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「鉄旅日記」2020年睦月【秋田内陸縦貫鉄道に乗りにいきました。五能線の名所も歩いた旅初めでございます。】2日目(湯沢-鷹ノ巣)その3‐驫木、風合瀬、大戸瀬、千畳敷、北金ヶ沢(五能線)

公開日: : 最終更新日:2024/04/13 旅話, 旅話 2020年

鉄旅日記2020年1月12日・・・驫木駅、風合瀬駅、大戸瀬駅、千畳敷駅、北金ヶ沢駅(五能線)
13:05 驫木(とどろき)駅(五能線 青森県)にて



13:43 風合瀬(かそせ)駅(五能線 青森県)にて

14:51 大戸瀬(おおどせ)駅(五能線 青森県)にて



15:40 千畳敷(せんじょうじき)駅(五能線 青森県)
映画「男はつらいよ 奮闘篇」で、さくらさんが兄の寅次郎を探しに降りた驫木駅。
海辺の寒村といった風情は映画公開当時の49年前と何も変わっていない。

101号国道、西浜街道を風合瀬、大戸瀬と歩いてきて、大戸瀬の奇岩を前に立ち尽くす。

千畳敷駅に着いて、駅前にある民宿を訪ね、ビールを購入。
ご主人がイカを焼いてくれた。
これにビールは合うだろう。

話は驫木駅に降りた約2時間半ほど前に戻る。

歩き始め、海を統べるスサノオに力を貰い、お地蔵様に頭を下げて、さらに歩き進める。

空でカモメが歌い、見渡せる限りの海岸線を見つめる。
これからあそこを越えていくのかと。









風合瀬駅はあるお宅の庭先にあった。
わずかな集落が見えて、たまたまそこにホームらしきものを見た。
国道には駅を示す表示はなかった。

庭先との境のない駅の在り方に新鮮な気持ちになる。
ここで暮らしたらどうだろうと思う。

さて次の駅へ。
海辺に下り、前方から上り列車が向かってくるのを発見して待ち構える。










大戸瀬駅もわずかな集落の中に存在していた。
バス停があり、小さなロータリーがある。

風合瀬からは長い距離を歩いていた。
腰に痛みを感じていた。

でももうひと駅。
次の列車には千畳敷で乗る。
まだ歩かなきゃ。


千畳敷は寛政の時代の大地震で海底が隆起してできた奇景で、津軽候が領内巡視の際に1000畳を敷き、幕を張り巡らして賞美したことから命名されたとのこと。
太宰治の「津軽」にも登場することから石碑が建っていた。
厳ついゴリラを想わせる巨岩に圧倒された。










民宿のご主人の話じゃ、ここから秋田にかけては風が強く、雪は吹き飛ばされて積もらないとのこと。
関西からきた客にも雪はないのかとこぼされたらしい。

積もるのは岩木山のムコウ。
五所川原、弘前。
なるほど、箱根と富士山が多くのケースで関東を台風から守るように、山の役割というのは人智を超えるようだ。

千畳敷は天下の景勝で、11月には目当ての団体客と乗り合わせた。
確かその区間では列車は徐行して彼等の目を楽しませたはずだ。
オレは見なかったよ。

視界の先には線路と海しかない。
その構図を気に入ったのは、遥かな昔。

やがて朝がきて、愛する女性を乗せた列車が通る線路を眺めた日の出前。
オレが見ていたのは線路と防風林とその先の日本海だった。

大切にしていたつもりはないが、そんなことを記憶しながら生きてきて、これ以上ない構図でその風景が目の前にあり続けた。

15:51 北金ヶ沢(きたかねがさわ)駅(五能線 青森県)
行き違い5分の停車。
古く威厳のある駅舎に興奮した。

駅前通りとあわせて写し、列車に戻る。

イカの匂いを心配したが、オレが乗る先頭車両の客はオレのみ。
イカとビールが待ってる。

細かい雨が降り始め、線路は徐々に海から遠ざかる。

鰺ヶ沢に着いたが、乗客はいない。

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