*

「鉄旅日記」2019年年始 最終日(一ノ関-東京)その2-本吉、柳津、前谷地、石巻、宮城野原、仙台空港(気仙沼線/石巻線/仙石線/仙台空港鉄道仙台空港線) 【雪が見たくて北へ向かいました。そして初めて仙台空港線に乗ったのでございます。】

公開日: : 最終更新日:2025/05/10 旅話, 旅話 2019年

鉄旅日記2019年1月6日・・・本吉駅、柳津駅、前谷地駅、石巻駅、宮城野原駅、仙台空港駅(気仙沼線/石巻駅/仙石線/仙台空港鉄道仙台空港線)

10:00 本吉(もとよし)駅(気仙沼線 宮城県)
過去の津波浸水区間と書かれたゲートをくぐる。

BRTは専用路と一般道を併用するが、専用路の延長がなされたようには感じられなかった。

かさ上げされた堤防が視界を塞ぐが、完成には遠いように見える。

8年前の震災を知る者を、とても悲しい気持ちにさせる風景が続く。

その隙間に覗いた海岸には若者たちの笑い合う姿があった。

それでいい。
若者はそうじゃなきゃいけないよ。





剥き出しの線路が見えて、やがて本吉に到着。

晴天に雪が舞う。

本吉はまさにかつての本吉駅だった。

鉄は剥がされたが、線路は視界の果てまで続いていた。




11:30 柳津(やないづ)駅(気仙沼駅 宮城県)
寂しい停車場に着いた。




3年前より整備は進んだが、それで一体いつ終わるのかと思う。

完成予想図が公表されているのかいないのか。

町を作ることは大変なことだと想像できる分、これから先訪ねる度に気にするだろう。

今年秋に開催されるラグビーW杯で、世界がやってくる釜石の復興を優先したのかもしれない。
それならそうと発信すべきだ。

BRTは空いていた。
そして柳津~前谷地の気仙沼線に残ったわずかな鉄路も、存続を危ぶみたくなるほどに空いている。

若くて素敵な女性と本吉から乗り合わせている。

この土地の未来が明るいものであるよう、新年に祈る。

11:53 前谷地(まえやち)駅(石巻線/気仙沼線 宮城県)
鄙びたターミナル駅に着いた。

冬枯れた仙北平野が広がっている。

この地は震災を前後しても何も変わるところはない。

あるいは鉄道愛好家の訪問は減ったかもしれない。
彼等の関心は鉄路が敷かれていない所には及ばない可能性がある。

接続3分で女川行に乗り継いでいる。

祭の派手な法被を着こんだ男が二人、車窓の風景に混じった。
正月明け。
まだハレの日が続いているのだろうか。

涙を堪えた3年前の三陸めぐりから、もしかするとこの地域は、目には見えなくとも発展と呼べるような変化を経験し続けているのかもしれない。

そう言うオレも、この3年の間に人生観が変わるほどの変化を経験している。

12:23 石巻(いしのまき)駅(石巻線/仙石線 宮城県)
雪の気配はなく、日差しも暖かく感じる。

柳津に吹いていた寒風もここにはない。

駅を取り巻く環境に変化はなく、穏やかに新年最初の日曜日を迎えていた。

この駅で、3年前とは違う被写体を選んでスマホを向ける我が身に気づいた。



乗り換え時間は13分。
今回はこれで離れるが、また何度でも足は向くだろう。
被災地のことが気掛かりだから。

大きな声で話す老婆の言葉に、宮城県という土地柄を再認識した。

13:59 宮城野原(みやぎのはら)駅(仙石線 宮城県)
仙台人の鉄道マナーの良さに感心しつつ、野球シーズンを過ぎて降りる人のない駅に立ち、地上への階段を上がる。

列車到着時には楽天野球団のマーチが流れ、地上に出るまで駅構内はゴールデンイーグルス色をしている。


駅を出て正面には、まるで有名女学院のような仙台育英高校の壮麗な校舎が目に入る。

そこから徒歩約5分。
陸上競技場の並び奥に野球場がある。

周辺に盛り場はなく、試合後の観戦者は仙台に出るより仕様がない。

風はやはり冷たく、日曜午後の退屈な時間が流れていて、人通りのない通りになぜか悲しい気持ちにさせられた。

14:48 仙台空港(せんだいくうこう)駅(仙台空港鉄道仙台空港線 宮城県)
名取まで410円とは高い。
空を利用するとはそういうことなのか。
オレのように単に終着駅に用があって、そこがたまたま空港だったという者には散財になる。

ただ、すべての鉄道網を利用しつくすことが目的だ。
仕方がない。

仙台から直通列車に乗る。

名取からはJR線を離れて高架となり、空港までは3駅。

平凡で疎らな住宅街を眺め、一旦トンネルを潜り、地下駅かと思わせたが、再び地上へ出ると空港内。

空港はどこも似ている。
しかしここ仙台空港といえば、東日本大震災で波をかぶり、しばらく機能停止に陥った際の映像が頭を去ることはない。

いくつか写して9分の滞在で去る。


仙台中心地に高層ビル群が固まっている。
車窓を眺める今、仙台の空を目撃したような気分でいる。

関連記事

「鉄旅日記」2012年晩秋【休日おでかけパスで、相模線途中下車旅】保土ヶ谷、大船、香川、北茅ヶ崎、厚木、社家、相武台下、原当麻、下溝、片倉、八王子、猿橋、西八王子、武蔵小金井、東小金井(横須賀線、東海道本線、相模線、横浜線、中央本線)

鉄旅日記2012年11月17日・・・保土ヶ谷駅、大船駅、香川駅、北茅ヶ崎駅、厚木駅、社家駅、相武台下

記事を読む

「鉄旅日記」2019年霜月 最終日(北上-東京)その1‐北上、横手、醍醐、十文字、下湯沢(北上線/奥羽本線) 【津軽鉄道、弘南鉄道に乗りにいきました。羽州街道を歩いた晩秋の旅でございます。】

鉄旅日記2019年11月4日・・・北上駅、横手駅、醍醐駅、十文字駅、下湯沢駅(北上線/奥羽本線)

記事を読む

「鉄旅日記」2011年秋【再びみちのくひとり旅】最終日(長井-東京)-長井、荒砥、赤湯、羽前千歳、作並、東照宮、槻木、角田、福島、飯坂温泉、本宮、宇都宮、雀宮(山形鉄道/仙山線/阿武隈急行/福島交通飯坂線/東北本線)

鉄旅日記2011年11月6日・・・長井駅、荒砥駅、赤湯駅、羽前千歳駅、作並駅、東照宮駅、槻木駅、角田

記事を読む

「鉄旅日記」2012年春 その2-新清水、静岡、草薙、興津、裾野、御殿場、駿河小山、国府津、逗子、横須賀、田浦、新川崎(東海道本線、静岡鉄道、御殿場線、横須賀線) 【青春18きっぷで、鶴見線・伊豆・駿河途中下車旅】

鉄旅日記2012年4月8日その2・・・新清水駅、静岡駅、草薙駅、興津駅、裾野駅、御殿場駅、駿河小山駅

記事を読む

「鉄旅日記」2016年春 初日(東京-下北)その1-郡山、安達、苦竹、東仙台、花泉、石越(東北本線、仙石線) 【下北半島から東日本大震災被災地へ】

鉄旅日記2016年3月19日その1・・・郡山駅、安達駅、苦竹駅、東仙台駅、花泉駅、石越駅(東北本線、

記事を読む

「鉄旅日記」2012年夏 初日(東京-富山)-大垣、田村、近江塩津、敦賀、越前花堂、美山、九頭竜湖、越前大野、福井、美川、金沢、津幡(東海道本線、北陸本線、越美北線) 【青春18きっぷで、福井・石川途中下車旅】

鉄旅日記2012年8月25日・・・大垣駅、田村駅、近江塩津駅、敦賀駅、越前花堂駅、美山駅、九頭竜湖駅

記事を読む

「鉄旅日記」2020年晩秋 最終日(武生-東京)その1‐越前武生、武生、三方、美浜(北陸本線/小浜線) 【大人の休日倶楽部パスで北陸へ。新幹線、在来線特急乗り放題でございます。魚津、雨晴をめぐり、氷見線、万葉線、城端線、七尾線、えちぜん鉄道、福武線、北陸鉄道との再会でございます。】

鉄旅日記2020年11月23日・・・越前武生駅、武生駅、三方駅、美浜駅(北陸本線/小浜線)

記事を読む

「鉄旅日記」2007年皐月 3日目(福山-岡山)-福山、三原、呉、広島、三次、備後落合、東城、岡山(山陽本線/呉線/芸備線/伯備線) 【夜汽車で東京を離れ、山陰山陽へ。鉄旅最初の長旅でございました。】

鉄旅日記2007年5月5日・・・福山駅、三原駅、呉駅、広島駅、三次駅、備後落合駅、東城駅、岡山駅(山

記事を読む

「鉄旅日記」2019年師走 初日(東京-酒田)その1‐金町、北千住、上野、高崎(常磐線/高崎線) 【由利高原鉄道鳥海山ろく線に乗りにいきました。初冬の日本海は荒々しく、美しゅうございました。】

鉄旅日記2019年12月7日・・・金町駅、北千住駅、上野駅、高崎駅(常磐線/高崎線) 2019・1

記事を読む

「車旅日記」2005年冬 初日(熊本空港-都城)走行距離270㎞-羽田空港、熊本空港、立野駅、高森駅、湯前駅、小林駅、都城グリーンホテル 【どこへ行こうか。まっさきに浮かんだのが、昨夏に旅した南九州でございました。】

車旅日記2005年2月11日・・・羽田空港、熊本空港、立野駅、高森駅、湯前駅、小林駅、都城グリーンホ

記事を読む

Message

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

「鉄旅日記」2022年皐月 初日(東京-磐梯熱海)その3 ‐黒磯、泉崎、白河、郡山(東北本線) 【日光線全駅乗降を果たし、猪苗代湖畔に遊び、磐梯熱海の湯につかり、国定忠治を訪ねた旅でございます。】

鉄旅日記2022年5月7日・・・黒磯駅、泉崎駅、白河駅、郡山駅(東北

「鉄旅日記」2022年皐月 初日(東京-磐梯熱海)その2 ‐文挟、鹿沼、鶴田、宇都宮(日光線) 【日光線全駅乗降を果たし、猪苗代湖畔に遊び、磐梯熱海の湯につかり、国定忠治を訪ねた旅でございます。】

鉄旅日記2022年5月7日・・・文挟駅、鹿沼駅、鶴田駅、宇都宮駅(日

「鉄旅日記」2022年皐月 初日(東京-磐梯熱海)その1 ‐金町、上野、宇都宮(常磐線/東北本線) 【日光線全駅乗降を果たし、猪苗代湖畔に遊び、磐梯熱海の湯につかり、国定忠治を訪ねた旅でございます。】

鉄旅日記2022年5月7日・・・金町駅、上野駅、宇都宮駅(常磐線/東

「鉄旅日記」2022年弥生vol.2 最終日(静岡-東京)その5 ‐東浦和、東川口、吉川、吉川美南、南流山(武蔵野線) 【念願の大井川鐡道に乗る旅。帰りは身延線経由、武蔵野線全駅下車達成でございます。】/江戸川堤菜の花絶景

2022年3月21日・・・東浦和駅、東川口駅、吉川駅、吉川美南駅、南

「鉄旅日記」2022年弥生vol.2 最終日(静岡-東京)その4 ‐西国分寺、北府中、新小平、青梅街道、北朝霞、朝霞台(武蔵野線) 【念願の大井川鐡道に乗る旅。帰りは身延線経由、武蔵野線全駅下車達成でございます。】

鉄旅日記2022年3月21日・・・西国分寺駅、北府中駅、新小平駅、青

→もっと見る

    PAGE TOP ↑