*

「鉄旅日記」2014年春 2日目(西舞鶴-魚津)その2-南条、今庄、北鯖江、鯖江、大土呂、福井、春江、丸岡、芦原温泉、動橋、石動、小杉、越中大門、魚津(北陸本線) 【青春18きっぷで、丹後若狭から北陸、信州へ】

公開日: : 最終更新日:2025/06/06 旅話, 旅話 2014年

鉄旅日記2014年3月22日その2・・・南条駅、今庄駅、北鯖江駅、鯖江駅、大土呂駅、福井駅、春江駅、丸岡駅、芦原温泉駅、動橋駅、石動駅、小杉駅、越中大門駅、魚津駅(北陸本線)

13:31 南条(なんじょう)駅(北陸本線 福井県)
駅前に商店などはなく、地図を見ると「日野川の畔に行ってみるか」と思うくらいで、他にやることが見あたらない。
近くの365号国道と北陸自動車道を車が多く行き交うが、とても静かだ。

13:50 今庄(いまじょう)駅(北陸本線 福井県)
2駅戻る。

駅前通りは狭く起伏に富んでいる。
駅と周囲の家並みは温泉場を思わせる。

日が差して、あたたかくなった。
雪国仕様の頑丈な駅には土産物屋が入っていて、今庄そばを買った。
敦賀駅の「駅そば」で出しているのが今庄そばだという。
さっき寄ったけど、うどんにしちゃったな。

列車に乗り込み、日本の里山暮らしが垣間見える線路を北へ向かってる。

14:21 北鯖江(きたさばえ)駅(北陸本線 福井県)
駅舎は巨大な畜舎を思わせる。
理由もなく好きな造りだ。
遠くに雲を貫く白峰が見える。
あたりでは藤田光学という会社が大きな存在感を放っている。
ただ、どこにも行くところがない。

ちょうど敦賀行きがやってくる。
ひとつ手前の鯖江に戻って、次の福井行きを待つ。

鯖江(さばえ)駅(北陸本線 福井県)にて
6年振りの鯖江。
あらゆる記憶が遠くなっていく。
眼鏡の街だ。

15:10 大土呂(おおどろ)駅(北陸本線 福井県)
小川が流れている
。線路の下を屈んで潜った先で白鳥が飛び立った。
思わず「おいっ!っ」て言ったけど、一声を発して遠ざかっていった。
白鳥を間近で見た最初にして、おそらく最後の機会になるだろう。
その先には北陸自動車学校がある。

圧倒的な存在感を持つ駅舎だ。
ペンキは剥がれ長く風雪に耐えてきた歴史の証人顔をしている。
ホームからの眺めが特にいい。

ビールが買えて心から喜んでいる。
風が冷たくなったけど、日差しを浴びて気分も上々。
たったひとりの待ち人として今ホームにいる。

次のが来たら、ようやくオレは福井に到着する。

福井(ふくい)駅(北陸本線/越美北線/えちぜん鉄道 福井県)にて
日差しが戻ればあたたかい。

2年前にこの街で恋をしたいと思った福井。

駅前のだだっ広い広場に設置されたFMステーションでは何か楽しそうなことを喋っている。

16:14 春江(はるえ)駅(北陸本線 福井県)
福井のひとつ先の駅で降りる。

駅を眺めていたら、赤ん坊連れの若いご婦人がシャッターを押してくれと頼んできた。
とてもチャーミングな女性だった。

餃子屋の赤提灯に万国旗を掲げた旅館。
ほーっと思いながら磯部川に沿ってしばらく歩く。
福井平野の今年の収穫に幸あれと祈る。

16:43 丸岡(まるおか)駅(北陸本線 福井県)
柴田勝豊作、日本最古の天守閣が残る丸岡城は駅から遠くてとても歩けない。

駅前には2軒の酒屋が並んでいる。
日の当たる場所でビールを飲んだ。

ここから福井空港が近く、2機が旋回する姿が青空に映えた。

17:17 芦原温泉(あわらおんせん)駅(北陸本線 福井県)
焼き芋屋の軽妙なトークが夕暮れの温泉口に響く。

駅を出て、懐かしさを覚える町並みに感嘆の声を挙げ、ステキな町を歩いた。
竹田川では少女が語らい、自転車を置いた少年がひとりたたずむ。

もう辞めてしまわれたが、得意先の女性が芦原温泉のご出身だったことを思い出した。
元気でおられるだろうか。
彼女はここで育ち、ここに戻って暮らしていくことを願っていた。

駅近くのささやかな賑わいの中にいて、彼女の思いに対してなるほどと思ったよ。



18:05 動橋(いぶりはし)駅(北陸本線 石川県)
一向宗門徒の国、加賀。
蓮如上人所縁の篠生寺のそばで5分早い18:00の時報が鳴る。
散歩に適した町だった。
寿司屋、菓子屋が典雅な灯を町に提供し、造り酒屋では新作の発表を謳っていた。

夕陽を浴びてそそり立つ加賀観音を拝めた。
夕暮れ時に気持ちのいい駅に降りた。

19:58 石動(いするぎ)駅(北陸本線 富山県)
途中、金沢駅で乗り継ぐ。

木曽義仲、巴御前所縁の地。
「火牛の計」はここで生まれ、倶利伽羅峠に向かった信越北陸軍は、空前の大部隊を集めた平家軍にその後の滅亡につながる深刻なダメージを与えた。

駅前は光にあふれ、町が青く染まっている。
結婚式場を兼ねた料亭などもあり、通りには品のいい灯がついていた。
歩くのもよかったが、うれしい驚き「駅そば」があったので暖簾をくぐる。

うまい天ぷらうどんだった。

20:30 小杉(こすぎ)駅(北陸本線 富山県)
国道に面した大型店舗が強烈な光を放っているが、旅館にスナック、飲み屋もあって駅前は町の対面を保っている。

その光の凄いこと。
「QUATTRO BOOM」か。
正体が掴めない。
きっと様々な商売がそこでは行われているのだろう。

2年前の北陸行で小杉を通過した際にやけに賑やかな町があると思い、今回の下車に至ったわけだが、なるほどこういうことだったか。

ここは富山市内ではなく、射水市の中心地だった。

20:39 越中大門(えっちゅうだいもん)駅(北陸本線 富山県)
次の富山行きには間があり、ひと駅戻る。

駅前からは町を彩る灯はひとつも見えず、送迎車がいなくなると、駅灯だけがぽつんと残される。

すぐに富山行きがやってきた。

魚津(うおづ)駅(北陸本線 富山県)にて

22:48 アパホテル魚津駅前202号
魚津駅前の空は、煌々としたマンテンホテルと、不気味なまでに照明を落としたここアパホテルに二分されている。
どちらもさして背は高くない。

漁師町ということもあるのか、荒っぽい身なりの人々しか見かけなかった街の灯は、行き交う人の数に比して多く、富山とはまた違う文化圏なのだと感じた。
角に立つ女性の姿もあり、派手な車を乗り回す鼻で笑うべき男の所行も見かけた。

この街の少年たちが甲子園を沸かせたのはオレが物心つく前。
石動球児が甲子園の土を踏んだのが小学生の頃。
時代は移り、富山は高校サッカーで全国制覇の県になった。

富山駅の工事は終わっていなかった。
新幹線開業は今年度末を予定している。

北陸本線は第三セクターへと移行する。
そうなったら、もうオレはこの線区に用事を見つけることはないのだろうかと野々市駅の灯を見て思った。

2年前に小杉駅が果たした役割を今回は野々市の光が担ったわけだ。
敦賀駅、高岡駅、富山駅の完成形には会いにいきたい。

ここ魚津は新幹線構想から外れてしまった。

関連記事

「鉄旅日記」2018年師走 初日(東京-津)その3-河曲、富田浜、河原田、津(関西本線/伊勢鉄道) 【伊勢のいくつもの終着駅に降りまして、神島で2018年最後の満月を眺めたのでございます。】

鉄旅日記2018年12月22日・・・河曲駅、富田浜駅、河原田駅、津駅(関西本線/伊勢鉄道) 18:

記事を読む

「鉄旅日記」2017年夏 3日目(姫路-十三)その2-新開地、湊川、鈴蘭台、三木上の丸、三木城址、三木、粟生、神鉄三田、ウッディタウン中央、横山、有馬口、有馬温泉、鵯越(神戸電鉄有馬線/粟生線/三田線/公園都市線) 【私鉄王国で過ごす夏】

鉄旅日記2017年8月13日・・・新開地駅、湊川駅、鈴蘭台駅、三木上の丸駅、三木駅、粟生駅、神鉄三田

記事を読む

「鉄旅日記」2020年睦月 最終日(鷹ノ巣-東京)その1‐鷹ノ巣、二ツ井、鷹巣、阿仁合(奥羽本線/秋田内陸縦貫鉄道) 【秋田内陸縦貫鉄道に乗りにいきました。五能線の名所も歩いた旅初めでございます。】最終日(鷹ノ巣-東京)

鉄旅日記2023年1月13日・・・鷹ノ巣駅、二ツ井駅、鷹巣駅、阿仁合駅(奥羽本線/秋田内陸縦貫鉄道)

記事を読む

「鉄旅日記」2013年夏 4日目(隼人-岩国)その1-隼人、鹿児島、鹿児島中央、上伊集院、薩摩松元、川内、出水、新水俣、新八代(日豊本線、鹿児島本線、肥薩おれんじ鉄道) 【青春18きっぷで、鹿児島県志布志へ】

鉄旅日記2013年8月13日その1・・・隼人駅、鹿児島駅、鹿児島中央駅、上伊集院駅、薩摩松元駅、川内

記事を読む

「鉄旅日記」2019年霜月 初日(東京-五所川原)その3‐小牛田、一ノ関、盛岡、八戸、野辺地(東北本線/IGRいわて銀河鉄道/青い森鉄道) 【津軽鉄道、弘南鉄道に乗りにいきました。羽州街道を歩いた晩秋の旅でございます。】

鉄旅日記2019年11月2日・・・小牛田駅、一ノ関駅、盛岡駅、八戸駅、野辺地駅(東北本線/IGRいわ

記事を読む

「鉄旅日記」2015年夏 2日目(新南陽-鹿児島中央)その2-直方、新飯塚、彦山、豊前桝田、夜明、御井、川尻、住吉、三角(筑豊本線/後藤寺線/日田彦山線/久大本線/鹿児島本線/三角線) 【日本最南端の終着駅、枕崎までの往復旅】

鉄旅日記2015年8月13日その2・・・直方駅、新飯塚駅、彦山駅、豊前桝田駅、夜明駅、御井駅、川尻駅

記事を読む

「鉄旅日記」2017年夏 2日目(大垣-姫路)その1-大垣、能登川、栗東、草津、石部、三雲、甲南、油日、甲賀、柘植(東海道本線/草津線)【私鉄王国で過ごす夏】

鉄旅日記2017年8月12日・・・大垣駅、能登川駅、栗東駅、草津駅、石部駅、三雲駅、甲南駅、油日駅、

記事を読む

「鉄旅日記」2021年師走 最終日(古川-東京)その3 ‐瀬見温泉(陸羽東線)/湯前神社/山神社 【特急乗り放題の大人の休日倶楽部パスで冬の国へ。山田線完全乗車と鳴子温泉郷を始めとした陸羽東線沿線を歩くことが目的でございました。】

鉄旅日記2021年12月6日・・・瀬見温泉駅(陸羽東線)/湯前神社/山神社 11:37 瀬見

記事を読む

「鉄旅日記」2022年如月 初日(東京-常陸大子)その5 ‐常陸鴻巣、下小川、矢祭山、常陸大子(水郡線)/矢祭山鮎の里公園 【十二橋駅~潮来駅、鹿島神宮西の一之鳥居~鹿島神宮、棚倉を歩く旅。】

鉄旅日記2022年2月5日・・・常陸鴻巣駅、下小川駅、矢祭山駅、常陸大子駅(水郡線)/矢祭山鮎の里

記事を読む

「鉄旅日記」2020年文月 初日(東京-香住)その6‐上川口、養父、豊岡、香住(山陰本線) 【コロナ禍でございます。内緒の旅でございました。余部鉄橋へ。萩へ。霧の街へ。東京五輪延期で浮いた4連休の記録でございます。】

鉄旅日記2020年7月23日・・・上川口駅、養父駅、豊岡駅、香住駅(山陰本線) 18:35&

記事を読む

Message

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

「鉄旅日記」2022年弥生vol.2 最終日(静岡-東京)その2 ‐十島、鰍沢口、甲斐住吉、国母、常永(身延線) 【念願の大井川鐡道に乗る旅。帰りは身延線経由、武蔵野線全駅下車達成でございます。】

鉄旅日記2022年3月21日・・・十島駅、鰍沢口駅、甲斐住吉駅、国母

「鉄旅日記」2022年弥生vol.2 最終日(静岡-東京)その1 ‐新静岡、静岡、由比、富士、芝川(東海道本線/身延線)/駿府城址 【念願の大井川鐡道に乗る旅。帰りは身延線経由、武蔵野線全駅下車達成でございます。】

鉄旅日記2022年3月21日・・・新静岡駅、静岡駅、由比駅、富士駅、

「鉄旅日記」2022年弥生vol.2 2日目(焼津-静岡)その3 ‐尾盛、千頭、金谷、静岡(大井川鐡道井川線/大井川鐡道本線/東海道本線)/くれたけインプレミアム静岡駅前 【念願の大井川鐡道に乗る旅。帰りは身延線経由、武蔵野線全駅下車達成でございます。】

2022年3月20日・・・尾盛駅、千頭駅、金谷駅、静岡駅(大井川鐡道

「鉄旅日記」2022年弥生vol.2 2日目(焼津-静岡)その2 ‐奥大井湖上、接岨峡温泉(大井川鐡道井川線) 【念願の大井川鐡道に乗る旅。帰りは身延線経由、武蔵野線全駅下車達成でございます。】

2022年3月20日・・・奥大井湖上駅、接岨峡温泉駅(大井川鐡道井川

「鉄旅日記」2022年弥生vol.2 2日目(焼津-静岡)その1 ‐焼津、金谷、千頭、井川(東海道本線/大井川鐡道本線/大井川鐡道井川線)/焼津温泉やいづマリンパレス 【念願の大井川鐡道に乗る旅。帰りは身延線経由、武蔵野線全駅下車達成でございます。】

鉄旅日記2022年3月20日・・・焼津駅、金谷駅、千頭駅、井川駅(東

→もっと見る

    PAGE TOP ↑