「鉄旅日記」2008年初夏 最終日(松阪-東京)-松阪、鳥羽、伊勢市、宇治山田、亀山、名古屋、豊橋、浜松、熱海(近鉄山田線/参宮線/紀勢本線/関西本線/東海道本線) 【まほろばの路から紀州へ。紀伊半島で過ごした短い夏の記憶でございます。】
鉄旅日記2008年7月21日・・・松阪駅、鳥羽駅、伊勢市駅、宇治山田駅、亀山駅、名古屋駅、豊橋駅、浜松駅、熱海駅(近鉄山田線/参宮線/紀勢本線/関西本線/東海道本線)
2008・7・21 8:11 松阪(まつさか)駅(紀勢本線/参宮線/近鉄山田線 三重県)
鳥羽へは近鉄で行く。

賢島行がやってくる。
部活の子供たちが乗降する。
若者の心配などいらない。
こうして自分と闘う子供が育っている。
列車内での風景として好むものだ。
伊勢方面に向かう者はごくわずかで、駅に用を持つ者はたいていが名古屋方面のホームにいる。
あるいは大阪か。
この線は名張、桜井、大和八木を通って上本町までいく大阪線へとつながるようだ。
JRで行くよりもはるかに大阪が近い。
本数も多い。
車内にもローカル線が持つ独特な雰囲気はない。
2年前の紀伊半島を思い出す。
あの頃から彼女に惚れていて、今よりもまだうまくやっていた。
雨の多い旅だった。
彼女の気持ちは当時も分からず、今も分からない。
伊勢で酒を購入して彼女に会いに行こう。
あれからもうひと月になる。
9:31 鳥羽(とば)駅(参宮線/近鉄鳥羽線/近鉄志摩線 三重県)
今日は鈍い青空。
ケータイのカメラは青を感じていない。
ミキモトの総本山、真珠の街。
風景には見覚えがある。
あの時はJRや近鉄は、オレの中で意味を持っていなかった。
鳥羽湾を眺める。
この駅が海に面していたという記憶は削がれていた分、新鮮な気持ちでいられた。


どれくらいそうしていたのか。
満ち足りた時間だった。
あんな気分になりたくて、生きて、またここまできた。
土産物屋のお姉さんと親しく話した。
気分よくあれこれ買い込んだ。
「気ぃつけて。お元気で。」と見送ってくれる。
人情のいい終着駅だった。
近鉄はまだこの先も延びている。
そっちにも行きたいが、いずれまた。
長く生きられるのなら、そのうちまた。
幸せな気持ちでいる。
彼女に会いたくて。


11:11 伊勢市(いせし)駅(参宮線/近鉄山田線 三重県)
お伊勢さんのお守りを買いに降りた。



恋人と彼女に。
想いに甲乙をつけたくない。
好きな色のを二つ買ったよ。
きっとオレの想いに神が宿るだろう。
オレの想いが成就することは頼んでいない。
2人が健康で、幸せであればそれでいい。
「最強の神様が君の味方についたよ」と言って、二人に渡すさ。
伊勢神宮外宮へ。
かつて散々迷ったあたりをよく覚えていたよ。
駅から参道を歩く道すがら、ロッド・スチュワートの「胸につのる想い」を口ずさんでいた。



宇治山田駅に寄った。


威厳のある立派な駅舎は健在で、便所では心許なげな外人を見かけた。
彼はティッシュの自販機に興味を示していた。
明倫商店街へ。

よかった。
あの頃のままだ。
伊勢に行くことを決めると、真っ先に浮かんだのがそこだった。
当時は時代に取り残された一角のように見受けたけど、今の感じ方は違う。
これこそが伊勢なのだろう。
あの日にこの片隅で笑い転げていた少女たちも大人になっている。
そして今も友達でいられるのなら、とても素敵なことだ。
宮川を渡る。
2年前の旅で車から眺めた風景が蘇る。
あの川辺に人々は出ていた。
いろいろなものがつながった。
田園地帯を往く参宮線に旅情を感じたあの日。
オレは今その列車に乗っている。
多気に着くと大勢乗り込んできた。
運動をやっている少年少女にどうしても目がいく。
去年の宇治山田商業の甲子園での健闘。
優勝校の佐賀北との延長再試合は忘れていない。
11:46徳和駅着。
たくましい足をした二人の少女と、イケメン少年が二人降りていった。
12:39 亀山(かめやま)駅(紀勢本線/関西本線 三重県)
紀勢本線最終路線では、松阪と津で多くの乗降があった。
亀山まで乗ってきた者は多くない。
これから名古屋まで約70分。
関西本線とのターミナル駅の亀山のかつての姿を知る由もないが、駅弁も「駅そば」もない。
駅を出ると大鳥居が迎えてくれるが、商店はごくわずか。
食堂も見えるが、営業しているかどうか判別がつかない。
時代は、ここをはじめ多くの町を一度見捨てたが、細々とでも生き残っている町も多くある。
人間世界などいい加減なもので、昨今は原油高で、いずれ枯渇する。
また時代が振り向くこともあるかもしれないよ。
14:24 名古屋(なごや)駅(東海道新幹線/東海道本線/中央本線/関西本線/名古屋臨海高速鉄道/名古屋市営地下鉄桜通線/名古屋市営地下鉄東山線 愛知県)
関西本線に乗ったのは去年の2月。
亀山からの車窓風景をよく覚えていたよ。
鉄でできた風景の先に揖斐川、長良川、木曽川を渡る。
大名古屋温泉という名古屋らしいセンスに微笑む。
15:25 豊橋(とよはし)駅(東海道新幹線/東海道本線/飯田線/名鉄本線 愛知県)
目が覚めたのは蒲郡の手前。
三河湾は目に収めた。
この先の道中も長いけど、ずいぶんと帰ってきたような気分にさせてくれる。
豊橋はオレにとってそういう距離感を持つ街になった。
16:10 浜松(はままつ)駅(東海道新幹線/東海道本線 静岡県)
横に座っていた女性の優しい香りに気をよくしながら浜松へ。
次に乗るのは熱海行。
亀山からは5度の乗り継ぎで東京に着く。
18:50 熱海(あたみ)駅(東海道新幹線/東海道本線/伊東線 静岡県)
戻ってきた。
明らかにそんな気分でいる。
靴擦れによる痛みがひどい。
「駅そば」は売り切れとのこと。
仕方がない。
飯は家で。
伊豆方面をはじめ、この連休の人出は多かったようで、たくさんの乗客に囲まれている。
これじゃビールは飲めない。
24:43 東京葛飾金町
足の痛みは明日になれば忘れるだろう。
心配ない。
それにしても東京は暑い。
関西じゃ暑い中でも涼しさを運んでくれた風が吹かない。
仕方がない。
これが東京。
恋人に帰京挨拶の長いメールを送る。
元気を出せ。
オレは元気だ。
これからはお伊勢さんがついてる。
この3日間で腕が細くなったように感じている。
明日から元に戻していこう。
そして彼女に会いにいこう。
関連記事
-
-
「鉄旅日記」2015年春 初日その3(東京-岩倉)-太田川、常滑、中部国際空港、上小田井、西春、岩倉(名鉄常滑線/名鉄空港線/名鉄犬山線) 【名鉄電車2DAYフリーきっぷで行く、中京旅】
鉄旅日記2015年3月7日その3・・・太田川駅、常滑駅、中部国際空港駅、上小田井駅、西春駅、岩倉駅(
-
-
「鉄旅日記」2020年卯月 最終日(新津-東京)その4‐浪江、いわき、常陸多賀、石岡(常磐線) 【緊急事態宣言発令直前のことでございます。常磐線全線運転再開を祝して人知れず旅に出たのでございます。】
鉄旅日記20220年4月5日・・・浪江駅、いわき駅、常陸多賀駅、石岡駅(常磐線) 16:34 浪江
-
-
「鉄旅日記」2018年如月 最終日(直江津-六日町-大前-東京)その2-八色、浦佐、五日町、水上、後閑、上牧、八木原(上越線) 【冬の町を見たくて、週末パスを買いました。】
鉄旅日記2018年2月11日・・・八色駅、浦佐駅、五日町駅、水上駅、後閑駅、上牧駅、八木原駅(上越線
-
-
2018年秋 最終日(松戸-五井-大原-安房鴨川-松戸)その2-養老渓谷、上総中野、大多喜、国吉、大原(小湊鉄道/いすみ鉄道) 【サンキューちばフリーパスでめぐる上総下総安房旅】
鉄旅日記2018年9月23日・・・養老渓谷駅、上総中野駅、大多喜駅、国吉駅、大原駅(小湊鉄道/いすみ
-
-
「鉄旅日記」2017年秋 その3-腰越、江ノ島、湘南江の島、片瀬江ノ島、新宿(江ノ島電鉄/小田急電鉄江ノ島線)/龍ノ口寺 【湘南へ向かう休日。江ノ電に乗りに行ったのでございます。】
鉄旅日記2017年11月12日・・・腰越駅、江ノ島駅、湘南江の島駅、片瀬江ノ島駅、新宿駅(江ノ島電鉄
-
-
「車旅日記」1996年黄金週間【友を訪ねて大阪へ。そして約束の地、金沢へ。夢を見ながら国道を走った日々でございます。】初日(東京-大阪茨木 R246→R1→名神高速)その3-関駅、その後
車旅日記1996年5月3日 16:36 関駅 あれから2時間経ってようやくここに戻ってきた。
-
-
「鉄旅日記」2019年長月 2日目(盛岡-宮古)その3-陸中野田、久慈、陸中八木、八戸(三陸鉄道リアス線/八戸線) 【三陸鉄道、八戸線に乗りにいきました。区界、吉里吉里など、駅旅の者として見過ごせない駅にも寄りましてございます。】
鉄旅日記2019年9月22日・・・陸中野田駅、久慈駅、陸中八木駅、八戸駅(三陸鉄道リアス線/八戸線)
-
-
「鉄旅日記」2019年霜月 2日目(五所川原-北上)その1‐五所川原、津軽五所川原、津軽中里、鯵ヶ沢、東能代(津軽鉄道/五能線) 【津軽鉄道、弘南鉄道に乗りにいきました。羽州街道を歩いた晩秋の旅でございます。】
鉄旅日記2019年11月3日・・・五所川原駅、津軽五所川原駅、津軽中里駅、鯵ヶ沢駅、東能代駅(津軽鉄
-
-
2018年初秋 最終日(桑名-東京)その2-大垣、名古屋、金城ふ頭、豊橋、磐田、焼津(東海道本線/名古屋臨海高速鉄道あおなみ線) 【JR東海&16私鉄乗り鉄☆たびきっぷ」でめぐる東海旅】
鉄旅日記2018年9月16日・・・大垣駅、名古屋駅、金城ふ頭駅、豊橋駅、磐田駅、焼津駅(東海道本線/
-
-
「車旅日記」1996年1月【旅を友として生きていくと決めた27歳。年頭の誓いでございます。】-町田、伊勢原駅、山北駅、沼津駅、富士駅、道の駅富士川、吉原駅、田子の浦
車旅日記1996年1月1日 1996・1・1 20:43 東京町田 始動だ。 久し振りに動かした筋
