「鉄旅日記」2020年如月 初日(東京-大船渡)その4‐前谷地、志津川、南気仙沼、気仙沼(気仙沼線)/南三陸さんさん商店街 【東日本大震災で被害を受けた大船渡に泊まりにまいりました。山田線完全乗車も目指しておりましたが・・。】
鉄旅日記2020年2月22日・・・前谷地駅、志津川駅、南気仙沼駅、気仙沼駅(気仙沼線)/南三陸さんさん商店街
14:21 前谷地(まえやち)駅(石巻線/気仙沼線 宮城県)
前谷地はアイヌ語に由来する駅名で、穏やかな湿地を意味するという。
アイヌ民族を敵視して、彼等の穏やかな暮らしを奪う最前線基地が多賀城だった。
平安時代当時、多賀城から先、現在の岩手県あたりから先の奥地は化外の地だった。
乗り換え時間11分。
今回は柳津まで列車で往くのではなく、前谷地駅前にもBRTの停車場ができていて、そこからBRTで往く。
柳津までの駅には止まらず、専用軌道もない。
前谷地駅前通りを突き当たりまで歩く。
途中品のいい割烹があった。
あの小さな駅前の夜を見たいと思う。



旧北上川を渡る。
雄大な眺めだ。
家督争いに巻き込まれる形で、わずか13歳で実兄伊達政宗の手により命を落とした小次郎が眠る地。
柳津から先は永遠に鉄道敷設を放棄した土地になる。
15:48 志津川(しづがわ)駅(気仙沼線 宮城県)
南三陸町の喪失。
これから町に止まる度にそのように記していくだろう。
ほんのわずかでしかないが、町にお金を落としたくて降りた。


「南三陸さんさん商店街」には、安倍首相をはじめ元横綱稀勢の里の荒磯親方など著名人が訪れ、写真でその消失を目の当たりにしている。



津波による被害はすさまじかった。
あのかつての町並が戻ることのない中で、商売を再開された人々には敬意しかなく、港の近くでスナックを一軒見つけた時には目頭が熱くなり、その港ではポンポン舟に乗った漁師たちの笑い声が聞こえていた。

南三陸町はタコの町。
恋人に、そして自分に蒲鉾を購入する。
用意していた25分ではとても足りなかった。
17:19 南気仙沼(みなみけせんぬま)駅(気仙沼線 宮城県)
こことは違う場所に駅があると、今も国道の道路標識は謳っている。
気仙沼の繁華街はそのあたりにある。
そしてそこはあの日の津波に飲まれてしまった。
歩いてみた。
川が横たわっている。
どうやらその先。
でも繁華街の明かりは見えず、人の姿も乏しく、大川に架かる橋の途中で引き返した。
気仙沼を知るのに20分じゃ足りない。
やがてオレは戻ってくるだろう。
停車場近くは品のいい灯をつけた食堂がいくつかあった。


17:50 気仙沼(けせんぬま)駅(大船渡線/気仙沼線 宮城県)
気仙沼駅とはすっかり馴染みになった。
駅構内に線路と道路がある駅。
先週放送NHKの「ブラタモリ」で同じ構造の盛駅を扱っていて、出演者は驚いていたが、確かにこの国に二つしかない貴重な駅とも言える。

南気仙沼からは途中に不動の沢を挟んで約10分の距離。
駅は町外れにある。
パールホテルに土産物屋さん。
変わらぬ駅前風景は人を安心させる。
あの待合室では酒場にいる時のように和んだこともあった。


すっかり日が暮れている。
盛行のBRTは発車した。
町の明かりが届かない場所に濃い闇を見た。
関連記事
-
-
「鉄旅日記」2022年師走 最終日(会津宮下-東京)その1 ‐会津宮下、会津川口、只見、小出(只見線)【11年ぶりに全線運転再開を果たした只見線に乗りにいきました。】
鉄旅日記2022年12月11日・・・会津宮下駅、会津川口駅、只見駅、小出駅(只見線) 202
-
-
「鉄旅日記」2020年如月 2日目(大船渡-釜石)その4‐宮古、陸中山田、釜石(三陸鉄道リアス線) 【東日本大震災で被害を受けた大船渡に泊まりにまいりました。山田線完全乗車も目指しておりましたが・・。】
鉄旅日記2020年2月23日・・・宮古駅、陸中山田駅、釜石駅(三陸鉄道リアス線) 16:22 宮古
-
-
「鉄旅日記」2022年皐月 初日(東京-磐梯熱海)その3 ‐黒磯、泉崎、白河、郡山(東北本線) 【日光線全駅乗降を果たし、猪苗代湖畔に遊び、磐梯熱海の湯につかり、国定忠治を訪ねた旅でございます。】
鉄旅日記2022年5月7日・・・黒磯駅、泉崎駅、白河駅、郡山駅(東北本線) 10:17&nb
-
-
「鉄旅日記」2018年師走 初日(東京-津)その3-河曲、富田浜、河原田、津(関西本線/伊勢鉄道) 【伊勢のいくつもの終着駅に降りまして、神島で2018年最後の満月を眺めたのでございます。】
鉄旅日記2018年12月22日・・・河曲駅、富田浜駅、河原田駅、津駅(関西本線/伊勢鉄道) 18:
-
-
「鉄旅日記」2008年初秋 初日(東京-羽咋)その2-新西金沢、野町、加賀一の宮、西金沢、羽咋(北陸本線/北陸鉄道石川線/七尾線) 【秋になると北陸に行きたくなるものでございます。能登半島をはじめ、いくつもの終着駅へと行き着いたのでございます。】
鉄旅日記2008年9月13日・・・新西金沢駅、野町駅、加賀一の宮駅、西金沢駅、羽咋駅(北陸本線/北陸
-
-
「鉄旅日記」2019年長月 初日(東京-盛岡)その1-金町、水戸、上菅谷、常陸大子(常磐線/水郡線) 【三陸鉄道、八戸線に乗りにいきました。区界、吉里吉里など、駅旅の者として見過ごせない駅にも寄りましてございます。】
鉄旅日記2019年9月21日・・・金町駅、水戸駅、上菅谷駅、常陸大子駅(常磐線/水郡線) 2019
-
-
「鉄旅日記」2020年文月 最終日(三次-東京)その2‐万能倉、神辺、井原、吉備真備(福塩線/井原鉄道)【コロナ禍でございます。内緒の旅でございました。余部鉄橋へ。萩へ。霧の街へ。東京五輪延期で浮いた4連休の記録でございます。】
鉄旅日記2020年7月26日・・・万能倉駅、神辺駅、井原駅、吉備真備駅(福塩線/井原鉄道)
-
-
「鉄旅日記」2022年盛夏 初日(東京-伊那市)その4 ‐岡谷、北殿、伊那北、伊那市(飯田線)/ホテル青木【讃州高松に時空の友を訪ねて。小海線、津山線、播但線、山陰本線の駅旅も印象深い旅でございます。】
鉄旅日記2022年8月11日・・・岡谷駅、北殿駅、伊那北駅、伊那市駅(飯田線)/ホテル青木
-
-
「鉄旅日記」2017年冬 初日(東京-会津若松)その2-会津荒海、会津田島、会津下郷、塔のへつり、湯野上温泉、西若松(会津鉄道) 【会津へ。会津へ行きたかったのでございます。】
鉄旅日記2017年12月2日・・・会津荒海駅、会津田島駅、会津下郷駅、塔のへつり駅、湯野上温泉駅、西
-
-
「鉄旅日記」2020年初秋 初日(東京-高松)その5 ‐岡山、児島、高松(本四備讃線/予讃本線)/児島の民話 【時空の友を訪ねて讃州高松へ。金比羅さん、瀬戸大橋、大歩危、小歩危などを友とめぐり、義仲寺に寄り、直島に渡り、水島臨海鉄道にも乗った4日間の記録でございます。】
鉄旅日記2020年9月19日・・・岡山駅、児島駅、高松駅(本四備讃線/予讃本線)/児島の民話
