「鉄旅日記」2020年如月 初日(東京-大船渡)その3‐多賀城、高城町、石巻、鹿又(仙石線/石巻線) 【東日本大震災で被害を受けた大船渡に泊まりにまいりました。山田線完全乗車も目指しておりましたが・・。】
鉄旅日記2020年2月22日・・・多賀城駅、高城町駅、石巻駅、鹿又駅(仙石線/石巻線)
12:44 多賀城(たがじょう)駅(仙石線 宮城県)
かつての政庁跡は東北本線の国府多賀城駅近くにある。
以前に国府多賀城駅に降りた際に、駅前の地図で見て初めて知った。
神社や池があり、敷地は公園化しているようだ。
国府多賀城駅は東北本線の駅でありながら歴史は新しく、開業は2001年。
多賀城駅の方が当然のように古い。
多賀城駅にはNewDaysもあれば、駅前食堂もある。
こじんまりとしているが、素敵な駅だった。



通りに沿って砂押川が流れている。
水辺では水鳥が並んで羽を休めている。



その姿をスマホに写したとたん、5羽を除いて飛び立ち、旋回の末に元にいた場所に戻ってきた。
習性と本能について考えさせられもしたが、何か崇高なものを見たような気持ちにさせられた。
あの群鳥の中にオレがいたとしたら、飛び立たなかった5羽の中にいただろう。
なぜか何らかの情報がオレにはいつも遅れて伝わるのと、生来の図太さがそうした感想を生んだ。
ちなみに遅れて伝わった情報が大層なものであったためしはない。
13:08 高城町(たかぎまち)駅(仙石線/仙石東北ライン 宮城県)
行き違い3分の停車。
仙石東北ラインとの接続駅だが、構内踏切のある小さな駅だ。
以前にもこうした列車の行き違いの際に1度降りている。



高城町を出て、手樽、陸前富山、陸前大塚、東名。
車窓には海が見えている。
次は野蒜。
あの9年前の津波のことをどうしても想う。
松島湾と鳴瀬川をつなぐ水路に沿った当時の野蒜駅は、波にさらわれてしまった。
高台に移転再生した当初の野蒜駅にも降りたことがある。
駅長さんが笑顔で迎えてくれた。
当時は何もなかった駅前には小さな町ができていた。
野蒜駅を出ると、海岸線まで広大な荒れ地が広がる。
吉田川、鳴瀬川を渡る。





これが津波の跡なのだと、また思いを新たにする。
13:49 石巻(いしのまき)駅(石巻線/仙石線 宮城県)
石巻線への乗り換え時間は3分。
きゃぴきゃぴと話す4人の少女を追うように構内を移動する。


駅から見えた街に、また慕情が湧く。
でも今日は降りる時間がない。
行く手にこんもりとした山が幻のように立ちふさがった。
まるで神のように見えた。
麓に鳥居を見た。
鎮守の神様がいる。
次の駅名は曽波神。
由来を知りたくなる。
いずれ曽波神駅に降りることを組み込んだ旅を計画するだろう。
14:03 鹿又(かのまた)駅(石巻線 宮城県)
行き違い5分の停車。
10年以上前にも行き違いで降りたことがある。
駅舎は変わっていた。
駅前はおそらく変わっていないだろう。
特に印象的なものは見当たらない。




こうして普段暮らす東京から離れた石巻線沿線で、新旧の駅の顔を見るのもまた縁。
日本全国に似たような縁をいくつも持ち、さらに増え続けている。
人生が豊かになっていくのを感じている。
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