「鉄旅日記」2019年弥生Part.2 その3-常陸太田、東海、大甕、南中郷、石岡(水郡線常陸太田支線/常磐線) 【青春18きっぷ常磐旅。この当時、常磐線は富岡止まりでございます。そしてこの季節、臨時駅の偕楽園駅に列車が止まります。】
鉄旅日記2019年3月10日・・・常陸太田駅、東海駅、大甕駅、南中郷駅、石岡駅(水郡線常陸太田支線/常磐線)
16:05 常陸太田(ひたちおおた)駅(水郡線常陸太田支線 茨城県)
定刻より5分遅れの発車。
途中の河合駅で見送りの光景に出会う。
見送り人は母親。
あの家族が次に会うのはいつだろう。
常陸の終着駅は入口の向きが変わっていた。
この駅に寄るのは3度目になる。
わずか5分の滞在で目にしたものは、ほぼ記憶しているものだった。


17:19 東海(とうかい)駅(常磐線 茨城県)
原発の町。
もちろんそれだけじゃない。
原発に対しては様々な意見があるだろう。
オレは確固たる意見を持ちえずにいる。
ただ、原発に携わる従事者をリスペクトしている。
福島の原発事故に関して言えば、あの震災はやはり想定外だったのだろう。
それも分かる。
社会に出て働いていれば誰にでも分かる。
そして事あらば相応の責任をとらなきゃならないことも知っている。
職種によって責任のスケールは違う。
それもみんな分かっているんだよ。
駅前を写してビールを買う。
常夜灯が置かれたホームに何事かを感じて通り過ぎた朝からは、9時間ほどが経過している。



酒ばかり飲んでいて、まさに「Drinkin’ Fool」な状態だが、頭は冴えている。
おそらく人様には迷惑をかけていない。
恋人からの連絡を待っている。
17:53 大甕(おおみか)駅(常磐線 茨城県)
常陸太田からは水郡線の他にもうひとつの鉄道が伸びていた。
常陸太田駅から程ない距離にあった常北太田駅を始発とする日立電鉄線。
この駅で常磐線と交わり、そのまま常磐線に並行するように走り、現在の日立駅の3㎞ほど手前あたりで終点を迎えていた。
その鉄路が廃止されて10年以上の歳月が流れている。
廃線当時は2005年。
さっきからオレを微笑ませてくれたあの若者たちは、もう覚えていないだろう。
オレも鉄道旅を始める前で、その存在と廃線の事実は茨城県民だった会社の先輩から教えられて初めて知った。
いわきに向かった初めての常磐旅の頃、大甕駅には廃止された日立電鉄線のホームも線路もそのまま残されていた。
その後は通るたびに改装が進む様を目にしてきて、そして今日に至りかつての面影は完全に消えていた。
何を思うわけでもなく新しい駅を出て、しばらく歩くとコンビニを見つけた。



常磐線駅は期待を裏切らない。
コンビニがあれば、そりゃビールを買うさ。
そしてまたいわき方面に向かっている。
恋人から便りが届いた。
18:34 南中郷(みなみなかごう)駅(常磐線 茨城県)
高萩を過ぎてひと駅目。
この駅に降りれば、上野からいわきまでのすべての駅に降りたことになる。
だからアホらしくもこうして再び朝来た道をたどってきた。
真っ暗な駅前に降り立って、納得している自分を感じた。
オレと一緒に数名の学生が降りて、散っていった。
納得したのは、日が暮れたからだよ。
今日もいろいろな駅に降りてきた。
降りた駅駅で酒を売る店が健在だったことに感謝している。


20:16 石岡(いしおか)駅(常磐線 茨城県)
特急発車待ち7分の停車。
かつてのクリスマスイブに降りた街。
鉾田から鹿島鉄道に乗って降りたんだ。
その鹿島鉄道はもはやない。
当時も今と同じ金町で暮らしていた。
少しだけ長い旅をして、また同じ町に戻ってきたようなものだ。
オレにも語れるだけの歴史がある。
そんなふうに思っておこう。
あの日に歓楽街はくまなく歩いた。
駅は坂下にある。
今夜の街明かりは想像より暗かった。
駅舎に描かれた筑波山が美しい。


春のセンバツに石岡一高が出場するという。
「関東を制するものは全国を制する」。
オレが高校時代に属した剣道をはじめ、様々な競技でこの言葉は今も口にされていることだろう。
そんな激戦区を勝ち抜いたんだ。
応援するよ。
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