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「鉄旅日記」2019年如月【週末パスで東京から伊豆。そして上州、信州へ。友人は言ったものでございます。何気に大層な移動距離だと。】初日(東京-伊豆急下田-茅ヶ崎-橋本-高崎-安中)その2-伊豆急下田、伊豆高原、橋本、八王子、東福生、福生、拝島(伊豆急行線/横浜線/八高線/青梅線)

公開日: : 最終更新日:2023/02/25 旅話, 旅話 2019年

鉄旅日記2019年2月9日
11:59 伊豆急下田(いずきゅうしもだ)駅(伊豆急行線 静岡県)
駅前の記憶はいい加減なものだった。

このような駅前だったか。
初めて降りたような気持ちにさせてくれる姿だった。

寝姿山ロープウェーには確か乗ったはずだが、30年前の記憶だ。
正確性には期待していない。



その後も何度か降りたけど、どれも古い記憶。
巨大なエビフライを出してくれた食堂は、どのあたりにあるのだろう。
この街じゃ有名な店だと聞いていた。

ペリーロードも吉田松陰の道も、また今度。

運河をしばらく歩き、駅に戻った。



南の終着駅は賑わい、冷たい風は消えて、雪雲がかかる予報はどうなったのか知らないが、外には光さえ感じられる。

彼女からは東京に雪が落ちてきたとメッセージが届いた。

13:19 伊豆高原(いずこうげん)駅(伊豆急行線 静岡県)
かつて伊豆高原と名のついたリゾート小屋に当時の仲間と泊まったことがある。
この駅や一帯を見渡す丘の上だった。

細部はもはや覚えていない。
そうした団体行動に限りない魅力を感じていた20歳代。

誰がそこにいたのか。
正確なものは脳が捨て去ってしまった。

伊豆はリゾート地。
仲間で向かうべき土地だった。

そんな過去を生きて、こうしてひとり。
今じゃこっちが性に合っている。

下り列車の遅れにより10分の停車が短縮され、さらに遅れての出発。

天は雨を寄越すが、雪にはならない。
気象庁は土地柄を読み違えたようだ。

通路に並んだひな飾りを横目に駅を写し、ウイスキーハイボールを追加購入して、オーシャンビューのリゾート号に戻る。

各駅停車の列車に、このような豪華客車を投入する伊豆急行の奮闘に敬意を。

16:04 橋本(はしもと)駅(横浜線/相模線/京王電鉄相模原線 神奈川県)
熱海、茅ヶ崎と乗り継ぎ、相模線で橋本へ。

都心近くでは雨に変わったと聞いた雪は、降り積もるようには見えないが、夕方の冷気を得て勢いを増したように見える。

およそ20年前にほぼ隔週でサッカーをしに通っていた橋本。
行く度に何かが増えていく街だった。

最後に降りてからは10年以上の歳月が流れている。

街は完成していて、駅構内の店先から一歩外へと踏み出した光景のすべてが見覚えのないものに変わっていた。

16:27 八王子(はちおうじ)駅(中央本線/横浜線/八高線 東京都)
草木の上が雪で白くなりつつある。

たくさんの子供たちの愛らしい姿があふれた八王子駅構内。
心をほころばせながら歩いた。

喧騒から距離を置いた南口のたたずまいに、かつての駅が持っていたほどよい人波を思い出して、降りしきる雪の中でスマホを構えた。

こんな日に、一年前まで暮らしていた家ではどうしているかと、ふと思う。

雪は勢いを増したようで、降り積もるのはこれからなのかと思いを新たにする。

八王子を書いたのは何年前だったか。
高校時代に八王子の出で肌の合わない級友がいて、彼から受けた印象がオレの目に余計なフィルターをかぶせ、この街を見る羽目になった。

そんなことを書いた。

その該当人物と去年の同窓会で再会して、固い握手を交わした。
ティーンエイジャーだった二人は共に50歳のオッサンになっていた。

八王子でもう少し時間をとれていたらよかった。

16:50 東福生(ひがしふっさ)駅(八高線 東京都)にて

17:08 福生(ふっさ)駅(青梅線 東京都)
寂しい駅に降りた。
20分ほど前の東福生駅のことだ。

駅舎はなく、雪を遮る上屋に壁はなく、凍えた待ち人は背中を丸めて小さくなっている。

かつて旅の途中に寄ったこともあり、懐かしくて降りてみたが、あれは確か夏。
車を止めてしばらくそこにいたのだろう。

福生という街と、青梅線福生駅周辺に興味があり、徒歩で往復するつもりでいた。

でも福生の街は思いのほか大きく、この街を見た後にあの寂しい東福生駅に戻って列車を待つことに疑問を感じて、拝島に戻る青梅線に乗った。
ビールを飲むなら拝島の方がいい。

米軍キャンプがある福生の歓楽街の色は独特だった。
福生に降りるのならば感じてみたい感覚がこれだと思い当たる。
米兵の姿は見えない。



件の女友達は、少し前に横田基地内のハーフマラソン大会に参加している。

これも縁と言えば縁になる。

17:31 拝島(はいじま)駅(青梅線/五日市線/八高線/西武拝島線 東京都)
私鉄を含めて4線が交わる大鉄道駅に降りるのもまた一年振りになる。

あれは今暮らしている金町のアパートを見つけに行った日になるだろうか。
もはやすべてが定かではない。

西武線側の出口はロータリーとコンビニがあるだけで明かりは少ない。

コンビニの先に単線のレールが敷かれていて踏切がある。
この線路は米軍横田基地内に続いている。

思えば拝島との縁を遡れば40年近く前になる。
親父に連れられてここで西武線に乗り換えて、初めて西武球場に野球を観に行った12歳当時。

こうして降りてみると、例えば生まれ育った町田の隣町で、よく友人と待ち合わせた相模大野駅などより、よほど懐かしい。

【Facebookへの投稿より】
東京下町を出る一番列車に乗って、伊豆へとまいりました。

青春時代と言える頃、大勢の仲間たちと散々訪ねた観光地へ、ひとりで往く気恥ずかしさを感じて熱海を過ぎましたが、南蛮レトロ的かつ温泉街の情緒をまとう東伊豆の区々にたまらぬ懐かしさを感じて、先ほど下田を後にいたしました。

何の脈絡もございませんが、これより上州碓氷峠の麓、安中宿に向かいます。

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