*

「鉄旅日記」2019年師走 初日(東京-酒田)その3‐新潟、村上、羽後本荘(信越本線/白新線/羽越本線) 【由利高原鉄道鳥海山ろく線に乗りにいきました。初冬の日本海は荒々しく、美しゅうございました。】

公開日: : 最終更新日:2025/05/06 旅話, 旅話 2019年

鉄旅日記2019年12月7日・・・新潟駅、村上駅、羽後本荘駅(信越本線/白新線/羽越本線)

11:41 新潟(にいがた)駅(上越新幹線/信越本線/越後線/白新線 新潟県)
三条を過ぎると雪は完全に消えた。
冬枯れの越後平野に薄日が差している。

見附、三条、東三条、加茂と停車して乗客を増していく。
途中で席を得るとまた眠りに落ちる。

亀田を過ぎたのは耳が記憶している。
間もなく新潟着とのアナウンスに目を上げると列車は高架を走っている。
2年前までは地べたを走っていたはずだ。

無常を遠く新潟でも感じて階段を降りると、構内は工事中で、改札口まではやたらと歩く構造になっている。
改札の外に変化はなく、駅舎にも手は加えられていなかった。

かつて新潟駅を出ると広大な操車場の間を縫っていったものだが、どうなったのだろうか。
その一端が東新潟駅で見られた。

大形を過ぎると阿賀野川を渡る。
橋上から磐越国境へと続く険しい山並が覗き、全山すでに雪化粧を終えていた。

13:19 村上(むらかみ)駅(羽越本線 新潟県)
新潟~新発田間は通勤通学路線で、ローカル線にしては乗降の動きが多かった。

越後平野の先に大山塊が立ちふさがる風景にさしたる変化はなく、見上げれば空は広く、平らな世界と人煙まれなる世界を楽しんでいた。

上下線とも特急列車の到着が近いせいか、村上駅前は記憶のどれよりも賑わっていた。

「歓迎瀬波温泉」の文字。
20代の頃に初めて車で旅に出て、あの海辺で感動的な時を過ごしたことがある。

郡山で友と別れてからたどった旅路。
思えばあの日からずっとひとりで旅をしてきた。




特急いなほ5号に乗っている。
新幹線より特急料金は格段に安く、オレの旅を十分に満たしてくれる。

あれは粟島なのだろう。
日本海の先に大きな島が見えている。
椎名誠さんが「怪しい探検隊」を組んで数度訪ねた島。

新幹線などなくてもオレにはこれでいい。
通りすぎていく町を無視したことなどない人生には、これくらいの速度がちょうどいい。

「鮭のまち」村上駅で購入した「鮭おこわ」がことのほか美味しい。
左手には間断なく日本海が見えている。

恋人から便りが届いた。

15:46 羽後本荘(うごほんじょう)駅(羽越本線/由利高原鉄道 秋田県)
府屋、あつみ温泉、鶴岡、余目、酒田、遊佐、象潟。
今乗っている特急の停車駅。

平野に雪はなく、いなほ5号はたんたんと北上を続けている。

鶴岡を過ぎると一際姿のいい山が雪化粧をして日差しを集めていた。
なるほど。
あれが月山、湯殿山と並ぶ出羽三山のひとつ、羽黒山か。



このあたりは日本海からは離れている。
ひと雨降って、金浦駅上空にきれいな虹がかかる。

7年振りになる羽後本荘駅は改装中で、かつての姿も現在の姿も見ることは叶わなかった。
ただひとつ、駅前風景に見覚えがあった。


荒天に見舞われていると聞いていた日本海側の町並に雪はなく、雨上がりの町で寒さは感じていない。

関連記事

「鉄旅日記」2020年睦月 初日(東京-湯沢)その3‐小牛田、一ノ関、北上、柳原、江釣子(東北本線/北上線) 【秋田内陸縦貫鉄道に乗りにいきました。五能線の名所も歩いた旅初めでございます。】

鉄旅日記2020年1月11日・・・小牛田駅、一ノ関駅、北上駅、柳原駅、江釣子駅(東北本線/北上線)

記事を読む

「鉄旅日記」2019年師走 最終日(酒田-東京)その4‐水上、高崎、籠原(上越線/高崎線) 【由利高原鉄道鳥海山ろく線に乗りにいきました。初冬の日本海は荒々しく、美しゅうございました。】

鉄旅日記2019年12月8日・・・水上駅、高崎駅、籠原駅(上越線/高崎線) 18:36 水上(みな

記事を読む

「鉄旅日記」2018年エイプリルフール その1-金町、上野、鹿沼、日光、東武日光、宇都宮、野崎(常磐線/東北本線/日光線) 【8年振りに金町に帰ってまいりました。青春18きっぷはまだ3日分残っております。呼んでくれたのは会津でございました。】

鉄旅日記2018年4月1日・・・金町駅、上野駅、鹿沼駅、日光駅、東武日光駅、宇都宮駅、野崎駅(常磐線

記事を読む

「鉄旅日記」2014年春 初日(東京-西舞鶴)その2-東雲、宮津、天橋立、豊岡、国府、和田山、梁瀬、福知山、西舞鶴(北近畿タンゴ鉄道宮津線/山陰本線) 【青春18きっぷで、丹後若狭から北陸、信州へ】

鉄旅日記2014年3月21日その2・・・東雲駅、宮津駅、天橋立駅、豊岡駅、国府駅、和田山駅、梁瀬駅、

記事を読む

「車旅日記」2006年皐月 5日目(青森-安達)その2-宮古駅、吉里吉里駅、盛駅、大船渡駅、気仙沼駅、女川駅、石巻駅、利府駅、道の駅あだち 【東京から出かける最後の車旅。関東、東北を2,265㎞走った記録でございます。】

車旅日記2006年5月6日・・・宮古駅、吉里吉里駅、盛駅、大船渡駅、気仙沼駅、女川駅、石巻駅、利府駅

記事を読む

「鉄旅日記」2017年夏 3日目(姫路-十三)その2-新開地、湊川、鈴蘭台、三木上の丸、三木城址、三木、粟生、神鉄三田、ウッディタウン中央、横山、有馬口、有馬温泉、鵯越(神戸電鉄有馬線/粟生線/三田線/公園都市線) 【私鉄王国で過ごす夏】

鉄旅日記2017年8月13日・・・新開地駅、湊川駅、鈴蘭台駅、三木上の丸駅、三木駅、粟生駅、神鉄三田

記事を読む

「鉄旅日記」2020年文月 最終日(三次-東京)その1‐三次、上下、府中(福塩線) 【コロナ禍でございます。内緒の旅でございました。余部鉄橋へ。萩へ。霧の街へ。東京五輪延期で浮いた4連休の記録でございます。】

鉄旅日記2020年7月26日・・・三次駅、上下駅、府中駅(福塩線) 2020・7・26&nb

記事を読む

「鉄旅日記」2018年師走 最終日(神島-鳥羽港-伊良湖岬-三河田原-豊橋-東京)その3-三河田原、新豊橋、豊橋、東静岡、沼津(豊橋鉄道渥美線/東海道本線) 【伊勢のいくつもの終着駅に降りまして、神島で2018年最後の満月を眺めたのでございます。】

鉄旅日記2018年12月24日・・・三河田原駅、新豊橋駅、豊橋駅、東静岡駅、沼津駅(豊橋鉄道渥美線/

記事を読む

「鉄旅日記」2020年如月 2日目(大船渡-釜石)その3‐宮古、蟇目、茂市(山田線)/蛇の目寿司 【東日本大震災で被害を受けた大船渡に泊まりにまいりました。山田線完全乗車も目指しておりましたが・・。】

鉄旅日記2020年2月23日・・・宮古駅、蟇目駅、茂市駅(山田線)/蛇の目寿司 13:25 宮古蛇

記事を読む

「鉄旅日記」2005年秋 最終日(小諸-東京)その1-小諸、軽井沢、横川(しなの鉄道) 【軽井沢で挙式する身内を祝うために、初めて鉄道で旅をいたしました。】

鉄旅日記2005年11月7日・・・小諸駅、軽井沢駅、横川駅(しなの鉄道) 2005・11・7 東京

記事を読む

Message

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

「鉄旅日記」2022年弥生vol.2 初日(東京-焼津)その3 ‐新金谷、千頭、アプトいちしろ、長島ダム(大井川鐡道本線/大井川鐡道井川線) 【念願の大井川鐡道に乗る旅。帰りは身延線経由、武蔵野線全駅下車達成でございます。】

鉄旅日記2022年3月19日・・・新金谷駅、千頭駅、アプトいちしろ駅

「鉄旅日記」2022年弥生vol.2 初日(東京-焼津)その2 ‐静岡、金谷、新金谷、代官町、日切、合格、門出(東海道本線/大井川鐡道本線) 【念願の大井川鐡道に乗る旅。帰りは身延線経由、武蔵野線全駅下車達成でございます。】

鉄旅日記2022年3月19日・・・静岡駅、金谷駅、新金谷駅、代官町駅

「鉄旅日記」2022年弥生vol.2 初日(東京-焼津)その1 ‐金町、東京、三島(常磐線/東海道本線) 【念願の大井川鐡道に乗る旅。帰りは身延線経由、武蔵野線全駅下車達成でございます。】

鉄旅日記2022年3月19日・・・金町駅/東京駅/三島駅(常磐線/東

「鉄旅日記」2022年弥生vol.1 最終日(熱海-東京)その6 ‐向河原、津田山、久地、宿河原、中野島、稲城長沼、府中本町(南武線) 【金沢シーサイドライン、根岸線、湘南モノレール、横須賀線、大雄山線、相模線、鶴見線etc.駅旅人本領発揮の旅でございます。】

鉄旅日記2022年3月6日・・・向河原駅、津田山駅、久地駅、宿河原駅

「鉄旅日記」2022年弥生vol.1 最終日(熱海-東京)その5 ‐川崎新町、八丁畷、矢向、平間(浜川崎支線/南武線)/ガス橋 【金沢シーサイドライン、根岸線、湘南モノレール、横須賀線、大雄山線、相模線、鶴見線etc.駅旅人本領発揮の旅でございます。】

鉄旅日記2022年3月6日・・・川崎新町駅、八丁畷駅、矢向駅、平間駅

→もっと見る

    PAGE TOP ↑