「鉄旅日記」2019年弥生Part.1 最終日(紀伊田辺-東京)その1-紀伊田辺、箕島、和歌山、伊太祈曽、貴志(紀勢本線/和歌山電鐵貴志川線) 【和歌山電鐵に乗るために、青春18きっぷで紀伊半島一周を思い立ったのでございます。】
鉄旅日記2019年3月3日・・・紀伊田辺駅、箕島駅、和歌山駅、伊太祈曽駅、貴志駅(紀勢本線/和歌山電鐵貴志川線)
2019・3・3 5:37 紀伊田辺(きいたなべ)駅(紀勢本線 和歌山県)
昨夜歩いた歓楽街は「味光路」と名付けられているようだ。
スナックのネオンが目を引き、建物の1階は迷路のようなカーブを描き酔客を誘う。
「ええ加減にしいや」と女の怒声が響く土曜の夜だった。
この街の闘鶏神社は世界遺産に指定されている。
その名は源平合戦にちなむ。
「平家物語」にも描かれている。
田辺水軍を率いる湛増は、源平のどちらにつくか悩み、鶏を紅白2色に分けて闘わせ、白が勝ったことから源氏につく。
そして船団は壇ノ浦に向かった。
街の案内板には、田辺の出と伝わる武蔵坊弁慶を模したような「たなべえ」という、ゆるキャラの姿がある。
田辺城水門跡も駅前地図には描かれていた。
駅は工事中で、かつて降りた際に愛でた駅舎は失われていた。


6:54 箕島(みのしま)駅(紀勢本線 和歌山県)
全国制覇の町は鳥のさえずりに満ちている。
寒い朝だ。
ここは有田市だという。
みかんの産地で、太刀魚の漁獲料日本一を誇っている。
徳島の池田と同じく高校野球好きには垂涎の町で、あの懐かしいユニフォームが甲子園に戻ってくることを待っている。
夏の名場面には、箕島×星稜の18回に及ぶ死闘が必ず映される。
紀伊田辺からは複線区間となり、昨日のように列車行き違いなどによる停車はなくなる。
この箕島駅には降りたくて降りている。
どことなくかわいらしい駅で、感じのいい駅前だった。


次の初島を過ぎると、左手に巨大な石油工場が現れた。
傾斜の急な山肌が迫っている。
7:44 和歌山(わかやま)駅(紀勢本線/和歌山線/阪和線/和歌山電鐵貴志川線 和歌山県)
紀州人は人懐こく、礼儀正しい。
和歌山出身の唯一の友人もそうだった。
オレと出会う前は不良で、相当なワルだったらしいが、底抜けにいいヤツだった。
田辺でも感じていたんだ。
客と土産売場の女性との親しげな会話も聞こえてくる。
忙しなく駅前を写し、駅に戻る。



これまでに2度宿泊した街だ。
和歌山城へと続く街並はまだ記憶にも新しい。
和歌山電鐵は一番端の9番ホームから発車する。
窓口の切符売場に列ができている。
乗車に間に合うか危ぶんだが、大事ない。
乗り込んだ列車は「いちご電車」だった。


8:05 伊太祈曽(いだきそ)駅(和歌山電鐵貴志川線 和歌山県)
行き違い4分の停車。
「きのくに」に雨が落ちてきた。
小さな命を救おうと駅では謳う。



伊太祁曽神社が徒歩5分の場所にあるとのこと。
木国神話の社で、紀伊國一之宮と看板にはある。
木の神様を祀り、木材関係者の信仰を多く集めているようだ。
そして貴志川線の車両基地がここにある。
この先の終点はどんなところなのか。
列車は山峡へと分け入り、やがて大池が現れた。
8:25 貴志(きし)駅(和歌山電鐵貴志川線 和歌山県)
猫の「たま」が駅長を勤める駅として、全国的にも有名な終着駅は、かわいらしい猫の外観を持ち、駅舎内にお洒落なカフェを持つ。





まだ営業前で、「たま駅長」は10時に出勤すると、和歌山駅窓口の話好きの駅長さんから聞いた。
食器棚のような「たま駅長」の仕事場もきれいに片付いている。
以前は牧歌的な駅風景だったのだろう。
何かの番組で見たのはそんな駅だった。
貴志では、いちご狩りができるらしい。
それで行きも帰りも「いちご電車」。
大池遊園を再び通る。
素晴らしい景観だが、池に面した大池荘は閉鎖されているのか、やけに汚れていて人の気配が感じられない。
関連記事
-
-
「鉄旅日記」2007年皐月 2日目(米子-福山)-松江、宍道、出雲横田、出雲坂根、備後落合、塩町、府中、福山(山陰本線/木次線/芸備線/福塩線)/福山城 【夜汽車で東京を離れ、山陰山陽へ。鉄旅最初の長旅でございました。】
鉄旅日記2007年5月4日・・・松江駅、宍道駅、出雲横田駅、出雲坂根駅、備後落合駅、塩町駅、府中駅、
-
-
「鉄旅日記」2022年如月 初日(東京-常陸大子)その5 ‐常陸鴻巣、下小川、矢祭山、常陸大子(水郡線)/矢祭山鮎の里公園 【十二橋駅~潮来駅、鹿島神宮西の一之鳥居~鹿島神宮、棚倉を歩く旅。】
鉄旅日記2022年2月5日・・・常陸鴻巣駅、下小川駅、矢祭山駅、常陸大子駅(水郡線)/矢祭山鮎の里
-
-
「鉄旅日記」2021年春 最終日(米内沢-東京)その1 ‐米内沢、鷹巣、鷹ノ巣、早口、秋田(秋田内陸縦貫鉄道/奥羽本線) 【大人の休日倶楽部パスで東北へ。新幹線、在来線特急乗り放題でございます。続くコロナ禍ではございますが、約半年の辛抱の時を過ぎて、天候にも苛まれながら秋田内陸縦貫鉄道に乗りに行きました。】
鉄旅日記2021年4月18日・・・米内沢駅、鷹ノ巣駅、早口駅、秋田駅(秋田内陸縦貫鉄道/奥羽本線)
-
-
「鉄旅日記」2021年春 初日(東京-松本)その2 ‐高尾、大月、塩山、甲府、日野春(中央本線) 【週末パスで信濃へ。妙高高原駅で引き返し、松本の友人を訪ね、大糸線を旅して思い出の白馬へ。先の旅から一週間後のことでございました。】
鉄旅日記2021年4月24日・・・高尾駅、大月駅、塩山駅、甲府駅、日野春駅(中央本線) 7:
-
-
「鉄旅日記」2020年盛夏 2日目(防府-肥前鹿島)その3‐阿川、小串、下関、小倉(山陰本線/鹿児島本線) 【コロナ禍の内緒旅VOl.2。宮島へ。錦帯橋へ。筑豊へ。島原へ。千綿駅へ。そして若松~戸畑の渡船。日本晴れの4日間の記録でございます。】
鉄旅日記2020年8月14日・・・阿川駅、小串駅、下関駅、小倉駅(山陰本線/鹿児島本線) 1
-
-
「鉄旅日記」2021年春 初日(東京-米内沢)その2‐小牛田、瀬峰、田尻、新田(東北本線)/伊豆沼 【大人の休日倶楽部パスで東北へ。新幹線、在来線特急乗り放題でございます。続くコロナ禍ではございますが、約半年の辛抱の時を過ぎて、天候にも苛まれながら秋田内陸縦貫鉄道に乗りに行きました。】
鉄旅日記2021年4月17日・・・小牛田駅、瀬峰駅、田尻駅、新田駅(東北本線)/伊豆沼 8:
-
-
「車旅日記」2004年春 4日目(旭川-稚内)走行距離428㎞その2-雄武町日の出岬、マリーンアイランド岡島、千畳岩、神威岬、クッチャロ湖、さるふつ公園、宗谷岬、稚内駅 【旭川に下りて、思う存分に北の大地を走った旅の記録でございます】
車旅日記2004年5月4日・・・雄武町日の出岬、マリーンアイランド岡島、千畳岩、神威岬、クッチャロ湖
-
-
「車旅日記」2003年晩秋・番外編【京都にて】-京都御所、宇治川公園、京都駅
車旅日記2003年11月25日・・・京都御所、宇治川公園、京都駅 2003・11・25 10:57
-
-
「車旅日記」2006年皐月 2日目(黒磯-仙台)その1-道の駅明治の森黒磯、高久駅、黒田原駅、白河駅、安積永盛駅、三春駅、船引駅、磐城常葉駅、川前駅、小川郷駅、四ツ倉駅 【東京から出かける最後の車旅。関東、東北を2,265㎞走った記録でございます。】
車旅日記2006年5月3日・・・道の駅明治の森黒磯、高久駅、黒田原駅、白河駅、安積永盛駅、三春駅、船
-
-
「車旅日記」2006年皐月 4日目(大曲-青森)その2-弘前駅、道の駅つるた、毘沙門駅、津軽中里駅、三厩駅、中小国駅、駅前ホテルニュー青森館 【東京から出かける最後の車旅。関東、東北を2,265㎞走った記録でございます。】
車旅日記2006年5月5日・・・弘前駅、道の駅つるた、毘沙門駅、津軽中里駅、三厩駅、中小国駅、駅前ホ
