*

「鉄旅日記」2017年春【近鉄に乗る日々】2日目(新大宮-大阪難波)その3-橿原神宮前、六田、吉野、近鉄御所、御所、尺土、二上山(吉野線/御所線/南大阪線)

公開日: : 最終更新日:2025/06/10 旅話, 旅話 2017年

鉄旅日記2017年3月18日・・・橿原神宮前駅、六田駅、吉野駅、近鉄御所駅、御所駅、尺土駅、二上山駅(近鉄吉野線/御所線/南大阪線)

13:28 橿原神宮前(かしはらじんぐうまえ)駅(近鉄橿原線/近鉄吉野線/近鉄南大阪線 奈良県)
河内山本に戻り、大阪線で昨夜降りた大和八木へ。
橿原線に乗り換えて、終点橿原神宮前へ。

国の始まり。
大和の始まり。
それがここだという。

奈良は今も古代の中にある。

それにしても複雑な構造をした駅だ。

改札を出ると由緒ありそうなホテルは目に入るが、街としての機能はごく乏しい。

いま吉野に向かう列車に乗っている。

飛鳥という駅を過ぎて、巨大な古墳が現れた。

現代の目で見れば、古代の王とは、とても身勝手な人種だが、当時からすれば、人間離れした存在だったらしい。
その事情は日本に限らない。

14:12 六田(むだ)駅(近鉄吉野線 奈良県)
数分の停車。

下市口あたりはよく覚えている。

かつて気持よく車を走らせた吉野川沿いの道。
曇り空の下を大王崎から奈良へと向かう途中だった。
この駅前も通ったのだろう。

近鉄は無人駅が少ない。
とても立派だと思う。
だから駅が荒れることもない。

吉野川が見えなくなると単なる田舎風景になる。

退屈に感じていたら、吉野神宮の手前で鉄橋を渡った。

吉野川はとても雄大な姿をしていた。

車窓から見る吉野川

14:32 吉野(よしの)駅(近鉄吉野線 奈良県)
歴史の雨が降った前回は11月だったか。
確か寒かった。

今日はあたたかい。
そしてあの日と同じように、駅前土産物通りを行ったり来たり。

麓じゃそれくらいしかやることがない。

あとは吉野という終着駅を感じるのみ。

ケーブル線にはいずれ乗ろう。
花の吉野を満喫しよう。

古くは大海人皇子、源義経、大塔宮護良親王、吉野朝廷。

時代を彩る反抗分子がこもった聖域がケーブルを上がった地にある。

そんな歴史的かつ地理的な宿命から解放されて、まさにこれから花の吉野の季節。



車窓から見る吉野川

16:09 近鉄御所(きんてつごせ)駅(近鉄御所線 奈良県)
吉野から大阪阿部野橋行きに乗り、橿原神宮前までの道を戻り、さらに5駅先の尺土で御所線に乗り換えて、終着駅へ。

葛城山から金剛山へ。
尊皇の山並みが霞んでいる。

商店街が寂れ、JR駅から活気が失われてから一体どれだけの月日が流れたのだろう。

眠りを覚ますかのように空ぶかしのバイカーが行き過ぎ、その爆音を口真似する少年たちが騒がしい。

西日に照らされた斜陽の街で、魔の時刻を何の感慨もなく車は上下する。

人は何を思い生きていくのだろう。

無常を思うのは、現代を生きる者たちの方が機会は多いだろう。
報道で、自分を害する行為が増加していることを日々知る。

御所(ごせ)駅(和歌山線 奈良県)にて

御所の街並

16:37 尺土(しゃくど)駅(近鉄南大阪線/近鉄御所線 奈良県)
尺度池公園で子供連れの家族が遊んでいる。
平和な風景だ。

ちいさな女の子がオレに微笑みかけ、コンニチハと応じる。
オレにもあんな反射神経があったのか。

池の背後に葛城山系。

あたりにコンビニすらないターミナル駅だけど、駅を出て風を浴びた時に、ここに降りたことが間違いじゃないことが分かったよ。

尺土池公園から眺める葛城山系

16:55 二上山(にじょうざん)駅(近鉄南大阪線 奈良県)
河内飛鳥と呼ばれる一帯がある。

二上山は黄泉の国の入口と信じられていて、推古天皇、孝徳天皇、大津皇子が眠っている。

天武天皇の第3皇子として生まれた大津皇子は、和歌にも秀でて、王族史上でも傑出した人物だったとされている。

その最期は憐れで、反逆の皇子として縊死の刑に服した。

麓に通じる道は心もとなく、山深い一帯だ。

古代、飛鳥から近いここ南河内は、今じゃ想像もつかない都会だったのかもしれない。

今オレの中で、神と天皇が一体となって、ちょっとした混乱を来している。

そんな大和での平和な一日。

二上山

関連記事

「車旅日記」2005年初夏 2日目(山形-新潟)走行距離313㎞ その2-高屋駅、鶴岡駅、鼠ヶ関駅、村上駅、坂町駅、新潟駅、新潟東急イン 【長岡、会津、庄内。戊辰戦争ゆかりの地を巡りたかったのだと記憶しております。】

車旅日記2005年7月17日・・・高屋駅、鶴岡駅、鼠ヶ関駅、村上駅、坂町駅、新潟駅、新潟東急イン

記事を読む

「鉄旅日記」2006年初夏 初日-平塚、国府津、沼津、掛川、三河大塚、尾張一宮、岐阜(東海道本線/御殿場線) 【これが最後の車旅でございます。鈴鹿山脈を回るように、終着駅を探して走ったのでございます。】

鉄旅日記2006年7月15日・・・平塚駅、国府津駅、沼津駅、掛川駅、三河大塚駅、尾張一宮駅、岐阜駅(

記事を読む

「鉄旅日記」2016年夏 初日(東京-弘前)-福島、仙台、北山形、新庄、秋田、井川さくら、大館、弘前(東北本線/仙山線/奥羽本線) 【じきに廃線を迎える留萌~増毛に用がありました】

鉄旅日記2016年8月10日・・・福島駅、仙台駅、北山形駅、新庄駅、秋田駅、井川さくら駅、大館駅、弘

記事を読む

「鉄旅日記」2020年文月 2日目(香住-東萩)その3‐末恒、浦安、米子、揖屋(山陰本線) 【コロナ禍でございます。内緒の旅でございました。余部鉄橋へ。萩へ。霧の街へ。東京五輪延期で浮いた4連休の記録でございます。】

鉄旅日記2020年7月24日・・・末恒駅、浦安駅、米子駅、揖屋駅(山陰本線) 10:39&n

記事を読む

「鉄旅日記」2019年弥生Part.1 最終日(紀伊田辺-東京)その1-紀伊田辺、箕島、和歌山、伊太祈曽、貴志(紀勢本線/和歌山電鐵貴志川線) 【和歌山電鐵に乗るために、青春18きっぷで紀伊半島一周を思い立ったのでございます。】

鉄旅日記2019年3月3日・・・紀伊田辺駅、箕島駅、和歌山駅、伊太祈曽駅、貴志駅(紀勢本線/和歌山電

記事を読む

「鉄旅日記」2022年弥生vol.2 最終日(静岡-東京)その1 ‐新静岡、静岡、由比、富士、芝川(東海道本線/身延線)/駿府城址 【念願の大井川鐡道に乗る旅。帰りは身延線経由、武蔵野線全駅下車達成でございます。】

鉄旅日記2022年3月21日・・・新静岡駅、静岡駅、由比駅、富士駅、芝川駅(東海道本線/身延線)/

記事を読む

「車旅日記」2000年夏Part.1 2日目(諏訪-飯田-飛騨古川-能登島)上諏訪、辰野駅、駒ヶ根駅、飯田駅、道の駅賤母、ドライブイン飛騨花工場、道の駅飛騨古川、能登島 【信濃、飛騨、そして能登島。帰りは北陸路。この国の美しさをあらためて感じました夏旅でございます。】

車旅日記2000年7月21日 2000・7・21 7:55 上諏訪某リゾートクラブ 朝湯につかりさ

記事を読む

「鉄旅日記」2018年神無月 最終日(松本-辰野-天竜峡-岡谷-東京)その2-伊那大島、駒ヶ根、伊那北、岡谷、下諏訪、茅野、山梨市(飯田線/中央本線) 【北陸へ。信州へ。友を訪ねての巡礼旅でございます】

鉄旅日記2018年10月8日・・・伊那大島駅、駒ヶ根駅、伊那北駅、岡谷駅、下諏訪駅、茅野駅、山梨市駅

記事を読む

「鉄旅日記」2022年新春 初日(東京-湯瀬温泉)その1 ‐松戸、神立、友部、水戸、いわき(常磐線) 【巨大な土偶が貼りつく木造駅を見たくて冬の東北を旅しました。】

鉄旅日記2022年1月8日・・・松戸駅、神立駅、友部駅、水戸駅、いわき駅(常磐線) 2022

記事を読む

「鉄旅日記」2020年盛夏 3日目(肥前鹿島-門司港)その3‐諫早、松原、千綿(大村線) 【コロナ禍の内緒旅VOl.2。宮島へ。錦帯橋へ。筑豊へ。島原へ。千綿駅へ。そして若松~戸畑の渡船。日本晴れの4日間の記録でございます。】

鉄旅日記2020年8月15日・・・諫早駅、松原駅、千綿駅(大村線) 11:37 

記事を読む

Message

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

「鉄旅日記」2022年皐月 初日(東京-磐梯熱海)その1 ‐金町、上野、宇都宮(常磐線/東北本線) 【日光線全駅乗降を果たし、猪苗代湖畔に遊び、磐梯熱海の湯につかり、国定忠治を訪ねた旅でございます。】

鉄旅日記2022年5月7日・・・金町駅、上野駅、宇都宮駅(常磐線/東

「鉄旅日記」2022年弥生vol.2 最終日(静岡-東京)その5 ‐東浦和、東川口、吉川、吉川美南、南流山(武蔵野線) 【念願の大井川鐡道に乗る旅。帰りは身延線経由、武蔵野線全駅下車達成でございます。】/江戸川堤菜の花絶景

2022年3月21日・・・東浦和駅、東川口駅、吉川駅、吉川美南駅、南

「鉄旅日記」2022年弥生vol.2 最終日(静岡-東京)その4 ‐西国分寺、北府中、新小平、青梅街道、北朝霞、朝霞台(武蔵野線) 【念願の大井川鐡道に乗る旅。帰りは身延線経由、武蔵野線全駅下車達成でございます。】

鉄旅日記2022年3月21日・・・西国分寺駅、北府中駅、新小平駅、青

「鉄旅日記」2022年弥生vol.2 最終日(静岡-東京)その3 ‐南甲府、金手、甲府、八王子、京王八王子(身延線/中央本線)/甲府城跡 【念願の大井川鐡道に乗る旅。帰りは身延線経由、武蔵野線全駅下車達成でございます。】

鉄旅日記2022年3月21日・・・南甲府駅、金手駅、甲府駅、八王子駅

「鉄旅日記」2022年弥生vol.2 最終日(静岡-東京)その2 ‐十島、鰍沢口、甲斐住吉、国母、常永(身延線) 【念願の大井川鐡道に乗る旅。帰りは身延線経由、武蔵野線全駅下車達成でございます。】

鉄旅日記2022年3月21日・・・十島駅、鰍沢口駅、甲斐住吉駅、国母

→もっと見る

    PAGE TOP ↑