*

「鉄旅日記」2013年春【青春18きっぷで、房総途中下車旅】その2-上総興津、安房小湊、安房天津、安房鴨川、和田浦、九重、若井、竹岡、上総湊、佐貫町、青堀、稲毛海岸、新習志野(外房線、内房線、京葉線)

公開日: : 最終更新日:2024/06/04 旅話, 旅話 2013年

鉄旅日記2013年3月9日その2・・・上総興津駅、安房小湊駅、安房天津駅、安房鴨川駅、和田浦駅、九重駅、若井駅、竹岡駅、上総湊駅、佐貫町駅、青堀駅、稲毛海岸駅、新習志野駅(外房線、内房線、京葉線)

15:51 上総興津(かずさおきつ)駅(外房線 千葉県)
数分の停車。

あのゲートをくぐって海辺に下りていく機会はやがて訪れるだろうか。

こじんまりとしたステキな駅前風景がここにある。

16:03 安房小湊(あわこみなと)駅(外房線 千葉県)
数分の停車。

シーズン前の小湊の夕方。
いつも人がいた駅にはタクシーが一台。
日差しが小湊海岸を照らしている。

ここもホテル三日月の町だったが、味のある旅館も確認できた。
心浮き立つ海旅が続いている。

16:11 安房天津(あわあまつ)駅(外房線 千葉県)
さらに数分の停車。

古くて白くて、どこか日本家屋風とは違うステキな駅舎だ。

目の前の中学校もどこか異国情緒を漂わせ、太平洋に面した町ではその存在が違和感を感じさせることはない。

車窓から見えた海辺へつづく道を眺めた。
20年前か。
伊豆へ同期連中と出かけていた頃が懐かしい。

それは楽しい思い出で、あの時に彼等と向かった海へ向かう小径が基準になっている。
そしてそんな小径をいつも探している。

16:49 安房鴨川(あわかもがわ)駅(外房線/内房線 千葉県)
タイクツな街にタイクツな海岸。
この街に対してそんな記憶を抱えて生きていた。
だからこの街で時間を使うことに否定的でいたんだ。

それがどうだ。
あらためて歩いてみて、街は小さいけど、サーファーが車を並べる海岸はとてもステキだった。

高く聳える南国椰子と街灯。
その先の仁右衛門島。

かつての寒く曇った1月のある一日が、この街でオレに記憶させたものがろくでもないものだったことを知った。

駅舎が工事中だったことも記憶していた。
赤屋根はそのままに軒が増築されていた。
そこには待合室とコンビニが入り、外観はそのあたりのリゾート建築物と見紛うお洒落な造りになっている。

この街で、記憶を更新できたことを喜んでいる。

17:00の時報が鳴った。
夕焼け小焼けだ。

17:39 和田浦(わだうら)駅(内房線 千葉県)
数分の停車。

菜の花がきれいな駅はクジラをイメージしたものと知っていた。
見物する時間はなかったが、待合室には捕鯨の資料が並べられ、解体の様子などを説明している。

駅員は仕事を終え、駅前は夕焼け。
駅灯はあったかい色をしていた。

18:03 九重(ここのえ)駅(内房線 千葉県)
数分の停車。

菜の花と桜の駅で日が暮れた。
駅前広場に灯はなかったが、並行する県道が明るかった。

道々夕焼け空がとてもきれいだったが、このあたりじゃ日が暮れてくると夕暮れの余韻は僅かで、さっさと夜に席を譲る。

いや、違うな。
たんにオレが名残惜しい思いでいるだけだろう。

18:29 岩井(いわい)駅(内房線 千葉県)
数分の停車。

民宿のまちを謳う岩井の駅は思いのほか大きく立派で、駅から町へ続く道は暖色の灯に明るく照らされ、清潔で人を見かけない様は、すべての営業を終えた柴又帝釈天参道を思い出させた。

かつてオレは柴又の隣町で暮らしていたんだ。

18:51 竹岡(たけおか)駅(内房線 千葉県)
さらに数分の停車。

夕闇に沈んだ町に遠く久里浜の灯が見え、見上げた空は星がとてもきれいだ。

10年以上前に社長たちと寄ったことがある。
オレが生まれる前、彼は少年の頃の夏をこの地で過ごしたという。

駅は改装されていて、東浪見や九重で見られた房総簡易仕様になっていた。

このあたりのオバサンの言葉には結構強烈なクセがある。

19:26 上総湊(かずさみなと)駅(内房線 千葉県)
青屋根の駅。
暗くても分かるよ。

潮騒が聞こえる。
通りすがりの女性の髪が風に香る。
なんて星がきれいなのだろう。

駅前通りは国道に通じ、かつては商店街で通ってた筈だが、出ていった者が多く、募集中のスペースが入居のアテを掴むことは、事によってはしばらくないかもしれない。
国道に出てみればきれいな旅館があり、湊夕陽ヶ丘の赤い灯は切なげな光彩を放っている。
対岸には横須賀の灯。

富津の中心地、湊地区を行き交う車は多かった。

19:41 佐貫町(さぬきまち)駅(内房線 千葉県)
数分の停車。

青屋根駅舎だ。
去年は分からなかったし、意識もしなかったな。

駅前の薄暗い灯が好きだ。
夜に対して敬意を払う色だ。

マツダ不動産の脇に食堂の暖簾がかかり、店員が立ち働く様が見てとれた。
去年は確かクリーニング屋があるのみと記した筈だ。

どんな場所にも再訪する価値はある。

20:02 青堀(あおほり)駅(内房線 千葉県)
青屋根駅舎はここから始まり、気づけば駅で煙草が吸えなくなっている。

新日鉄、東電火力発電所といったあたりが臨海に灯を浮かべ、駅周辺も何やら明るく、星が見えにくくなった。

地図を見たらやたらと古墳が多い。
ここらあたりで眠っている王は、どの時代を生きた者たちなのだろう。

21:07 稲毛海岸(いなげかいがん)駅(京葉線 千葉県)
イオンの街。
そして高層住宅の街。
京葉線沿線から人工的な匂いがとれるのにどれほどの歳月が必要だろうか。

高架を走るが海は見えず、幕張新都心がその期待された役目を十分に果たすのはいつになるのかと漠然と思う。

21:25 新習志野(しんならしの)駅(京葉線 千葉県)
数分の停車。

満員の車内に放り込まれた。
凄まじくうるさい。

駅前はかつて仕事途中に寄った時から変わっていないのだろう。
やたらに広いロータリーを囲むように巨大な商業施設がただひとつ。

華やぐ声は聞こえてこなかった。

関連記事

「鉄旅日記」2020年盛夏【コロナ禍の内緒旅VOl.2。宮島へ。錦帯橋へ。筑豊へ。島原へ。千綿駅へ。そして若松~戸畑の渡船。日本晴れの4日間の記録でございます。】初日(東京-防府)その3‐三滝、横川、宮島口フェリー乗場、宮島フェリー乗場、広電宮島口、宮島口(可部線/山陽本線/JR西日本宮島フェリー)

鉄旅日記2020年8月13日・・・三滝駅、横川駅、宮島口フェリー乗場、宮島フェリー乗場、広電宮島口

記事を読む

「鉄旅日記」2008年初夏【まほろばの路から紀州へ。紀伊半島で過ごした短い夏の記憶でございます。】2日目(和歌山-松阪)その1-和歌山市、和歌山、海南、西御坊、御坊、紀伊田辺、白浜(紀勢本線/紀州鉄道)

鉄旅日記2008年7月20日・・・和歌山市駅、和歌山駅、海南駅、西御坊駅、御坊駅、紀伊田辺駅、白浜駅

記事を読む

「車旅日記」2006年初夏【これが最後の車旅でございます。鈴鹿山脈を回るように、終着駅を探して走ったのでございます。】最終日(近江八幡-長浜-揖斐-岐阜)-ホテルはちまん、近江八幡駅、安土駅、彦根駅、長浜駅、垂井駅、美濃赤坂駅、揖斐駅、木知原駅

車旅日記2006年7月17日・・・ホテルはちまん、近江八幡駅、安土駅、彦根駅、長浜駅、垂井駅、美濃赤

記事を読む

「車旅日記」2000年夏Part.2【友を訪ねて備後福山へ。長門宇部へ。2000㎞に及ぶ長大な旅路でございました。】初日(東京-琵琶湖志賀)デニーズ青砥店、方南町、日野駅、道の駅信州蔦木宿、峠の茶屋

車旅日記200年8月11~12日・・・デニーズ青砥店、方南町、日野駅、道の駅信州蔦木宿、峠の茶屋 2

記事を読む

「車旅日記」2006年初夏【これが最後の車旅でございます。鈴鹿山脈を回るように、終着駅を探して走ったのでございます。】2日目(岐阜-津-名張-近江八幡)その2-津駅、伊勢奥津駅、名張駅、伊賀上野駅、信楽駅、紫香楽宮跡駅、ホテルはちまん

車旅日記2006年7月16日・・・津駅、伊勢奥津駅、名張駅、伊賀上野駅、信楽駅、紫香楽宮跡駅、ホテル

記事を読む

「車旅日記」1996年夏【再び北を目指した夏。不慮の事故に遭い、打ち切らざるを得なくなったのでございます。】初日 (東京‐三国峠‐新潟)- 成瀬センター前、東福生駅、籠原駅、北橘村、渋川、ドライブイン利根川、猿ヶ京湖城閣、越後湯沢駅、道の駅ゆのたに、堀之内パーキング

車旅日記1996年8月13日 1996・8・13 10:45 東京 ルートは決まった。 今まで

記事を読む

「車旅日記」2006年初夏【これが最後の車旅でございます。鈴鹿山脈を回るように、終着駅を探して走ったのでございます。】2日目(岐阜-津-名張-近江八幡)その1-東横イン名鉄岐阜、大垣駅、養老駅、阿下喜駅、西藤原駅、湯の山温泉駅、四日市駅、鈴鹿サーキット稲生駅

車旅日記2006年7月16日・・・東横イン名鉄岐阜、大垣駅、養老駅、阿下喜駅、西藤原駅、湯の山温泉駅

記事を読む

「鉄旅日記」2006年晩夏【ふと誘われるように、上州へ向かう列車に乗ったのでございます。】-伊勢崎、桐生、西桐生、下仁田、上州富岡、高崎(高崎線/両毛線/上信電鉄)

鉄旅日記2006年9月2日・・・伊勢崎駅、桐生駅、西桐生駅、下仁田駅、上州富岡駅、高崎駅(高崎線/両

記事を読む

「鉄旅日記」2016年春【東日本大震災被災地へ】最終日(水沢-東京)その1-水沢、花巻、遠野、陸中大橋、小佐野、釜石、恋し浜、盛(東北本線、釜石線、三陸鉄道南リアス線)

鉄旅日記2016年3月6日その1・・・水沢駅、花巻駅、遠野駅、陸中大橋駅、小佐野駅、釜石駅、恋し浜駅

記事を読む

「鉄旅日記」2017年冬【会津へ。会津へ行きたかったのでございます。】初日(東京-下今市-会津高原尾瀬口-会津若松)その2-会津荒海、会津田島、会津下郷、塔のへつり、湯野上温泉、西若松(会津鉄道)

鉄旅日記2017年12月2日・・・会津荒海駅、会津田島駅、会津下郷駅、塔のへつり駅、湯野上温泉駅、西

記事を読む

Message

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

「鉄旅日記」2020年盛夏【コロナ禍の内緒旅VOl.2。宮島へ。錦帯橋へ。筑豊へ。島原へ。千綿駅へ。そして若松~戸畑の渡船。日本晴れの4日間の記録でございます。】最終日(門司港-東京)その4‐周防高森、徳山、下松、光(岩徳線/山陽本線)

鉄旅日記2020年8月16日・・・周防高森駅、徳山駅、下松駅、光駅(

「鉄旅日記」2020年盛夏【コロナ禍の内緒旅VOl.2。宮島へ。錦帯橋へ。筑豊へ。島原へ。千綿駅へ。そして若松~戸畑の渡船。日本晴れの4日間の記録でございます。】最終日(門司港-東京)その3‐宇部、富海、福川、戸田(山陽本線)

鉄旅日記2020年8月16日・・・宇部駅、富海駅、福川駅、戸田駅(山

「鉄旅日記」2020年盛夏【コロナ禍の内緒旅VOl.2。宮島へ。錦帯橋へ。筑豊へ。島原へ。千綿駅へ。そして若松~戸畑の渡船。日本晴れの4日間の記録でございます。】最終日(門司港-東京)その2‐若松渡場、戸畑渡場、戸畑、下関(若戸渡船/鹿児島本線)

鉄旅日記2020年8月16日・・・若松渡場、戸畑渡場、戸畑駅、下関駅

「鉄旅日記」2020年盛夏【コロナ禍の内緒旅VOl.2。宮島へ。錦帯橋へ。筑豊へ。島原へ。千綿駅へ。そして若松~戸畑の渡船。日本晴れの4日間の記録でございます。】最終日(門司港-東京)その1‐門司港、小森江、折尾、若松(鹿児島本線/筑豊本線)

鉄旅日記2020年8月16日・・・門司港駅、小森江駅、折尾駅、若松駅

「鉄旅日記」2020年盛夏【コロナ禍の内緒旅VOl.2。宮島へ。錦帯橋へ。筑豊へ。島原へ。千綿駅へ。そして若松~戸畑の渡船。日本晴れの4日間の記録でございます。】3日目(肥前鹿島-門司港)その5‐肥前山口、久保田、西唐津、博多、門司港(佐世保線/唐津線/筑肥線/福岡市地下鉄空港線/鹿児島本線)

鉄旅日記2020年8月15日・・・肥前山口駅、久保田駅、西唐津駅、博

→もっと見る

    PAGE TOP ↑