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「鉄旅日記」2019年師走【由利高原鉄道鳥海山ろく線に乗りにいきました。初冬の日本海は荒々しく、美しゅうございました。】初日(東京-酒田)その3‐新潟、村上、羽後本荘(信越本線/白新線/羽越本線)

公開日: : 旅話, 旅話 2019年

鉄旅日記2019年12月7日・・・新潟駅、村上駅、羽後本荘駅(信越本線/白新線/羽越本線)
11:41 新潟(にいがた)駅(上越新幹線/信越本線/越後線/白新線 新潟県)
三条を過ぎると雪は完全に消えた。
冬枯れの越後平野に薄日が差している。

見附、三条、東三条、加茂と停車して乗客を増していく。
途中で席を得るとまた眠りに落ちる。

亀田を過ぎたのは耳が記憶している。
間もなく新潟着とのアナウンスに目を上げると列車は高架を走っている。
2年前までは地べたを走っていたはずだ。

無常を遠く新潟でも感じて階段を降りると、構内は工事中で、改札口まではやたらと歩く構造になっている。
改札の外に変化はなく、駅舎にも手は加えられていなかった。

かつて新潟駅を出ると広大な操車場の間を縫っていったものだが、どうなったのだろうか。
その一端が東新潟駅で見られた。

大形を過ぎると阿賀野川を渡る。
橋上から磐越国境へと続く険しい山並が覗き、全山すでに雪化粧を終えていた。

13:19 村上(むらかみ)駅(羽越本線 新潟県)
新潟~新発田間は通勤通学路線で、ローカル線にしては乗降の動きが多かった。

越後平野の先に大山塊が立ちふさがる風景にさしたる変化はなく、見上げれば空は広く、平らな世界と人煙まれなる世界を楽しんでいた。

上下線とも特急列車の到着が近いせいか、村上駅前は記憶のどれよりも賑わっていた。

「歓迎瀬波温泉」の文字。
20代の頃に初めて車で旅に出て、あの海辺で感動的な時を過ごしたことがある。

郡山で友と別れてからたどった旅路。
思えばあの日からずっとひとりで旅をしてきた。




特急いなほ5号に乗っている。
新幹線より特急料金は格段に安く、オレの旅を十分に満たしてくれる。

あれは粟島なのだろう。
日本海の先に大きな島が見えている。
椎名誠さんが「怪しい探検隊」を組んで数度訪ねた島。

新幹線などなくてもオレにはこれでいい。
通りすぎていく町を無視したことなどない人生には、これくらいの速度がちょうどいい。

「鮭のまち」村上駅で購入した「鮭おこわ」がことのほか美味しい。
左手には間断なく日本海が見えている。

恋人から便りが届いた。

15:46 羽後本荘(うごほんじょう)駅(羽越本線/由利高原鉄道 秋田県)
府屋、あつみ温泉、鶴岡、余目、酒田、遊佐、象潟。
今乗っている特急の停車駅。

平野に雪はなく、いなほ5号はたんたんと北上を続けている。

鶴岡を過ぎると一際姿のいい山が雪化粧をして日差しを集めていた。
なるほど。
あれが月山、湯殿山と並ぶ出羽三山のひとつ、羽黒山か。



このあたりは日本海からは離れている。
ひと雨降って、金浦駅上空にきれいな虹がかかる。

7年振りになる羽後本荘駅は改装中で、かつての姿も現在の姿も見ることは叶わなかった。
ただひとつ、駅前風景に見覚えがあった。


荒天に見舞われていると聞いていた日本海側の町並に雪はなく、雨上がりの町で寒さは感じていない。

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