「鉄旅日記」2020年弥生 初日(東京-高山)その5‐飛騨金山、下呂、禅昌寺、飛騨萩原、上呂(高山本線) 【富山地方鉄道に乗りにまいりました。太多線、高山本線に乗るのも楽しみにしていたのでございます。】
鉄旅日記2020年3月20日・・・飛騨金山駅、下呂駅、禅昌寺駅、飛騨萩原駅、上呂駅(高山本線)
16:31 飛騨金山(ひだかなやま)駅(高山本線 岐阜県)
上麻生、白川口間の信号場で行き違い待ち。
正常な運行を危ぶんだが、車内に焦る気配もない。
これが高山本線の日常。
車窓に目を移すとオレの日常にはないものばかりが見えている。
ホントはこっちがいい。
だけど今はこの美しい世界を日常にはできない。
せめてと毎朝車窓から見る江戸川堤に広がる菜の花の群生と日常を紛らせている。
行き違い3分の停車。
町に降りて、飛騨川の恵みを感じてみたいと心から思う。
17:02 下呂(げろ)駅(高山本線 岐阜県)
飛騨金山を出ると飛騨川が再接近する。
日は傾いて水面を照らす。
美しい景色だ。
また信号場で列車は停車する。
静かなひととき。
素晴らしい旅情とともに北へ向かっている。
4分の停車。
乗客が入れ替わる。
有馬、草津とともに日本三名泉に数えられる天下の湯治町に衰退の色はなく、車窓から眺める温泉場には賑わいがある。
見つめ続けていたい景色がここにある。
確か9年振りのはずだ。
17:14 禅昌寺(ぜんしょうじ)駅(高山本線 岐阜県)
列車の運行は少し早いようだ。
定刻より2分早く到着して、上り列車の通過を待つ。
時刻表では5分の停車。
駅前を写し、駅舎を写す。
暮れ始めた飛騨路。
谷間の飛騨路。
木曽よりも平地は広く、町は大きく見える。
禅昌寺の起源は平安時代に遡るという。
一度廃寺の憂き目を見ながら現在へと続いている。
17:22 飛騨萩原(ひだはぎわら)駅(高山本線 岐阜県)
禅昌寺の次の駅で2分の停車。
例に漏れず駅前を写し、駅舎を写してすぐに列車に戻る。
飛騨川を渡す橋に向けて町があった。
黄昏に染まりつつある川辺の町は、束の間ということもあるのか去りがたく、賑わって見えた。
17:30 上呂(じょうろ)駅(高山本線 岐阜県)
続いて次の上呂で行き違い3分の停車。
下呂、上呂ときて、駅名にはないが間に中呂という地名もあるとのこと。
若い車掌さんはオレの顔を覚えたようで、安心して列車を降りる。
オレの他に乗降はなく、友達を見送る少女の姿があった。
入退場がどうのという土地柄でもなければ、とやかく言うような人情でもないのだろう。
わずかな乗客を乗せて、高山行は生真面目にひと駅ひと駅停車していく。
あるいはオレのように気紛れに乗るような者もいる。
そんな者でも、発車時刻にさえ間に合えば受け入れて、定時運行を心がけて高山へと向かっていく。
いつか書いたことかもしれない。
その営みの崇高さにオレはいつも打たれている。
関連記事
-
-
「鉄旅日記」2021年師走 最終日(古川-東京)その4 ‐立小路、赤倉温泉、村山、さくらんぼ東根(陸羽東線/奥羽本線/山形新幹線) 【特急乗り放題の大人の休日倶楽部パスで冬の国へ。山田線完全乗車と鳴子温泉郷を始めとした陸羽東線沿線を歩くことが目的でございました。】
鉄旅日記2021年12月5日・・・立小路駅、赤倉温泉駅、村山駅、さくらんぼ東根駅(陸羽東線/奥羽本
-
-
「車旅日記」2006年皐月 3日目(仙台-大曲)その1-ホテルイーストワン仙台、陸前落合駅、愛子駅、作並駅、山寺駅、高瀬駅、蔵王駅、北大石田駅、舟形駅 【東京から出かける最後の車旅。関東、東北を2,265㎞走った記録でございます。】
車旅日記2006年5月4日・・・ホテルイーストワン仙台、陸前落合駅、愛子駅、作並駅、山寺駅、高瀬駅、
-
-
「鉄旅日記」2000年晩秋【京都の女性に恋をしていた頃がございました。その京都時代のはじまりでございます。】-京都タワーホテル
鉄旅日記2000年11月23日~24日 2000・11・23 0:03 京都タワーホテル924号室
-
-
「鉄旅日記」2012年初冬 初日(東京-長野)-吹上、北鴻巣、長野、豊野、新井、高田、春日山(高崎線、長野新幹線、信越本線) 【週末パスで、上越途中下車旅&高田で友人の結婚式に参加】
鉄旅日記2012年12月8日・・・吹上駅、北鴻巣駅、長野駅、豊野駅、新井駅、高田駅、春日山駅(高崎線
-
-
「車旅日記」2005年初夏 2日目(山形-新潟)走行距離313㎞ その1-アパホテル山形駅前大通、羽前山辺駅、寒河江駅、左沢駅、柴橋駅、天童駅、村山駅、新庄駅、羽前前波駅 【長岡、会津、庄内。戊辰戦争ゆかりの地を巡りたかったのだと記憶しております。】
車旅日記2005年7月17日・・・アパホテル山形駅前大通、羽前山辺駅、寒河江駅、左沢駅、柴橋駅、天童
-
-
「鉄旅日記」2009年秋 5日目(松浦-若松)その2-宇美、西戸崎、香椎、福間、赤間、折尾、若松(鹿児島本線/香椎線/筑豊本線) 【遅い夏休みをとり、長崎までの切符を買いました。】
鉄旅日記2009年9月22日・・・宇美駅、西戸崎駅、香椎駅、福間駅、赤間駅、折尾駅、若松駅(鹿児島本
-
-
「鉄旅日記」2018年弥生 初日(東京-会津若松)その3-只見、会津川口、会津本郷、南若松、会津若松(只見線/会津鉄道) 【青春18きっぷを握り、目指したのはまたしても会津。練馬から旅立つ最後の旅でございます。】
鉄旅日記2018年3月3日・・・只見駅、会津川口駅、会津本郷駅、南若松駅、会津若松駅(只見線/会津鉄
-
-
「鉄旅日記」2020年晩秋 2日目(砺波-武生)その3‐羽咋、能登部、徳田、七尾、和倉温泉(七尾線) 【大人の休日倶楽部パスで北陸へ。新幹線、在来線特急乗り放題でございます。魚津、雨晴をめぐり、氷見線、万葉線、城端線、七尾線、えちぜん鉄道、福武線、北陸鉄道との再会でございます。】
鉄旅日記2020年11月22日・・・羽咋駅、能登部駅、徳田駅、七尾駅、和倉温泉駅(七尾線)
-
-
「鉄旅日記」2021年春 初日(東京-松本)その2 ‐高尾、大月、塩山、甲府、日野春(中央本線) 【週末パスで信濃へ。妙高高原駅で引き返し、松本の友人を訪ね、大糸線を旅して思い出の白馬へ。先の旅から一週間後のことでございました。】
鉄旅日記2021年4月24日・・・高尾駅、大月駅、塩山駅、甲府駅、日野春駅(中央本線) 7:
-
-
「鉄旅日記」2019年霜月 初日(東京-五所川原)その4‐青森、新青森、津軽新城、鶴ヶ坂、浪岡(奥羽本線) 【津軽鉄道、弘南鉄道に乗りにいきました。羽州街道を歩いた晩秋の旅でございます。】
鉄旅日記2019年11月2日・・・青森駅、新青森駅、津軽新城駅、鶴ヶ坂駅、浪岡駅(奥羽本線) 19