*

「鉄旅日記」2020年睦月【秋田内陸縦貫鉄道に乗りにいきました。五能線の名所も歩いた旅初めでございます。】2日目(湯沢-鷹ノ巣)その2‐鯉川、東能代、岩館、深浦(奥羽本線/五能線)

公開日: : 最終更新日:2024/04/13 旅話, 旅話 2020年

鉄旅日記2020年1月12日・・・鯉川駅、東能代駅、岩館駅、深浦駅(奥羽本線/五能線)
10:19 鯉川(こいかわ)駅(奥羽本線 秋田県)
風が冷たいけど、穏やかな日差しの下にいる。

八郎潟を間近に見たくて森岳駅から2駅を引き返す。

小さな駅。
通りから駅へと通じる道は心許ない。


その道を往くと、八郎潟はすぐに遠望できる。

米の増産を目指して干拓事業が開始されたのは戦後12年目。
大部分が陸地となったが、それまでの八郎潟の面積は琵琶湖に次ぐ2位だったという事実は知っておくべきだ。

そうした現在の姿。
心が動く景観ではある。

国道に下りて八郎潟に近づく道を探すと、いくらも歩かないうちに畦道があり、冬枯れた田園風景にまた心が動いた。









美しい。
太陽に手をかざして光を集めて合掌。
祈り、願い、心を落ち着ける。

空の広い場所ではよくそんなことをする。
何も特別な場所ではないが、オレはこんな景色の中にいることを望んでいるのだと、あらためて思う。

八郎潟は水路に阻まれて最接近を許さなかった。

マタギ仲間の掟を破り、人から龍へと姿を変えられた八郎太郎が、報いを知り最初に造り住んだのが十和田湖。
やがて十和田湖を追われ、米代川を伝って日本海近くに適地を見つけ、次に造り住んだのが八郎潟。

八郎潟の名称は八郎太郎に由来する。

その後、八郎太郎は似たような因果から同じく龍へと姿を変えた辰子が暮らす田沢湖へ移り住み、互いに慈しみ合い、今じゃ八郎潟には滅多に戻らないらしい。

10:59 東能代(ひがしのしろ)駅(奥羽本線/五能線 秋田県)
空はにわかに曇り、霰が降る。
北金岡あたりでは寒々しい景色が続いた。

駅前を写し、駅を写し、キオスクでビールを購入。
東能代側から五能線に乗るのは初めてのことになる。


能代駅を過ぎると米代川を渡る。

向能代、北能代と続く鉄路。
やはり周辺に雪はなく、山の頂上付近にのみ残っている。

日本海が見えてくるのはどこからか。

11:48 岩館(いわだて)駅(五能線 秋田県)
眠りから覚めると岩館の手前。
ちょうど日本海が見え始める頃だった。

ごつごつとした岩場が続く海岸線を眺め、視線を転じて水平線を眺める。

4分の停車。
岩館駅は大正時代の開業とのこと。


背後の名の知れぬ山を写す。

12:48 深浦(ふかうら)駅(五能線 青森県)
海を眺め、疲れて眠り、恋人に便りを送り、また何を思うでもなく海を眺める。
列車旅の素晴らしさを堪能している。

思えば、こうまで海岸線近くを往く鉄路はないのかもしれない。

4分の停車。
11月には団体客でごった返し、降りるを得なかった。
この駅に降りるのは2度目になる。

狭い駅前ロータリーから狭い日本海を眺める。
これはこれでこの場限りの特別な眺めだ。

彼女の息子さんは見事に中学受験初戦を突破した。

関連記事

「鉄旅日記」2020年卯月【緊急事態宣言発令直前のことでございます。常磐線全線運転再開を祝して人知れず旅に出たのでございます。】初日(東京-新津)その3‐仙台、北山、葛岡、山形(仙山線)

鉄旅日記2020年4月4日・・・仙台駅、北山駅、葛岡駅、山形駅(仙山線) 12:25 仙台(せんだい

記事を読む

「車旅日記」2004年春【旭川に下りて、思う存分に北の大地を走った旅の記録でございます】4日目(旭川-稚内)走行距離428㎞その2-雄武町日の出岬、マリーンアイランド岡島、千畳岩、神威岬、クッチャロ湖、さるふつ公園、宗谷岬、稚内駅

車旅日記2004年5月4日・・・雄武町日の出岬、マリーンアイランド岡島、千畳岩、神威岬、クッチャロ湖

記事を読む

「鉄旅日記」2018年如月【冬の町を見たくて、週末パスを買いました。】初日(東京-河口湖-新島々-長野-直江津)その3-梓橋、姨捨、北長野、三才、直江津(大糸線/篠ノ井線/しなの鉄道/えちごトキめき鉄道)

鉄旅日記2018年2月10日・・・梓橋駅、姨捨駅、北長野駅、三才駅、直江津駅(大糸線/篠ノ井線/しな

記事を読む

「鉄旅日記」2016年春【東日本大震災被災地へ】最終日(水沢-東京)その2-気仙沼、一ノ関、小牛田、大河原、福島、安積永盛、久喜(大船渡線、東北本線)

鉄旅日記2016年3月6日その2・・・気仙沼駅、一ノ関駅、小牛田駅、大河原駅、福島駅、安積永盛駅、久

記事を読む

「鉄旅日記」2018年秋【サンキューちばフリーパスでめぐる上総下総安房旅】初日(松戸-流山-潮来-銚子-東金-松戸)その1-松戸、北松戸、馬橋、萬満寺、流山、近藤勇陣屋跡、小金城趾、幸谷、新松戸、北小金、南柏、北柏、我孫子(常磐線/流鉄流山線)

鉄旅日記2018年9月22日・・・松戸駅、北松戸駅、馬橋駅、流山駅、小金城趾駅、幸谷駅、新松戸駅、北

記事を読む

「鉄旅日記」2013年春【爆弾低気圧襲来日、青春18きっぷで西へ】初日(東京-和歌山)その1-米原、弁天町、大正、芦原橋、今宮、杉本町、堺市、東羽衣、鳳(東海道本線、大阪環状線、阪和線、東羽衣支線)

鉄旅日記2013年4月7日その1・・・米原駅、弁天町駅、大正駅、芦原橋駅、今宮駅、杉本町駅、堺市駅、

記事を読む

「鉄旅日記」2019年師走【由利高原鉄道鳥海山ろく線に乗りにいきました。初冬の日本海は荒々しく、美しゅうございました。】初日(東京-酒田)その4‐矢島、前郷、金浦、酒田(由利高原鉄道鳥海山ろく線/羽越本線)

鉄旅日記2019年12月7日・・・矢島駅、前郷駅、金浦駅、酒田駅(由利高原鉄道鳥海山ろく線/羽越本線

記事を読む

「鉄旅日記」2006年初夏【これが最後の車旅でございます。鈴鹿山脈を回るように、終着駅を探して走ったのでございます。】初日-平塚、国府津、沼津、掛川、三河大塚、尾張一宮、岐阜(東海道本線/御殿場線)

鉄旅日記2006年7月15日・・・平塚駅、国府津駅、沼津駅、掛川駅、三河大塚駅、尾張一宮駅、岐阜駅(

記事を読む

「鉄旅日記」2009年秋【遅い夏休みをとり、長崎までの切符を買いました。】3日目(大分-佐賀)その1-大分、中判田、豊後竹田、宮地、肥後大津、水前寺、辛島町、熊電上熊本、上熊本(豊肥本線/熊本市電)

鉄旅日記2009年9月20日・・・大分駅、中判田駅、豊後竹田駅、宮地駅、肥後大津駅、水前寺駅、辛島町

記事を読む

「鉄旅日記」2012年春【青春18きっぷで、名古屋往復】その1-新宿、塩崎、韮崎、日野春、富士見、青柳、奈良井、木曽福島、須原、中津川(中央本線)

鉄旅日記2012年3月25日その1・・・新宿駅、塩崎駅、韮崎駅、日野春駅、富士見駅、青柳駅、奈良井駅

記事を読む

Message

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

「鉄旅日記」2021年春【大人の休日倶楽部パスで東北へ。新幹線、在来線特急乗り放題でございます。続くコロナ禍ではございますが、約半年の辛抱の時を過ぎて、天候にも苛まれながら秋田内陸縦貫鉄道に乗りに行きました。】最終日(米内沢-東京)その1 ‐米内沢、鷹巣、鷹ノ巣、早口、秋田(秋田内陸縦貫鉄道/奥羽本線)

鉄旅日記2021年4月18日・・・米内沢駅、鷹ノ巣駅、早口駅、秋田駅

「鉄旅日記」2021年春【大人の休日倶楽部パスで東北へ。新幹線、在来線特急乗り放題でございます。続くコロナ禍ではございますが、約半年の辛抱の時を過ぎて、天候にも苛まれながら秋田内陸縦貫鉄道に乗りに行きました。】初日(東京-米内沢)その5‐比立内、阿仁合、阿仁前田温泉、合川、米内沢(秋田内陸縦貫鉄道)

鉄旅日記2021年4月17日・・・比立内駅、阿仁合駅、阿仁前田温泉駅

「鉄旅日記」2021年春【大人の休日倶楽部パスで東北へ。新幹線、在来線特急乗り放題でございます。続くコロナ禍ではございますが、約半年の辛抱の時を過ぎて、天候にも苛まれながら秋田内陸縦貫鉄道に乗りに行きました。】初日(東京-米内沢)その4‐雫石、田沢湖、神代、角館(田沢湖線)

鉄旅日記2021年4月17日・・・雫石駅、田沢湖駅、神代駅、角館駅(

「鉄旅日記」2021年春【大人の休日倶楽部パスで東北へ。新幹線、在来線特急乗り放題でございます。続くコロナ禍ではございますが、約半年の辛抱の時を過ぎて、天候にも苛まれながら秋田内陸縦貫鉄道に乗りに行きました。】初日(東京-米内沢)その3‐梅ヶ沢、一ノ関、盛岡、小岩井(東北本線/東北新幹線/田沢湖線)

鉄旅日記2021年4月17日・・・梅ヶ沢駅、一ノ関駅、盛岡駅、小岩井

「鉄旅日記」2021年春【大人の休日倶楽部パスで東北へ。新幹線、在来線特急乗り放題でございます。続くコロナ禍ではございますが、約半年の辛抱の時を過ぎて、天候にも苛まれながら秋田内陸縦貫鉄道に乗りに行きました。】初日(東京-米内沢)その2‐小牛田、瀬峰、田尻、新田(東北本線)/伊豆沼

鉄旅日記2021年4月17日・・・小牛田駅、瀬峰駅、田尻駅、新田駅(

→もっと見る

    PAGE TOP ↑