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「鉄旅日記」2012年夏【青春18きっぷで、みちのく・北海道途中下車旅】2日目(横手-室蘭)-横手、土崎、八郎潟、大館、弘前、青森、泉沢、久根別、七飯、仁山、渡島沼尻、森、八雲、長万部、伊達紋別(奥羽本線、江差線、函館本線、渡島砂原支線、室蘭本線、室蘭支線)

公開日: : 最終更新日:2020/08/22 旅話 * 結婚後2012年, 旅話*結婚後

鉄旅日記2012年8月12日
2012・8・12 6:02 横手(よこて)駅(奥羽本線/北上線 秋田県)
駅が変わると街の印象も変わるものだ。

去年工事中だった横手駅に帰ってきた。

昨夜遅い時間に着いて、駅とステーションホテルとの往復しかしていないから、ずっと駅にいたようなものだ。

街は去年歩いた。
今年は駅の記憶さえあればいい。

7:43 土崎(つちざき)駅(奥羽本線 秋田県)
かつて車で立ち寄ったことのある和田で、川を渡った時に心が動いたことを除けば、秋田まで平凡な風景を見ていた。

そんなオレの前に座ってくれたテニスラケットを抱えた少女には感謝している。
時折ほのかにミント系のステキな香りが漂ってくる。
彼女が発しているものだとばかり思っていたが、あれはどうやらオレの着衣からのものらしい。
柔軟剤の香りか。

件の少女は秋田で降りた。
もちろん口には出せないが、「頑張って」と送り出したよ。

秋田から1駅。
土崎で下りると「駅そば」があり驚いた。
生姜入りキツネそば、美味かったな。
汁まで飲みほして、だだっ広い駅前に出た。

振り返ると女性を思わせる優しい姿の駅舎が見つめていた。

8:14 八郎潟(はちろうがた)駅(奥羽本線 秋田県)
去年に続き、ここ八郎潟で数分の停車。

あのドンツキの通りが一日市商店街か。

席を移った先で秋田美人が瞳を閉じている。
その背後に2色の秋田平野。
とてもステキだ。

去年干潟だと思った水の流れは米代川かもしれない。

どっちにしろオレの土地勘などいい加減なものだ。

10:29 大館(おおだて)駅(奥羽本線/花輪線 秋田県)
駅前から街を眺めると、一年とは早いものだと改めて思う。

街の全部を覚えていたから、正直72分の待ち時間は苦痛以外の何物でもないと思い、それでも繰り出すかと地図を見て驚いた。
中心街は長木川のムコウなんだ。
そりゃそうだ。
去年の範疇に役場の姿はなかった。

歩いても歩いてもという感じで、大館は大きな街だった。

そしてあの坂を上がったあたりが盛り場かと見届けて、駅への道を引き返した。

かつて大館ではテレビ放送を伴ったプロレス興行も行われた。
子供時分に見たジャイアント馬場×大木金太郎の波乱の一戦はここ大館での出来事だった。

去年はあれこれひどいことを書き連ねたことのように思う。
次が必ずある街で、その時は宿をとるだろう。

そして常に印象を新しくしていく街になるだろう。

11:28 弘前(ひろさき)駅(奥羽本線/五能線/弘南鉄道弘南線 青森県)
弘前には縁がない。

今回は5分の停車。
津軽三味線流れるホームに降りた。

ただその1点の記憶だけを持って列車は青森へ向かう。

13:15 青森(あおもり)駅(奥羽本線/津軽線/青い森鉄道 青森県)
津軽海峡線は満席。

青森は発展の途上にある。
そんな街は滅多にない。

ただ、海峡の街はそうあるべきだ。
海のムコウに夢を見れなくなったら、人類はそれこそ宇宙にでも出なきゃならなくなる。
人類がそんな大層な存在であるわけがない。

しんまち通りを歩いた。
最初目にした時に魔王の城を思わせたテレビ塔までと思ったが、そこへは果てしなく、日本共産党が演説を始めたあたりで海へと折れた。

そしてアニメの仮装した連中に占拠されたボードウォークを辿って駅へと戻る。


15:23 泉沢(いずみさわ)駅(江差線 北海道)
北の大地へ上陸。
弘前から立ちっぱなしだったこともあり木古内に着くとすぐに眠りこんでしまった。

津軽海峡に面した本当に小さな駅で数分の停車。

煙突ストーブを囲んだ待合室は掃除が行き届き、ベンチにはクッションが敷かれ、とても好ましかった。

16:02 久根別(くねべつ)駅(江差線 北海道)
爽やかな風が吹いている。

多少霞んでいるが、気持ちのいい晴天。
予報は覆った。

函館山は当初ぼんやりと浮かんで見え、次第にはっきりしてきた。
街が近い。

ペンキの剥がれた駅舎は外観に比して中は広く、体育館の空きスペースを思わせる。

その駅から海の方に目を移すとすでに町だった。

函館山に続く海岸線を眺めていると、ワイキキの街並を思い出した。

16:59 七飯(ななえ)駅(函館本線 北海道)
五稜郭で乗り換え。

高原に来たような印象だ。
清潔な駅前に商店はなく、少し歩いてソフトクリームを買い求めた。

ビールが飲みたかったけど、どこにも売っていなかったんだ。

北海道らしさは風景の中に見えてきた。
盆地状の土地に牧場のような施設が霞んでいる。

これが北の大地の夕暮か。

17:22 仁山(にやま)駅(函館本線 北海道)
森の中に停車している。

民家は見られない。
スキー場があるらしい。

崩れ折れそうなホームに朽ち果てそうな駅舎。
中は広く、閉鎖されている部屋を覗くと現役を思わせる立派なソファが置かれていた。

眼下に5号国道と集落が見える。

スキー場のてっぺんから眼下を見下ろす感覚に似ている。

18:07 渡島沼尻(おしまぬまじり)駅(函館本線渡島砂原支線 北海道)
この列車は大沼から渡島砂原を通って森へと至る。
ここでまた数分の停車。

霧雨とはよく言ったものだ。
晴れから一転霧に覆われ民家も絶えた。

改札機能のない緊急避難小屋のような駅舎の灯が霧に滲んでいた。

18:33 森(もり)駅(函館本線/渡島砂原支線 北海道)
北海道初上陸の際、函館に戻る道中で海を眺めたのはこのあたりだったのだろう。
海辺の町で「森」とは。

明治天皇上陸地とあった。
北海道の歴史は浅く、また伝わっていないものが多い。
そして虫が多い。

霧は晴れたが曇っている。
大沼上に浮かんだ夕日が隠れて以来こんな空だ。

19:24 八雲(やくも)駅(函館本線 北海道)
町に着いた。
ひときわ明るい灯に迎えられた。

東京音頭が聞こえた。
祭か。

7月に新日本プロレスがこの町で興行を打っている。

旅館、食堂とも駅前にあるがコンビニはなかった。
涼しかったよ。

20:15 長万部(おしゃまんべ)駅(函館本線/室蘭本線 北海道)
駅の営業はすべて終わり、八雲にはあった人の熱気はなく、駅前は深夜のように閑散としていた。

北海道上陸から随分時が経ち、歩を進めてきたが、実はまだ端緒に過ぎない。

その大きさを早くも実感している。

21:23 伊達紋別(だてもんべつ)駅(室蘭本線 北海道)
室蘭本線に入ってから、もちろん時間の関係もあるが、めっきり人を見かけなくなり、駅が小型化した。

数分の停車時間があり、久し振りに風格のある駅に降りたら、高層住宅の並ぶ町ながら商店などは見当たらなかった。

札幌行スーパー北斗が止まり、やがて去っていった。
余韻は残っていない。

幕末から開拓に苦労を重ねた亘理伊達藩が開いた町だという。

走り出すとまた闇に包まれた。

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