「鉄旅日記」2017年春【近鉄に乗る日々】2日目(新大宮-大阪難波)その3-橿原神宮前、六田、吉野、近鉄御所、御所、尺土、二上山(吉野線/御所線/南大阪線)
鉄旅日記2017年3月18日・・・橿原神宮前駅、六田駅、吉野駅、近鉄御所駅、御所駅、尺土駅、二上山駅(近鉄吉野線/御所線/南大阪線)
13:28 橿原神宮前(かしはらじんぐうまえ)駅(近鉄橿原線/近鉄吉野線/近鉄南大阪線 奈良県)
河内山本に戻り、大阪線で昨夜降りた大和八木へ。
橿原線に乗り換えて、終点橿原神宮前へ。
国の始まり。
大和の始まり。
それがここだという。
奈良は今も古代の中にある。
それにしても複雑な構造をした駅だ。
改札を出ると由緒ありそうなホテルは目に入るが、街としての機能はごく乏しい。
いま吉野に向かう列車に乗っている。
飛鳥という駅を過ぎて、巨大な古墳が現れた。
現代の目で見れば、古代の王とは、とても身勝手な人種だが、当時からすれば、人間離れした存在だったらしい。
その事情は日本に限らない。


14:12 六田(むだ)駅(近鉄吉野線 奈良県)
数分の停車。
下市口あたりはよく覚えている。
かつて気持よく車を走らせた吉野川沿いの道。
曇り空の下を大王崎から奈良へと向かう途中だった。
この駅前も通ったのだろう。
近鉄は無人駅が少ない。
とても立派だと思う。
だから駅が荒れることもない。
吉野川が見えなくなると単なる田舎風景になる。
退屈に感じていたら、吉野神宮の手前で鉄橋を渡った。
吉野川はとても雄大な姿をしていた。

車窓から見る吉野川

14:32 吉野(よしの)駅(近鉄吉野線 奈良県)
歴史の雨が降った前回は11月だったか。
確か寒かった。
今日はあたたかい。
そしてあの日と同じように、駅前土産物通りを行ったり来たり。
麓じゃそれくらいしかやることがない。
あとは吉野という終着駅を感じるのみ。
ケーブル線にはいずれ乗ろう。
花の吉野を満喫しよう。
古くは大海人皇子、源義経、大塔宮護良親王、吉野朝廷。
時代を彩る反抗分子がこもった聖域がケーブルを上がった地にある。
そんな歴史的かつ地理的な宿命から解放されて、まさにこれから花の吉野の季節。




車窓から見る吉野川

16:09 近鉄御所(きんてつごせ)駅(近鉄御所線 奈良県)
吉野から大阪阿部野橋行きに乗り、橿原神宮前までの道を戻り、さらに5駅先の尺土で御所線に乗り換えて、終着駅へ。
葛城山から金剛山へ。
尊皇の山並みが霞んでいる。
商店街が寂れ、JR駅から活気が失われてから一体どれだけの月日が流れたのだろう。
眠りを覚ますかのように空ぶかしのバイカーが行き過ぎ、その爆音を口真似する少年たちが騒がしい。
西日に照らされた斜陽の街で、魔の時刻を何の感慨もなく車は上下する。
人は何を思い生きていくのだろう。
無常を思うのは、現代を生きる者たちの方が機会は多いだろう。
報道で、自分を害する行為が増加していることを日々知る。

御所(ごせ)駅(和歌山線 奈良県)にて

御所の街並


16:37 尺土(しゃくど)駅(近鉄南大阪線/近鉄御所線 奈良県)
尺度池公園で子供連れの家族が遊んでいる。
平和な風景だ。
ちいさな女の子がオレに微笑みかけ、コンニチハと応じる。
オレにもあんな反射神経があったのか。
池の背後に葛城山系。
あたりにコンビニすらないターミナル駅だけど、駅を出て風を浴びた時に、ここに降りたことが間違いじゃないことが分かったよ。

尺土池公園から眺める葛城山系

16:55 二上山(にじょうざん)駅(近鉄南大阪線 奈良県)
河内飛鳥と呼ばれる一帯がある。
二上山は黄泉の国の入口と信じられていて、推古天皇、孝徳天皇、大津皇子が眠っている。
天武天皇の第3皇子として生まれた大津皇子は、和歌にも秀でて、王族史上でも傑出した人物だったとされている。
その最期は憐れで、反逆の皇子として縊死の刑に服した。
麓に通じる道は心もとなく、山深い一帯だ。
古代、飛鳥から近いここ南河内は、今じゃ想像もつかない都会だったのかもしれない。
今オレの中で、神と天皇が一体となって、ちょっとした混乱を来している。
そんな大和での平和な一日。

二上山

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