「鉄旅日記」2012年夏【青春18きっぷで、みちのく・北海道途中下車旅】2日目(横手-室蘭)-横手、土崎、八郎潟、大館、弘前、青森、泉沢、久根別、七飯、仁山、渡島沼尻、森、八雲、長万部、伊達紋別(奥羽本線、江差線、函館本線、渡島砂原支線、室蘭本線、室蘭支線)
鉄旅日記2012年8月12日・・・横手駅、土崎駅、八郎潟駅、大館駅、弘前駅、青森駅、泉沢駅、久根別駅、七飯駅、仁山駅、渡島沼尻駅、森駅、八雲駅、長万部駅、伊達紋別駅(奥羽本線、江差線、函館本線、渡島砂原支線、室蘭本線、室蘭支線)
2012・8・12 6:02 横手(よこて)駅(奥羽本線/北上線 秋田県)
駅が変わると街の印象も変わるものだ。
去年工事中だった横手駅に帰ってきた。
昨夜遅い時間に着いて、駅とステーションホテルとの往復しかしていないから、ずっと駅にいたようなものだ。
街は去年歩いた。
今年は駅の記憶さえあればいい。

7:43 土崎(つちざき)駅(奥羽本線 秋田県)
かつて車で立ち寄ったことのある和田で、川を渡った時に心が動いたことを除けば、秋田まで平凡な風景を見ていた。
そんなオレの前に座ってくれたテニスラケットを抱えた少女には感謝している。
時折ほのかにミント系のステキな香りが漂ってくる。
彼女が発しているものだとばかり思っていたが、あれはどうやらオレの着衣からのものらしい。
柔軟剤の香りか。
件の少女は秋田で降りた。
もちろん口には出せないが、「頑張って」と送り出したよ。
秋田から1駅。
土崎で下りると「駅そば」があり驚いた。
生姜入りキツネそば、美味かったな。
汁まで飲みほして、だだっ広い駅前に出た。
振り返ると女性を思わせる優しい姿の駅舎が見つめていた。

8:14 八郎潟(はちろうがた)駅(奥羽本線 秋田県)
去年に続き、ここ八郎潟で数分の停車。
あのドンツキの通りが一日市商店街か。
席を移った先で秋田美人が瞳を閉じている。
その背後に2色の秋田平野。
とてもステキだ。
去年干潟だと思った水の流れは米代川かもしれない。
どっちにしろオレの土地勘などいい加減なものだ。

10:29 大館(おおだて)駅(奥羽本線/花輪線 秋田県)
駅前から街を眺めると、一年とは早いものだと改めて思う。
街の全部を覚えていたから、正直72分の待ち時間は苦痛以外の何物でもないと思い、それでも繰り出すかと地図を見て驚いた。
中心街は長木川のムコウなんだ。
そりゃそうだ。
去年の範疇に役場の姿はなかった。
歩いても歩いてもという感じで、大館は大きな街だった。
そしてあの坂を上がったあたりが盛り場かと見届けて、駅への道を引き返した。
かつて大館ではテレビ放送を伴ったプロレス興行も行われた。
子供時分に見たジャイアント馬場×大木金太郎の波乱の一戦はここ大館での出来事だった。
去年はあれこれひどいことを書き連ねたことのように思う。
次が必ずある街で、その時は宿をとるだろう。
そして常に印象を新しくしていく街になるだろう。

11:28 弘前(ひろさき)駅(奥羽本線/五能線/弘南鉄道弘南線 青森県)
弘前には縁がない。
今回は5分の停車。
津軽三味線流れるホームに降りた。
ただその1点の記憶だけを持って列車は青森へ向かう。

13:15 青森(あおもり)駅(奥羽本線/津軽線/青い森鉄道 青森県)
津軽海峡線は満席。
青森は発展の途上にある。
そんな街は滅多にない。
ただ、海峡の街はそうあるべきだ。
海のムコウに夢を見れなくなったら、人類はそれこそ宇宙にでも出なきゃならなくなる。
人類がそんな大層な存在であるわけがない。
しんまち通りを歩いた。
最初目にした時に魔王の城を思わせたテレビ塔までと思ったが、そこへは果てしなく、日本共産党が演説を始めたあたりで海へと折れた。
そしてアニメの仮装した連中に占拠されたボードウォークを辿って駅へと戻る。



15:23 泉沢(いずみさわ)駅(江差線 北海道)
北の大地へ上陸。
弘前から立ちっぱなしだったこともあり木古内に着くとすぐに眠りこんでしまった。
津軽海峡に面した本当に小さな駅で数分の停車。
煙突ストーブを囲んだ待合室は掃除が行き届き、ベンチにはクッションが敷かれ、とても好ましかった。

16:02 久根別(くねべつ)駅(江差線 北海道)
爽やかな風が吹いている。
多少霞んでいるが、気持ちのいい晴天。
予報は覆った。
函館山は当初ぼんやりと浮かんで見え、次第にはっきりしてきた。
街が近い。
ペンキの剥がれた駅舎は外観に比して中は広く、体育館の空きスペースを思わせる。
その駅から海の方に目を移すとすでに町だった。
函館山に続く海岸線を眺めていると、ワイキキの街並を思い出した。

16:59 七飯(ななえ)駅(函館本線 北海道)
五稜郭で乗り換え。
高原に来たような印象だ。
清潔な駅前に商店はなく、少し歩いてソフトクリームを買い求めた。
ビールが飲みたかったけど、どこにも売っていなかったんだ。
北海道らしさは風景の中に見えてきた。
盆地状の土地に牧場のような施設が霞んでいる。
これが北の大地の夕暮か。

17:22 仁山(にやま)駅(函館本線 北海道)
森の中に停車している。
民家は見られない。
スキー場があるらしい。
崩れ折れそうなホームに朽ち果てそうな駅舎。
中は広く、閉鎖されている部屋を覗くと現役を思わせる立派なソファが置かれていた。
眼下に5号国道と集落が見える。
スキー場のてっぺんから眼下を見下ろす感覚に似ている。

18:07 渡島沼尻(おしまぬまじり)駅(函館本線渡島砂原支線 北海道)
この列車は大沼から渡島砂原を通って森へと至る。
ここでまた数分の停車。
霧雨とはよく言ったものだ。
晴れから一転霧に覆われ民家も絶えた。
改札機能のない緊急避難小屋のような駅舎の灯が霧に滲んでいた。

18:33 森(もり)駅(函館本線/渡島砂原支線 北海道)
北海道初上陸の際、函館に戻る道中で海を眺めたのはこのあたりだったのだろう。
海辺の町で「森」とは。
明治天皇上陸地とあった。
北海道の歴史は浅く、また伝わっていないものが多い。
そして虫が多い。
霧は晴れたが曇っている。
大沼上に浮かんだ夕日が隠れて以来こんな空だ。

19:24 八雲(やくも)駅(函館本線 北海道)
町に着いた。
ひときわ明るい灯に迎えられた。
東京音頭が聞こえた。
祭か。
7月に新日本プロレスがこの町で興行を打っている。
旅館、食堂とも駅前にあるがコンビニはなかった。
涼しかったよ。

20:15 長万部(おしゃまんべ)駅(函館本線/室蘭本線 北海道)
駅の営業はすべて終わり、八雲にはあった人の熱気はなく、駅前は深夜のように閑散としていた。
北海道上陸から随分時が経ち、歩を進めてきたが、実はまだ端緒に過ぎない。
その大きさを早くも実感している。

21:23 伊達紋別(だてもんべつ)駅(室蘭本線 北海道)
室蘭本線に入ってから、もちろん時間の関係もあるが、めっきり人を見かけなくなり、駅が小型化した。
数分の停車時間があり、久し振りに風格のある駅に降りたら、高層住宅の並ぶ町ながら商店などは見当たらなかった。
札幌行スーパー北斗が止まり、やがて去っていった。
余韻は残っていない。
幕末から開拓に苦労を重ねた亘理伊達藩が開いた町だという。
走り出すとまた闇に包まれた。

関連記事
-
-
「車旅日記」1996年黄金週間【友を訪ねて大阪へ。そして約束の地、金沢へ。夢を見ながら国道を走った日々でございます。】最終日 北陸より東京へ‐その2(R8→R18→R19)直江津駅、新井、豊野町、長野駅、道の駅信州新町、道の駅大岡村
車旅日記1996年5月6日 6:58 直江津駅 恋する女よ、いつの間にか日本海とさよならしていたよ
-
-
「鉄旅日記」2019年長月 2日目(盛岡-宮古)その3-陸中野田、久慈、陸中八木、八戸(三陸鉄道リアス線/八戸線) 【三陸鉄道、八戸線に乗りにいきました。区界、吉里吉里など、駅旅の者として見過ごせない駅にも寄りましてございます。】
鉄旅日記2019年9月22日・・・陸中野田駅、久慈駅、陸中八木駅、八戸駅(三陸鉄道リアス線/八戸線)
-
-
「鉄旅日記」2018年弥生 初日 最終日(会津若松-東京)その3-燕三条、北三条、三条、長岡、水上、高崎(弥彦線/信越本線/上越線)【青春18きっぷを握り、目指したのはまたしても会津。練馬から旅立つ最後の旅でございます。】
鉄旅日記2018年3月4日・・・燕三条駅、北三条駅、三条駅、長岡駅、水上駅、高崎駅(弥彦線/信越本線
-
-
「鉄旅日記」2015年夏 3日目(鹿児島中央-西鉄柳川)その1-指宿、枕崎、入野、開聞、山川、喜入、瀬々串、慈眼寺、南鹿児島、郡元(指宿枕崎線) 【日本最南端の終着駅、枕崎までの往復旅】
鉄旅日記2015年8月14日その1・・・指宿駅、枕崎駅、入野駅、開聞駅、山川駅、喜入駅、瀬々串駅、慈
-
-
「鉄旅日記」2021年皐月 初日-浜金谷駅、金谷港、勝浦駅(内房線/外房線)/遠見岬神社/旅館松の家 【ツレと房総に出かけました。宿泊地は勝浦でございます。房総横断鉄道に乗り、養老渓谷でも思い出深い時を過ごしたのでございます。】
鉄旅日記2021年5月22日・・・浜金谷駅、金谷港、勝浦駅(内房線/外房線)/遠見岬神社/旅館松の
-
-
「鉄旅日記」2019年年始 最終日(一ノ関-東京)その2-本吉、柳津、前谷地、石巻、宮城野原、仙台空港(気仙沼線/石巻線/仙石線/仙台空港鉄道仙台空港線) 【雪が見たくて北へ向かいました。そして初めて仙台空港線に乗ったのでございます。】
鉄旅日記2019年1月6日・・・本吉駅、柳津駅、前谷地駅、石巻駅、宮城野原駅、仙台空港駅(気仙沼線/
-
-
「鉄旅日記」2014年春 初日(東京-西舞鶴)その2-東雲、宮津、天橋立、豊岡、国府、和田山、梁瀬、福知山、西舞鶴(北近畿タンゴ鉄道宮津線/山陰本線) 【青春18きっぷで、丹後若狭から北陸、信州へ】
鉄旅日記2014年3月21日その2・・・東雲駅、宮津駅、天橋立駅、豊岡駅、国府駅、和田山駅、梁瀬駅、
-
-
「鉄旅日記」2018年初秋 初日(東京-桑名)その1-金町、新宿、新松田、松田、沼津(常磐線/山手線/小田急小田原線/御殿場線/東海道本線)【「JR東海&16私鉄乗り鉄☆たびきっぷ」でめぐる東海旅】
鉄旅日記2018年9月15日・・・金町駅、新宿駅、新松田駅、松田駅、沼津駅(常磐線/山手線/小田急小
-
-
「鉄旅日記」2017年春【近鉄に乗る日々】初日(東京-新大宮)その2-宇治山田、東青山、青山町、名張、大和八木、大和西大寺、新大宮(山田線/大阪線/橿原線/奈良線)
鉄旅日記2017年3月18日・・・宇治山田駅、東青山駅、青山町駅、名張駅、大和八木駅、大和西大寺駅、
-
-
「鉄旅日記」2018年師走 初日(東京-津)その3-河曲、富田浜、河原田、津(関西本線/伊勢鉄道) 【伊勢のいくつもの終着駅に降りまして、神島で2018年最後の満月を眺めたのでございます。】
鉄旅日記2018年12月22日・・・河曲駅、富田浜駅、河原田駅、津駅(関西本線/伊勢鉄道) 18:
