*

「鉄旅日記」2019年師走【由利高原鉄道鳥海山ろく線に乗りにいきました。初冬の日本海は荒々しく、美しゅうございました。】初日(東京-酒田)その3‐新潟、村上、羽後本荘(信越本線/白新線/羽越本線)

公開日: : 最終更新日:2024/04/13 旅話, 旅話 2019年

鉄旅日記2019年12月7日・・・新潟駅、村上駅、羽後本荘駅(信越本線/白新線/羽越本線)
11:41 新潟(にいがた)駅(上越新幹線/信越本線/越後線/白新線 新潟県)
三条を過ぎると雪は完全に消えた。
冬枯れの越後平野に薄日が差している。

見附、三条、東三条、加茂と停車して乗客を増していく。
途中で席を得るとまた眠りに落ちる。

亀田を過ぎたのは耳が記憶している。
間もなく新潟着とのアナウンスに目を上げると列車は高架を走っている。
2年前までは地べたを走っていたはずだ。

無常を遠く新潟でも感じて階段を降りると、構内は工事中で、改札口まではやたらと歩く構造になっている。
改札の外に変化はなく、駅舎にも手は加えられていなかった。

かつて新潟駅を出ると広大な操車場の間を縫っていったものだが、どうなったのだろうか。
その一端が東新潟駅で見られた。

大形を過ぎると阿賀野川を渡る。
橋上から磐越国境へと続く険しい山並が覗き、全山すでに雪化粧を終えていた。

13:19 村上(むらかみ)駅(羽越本線 新潟県)
新潟~新発田間は通勤通学路線で、ローカル線にしては乗降の動きが多かった。

越後平野の先に大山塊が立ちふさがる風景にさしたる変化はなく、見上げれば空は広く、平らな世界と人煙まれなる世界を楽しんでいた。

上下線とも特急列車の到着が近いせいか、村上駅前は記憶のどれよりも賑わっていた。

「歓迎瀬波温泉」の文字。
20代の頃に初めて車で旅に出て、あの海辺で感動的な時を過ごしたことがある。

郡山で友と別れてからたどった旅路。
思えばあの日からずっとひとりで旅をしてきた。




特急いなほ5号に乗っている。
新幹線より特急料金は格段に安く、オレの旅を十分に満たしてくれる。

あれは粟島なのだろう。
日本海の先に大きな島が見えている。
椎名誠さんが「怪しい探検隊」を組んで数度訪ねた島。

新幹線などなくてもオレにはこれでいい。
通りすぎていく町を無視したことなどない人生には、これくらいの速度がちょうどいい。

「鮭のまち」村上駅で購入した「鮭おこわ」がことのほか美味しい。
左手には間断なく日本海が見えている。

恋人から便りが届いた。

15:46 羽後本荘(うごほんじょう)駅(羽越本線/由利高原鉄道 秋田県)
府屋、あつみ温泉、鶴岡、余目、酒田、遊佐、象潟。
今乗っている特急の停車駅。

平野に雪はなく、いなほ5号はたんたんと北上を続けている。

鶴岡を過ぎると一際姿のいい山が雪化粧をして日差しを集めていた。
なるほど。
あれが月山、湯殿山と並ぶ出羽三山のひとつ、羽黒山か。



このあたりは日本海からは離れている。
ひと雨降って、金浦駅上空にきれいな虹がかかる。

7年振りになる羽後本荘駅は改装中で、かつての姿も現在の姿も見ることは叶わなかった。
ただひとつ、駅前風景に見覚えがあった。


荒天に見舞われていると聞いていた日本海側の町並に雪はなく、雨上がりの町で寒さは感じていない。

関連記事

「鉄旅日記」2020年卯月【緊急事態宣言発令直前のことでございます。常磐線全線運転再開を祝して人知れず旅に出たのでございます。】初日(東京-新津)その2‐水戸、いわき、原ノ町、鹿島(常磐線)

鉄旅日記2020年4月4日・・・水戸駅、いわき駅、原ノ町駅、鹿島駅(常磐線) 7:40 水戸(みと)

記事を読む

「鉄旅日記」2006年新春【雪の降った翌日。近くのローカル線に乗りに出かけました。】-馬橋、流山、幸谷、新松戸、佐貫、竜ケ崎(常磐線/総武流山電鉄/関東鉄道竜ヶ崎線)

鉄旅日記2006年1月22日・・・馬橋駅、流山駅、幸谷駅、新松戸駅、佐貫駅、竜ケ崎駅(常磐線/総武流

記事を読む

「鉄旅日記」2018年師走【伊勢のいくつもの終着駅に降りまして、神島で2018年最後の満月を眺めたのでございます。】初日(東京-桑名-阿下喜-西藤原-四日市-内部-西日野-津)その2-西藤原、あすなろう四日市、内部、日永、西日野、泊、南四日市(三岐鉄道三岐線/四日市あすなろう鉄道内部線/四日市あすなろう鉄道八王子線)

鉄旅日記2018年12月22日・・・西藤原駅、あすなろう四日市駅、内部駅、日永駅、西日野駅、泊駅、南

記事を読む

「鉄旅日記」2020年卯月【緊急事態宣言発令直前のことでございます。常磐線全線運転再開を祝して人知れず旅に出たのでございます。】最終日(新津-東京)その1‐新津、馬下、津川、喜多方(磐越西線)

鉄旅日記2020年4月5日・・・新津駅、馬下駅、津川駅、喜多方駅(磐越西線) 2020・4・5 5:

記事を読む

「鉄旅日記」2020年文月【コロナ禍でございます。内緒の旅でございました。余部鉄橋へ。萩へ。霧の街へ。東京五輪延期で浮いた4連休の記録でございます。】2日目(香住-東萩)その2‐浜坂、東浜、福部、鳥取(山陰本線)

鉄旅日記2020年7月24日・・・浜坂駅、東浜駅、福部駅、鳥取駅(山陰本線) 8:55&nb

記事を読む

「車旅日記」2004年秋【瀬戸内から山陰へ。そんな旅がしたかったのでございます。】最終日(城崎-豊岡-舞鶴-京都)走行距離256㎞-レイセニット城崎、城崎駅、豊岡駅、久美浜駅、宮津駅、西舞鶴駅、東舞鶴駅、福知山駅、京都駅

車旅日記2004年11月21日・・・レイセニット城崎、城崎駅、豊岡駅、久美浜駅、宮津駅、西舞鶴駅、東

記事を読む

「車旅日記」2006年皐月【東京から出かける最後の車旅。関東、東北を2,265㎞走った記録でございます。】4日目(大曲-阿仁合-弘前-三厩-青森)その2-弘前駅、道の駅つるた、毘沙門駅、津軽中里駅、三厩駅、中小国駅、駅前ホテルニュー青森館

車旅日記2006年5月5日・・・弘前駅、道の駅つるた、毘沙門駅、津軽中里駅、三厩駅、中小国駅、駅前ホ

記事を読む

「鉄旅日記」2016年春【下北半島から東日本大震災被災地へ】初日(東京-下北)その2-村崎野、六原、盛岡、八戸、野辺地、下北(東北本線、いわて銀河鉄道線、大湊線)

鉄旅日記2016年3月19日その2・・・村崎野駅、六原駅、盛岡駅、八戸駅、野辺地駅、下北駅(東北本線

記事を読む

「車旅日記」2000年春【一年のブランクを経て、旅再開。出発場所は東京町田から、下町葛飾へと変わっております。】初日(東京‐足利‐鬼怒川‐会津若松‐新潟豊栄)その1‐葛飾金町、幸手駅、古河駅、渡良瀬遊水地北エントランス、藤岡駅、佐野厄除け大師、足利駅

車旅日記2000年5月3日 2000・5・2 東京葛飾金町 前夜祭 旅に出る前夜。 これほどの

記事を読む

「鉄旅日記」2012年春【青春18きっぷで、ダム湖に水没する鉄路へ】その1-上尾、桶川、鴻巣、行田、岡部、神保原、新町、群馬総社、中之条、郷原、長野原草津口、万座・鹿沢口(高崎線、吾妻線)

鉄旅日記2012年4月1日その1・・・上尾駅、桶川駅、鴻巣駅、行田駅、岡部駅、神保原駅、新町駅、群馬

記事を読む

Message

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

「鉄旅日記」2021年秋【4度目の緊急事態宣言明け。これ以降そのようなものが発令されることはございませんでした。阿武隈急行、峠駅、立石寺。お宿は飯坂温泉。秋の東北を満喫すべく常磐線に乗りました。】初日(東京-飯坂温泉)その1 ‐金町、高浜、友部、水戸、いわき(常磐線)

鉄旅日記2021年10月9日・・・金町駅、高浜駅、友部駅、水戸駅、い

「鉄旅日記」2021年夏【4度目の緊急事態宣言前。飯山線に乗りたくて旅を思い立ちました。湯檜曽駅で夏の第一声を聞き、信越路を歩いた記録でございます。】最終日(上田-東京)その3 ‐十日町、越後川口、渋川、敷島(飯山線/上越線)

鉄旅日記2021年7月11日・・・十日町駅、越後川口駅、渋川駅、敷島

「鉄旅日記」2021年夏【4度目の緊急事態宣言前。飯山線に乗りたくて旅を思い立ちました。湯檜曽駅で夏の第一声を聞き、信越路を歩いた記録でございます。】最終日(上田-東京)その2 ‐北飯山、飯山、蓮、森宮野原(飯山線)

鉄旅日記2021年7月11日・・・北飯山駅、飯山駅、蓮駅、森宮野原駅

「鉄旅日記」2021年夏【4度目の緊急事態宣言前。飯山線に乗りたくて旅を思い立ちました。湯檜曽駅で夏の第一声を聞き、信越路を歩いた記録でございます。】最終日(上田-東京)その1 ‐上田、滋野、長野(しなの鉄道/信越本線)

鉄旅日記2021年7月11日・・・上田駅、滋野駅、長野駅(しなの鉄道

「鉄旅日記」2021年夏【4度目の緊急事態宣言前。飯山線に乗りたくて旅を思い立ちました。湯檜曽駅で夏の第一声を聞き、信越路を歩いた記録でございます。】初日(東京-上田)その4 ‐長野、御代田、小諸、上田(信越本線/しなの鉄道)

鉄旅日記2021年7月10日・・・長野駅、御代田駅、小諸駅、上田駅(

→もっと見る

    PAGE TOP ↑