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「鉄旅日記」2019年師走【由利高原鉄道鳥海山ろく線に乗りにいきました。初冬の日本海は荒々しく、美しゅうございました。】初日(東京-酒田)その2‐新前橋、水上、長岡(上越線)

公開日: : 旅話, 旅話 2019年

鉄旅日記2019年12月7日・・・新前橋駅、水上駅、長岡駅(上越線)
7:24 新前橋(しんまえばし)駅(上越線/両毛線 群馬県)
高崎問屋町までは住宅の壁を眺めていた。

井野までも車窓風景にたいした差はないが、右手には赤城山、左手には妙義の連なりが見え始める。
空気は澄み、輪郭の何もかもがはっきりしている。

前橋の気温は3度。
駅前噴水広場の冷たいベンチに腰かけた若い女性が楽しそうに電話で話している。


15年近く振りに降りた駅で、特に感慨が湧くこともなく、発車した列車の車窓正面に見える赤城山と裾に拡がる町並を眺め、思い出すように振り返っては妙義や、海音寺潮五郎さんが小説で執念谷と表現した方角に目を向ける。

車中には学生と重装備の冬山登山部隊が目立つ。

8:25 水上(みなかみ)駅(上越線 群馬県)
渋川を過ぎて利根川を渡ると、いつの間にか赤城山から注意が逸れ、左手に見えていた山々に列車は近づいていく。

やがて山裾を掠めトンネルをくぐる。
そしてまた次の山の勢力圏に入ってはトンネルを抜けていく。

時折目を見張るような利根川渓谷の絶景が現れる。

沼田が近づくと、山の連なりの先に雪を乗せた連山が姿を見せはじめた。
ドアが開くと車内にも冷気が入り込み、ブーツに覆われている足の爪先までが寒さを感じている。

水上温泉郷の廃墟は長い間風雨に曝され、姿はより壮絶さを増している。
寒い冬の朝は遅く、駅前商店街のシャッターはその多くが下りている。

長岡行への乗り換え時間は11分。
水上に差し掛かる頃に見えていた雪山の壁は、駅前通りからは見えなかった。


この重装備の若者達はおそらく土合で降りていく。

あの雪の壁に向かう屈強な男たちに憧憬と敬意を。

10:25 長岡(ながおか)駅(上越新幹線/信越本線/上越線 新潟県)
長いトンネルを抜けると白い世界が現れた。
しばらく目を離せない。
美の極致がそこにあった。

岩原スキー場を訪ねたことはないが、滑り甲斐のありそうなゲレンデが緩やかに狭まっていく山頂へ向けて敷かれていた。

越後湯沢で地元民が数人乗ってきた。
傘は手にしていない。
越後の天気はどうやら保つようだ。

峡谷を往くことに変わりはないが、土地が開けてきた。
スキー場はまだどこもオープンしていないようだ。

塩沢あたりで眠りに落ちて、浦佐で目を覚ます。
六日町で動きがあったのだろう。
空いていた席は埋まりつつあった。

小出で会津へと分かれていく鉄路を見送ると再び眠りに落ちて、目を覚ますと雪は一面を覆うことはなく、平野に薄日が差していた。

乗り換え時間11分。
10:29発の快速新潟行に乗る。

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