*

「鉄旅日記」2012年晩秋【休日おでかけパスで、相模線途中下車旅】保土ヶ谷、大船、香川、北茅ヶ崎、厚木、社家、相武台下、原当麻、下溝、片倉、八王子、猿橋、西八王子、武蔵小金井、東小金井(横須賀線、東海道本線、相模線、横浜線、中央本線)

公開日: : 最終更新日:2025/06/19 旅話, 旅話 2012年

鉄旅日記2012年11月17日・・・保土ヶ谷駅、大船駅、香川駅、北茅ヶ崎駅、厚木駅、社家駅、相武台下駅、原当麻駅、下溝駅、片倉駅、八王子駅、猿橋駅、西八王子駅、武蔵小金井駅、東小金井駅(横須賀線、東海道本線、相模線、横浜線、中央本線)

2012・11・17 12:41 保土ヶ谷(ほどがや)駅(横須賀線 神奈川県)
Hさん、いいお顔をされていたな。
生前のお人柄が偲ばれる本当にいいお顔だったよ。

ご親族の涙は胸を熱くさせ、厳粛な儀式に感動すら覚えた。
人の一生とは生きている時間を指すが、本当に死ぬのは故人の記憶を携えた者が死に絶える際だという。
それはとてもステキなことだ。

涙雨に濡れた保土ヶ谷を後にして西に向かっている。

Hさんにとっては、ことによっては迷惑かもしれないが、オレというごく局地において、あと数10年は生を刻んでいくことが約束されている。

13:06 大船(おおふな)駅(東海道本線/横須賀線/根岸線 神奈川県)
大船駅の賑わいはいつ見ても不思議だ。
なぜこれほどの人々が行き交っているのか。
そしてなぜオレはそれを不思議に思うのか。

主にその地域性に対してだが、なかなか認識を改められずにいる。
別に構わないが。

湘南モノレール乗り場が記憶と違っていた。
あれは3年前になるのか。

過去が急速な勢いでたんなる過去でしかなくなってきている。
ほんのちょっと前まですべてが愛おしかったのにな。

茅ヶ崎(ちがさき)駅にて(東海道本線/相模線 神奈川県)

13:47 香川(かがわ)駅(相模線 神奈川県)
激しい雨が降る。

単線の相模線を濡らす。

風は吹き、雨の音が激しくなる。

2、3の商店をもって駅前の商圏が尽き果てた、かつて義人がいたと伝えられる小さな駅に下りた。

13:58 北茅ヶ崎(きたちがさき)駅(相模線 神奈川県)
ひと駅戻り、ホームから見渡せる風景がその町のすべてといった趣の駅に下りる。

雨が濡らしているが、町としての潤いをあまり感じない一帯だ。

風と東邦チタニウムの工場の音とともに雨を眺めてる。

14:31 厚木(あつぎ)駅(相模線 神奈川県)
小田急電鉄の高架下。

ホーム横に車庫があり、ここには何かあると思わせたが、通りに埋め込まれるように駅は存在していた。

「こんな雨の日じゃ、何もしてあげられないよ。」

気弱なおじさんが、そんなふうに囁きかけてきそうな気配のする駅だった。

14:38 社家(しゃけ)駅(相模線 神奈川県)
また一駅戻り、袋小路の小さな駅で下りる。

迎えを待つ少女の目がオレに冷たい。

ケータイに収めるような駅じゃないってことか。

そんなことは決してないのだけれど、ごくささやかな日常だけがある駅だった。

14:58 相武台下(そうぶだいした)駅(相模線 神奈川県)
駅が近づくと人家が離れ風景が鄙びた。

まるで原っぱの中にいるようだ。

駅舎は瓦屋根の古いものだった。

15:09 原当麻(はらたいま)駅(相模線 神奈川県)
長くいられるような駅じゃない。

かつてサッカー場に向かう道で、相模線のガードを潜ると左手に駅があって、それがここ原当麻だと同乗のFさんに教えられてきた。

だが違った。

約20年振りに発覚した不都合な真実だった。

15:18 下溝(しもみぞ)駅(相模線 神奈川県)
ひと駅戻る。

相模川散策路から駅へと渡る地点には信号がない。
そう、角にそば屋があるところだ。

民家に編入されたようなローカル駅だが、この風情は嫌いじゃない。

ただビールも酒も売っていないところは神奈川県とも思えない。

そんなローカル線の旅はここで終わりにする。

15:56 片倉(かたくら)駅(横浜線 東京都)
橋本駅で横浜線に乗り換える。

八王子南郊の寂しい高架駅。

町が続いているが、寒々とした風景にコンビニのおでんの貼り紙が眩しい。

左手のこんもりとしたのが城跡なのだろう。

16:12 八王子(はちおうじ)駅(中央本線/横浜線/八高線 東京都)
人の多さに驚き、北へ伸びる通りの美しさを愛でた。

実は八王子駅に関わるのはこれで2度目で、街を知らない。
そしてあまり知ろうと思っていなかった。

あまりいい印象を持たない数少ない街のひとつだった。
原因は高校時代の同級生にある。

親しい間柄ではなく、ほとんど会話を交わしたこともないが、馬の合わない男だった。
もう30年近く前の話だけど、八王子が不良少年の多い危険な匂いのする街だと、彼から刷り込まれてここまで生きてきた。

この話は、人というのは実に様々な責任を持って生きているということの、ひとつの例として挙げられる。

17:10 猿橋(さるはし)駅(中央本線 山梨県)
今更だが生憎の雨だ。

日本三奇橋猿橋の姿は写真で見たよ。
小さな観光地の好ましげな駅前のたたずまいがあったが、新しい現代的な駅舎に特徴はなく、そして冷たく、駅の由来にそぐわない。

何よりもこの激しい雨と一日の終わりに訪れた闇に、たいていのものは隠されてしまっている。

休日おでかけパスの有効区間は次の大月まで。

帰る。

18:10 西八王子(にしはちおうじ)駅(中央本線 東京都)
踏切トラブルで中央線ダイヤは乱れている。

大垂水峠の手前、西八王子。
関東平野のへりには冬の寒気が張り付き、人々の装いもすっかり冬に変わっている。

いつの間にかだ。
あっという間にだ。

Hさんは62年の人生を長く感じていたのだろうか。

涙雨は激しくなっている。

西八王子の商店街を歩かなかったことを少しだけ後悔している。

18:48 武蔵小金井(むさしこがねい)駅(中央本線 東京都)
涙雨が嵐に変わった。

きれいな街に着いたが、どうやら駅も商業施設も最近新装なったようだ。

東口の西友には歴史が見える。
町田の西友もそうだった。

今もあるのだろうか。

19:01 東小金井(ひがしこがねい)駅(中央本線 東京都)
武蔵野の古い駅。

駅舎は新しいが、町並に過去が見える。

高校時代にこのあたりにきたことがあるが、その頃の駅周辺の姿も見えたよ。

残念だが今日はもう打ち切りだ。
中央線の遅れの原因は諸説あるし、この強風で東海道線も止まった。

そして冬がやってきた。

関連記事

「鉄旅日記」2016年春 初日(東京-下北)その2-村崎野、六原、盛岡、八戸、野辺地、下北(東北本線、IGRいわて銀河鉄道、大湊線) 【下北半島から東日本大震災被災地へ】

鉄旅日記2016年3月19日その2・・・村崎野駅、六原駅、盛岡駅、八戸駅、野辺地駅、下北駅(東北本線

記事を読む

「鉄旅日記」2022年新春 最終日(三沢-東京)その2 ‐一ノ関、松山町、鹿島台、仙台(東北本線) 【巨大な土偶が貼りつく木造駅を見たくて冬の東北を旅しました。】

鉄旅日記2022年1月10日・・・一ノ関駅、松山町駅、鹿島台駅、仙台駅(東北本線) 11:5

記事を読む

「鉄旅日記」2021年秋 初日(東京-飯坂温泉)その3 ‐槻木、角田、あぶくま、丸森、梁川(阿武隈急行)「鉄旅日記」2021年秋 【4度目の緊急事態宣言明け。これ以降そのようなものが発令されることはございませんでした。阿武隈急行、峠駅、立石寺。お宿は飯坂温泉。秋の東北を満喫すべく常磐線に乗りました。】

鉄旅日記2021年10月9日・・・槻木駅、角田駅、あぶくま駅、丸森駅、梁川駅(阿武隈急行)

記事を読む

「鉄旅日記」2020年文月 最終日(三次-東京)その4‐二条、大宮、四条大宮、北野白梅町、帷子ノ辻(山陰本線/京福電鉄嵐山本線/京福電鉄北野線) 【コロナ禍でございます。内緒の旅でございました。余部鉄橋へ。萩へ。霧の街へ。東京五輪延期で浮いた4連休の記録でございます。】

鉄旅日記2020年7月26日・・・二条駅、大宮駅、四条大宮駅、北野白梅町駅、帷子ノ辻駅(山陰本線/

記事を読む

「車旅日記」2004年夏 最終日(長崎-福岡空港)走行距離291㎞その1-長崎ニューポート、島原駅、沖田畷古戦場(龍造寺隆信戦死の地)、大村駅、千綿駅、高橋駅 【九州を一周してみよう。そう思いたった、真夏の日々でございます。】

車旅日記2004年8月15日・・・長崎ニューポート、島原駅、沖田畷古戦場(龍造寺隆信戦死の地)、大村

記事を読む

「鉄旅日記」2017年夏 初日(東京-大垣)その2-郡上八幡、北濃、美濃白鳥、郡上八幡、関、美濃太田、岐阜(長良川鉄道/高山本線)【私鉄王国で過ごす夏】

鉄旅日記2017年8月11日・・・郡上八幡駅、北濃駅、美濃白鳥駅、関駅、美濃太田駅、岐阜駅(長良川鉄

記事を読む

「鉄旅日記」2020年睦月 初日(東京-湯沢)その3‐小牛田、一ノ関、北上、柳原、江釣子(東北本線/北上線) 【秋田内陸縦貫鉄道に乗りにいきました。五能線の名所も歩いた旅初めでございます。】

鉄旅日記2020年1月11日・・・小牛田駅、一ノ関駅、北上駅、柳原駅、江釣子駅(東北本線/北上線)

記事を読む

「鉄旅日記」2020年盛夏 最終日(門司港-東京)その4‐周防高森、徳山、下松、光(岩徳線/山陽本線)/虹ヶ浜 【コロナ禍の内緒旅VOl.2。宮島へ。錦帯橋へ。筑豊へ。島原へ。千綿駅へ。そして若松~戸畑の渡船。日本晴れの4日間の記録でございます。】

鉄旅日記2020年8月16日・・・周防高森駅、徳山駅、下松駅、光駅(岩徳線/山陽本線)/虹ヶ浜

記事を読む

「鉄旅日記」2020年初秋 初日(東京-高松)その1 ‐金町、東京、米原、坂田(常磐線/東海道新幹線/北陸本線) 【時空の友を訪ねて讃州高松へ。金比羅さん、瀬戸大橋、大歩危、小歩危などを友とめぐり、義仲寺に寄り、直島に渡り、水島臨海鉄道にも乗った4日間の記録でございます。】

鉄旅日記2020年9月19日・・・金町駅、東京駅、米原駅、坂田駅(常磐線/東海道新幹線/北陸本線)

記事を読む

「鉄旅日記」2020年晩秋 最終日(武生-東京)その2‐敦賀、北鉄金沢、内灘、金沢、野々市(北陸本線/北陸鉄道浅野川線) 【大人の休日倶楽部パスで北陸へ。新幹線、在来線特急乗り放題でございます。魚津、雨晴をめぐり、氷見線、万葉線、城端線、七尾線、えちぜん鉄道、福武線、北陸鉄道との再会でございます。】

鉄旅日記2020年11月23日・・・敦賀駅、北鉄金沢駅、内灘駅、金沢駅、野々市駅(北陸本線/北陸鉄

記事を読む

Message

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

「鉄旅日記」2022年弥生vol.1 初日(東京-熱海)その2 ‐八景島、金沢八景、杉田、新杉田(金沢シーサイドライン/京浜急行本線) 【根岸線、湘南モノレール、横須賀線、大雄山線、鶴見線、南武線etc.駅旅人本領発揮の旅でございます。】

鉄旅日記2022年3月5日・・・八景島駅、金沢八景駅、杉田駅、新杉田

「鉄旅日記」2022年弥生vol.1 初日(東京-熱海)その1 ‐金町、桜木町、関内、新杉田(常磐線/京浜東北・根岸線) 【金沢シーサイドライン、湘南モノレール、横須賀線、大雄山線、鶴見線、南武線etc.駅旅人本領発揮の旅でございます。】

鉄旅日記2022年3月5日・・・金町駅、桜木町駅、関内駅、新杉田駅(

「鉄旅日記」2022年如月 最終日(常陸大子-東京)その3 ‐土浦、荒川沖、藤代、柏(常磐線) 【十二橋駅~潮来駅、鹿島神宮西の一之鳥居~鹿島神宮、棚倉を歩く旅。】

鉄旅日記2022年2月6日・・・土浦駅、荒川沖駅、藤代駅、柏駅(常磐

「鉄旅日記」2022年如月 最終日(常陸大子-東京)その2 ‐水戸、羽黒、稲田、福原、友部(水戸線) 【十二橋駅~潮来駅、鹿島神宮西の一之鳥居~鹿島神宮、棚倉を歩く旅。】

鉄旅日記2022年2月6日・・・水戸駅、羽黒駅、稲田駅、福原駅、友部

「鉄旅日記」2022年如月 最終日(常陸大子-東京)その1 ‐常陸大子、磐城棚倉、東館(水郡線) 【十二橋駅~潮来駅、鹿島神宮西の一之鳥居~鹿島神宮、棚倉を歩く旅。】

鉄旅日記2022年2月6日・・・常陸大子駅、磐城棚倉駅、東館駅(水郡

→もっと見る

    PAGE TOP ↑