「鉄旅日記」2020年睦月【秋田内陸縦貫鉄道に乗りにいきました。五能線の名所も歩いた旅初めでございます。】2日目(湯沢-鷹ノ巣)その3‐驫木、風合瀬、大戸瀬、千畳敷、北金ヶ沢(五能線)
鉄旅日記2020年1月12日・・・驫木駅、風合瀬駅、大戸瀬駅、千畳敷駅、北金ヶ沢駅(五能線)
13:05 驫木(とどろき)駅(五能線 青森県)にて
13:43 風合瀬(かそせ)駅(五能線 青森県)にて
14:51 大戸瀬(おおどせ)駅(五能線 青森県)にて
15:40 千畳敷(せんじょうじき)駅(五能線 青森県)
映画「男はつらいよ 奮闘篇」で、さくらさんが兄の寅次郎を探しに降りた驫木駅。
海辺の寒村といった風情は映画公開当時の49年前と何も変わっていない。
101号国道、西浜街道を風合瀬、大戸瀬と歩いてきて、大戸瀬の奇岩を前に立ち尽くす。
千畳敷駅に着いて、駅前にある民宿を訪ね、ビールを購入。
ご主人がイカを焼いてくれた。
これにビールは合うだろう。
話は驫木駅に降りた約2時間半ほど前に戻る。
歩き始め、海を統べるスサノオに力を貰い、お地蔵様に頭を下げて、さらに歩き進める。
空でカモメが歌い、見渡せる限りの海岸線を見つめる。
これからあそこを越えていくのかと。
風合瀬駅はあるお宅の庭先にあった。
わずかな集落が見えて、たまたまそこにホームらしきものを見た。
国道には駅を示す表示はなかった。
庭先との境のない駅の在り方に新鮮な気持ちになる。
ここで暮らしたらどうだろうと思う。
さて次の駅へ。
海辺に下り、前方から上り列車が向かってくるのを発見して待ち構える。
大戸瀬駅もわずかな集落の中に存在していた。
バス停があり、小さなロータリーがある。
風合瀬からは長い距離を歩いていた。
腰に痛みを感じていた。
でももうひと駅。
次の列車には千畳敷で乗る。
まだ歩かなきゃ。
千畳敷は寛政の時代の大地震で海底が隆起してできた奇景で、津軽候が領内巡視の際に1000畳を敷き、幕を張り巡らして賞美したことから命名されたとのこと。
太宰治の「津軽」にも登場することから石碑が建っていた。
厳ついゴリラを想わせる巨岩に圧倒された。
民宿のご主人の話じゃ、ここから秋田にかけては風が強く、雪は吹き飛ばされて積もらないとのこと。
関西からきた客にも雪はないのかとこぼされたらしい。
積もるのは岩木山のムコウ。
五所川原、弘前。
なるほど、箱根と富士山が多くのケースで関東を台風から守るように、山の役割というのは人智を超えるようだ。
千畳敷は天下の景勝で、11月には目当ての団体客と乗り合わせた。
確かその区間では列車は徐行して彼等の目を楽しませたはずだ。
オレは見なかったよ。
視界の先には線路と海しかない。
その構図を気に入ったのは、遥かな昔。
やがて朝がきて、愛する女性を乗せた列車が通る線路を眺めた日の出前。
オレが見ていたのは線路と防風林とその先の日本海だった。
大切にしていたつもりはないが、そんなことを記憶しながら生きてきて、これ以上ない構図でその風景が目の前にあり続けた。
15:51 北金ヶ沢(きたかねがさわ)駅(五能線 青森県)
行き違い5分の停車。
古く威厳のある駅舎に興奮した。
駅前通りとあわせて写し、列車に戻る。
イカの匂いを心配したが、オレが乗る先頭車両の客はオレのみ。
イカとビールが待ってる。
細かい雨が降り始め、線路は徐々に海から遠ざかる。
鰺ヶ沢に着いたが、乗客はいない。
関連記事
-
-
「鉄旅日記」2014年春【青春18きっぷで、丹後若狭から北陸、信州へ】初日(東京-西舞鶴)その1-西岐阜、京都、二条、日吉、胡麻、下山、和知、綾部、高津(東海道本線/山陰本線)
鉄旅日記2014年3月21日その1・・・西岐阜駅、京都駅、二条駅、日吉駅、胡麻駅、下山駅、和知駅、綾
-
-
「鉄旅日記」2016年春【東日本大震災被災地へ】初日(東京-水沢)その2-前谷地、柳津、気仙沼、一ノ関、水沢(石巻線/気仙沼線/大船渡線/東北本線)
鉄旅日記2016年3月5日その2・・・前谷地駅、柳津駅、気仙沼駅、一ノ関駅、水沢駅(石巻線/気仙沼線
-
-
「鉄旅日記」2018年師走【伊勢のいくつもの終着駅に降りまして、神島で2018年最後の満月を眺めたのでございます。】最終日(神島-鳥羽港-伊良湖岬-三河田原-豊橋-東京)その3-三河田原、新豊橋、豊橋、東静岡、沼津(豊橋鉄道渥美線/東海道本線)
鉄旅日記2018年12月24日・・・三河田原駅、新豊橋駅、豊橋駅、東静岡駅、沼津駅(豊橋鉄道渥美線/
-
-
「鉄旅日記」2014年春【青春18きっぷで、丹後若狭から北陸、信州へ】2日目(西舞鶴-魚津)その2-南条、今庄、北鯖江、鯖江、大土呂、福井、春江、丸岡、芦原温泉、動橋、石動、小杉、越中大門、魚津(北陸本線)
鉄旅日記2014年3月22日その2・・・南条駅、今庄駅、北鯖江駅、鯖江駅、大土呂駅、福井駅、春江駅、
-
-
「鉄旅日記」2007年皐月【夜汽車に乗って東京を離れ、山陰山陽へ。鉄旅最初の長旅でございました。】初日(東京-米子)-静岡、豊橋、本竜野、播磨新宮、佐用、東津山、米子(東海道本線/姫新線/因美線/山陰本線)
鉄旅日記2007年5月3日・・・静岡駅、豊橋駅、本竜野駅、播磨新宮駅、佐用駅、東津山駅、米子駅(東海
-
-
「鉄旅日記」2020年睦月【秋田内陸縦貫鉄道に乗りにいきました。五能線の名所も歩いた旅初めでございます。】初日(東京-湯沢)その2‐新白河、郡山、福島、仙台、あおば通(東北本線)
鉄旅日記2020年1月11日・・・新白河駅、郡山駅、福島駅、仙台駅、あおば通駅(東北本線) 8:22
-
-
「車旅日記」2004年夏【九州を一周してみよう。そう思いたった、真夏の日々でございます。】最終日(長崎-島原-唐津-福岡空港)走行距離291㎞その1-長崎ニューポート、島原駅、沖田畷古戦場(龍造寺隆信戦死の地)、大村駅、千綿駅、高橋駅
車旅日記2004年8月15日・・・長崎ニューポート、島原駅、沖田畷古戦場(龍造寺隆信戦死の地)、大村
-
-
「車旅日記」2004年春【旭川に下りて、思う存分に北の大地を走った旅の記録でございます】最終日(稚内-旭川空港)走行距離353㎞その1-稚内サンホテル、稚内公園、ノシャップ岬、サロベツ原生花園、サロベツ河畔、パンケ沼、下沼駅、幌延駅、雄信内駅
車旅日記2004年5月5日・・・稚内サンホテル、稚内公園、ノシャップ岬、サロベツ原生花園、サロベツ河
-
-
「鉄旅日記」2006年新春【雪の降った翌日。近くのローカル線に乗りに出かけました。】-馬橋、流山、幸谷、新松戸、佐貫、竜ケ崎(常磐線/総武流山電鉄/関東鉄道竜ヶ崎線)
鉄旅日記2006年1月22日・・・馬橋駅、流山駅、幸谷駅、新松戸駅、佐貫駅、竜ケ崎駅(常磐線/総武流
-
-
2018年秋【サンキューちばフリーパスでめぐる上総下総安房旅】最終日(松戸-五井-大原-安房鴨川-松戸)その3-安房鴨川、江見、君津、千葉、西船橋(内房線/総武本線)
鉄旅日記2018年9月23日・・・安房鴨川駅、江見駅、君津駅、千葉駅、西船橋駅(外房線/内房線/総武