「鉄旅日記」2016年夏【じきに廃線を迎える留萌~増毛に用がありました】4日目(富良野-大館)その2-南千歳、苫小牧、登別、東室蘭、北舟岡、伊達紋別、長万部、森、新函館北斗、大館(千歳線/室蘭本線/函館本線/北海道新幹線/奥羽本線)
鉄旅日記2016年8月13日・・・南千歳駅、苫小牧駅、登別駅、東室蘭駅、北舟岡駅、伊達紋別駅、長万部駅、森駅、新函館北斗駅、大館駅(千歳線/室蘭本線/函館本線/北海道新幹線/奥羽本線)
11:45 南千歳(みなみちとせ)駅(千歳線/石勝線 北海道)
空港施設の先に姿のいい山々が見える。
取り分け姿のいいのは羊蹄山だろうか。
いずれにしても北の名山として位置づけられるものだろう。
脇の国道を車がビュンビュン行き交う。
オレもかつてあの中にいたことがある。
千歳駅に寄りたくて探せなくて、でも駅の入口があったことを覚えている。
それがここだ。
間違いなくここだ。
たいして意味はないが、連絡橋を渡ってその地点に降りてみた。
たいした意味はないんだ。
強いて言えば、あの時を偲んでということになる。
つまり他にやることが見つからなかったのだ。
空港脇という土地柄ゆえに周囲に住宅は見られず、従って何もないターミナル駅だが、ホームには駅弁売場がある。
苫小牧(とまこまい)駅(室蘭本線/日高本線/千歳線 北海道)にて
室蘭本線へ乗り換える。
車窓から見る樽前山
13:26 登別(のぼりべつ)駅(室蘭本線 北海道)
樽前山の山頂は珍獣の口や尻尾を思わせる。
火山活動は活発とは言えないが、うっすらと煙が見える。
山の名前からそうした情報まで、同乗していた車掌さんに教えてもらった。
室蘭本線は、左手に海を見ながらひたすら真っすぐに線路が敷かれている。
苫小牧からずっと立ちっぱなしで足が固まってきだしたところで、ここ登別で9分の停車。
ここにも中国人の集団がいて、日本人よりも多く見かける。
みんな似たような肥満体型をしていて、似たような髪型をしている。
ここには遊園地があるんだな。
温泉と遊戯場を楽しみに訪日したのか。
富良野でも触れたが、他に所もあろうに、中国人とは見上げた民族だと感心している。
駅では熊の剥製が2頭出迎え、獣臭い匂いが漂っている。
漫画「がきデカ」を読んでいたから、登別温泉のことは子供の頃から知っていた。
熊の置物の土産の話だったか、登別の登場の経緯は忘れたが、あの漫画ではよく登別温泉という文字を見かけた。
13:55 東室蘭(ひがしむろらん)駅(室蘭本線/室蘭支線 北海道)
かつての室蘭駅だと何かの書物で知った。
室蘭駅は支線の4駅先へと移動して、現在この駅は東室蘭となっている。
停車時間が短く躊躇したけど、階段を駆け上がり、駆け下りた。
今回の北の旅で、小樽に次ぐスケールの街があったが、街を見る余裕はなく、再び駆け上がり駆け下り列車に戻った。
14:23 北舟岡(きたふなおか)駅(室蘭本線/北海道)
ぐっすり眠っていた。
目覚めたら海辺の駅にいた。
ここで3分の停車。
波が輝いている。
ホームに降りて太平洋を写した。
下りホームにうっそりとした待合所があったけど、駅舎はなく、跨線橋を渡ることは断念した。
誰に対しての申し開きでもないが、趣味にはルールが要る。
待合所とはいえ写して帰るのをルールとしているが、いいとしよう。
目覚めてよかったよ。
14:35 伊達紋別(だてもんべつ)駅(室蘭本線 北海道)
行き違いの特急の遅れで急遽停車。
駅を撮りにいく。
かつてここから函館本線の倶知安まで鉄路が延びていたことを宮脇俊三さんの本で知った。
彼のその線区の描写はごく僅かで、羊蹄山のことが記されていること以外覚えていない。
奥州伊達の一族が開拓した土地であることも後に知った。
4年前に降りた時は夜だった。
駅前に商店などはないと記した。
車窓に昭和新山が現れ消えた。
15:56 長万部(おしゃまんべ)駅(函館本線/室蘭本線)
いい風が吹いている。
念願のビールにもありつけた。
名物の「かにめし」は売り切れていたようだ。
それよりこの風だ。
心地よさにぞくそくする。
こんな心地でいた様々な場面があったが、今年は遠く長万部でその時を迎えた。
素晴らしい夏を過ごしている。
北海道新幹線は長万部を通ることに決定したようだ。
その決定を喜ぶ看板が見られる。
問題はその先の札幌までのルートだが、決定を見たのだろうか。
ここで函館本線に乗り継ぎ、本州への道を行く。
17:40 森(もり)駅(函館本線/渡島砂原支線 北海道)
これから何度も北の大地に上陸する人生になるのであれば、通る度に感慨を催す駅となるだろう。
一昨日言ったように、「いかめし」を買う機会はないかもしれないが。
こんなに快晴続きの夏休みもまたなかなか望めまい。
今日も駒ケ岳がよく見える。
乗り合わせている人々の多くは苫小牧からずっと一緒だ。
彼等は今夜は函館に泊まるのだろうか。
五稜郭から七重浜で降りる計画でいたけど、オレも函館までいくことにしたよ。
そう言えば2日前に気づいたが、五稜郭の「駅そば」はなくなっていたっけ。
時代だな。
富良野と苫小牧には「駅そば」はあったけど、富良野は営業前だったし、苫小牧ではビールを探しにいってしまった。
東森に着いて、あの獣道ならぬ人道を通ってこの列車を見にきた親子がいる。
父親に肩車された男の子に満面の笑みで手を振った。
親子ともども手を振り返してくれて、父親はとてもうれしそうだった。
彼の気持ちはよく分かるよ。
苫小牧でもちいさな女の子が手を振ってくれた。
そんな人生になって、たまらなくうれしいよ。
20:30 新函館北斗(しんはこだてほくと)駅(北海道新幹線/函館本線 北海道)
函館駅のポイント故障によりダイヤが大幅に乱れて函館にいくこともできず、五稜郭で「道南いさりび鉄道」に乗り換えて木古内から新幹線に乗る予定は霧消して、まずは焦った。
列車は七飯で前進活動を停止して、どれだけの時間を費やしたのかは気にはしていなかったが、泰然としていることはできなかった。
まあムリもないよな。
運転士はとても気さくな好人物だった。
やがて下り列車がやってきて、ここから新幹線に乗ることになった。
まさにいろいろあるのが人生。
手当がついたとなればで焦燥はどこへやら。
酒を買い込み発車を待っている。
23:53 ロイヤルホテル大館612号室
4日目の夜はいつもこんな時間になる。
広島、呉、岩国、羽後本荘。
かつての夏が蘇る。
今回は図らずも新幹線や特急を利用することになったが、それを考慮に入れなければ5日間という時間の中で北海道ではこれ以上遠くへはいけない。
あれから新幹線で新青森に降りて、奥羽本線の最終列車で大館に着いた。
4年前、5年前、いずれも夏に、乗り継ぎの都合でこの街でしばしの時間を過ごした。
仕方なく街を歩いて、駅に近いこの場所はその頃から知っていて、あのガラス張りの空間は風呂場だなと特に考えるわけでもなく思っていた。
そして今夜そこの住人になった。
「それがどうした」的な話だが、いつかその日がくるだろうとは思っていた大館泊。
明日は東大館まで歩いて街の全貌を見ようと思っていたけど、やめたよ。
列車の窓から眺めて大館を離れる。
オレと大館の縁は、たぶんここで切れるものではない。
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