*

「鉄旅日記」2021年春 初日(東京-米内沢)その1‐金町、上野、古川、陸前谷地(常磐線/東北新幹線/陸羽東線) 【大人の休日倶楽部パスで東北へ。新幹線、在来線特急乗り放題でございます。続くコロナ禍ではございますが、約半年の辛抱の時を過ぎて、天候にも苛まれながら秋田内陸縦貫鉄道に乗りに行きました。】

公開日: : 最終更新日:2025/05/03 旅話, 旅話 2021年

鉄旅日記2021年4月17日・・・金町駅、上野駅、古川駅、陸前谷地駅(常磐線/東北新幹線/陸羽東線)

2021・4・17 5:16 金町(かなまち)駅(常磐線 東京都)

コロナ蔓延防止措置がとられた首都。政府の政策決定は巷では「まんぼう」と通称され、失笑を買っている。

暮らす町は汚れ、早朝のカラオケ店やラーメン屋の前ではコロナ状況をものともしない若者たちの痴態が見られる。

オレも若いやつにウイルスなんか恐れてほしくないさ。でもこの状況下では見苦しく思える。

1月に予定していた旅は2度目の緊急事態宣言発令によって延期して、11月以来5ヶ月振りの旅に出た。

4月の朝は5時には明け放たれる。季節毎の朝を知ってからじきに1年になる。新型コロナによって世界は変わってしまったが、オレの日常もまた変わった。

1月4日から再開した早起きとそれに伴う筋トレはすっかり習慣となり、今日まで連続104日を数えた。明日で途切れるが、構わない。おそらくこんな記録が生まれることは2度とないだろうが、そんなふうにしてこの厳しい時代を耐えている。

「いつだって潰されないように、心の中の太陽がそっと輝きだすのを待ってる。」

佐野元春さんの楽曲を繰り返しかけながら、目についた場所の埃を払い、仕事に出かける時を待っていた今週。

旅立ちの朝、部屋に音楽が流れることはなく、たんたんと日常を済ませて、起床から約90分後に部屋を出た。

北千住で常磐線快速に乗り換えて、上野に向かっている。

6:04 上野(うえの)駅(北海道・東北新幹線/上越新幹線/北陸新幹線/東北本線/山手線/京浜東北・根岸線/常磐線/上野東京ライン/東京メトロ銀座線/東京メトロ日比谷線 東京都)

6時前の駅前は、いかに上野駅と言えど6時前。駅のコンビニの開店も6時。

不機嫌そうな店員も「面倒をかけてすみません」の言葉に心をほどく。朝の習慣を優先して朝食は新幹線に回した。ビールとレモンサワー。

オレの旅に新幹線が登場するのも定番化しつつあるが、こうして座席について思い出すのはまだ旅に出る前の20代前半。

郡山で暮らす友を訪ねるために上野駅へ向かった。当時は町田に住んでいたから上野に出るのも一苦労。東京を出ることとは相当な面倒が伴う行為だった。だから車で出かけていた。

あの当時のオレが未来をどう見ていたのか。日記を紐解いても記されてはいないだろう。ましてや30年後のオレがどんな大人になっているかなどは及びもつかない。

まだ携帯電話もなかった時代。世界はもっと緩やかだった。

新幹線は大宮を過ぎて、ビールはすでに空いている。

8:22 古川(ふるかわ)駅(北海道・東北新幹線/陸羽東線 宮城県)

 改札に向かうとそばつゆの匂いが香る。駅ビルに収まった駅だが、そんな旅情を醸している。

20代の頃に何度も通った街道は目に入らなかった。

東北旅のベースキャンプにしていた鳴子温泉へ向けて何度ここを通り過ぎただろう。古川駅には何度か車を寄せたこともある。

懐かしさはそぼ降る雨が消した。

8:30 陸前谷地(りくぜんやち)駅(陸羽東線 宮城県)

 古川から3分。漠然と上下の線路が行き交う駅を想像していたら、列車はおもむろに停車した。

ホームだけが脇にあり、降りると簡素な待合室のみ。そこに電子案内版があり、兄の頼朝に追われて平泉を目指した義経を、藤原秀衡が温かく迎え入れた情景を再現する「源義経公東下り行列」に関するテロップが流れていた。

100メートルほど離れた街道をタンクローリーが行き、周辺を埋める田畑は一面の土色。雨足が増している。

雨は東京よりも先に落ちてきたのか。あるいは雨雲の移動は早く、すでに東京は大雨か。

鳥たちのさえずりに注意を払うと、風が何かを起こそうとする音にも気づく。

関連記事

「鉄旅日記」2019年弥生Part.3 初日(東京-多治見)その4-古虎渓、釜戸、美乃坂本、多治見(中央本線) 【明知鉄道、名鉄築港線。その2線に乗るために、東海道を下っていったのでございます。】

鉄旅日記2019年3月23日・・・古虎渓駅、釜戸駅、美乃坂本駅、多治見駅(中央本線) 18:23

記事を読む

「鉄旅日記」2014年春 最終日(魚津-東京)その1-魚津、生地、黒部、電鉄黒部、泊、親不知、越中宮崎、糸魚川、能生、梶屋敷、浦本(北陸本線) 【青春18きっぷで、丹後若狭から北陸、信州へ】

鉄旅日記2014年3月23日その1・・・魚津駅、生地駅、黒部駅、電鉄黒部駅、泊駅、親不知駅、越中宮崎

記事を読む

「鉄旅日記」2019年長月 2日目(盛岡-宮古)その2-釜石、津軽石、宮古、田野畑、堀内(三陸鉄道リアス線) 【三陸鉄道、八戸線に乗りにいきました。区界、吉里吉里など、駅旅の者として見過ごせない駅にも寄りましてございます。】

鉄旅日記2019年9月22日・・・釜石駅、津軽石駅、宮古駅、田野畑駅、堀内駅(三陸鉄道リアス線)

記事を読む

「鉄旅日記」2019年如月 最終日(安中-東京)その2-屋代、坂城、小諸、三岡、中込、羽黒下、松原湖(しなの鉄道/小海線) 【週末パスで東京から伊豆。そして上州、信州へ。友人は言ったものでございます。何気に大層な移動距離だと。】

車旅日記2019年2月10日・・・屋代駅、坂城駅、小諸駅、三岡駅、中込駅、羽黒下駅、松原湖駅(しなの

記事を読む

「鉄旅日記」2017年夏 最終日(十三-東京)その2-野洲、米原、神領、定光寺、中津川、塩尻、岡谷、日野(東海道本線/中央本線)【私鉄王国で過ごす夏】

鉄旅日記2017年8月14日・・・野洲駅、米原駅、神領駅、定光寺駅、中津川駅、塩尻駅、岡谷駅、日野駅

記事を読む

「鉄旅日記」2016年春 最終日(水沢-東京)その2-気仙沼、一ノ関、小牛田、大河原、福島、安積永盛、久喜(大船渡線、東北本線) 【東日本大震災被災地へ】

鉄旅日記2016年3月6日その2・・・気仙沼駅、一ノ関駅、小牛田駅、大河原駅、福島駅、安積永盛駅、久

記事を読む

「車旅日記」1997年夏 3日目(田沢湖近辺-男鹿半島-鳴子)-和田駅、入道崎、八望台、男鹿駅、道川駅、矢島駅、鳴子サンハイツ【男鹿半島を目指した夏。友と過ごし、旧友と再会したみちのく旅でございます。】

車旅日記1997年8月15日 1997・8・15 9:04 和田駅 855㎞ 友と19時間をともに

記事を読む

「鉄旅日記」2012年春 その1-新子安、石川町、山手、磯子、根岸、大磯、二宮、鴨宮、早川、根府川、伊東、熱海、函南、東田子の浦(京浜東北線、根岸線、東海道本線、伊東線) 【青春18きっぷで、相模・駿河・甲斐途中下車旅】

鉄旅日記2012年3月20日その1・・・新子安駅、石川町駅、山手駅、磯子駅、根岸駅、大磯駅、二宮駅、

記事を読む

「鉄旅日記」2020年弥生 最終日(速星-東京)その3‐多治見、金山、豊橋、御厨(太多線/中央本線/東海道本線) 【富山地方鉄道に乗りにまいりました。太多線、高山本線に乗るのも楽しみにしていたのでございます。】

鉄旅日記2020年3月22日・・・多治見駅、金山駅、豊橋駅、御厨駅(太多線/中央本線/東海道本線)

記事を読む

「鉄旅日記」2022年弥生vol.2 初日(東京-焼津)その2 ‐静岡、金谷、新金谷、代官町、日切、合格、門出(東海道本線/大井川鐡道本線) 【念願の大井川鐡道に乗る旅。帰りは身延線経由、武蔵野線全駅下車達成でございます。】

鉄旅日記2022年3月19日・・・静岡駅、金谷駅、新金谷駅、代官町駅、日切駅、合格駅、門出駅(東海

記事を読む

Message

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

「鉄旅日記」2022年弥生vol.2 2日目(焼津-静岡)その2 ‐奥大井湖上、接岨峡温泉(大井川鐡道井川線) 【念願の大井川鐡道に乗る旅。帰りは身延線経由、武蔵野線全駅下車達成でございます。】

2022年3月20日・・・奥大井湖上駅、接岨峡温泉駅(大井川鐡道井川

「鉄旅日記」2022年弥生vol.2 2日目(焼津-静岡)その1 ‐焼津、金谷、千頭、井川(東海道本線/大井川鐡道本線/大井川鐡道井川線)/焼津温泉やいづマリンパレス 【念願の大井川鐡道に乗る旅。帰りは身延線経由、武蔵野線全駅下車達成でございます。】

鉄旅日記2022年3月20日・・・焼津駅、金谷駅、千頭駅、井川駅(東

「鉄旅日記」2022年弥生vol.2 初日(東京-焼津)その4 ‐アプトいちしろ、川根小山、千頭、金谷、焼津(大井川鐡道井川線/大井川鐡道本線/東海道本線)/焼津温泉やいづマリンパレス 【念願の大井川鐡道に乗る旅。帰りは身延線経由、武蔵野線全駅下車達成でございます。】

鉄旅日記2022年3月19日・・・アプトいちしろ駅、川根小山駅、千頭

「鉄旅日記」2022年弥生vol.2 初日(東京-焼津)その3 ‐新金谷、千頭、アプトいちしろ、長島ダム(大井川鐡道本線/大井川鐡道井川線) 【念願の大井川鐡道に乗る旅。帰りは身延線経由、武蔵野線全駅下車達成でございます。】

鉄旅日記2022年3月19日・・・新金谷駅、千頭駅、アプトいちしろ駅

「鉄旅日記」2022年弥生vol.2 初日(東京-焼津)その2 ‐静岡、金谷、新金谷、代官町、日切、合格、門出(東海道本線/大井川鐡道本線) 【念願の大井川鐡道に乗る旅。帰りは身延線経由、武蔵野線全駅下車達成でございます。】

鉄旅日記2022年3月19日・・・静岡駅、金谷駅、新金谷駅、代官町駅

→もっと見る

    PAGE TOP ↑