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「車旅日記」2004年夏【九州を一周してみよう。そう思いたった、真夏の日々でございます。】2日目(別府-阿蘇-宮崎)走行距離337㎞その2-高森駅、高千穂駅、延岡駅、日向市駅、佐土原駅、アーバンキット宮崎

公開日: : 最終更新日:2020/09/11 旅話 2004年

車旅日記2004年8月12日
14:04 高森駅(8月11日の佐賀空港より403㎞)
メルヘンの世界から阿蘇の終着駅に汽車がやってきた。

ワンマンカーで緑色のボディ。

立野と高森を結ぶ南阿蘇鉄道。
その終着駅にいる。

駅舎もメルヘン的な姿をしている。

駅のレストランでカレーライスを食べる。

ありふれた味だったけど、オレにはあれでいい。
美味かったよ。

325号国道は、大橋を渡るところから始まる。
57号国道を走っていてその橋が見えた時、瞬時にあの橋を渡りたいと思った。

そして幸運にも、オレが選んでいたルート上にその橋は架かっていた。

橋の上からは滝が見えた。
人跡未踏と思しき高所から水は落ちていた。

阿蘇の沿道はなかなかに賑やかだ。

店も鄙びた造りではなく、リゾートの雰囲気を漂わせるものが何軒も見られ、山頂へと車列が続く。

南外輪山を抜ければ高千穂。
峠を控えたこの町はとても静かだ。

蝉の声が心地よく、レストランで流れていた「風になりたい」が、この町によく合っていた。

レストランの娘さんの笑顔はとても素敵だったよ。

15:14 高千穂駅(8月11日の佐賀空港より444㎞)
高森峠を越える。

再会の時と同じで、阿蘇とのお別れも坂の上だった。

ヒグラシの声が耳に留まり、宮崎県へ。

神々の里、高千穂。
高千穂峡の全貌は分からなかったけど、涼やかな場所だった。
たくさんの人々がそこを訪ねていたよ。

橋のある風景はおそらく鳴子峡と同じ仕掛けだろう。
峡谷には橋が似合う。

ここは渓谷鉄道の終着駅。
駐車場から階段を下りた場所にひっそりと駅舎があった。

三角屋根の小さな駅舎で、駐車場に隣接する土産物屋の方が大きな顔をしていて、屋上にはビヤガーデンができている。
母屋をとられたようなものだが、この土産物屋も含めて駅だと言えないこともない。

何を期待してここまで来たのか、ここでこうしているオレにもよく分かっていないが、満足しているよ。

ここにいる特別感よりも、普通の感覚でこの場所にいる自分を感じている。

たぶん、初めから決まっていたのだろう。

この町に寄ることは、初めからオレの人生に組み込まれていたのだろう。
そうに違いない。
そして、海外にもそんな街がいくつかあれば素敵だけれど。

感動するのは、今日も空がきれいなこと。

ここから目指すのは日向灘。

16:37 延岡駅(8月11日の佐賀空港より496㎞)
線路が敷かれている場所まで下りるのに相当な距離を走った。

渓谷を見下ろす国道は、天翔大橋、青雲橋と渡っていく。

鉄道は、トンネルを抜けた後は渓谷に沿って走る。

話に聞いていた高千穂渓谷の絶景を眺めるには、どうやら鉄道の車窓の方が向いているらしい。

オレがイメージする南国とは宮崎を指していた。

その中核都市ともいえる延岡に着いた。

人通りがないわけじゃないが、静かな夕暮れを迎えている。

視覚障害者用の警告音が響き、通りを挟んだ空地では祭のための櫓が組まれようとしている。

駅で、この旅で初めてとも思える九州訛を聞き、待合室では高校野球を映している。

高千穂鉄道の駅舎は健気にもJRとは別で、片隅にひっそりと存在していた。

そして今日もそろそろ日が暮れていく。

西日にあたるのは好きだ。
何よりも夕暮れ時が好きだ。

宮崎市内まで100㎞弱。
日向、佐土原と止まっていくつもりだ。

その前にこの街を一周してみよう。

17:46 日向市駅(8月11日の佐賀空港より519㎞)
日に向かう町。

南国の待合室は開放的で、駅員も見送り客も乗客も、すべからく日差しを浴びている。

日向街道は延岡大橋を渡るとにわかに混み始めたが、有料道路と合流して2車線になるとスムースに流れ始めた。

沿道の椰子の木。
真っ黒に日焼けした男たち。
これが南国。

二枚目の野球部員が生真面目な表情で自転車を漕いでいる。

彼が見ていたのは目の前の風景ではなく、来年の夏だったのかもしれない。

駅前にはホテルが一軒。

また一日が終わる。
その繰り返しを穏やかな気持ちで肯定している。

じきに消えようとする最後の西日。
やけに強烈だ。

19:15 佐土原駅(8月11日の佐賀空港より572㎞)
日向大橋が宮崎市内の入口。

でも宮崎は遠い。

日向の山々は日没まで太陽を隠さず、道は思うように流れず、宮崎入り前に日は暮れた。

この町の少年たちが県大会を勝ち上がって甲子園出場を果たし、一回戦を勝ち抜いている。

合併間近とのことだが、沿道には多くの明かりがこぼれている。
てっきり過疎の町かと思っていた。

改札口では3人の少女がしゃがみこんでいる。
彼女たちはこの日の終わりをどう思っているのだろう。

駅から10号国道に差し掛かる角に、何やら洒落た店が建設中だった。

2013年8月11日撮影

22:45 アーバンキット宮崎 591㎞
正確には日向住吉あたりが市内の玄関口だった。
そこから街道には光があふれ、中央分離帯に椰子の木々が並ぶようになると中心街だ。

さすがに県庁を持つ街。
ちょっと歩いたくらいじゃとても回りきれない。

大きな街には川の流れがあるように、この街には大淀川がその川幅を誇っている。

その大淀川を渡す橘橋。
あまりにも長大で途中で引き返すことになったが、川面に映る宮崎の街は素敵だった。

このマンションの1階に飲み屋がある。
そこの女将に駐車場の利用について尋ねたことから、今夜の食事の場所が決まった。

700円で生ビールに枝豆、そして刺身。
安いし美味い。
仰天するような心地でしばらく過ごして、店を出てから宮崎駅に向かった。

15年くらい前のオレみたいな男が、女性を集めて騒ぎ、その傍らで右腕に入れ墨を入れた男がオレを睨む。

宮崎駅は現代的な構造物だった。
線路が高架化する際に生まれ変わったのだろう。

あれは何という工法だろう。
骨組みが剥き出しで、造形美学の粋を集めたような代物だが、オレの記憶には残るだろうか。
日本家屋や寺社仏閣を模したような、昔ながらの駅舎を愛している。

駅前広場は広く、噴水と椰子の木が南国情緒を高めている。

九州の街は、市町村合併によって覇権を競っている。

ここ宮崎も、その闘いに参加したようだ。
そんな内容の行政府が掲げた看板を見かけたし、高速道路の建設を求めるものもあった。

でも宮崎にその態度はそぐわない。
オレはそう思うんだ。

宮崎と言えば、ジャイアンツが春季キャンプを張り、
新婚カップルがハネムーンで向かう場所。

オレも相当古いな。

2013年8月12日撮影

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