車旅日記」2005年春 初日(松本-富山)走行距離317㎞ その2-妙高高原駅、親不知駅、アパホテル富山駅前 【松本から富山へ。今にして思えば、なぜこの旅を思い立ったのか思い出せないのでございます。】

車旅日記2005年4月29日・・・妙高高原駅、親不知駅、アパホテル富山駅前 16:44 妙高高原駅

記事を読む

2020年如月【水上温泉につかりにいったある週末の記憶をSNSへの投稿より振り返ります。】-土合、水上、後閑、沼田(上越線)

鉄旅日記2020年2月8日~9日・・・土合駅、水上駅、後閑駅、沼田駅(上越線) 水上に投宿する前に

記事を読む

「鉄旅日記」2019年如月 最終日(安中-東京)その1-安中、松井田、西松井田、横川、軽井沢、大屋(信越本線/しなの鉄道) 【週末パスで東京から伊豆。そして上州、信州へ。友人は言ったものでございます。何気に大層な移動距離だと。】

鉄旅日記2019年2月10日・・・安中駅、松井田駅、西松井田駅、横川駅、軽井沢駅、大屋駅(信越本線/

記事を読む

「鉄旅日記」2021年秋 初日(東京-飯坂温泉)その3 ‐槻木、角田、あぶくま、丸森、梁川(阿武隈急行)「鉄旅日記」2021年秋 【4度目の緊急事態宣言明け。これ以降そのようなものが発令されることはございませんでした。阿武隈急行、峠駅、立石寺。お宿は飯坂温泉。秋の東北を満喫すべく常磐線に乗りました。】

鉄旅日記2021年10月9日・・・槻木駅、角田駅、あぶくま駅、丸森駅、梁川駅(阿武隈急行)

記事を読む

「鉄旅日記」2009年皐月【四国へ、途中下車の旅】2日目(三ノ宮-琴電琴平)-三ノ宮、元町、和田岬、兵庫、須磨、西明石、加古川、網干、上郡、和気、高松、志度、琴電屋島、瓦町、一宮、琴平(山陽本線、和田岬支線、瀬戸大橋線、予讃本線、高徳本線、琴平電鉄志度線、琴平電鉄琴平線)

鉄旅日記2009年5月2日・・・三ノ宮駅、元町駅、和田岬駅、兵庫駅、須磨駅、西明石駅、加古川駅、網干

記事を読む

Message

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

「鉄旅日記」2022年弥生vol.2 初日(東京-焼津)その4 ‐アプトいちしろ、川根小山、千頭、金谷、焼津(大井川鐡道井川線/大井川鐡道本線/東海道本線)/焼津温泉やいづマリンパレス 【念願の大井川鐡道に乗る旅。帰りは身延線経由、武蔵野線全駅下車達成でございます。】

鉄旅日記2022年3月19日・・・アプトいちしろ駅、川根小山駅、千頭

「鉄旅日記」2022年弥生vol.2 初日(東京-焼津)その3 ‐新金谷、千頭、アプトいちしろ、長島ダム(大井川鐡道本線/大井川鐡道井川線) 【念願の大井川鐡道に乗る旅。帰りは身延線経由、武蔵野線全駅下車達成でございます。】

鉄旅日記2022年3月19日・・・新金谷駅、千頭駅、アプトいちしろ駅

「鉄旅日記」2022年弥生vol.2 初日(東京-焼津)その2 ‐静岡、金谷、新金谷、代官町、日切、合格、門出(東海道本線/大井川鐡道本線) 【念願の大井川鐡道に乗る旅。帰りは身延線経由、武蔵野線全駅下車達成でございます。】

鉄旅日記2022年3月19日・・・静岡駅、金谷駅、新金谷駅、代官町駅

「鉄旅日記」2022年弥生vol.2 初日(東京-焼津)その1 ‐金町、東京、三島(常磐線/東海道本線) 【念願の大井川鐡道に乗る旅。帰りは身延線経由、武蔵野線全駅下車達成でございます。】

鉄旅日記2022年3月19日・・・金町駅/東京駅/三島駅(常磐線/東

「鉄旅日記」2022年弥生vol.1 最終日(熱海-東京)その6 ‐向河原、津田山、久地、宿河原、中野島、稲城長沼、府中本町(南武線) 【金沢シーサイドライン、根岸線、湘南モノレール、横須賀線、大雄山線、相模線、鶴見線etc.駅旅人本領発揮の旅でございます。】

鉄旅日記2022年3月6日・・・向河原駅、津田山駅、久地駅、宿河原駅

→もっと見る

    PAGE TOP ↑