「鉄旅日記」2008年初秋 最終日(福井-東京)-福井駅前、武生新、武生、大府、武豊、知多武豊、刈谷、安城、蒲郡、東京葛飾(福井鉄道福武線/北陸本線/東海道本線/武豊線) 【秋になると北陸に行きたくなるものでございます。能登半島をはじめ、いくつもの終着駅へと行き着いたのでございます。】
鉄旅日記2008年9月15日・・・福井駅前駅、武生新駅、武生駅、大府駅、武豊駅、知多武豊駅、刈谷駅、安城駅、蒲郡駅(福井鉄道福武線/北陸本線/東海道本線/武豊線)
2008・9・15 7:35 福井駅前(ふくいえきまえ)駅(福井鉄道福武線 福井県)
北陸の空は3日にわたって晴れ上がり、今日は涼し気な秋の日和。
起きる前の街にはどこか可笑しみがある。
ふらふらと歩くおばちゃん。
携帯片手に店のシャッターを開ける美容師。
福井を離れる。
武生新(たけふしん)駅(福井鉄道福武線 福井県)にて
8:51 武生(たけふ)駅(北陸本線 福井県)
福井鉄道40分の旅。
豊かな風景だったよ。
鯖江、武生。
福井鉄道はきめ細かに列車を走らせて奮闘している。
運転士は若く、総じて感じがいい。
その事情はえちぜん鉄道でも同じだった。
乗客が少ないのは今日が休日だからか。
終着駅の武生新駅で降りて、武生駅へ。
特急しらさぎに乗り込んで、現在は北陸トンネルの中にいる。
武生市は越前市に変わったようだ。
時代物の市役所は名称だけが変わっていた。
かつてこの街で王座交代劇が起きている。
無敵と思われたテリー・ゴディ、スティーブ・ウイリアムスの世界タッグ王者組に、ジャンボ鶴田、ザ・グレート・カブキ組が挑み、鶴田がウイリアムスを岩石落としで仕留めた。
そう昔の話じゃない。
11:31 大府(おおぶ)駅(東海道本線/武豊線 愛知県)
特急しらさぎで名古屋まで。
敦賀からは上りと下りじゃルートが違うようだ。
ループ橋から敦賀の街を一望する。
そして親切なアナウンスが流れる。
米原では進行方向を変えて、北陸は遠ざかった。
武生からは約2時間だった。
名古屋駅ホームで名物のきしめんを食べて、東海道本線で大府へ。
かつて元ジャイアンツの完全試合男、槙原投手を擁した高校野球の強豪大府高校が駅近くにあり、商店街、飲食店の類は見ない。
名古屋からは各駅停車で20分の街。
言ってみれば駅前は想像通り。
武豊線に乗り換える。
知多半島へ。
乗客は少ない。
12:51 武豊(たけとよ)駅(武豊線 愛知県)
知多半島を南下。
途中、知った街として半田を通る。
かつて半田にもプロレス興行はいっている。
打ち捨てられた不気味な廃工場があり、車内の少年少女を根こそぎ降ろした大型集合店を見る。
終点は武豊。
名鉄の知多武豊駅まで歩く。
名鉄で蒲郡に出るつもりでいたが、路線図を見て驚いた。
そんなバカな真似はできない。
ちなみに名鉄はさらに南下を続け、海水浴場や唐人お吉所縁の地でもある内海まで延びる。
源義朝最期の地までは15㎞。
味噌と醤油の町。
金網に囲まれた終着駅は廃れた軍隊駐屯地を思わせる。
とても静かだった。
知多武豊(ちたたけとよ)駅(名鉄河和線 愛知県)にて
13:53 刈谷(かりや)駅(東海道本線 愛知県)
降りるつもりはなかったが、雨が上がったから。
梅雨のような湿気に涼しい風。
あたりは夕暮れ時のような暗さだ。
ここはデンソーの街なのか。
少し先に大きなビルが見える。
友人だとは思っているが、最近じゃ年賀状を寄越さなくなった男がこの街に暮らす。
あるいは転勤などで、もういないことも考えられる。
いずれにしろ東京暮らしは彼にとっては遥かな昔で、恋人も東京に置いてきた。
とっくに清算した話なのかもしれない。
オレもその中のひとりということだ。
駅前に印象に残るものを見なかったが、名鉄とも接続している。
プロレスが半田や碧南にやってきた頃、この街でジャイアント馬場はスタン・ハンセンを挑戦者に迎えて王座戦を行い、その模様はテレビ中継されている。
14:18 安城(あんじょう)駅(東海道本線 愛知県)
新快速に乗って刈谷から4分。
新快速は新幹線との接続駅、三河安城には止まらない。
おかしな話のように感じるが、愛知県民から苦情は出ていないのだろう。
刈谷によく似た街だ。
この先の岡崎もそうだった。
安城には歓楽街らしきものが認められて、ここなら暮らせると思う。
若い女性は礼儀正しく、駅員の態度には苦言を呈したかった。
この先を矢作川が流れる。
14:44 蒲郡(がまごおり)駅(東海道本線 愛知県)
駅開業120年。
今昔が写真展示されていた。
曇天の下、暗くなった街に人はいない。
北口の話だ。
降りた時には何事かを思わせるたたずまいにケータイを向けたが。
名鉄はここを始発に競艇場の前を進む。
競艇と蜜柑の街。
三河湾が近い。
その姿はホームから確認できる。
23:41 東京葛飾金町
大府ではちょっとしたゲリラがやってきた。
そして本格的な雨の予感。
雨雲は広範囲に広がっていたようだ。
もう秋雨の頃か。
今夜は蒸すけど、長雨が降りやんだら、きっと夏の名残りも消えるのだろう。
東海地区の街並の寂しさをどう表現すべきか迷ったが、ありのままの姿を記した。
昨日は東京標準という言葉を使ったが、それは標準じゃない。
街の明かりはやがて暗くなり、遅くまで騒ごうと思っている連中もそうはいない。
そっちが標準というものだ。
たいていは自分の家に帰ってくつろぐ。
ひとりかもしれないし、愛する家族がいるかもしれない。
車寅次郎のようにこうして出かけるのは好きだが、家族を持つグループに入りたいと心から望んでいる。
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