「鉄旅日記」2019年弥生Part.2 その2-湯本、内郷、水戸、偕楽園、下菅谷、中菅谷(常磐線/水郡線) 【青春18きっぷ常磐旅。この当時、常磐線は富岡止まりでございます。そしてこの季節、臨時駅の偕楽園駅に列車が止まります。】
鉄旅日記2019年3月10日・・・湯本駅、内郷駅、水戸駅、偕楽園駅、下菅谷駅、中菅谷駅(常磐線/水郡線)
11:31 湯本(ゆもと)駅(常磐線 福島県)
富岡から戻り、いわきを過ぎて湯本。
御幸山公園に上がって町を一望。


残りの時間は駅の足湯につかっていた。
小さな女の子が父親と戯れる様を飽かず眺めていたよ。

この駅には濃厚な記憶がある。



幸せな生活を送りながらもひとりで旅をしていた頃。
何が言いたいわけでもない。
因果はあるにしろ、あの時代があって現在がある。
たぶん現在のオレの顔を見て心配事を思いつくヤツはいないだろう。
それがこれまでのオレの人生。
11:53 内郷(うちごう)駅(常磐線 福島県)
いわき方面にひと駅戻る。
駅員さんがいる駅だった。
いいことだ。
人がふれ合う場所にはそうした存在が必要なんだ。
何もウイスキーハイボールを飲みなから電車に乗るための一日というわけじゃないが、昼にして6本目だ。
果てしなく気分はよく、空は晴れている。
駅前をひと回り。
それで足りた。


水戸に戻る。
13:23 水戸駅前~那珂川~水戸城~旧弘道館






14:02 水戸(みと)駅(常磐線/水郡線/水戸線/鹿島臨海鉄道 茨城県)にて

14:55 偕楽園(かいらくえん)駅(常磐線 茨城県)
この時期にしか停車しない幻の駅で列車を待っている。
水戸で降りて、水戸城から弘道館、千波湖と歩いてやってきた。
幕末水戸藩は人材を輩出しながらも、そのエネルギーは諸生党と呼ばれる門閥派と、天狗党と呼ばれる改革派による内部闘争に費やされ、明治維新に名を残した者はいない。
那珂湊が焼け、戦火は鹿島にまで及び、天狗党は流亡の果てに越前敦賀で武装解除。
武田耕雲斎、藤田小四郎、田丸稲之衛門、山国兵部等幹部をはじめ多くが処刑。
実権を握った諸生党の市川三左衛門一派は、その後の明治維新による情勢変化により水戸を脱走。
会津で奥羽越列藩同盟と合流して新政府軍と戦うが、会津藩降伏後に転戦の果てに水戸に戻り、弘道館に銃弾が飛び交う。
天狗党がたどったように、やがて市川等も流亡。
銚子、匝瑳で戦い、ついに八日市場で一派は壊滅。
市川三左衛門は江戸に潜伏後に捕縛され、水戸で極刑に処された。
天狗党を書いたものを読むと市川の陰険さが際立つ。
ただ、硬骨の男だったらしい。
拷問に音を上げず、逆さ磔という極刑に望む際には不屈の言葉を発したと伝わる。
水戸城の天然の外堀の役目を果たしていた千波湖。
畔を歩きながら、つらつらと当時の経緯を思い起こしていた。
美しい湖畔。
ここもかつて軍隊が通ったのだろう。








偕楽園は「梅まつり」で賑わい、驚くべきほどの人々がこの臨時駅で待っている。


水戸は3月に盛りを迎える。
15:27 下菅谷(しもすがや)駅(水郡線 茨城県)にて

15:43 中菅谷(なかすがや)駅(水郡線 茨城県)
下菅谷で降りて、ひと駅の徒歩行。
所要時間約15分。

いわきから水戸に向かうにつれて雲を増やしつつあった空は、完全にグレーに染まった。
そんなグレーの道を歩いてきた。
常陸太田に向かう列車に乗っている。
水戸の雑踏は一番端のホームまでは及ばず、車内はおそらく日常を外れていない。
【Facebookへの投稿より】
常磐線沿線に暮らしております。
常磐線は上野から仙台まで通じておりますが、ご存知のとおり8年前に起きた東日本大震災における原発騒ぎのため、現在は寸断されております。
限界地点の富岡駅は日差しに満ちて暖かく、「富岡は負けない!」と大書された幟を見て、深く頷いたのでございます。
湯本駅では足湯につかりもいたしました。
常磐線の中核都市の水戸は、偕楽園の梅まつりの最中でございます。
千波湖畔をぶらぶら歩きながら、幕末に多くの俊傑を出しながらも、内部党争により、ひとりとして明治維新に名を連ねなかった水戸藩について考えたものでございます。
関連記事
-
-
「鉄旅日記」2018年如月 初日(東京-直江津)その2-三つ峠、塩山、酒折、塩尻、新島々、西松本、松本(富士急行/中央本線/アルピコ交通上高地線) 【冬の町を見たくて、週末パスを買いました。】
鉄旅日記2018年2月10日・・・三つ峠駅、塩山駅、酒折駅、塩尻駅、新島々駅、西松本駅、松本駅(富士
-
-
「鉄旅日記」2020年如月 初日(東京-大船渡)その2‐新白河、郡山、福島、仙台(東北本線) 【東日本大震災で被害を受けた大船渡に泊まりにまいりました。山田線完全乗車も目指しておりましたが・・。】
鉄旅日記2020年2月22日・・・新白河駅、郡山駅、福島駅、仙台駅(東北本線) 8:20 新白河(
-
-
「鉄旅日記」2019年師走 最終日(酒田-東京)その1‐酒田、象潟、砂越(羽越本線) 【由利高原鉄道鳥海山ろく線に乗りにいきました。初冬の日本海は荒々しく、美しゅうございました。】
鉄旅日記2019年12月8日・・・酒田駅、象潟駅、砂越駅(羽越本線) 2019・12・8 5:34
-
-
「車旅日記」2006年皐月 2日目(黒磯-仙台)その2-末続駅、双葉駅、原ノ町駅、相馬駅、亘理駅、岩沼駅、名取駅、ホテルイーストワン仙台 【東京から出かける最後の車旅。関東、東北を2,265㎞走った記録でございます。】
車旅日記2006年5月3日・・・末続駅、双葉駅、原ノ町駅、相馬駅、亘理駅、岩沼駅、名取駅、ホテルイー
-
-
「鉄旅日記」2016年春 初日(東京-水沢)その1-郡山、杉田、五百川、高城町、矢本、野蒜、陸前赤井、石巻、女川(東北本線/仙石線/石巻線) 【東日本大震災被災地へ】
鉄旅日記2016年3月5日その1・・・郡山駅、杉田駅、五百川駅、高城町駅、矢本駅、野蒜駅、陸前赤井駅
-
-
「鉄旅日記」2022年如月 最終日(常陸大子-東京)その1 ‐常陸大子、磐城棚倉、東館(水郡線) 【十二橋駅~潮来駅、鹿島神宮西の一之鳥居~鹿島神宮、棚倉を歩く旅。】
鉄旅日記2022年2月6日・・・常陸大子駅、磐城棚倉駅、東館駅(水郡線) 2022・2・6&
-
-
「鉄旅日記」2014年夏 3日目(鳥取-米子)その1-鳥取、由良、下市、御来屋、名和、伯耆大山、東山公園、博労町、境港、木次、亀嵩、宍道(山陰本線/境線/木次線) 【青春18きっぷで、中国ぶらぶら旅】
鉄旅日記2014年8月15日その1・・・鳥取駅、由良駅、下市駅、御来屋駅、名和駅、伯耆大山駅、東山公
-
-
「鉄旅日記」2022年如月 初日(東京-常陸大子)その4 ‐鹿島神宮その2、大洗、水戸(鹿島臨海鉄道)/塚原卜伝生誕地 【十二橋駅~潮来駅、鹿島神宮西の一之鳥居~鹿島神宮、棚倉を歩く旅。】
鉄旅日記2022年2月5日・・・鹿島神宮駅、大洗駅、水戸駅(鹿島臨海鉄道)/塚原卜伝生誕地
-
-
「鉄旅日記」2017年冬 最終日(喜多方-東京)その1-会津若松、笈川、堂島、喜多方、会津若松(磐越西線) 【会津へ。会津へ行きたかったのでございます。】
鉄旅日記2017年12月3日・・・会津若松駅、笈川駅、堂島駅、喜多方駅(磐越西線) 2017・12
-
-
「鉄旅日記」2014年春 2日目(西舞鶴-魚津)その1-西舞鶴、東舞鶴、若狭高浜、小浜、上中、十村、木ノ本、余呉、高月、永原、敦賀(舞鶴線/小浜線/北陸本線/湖西線) 【青春18きっぷで、丹後若狭から北陸、信州へ】
鉄旅日記2014年3月22日その1・・・西舞鶴駅、東舞鶴駅、若狭高浜駅、小浜駅、上中駅、十村駅、木ノ
