「鉄旅日記」2018年春 最終日(飯田-東京)その1-飯田、伊那大島、伊那松島、辰野、松本、柏矢町、豊科(飯田線/中央本線辰野支線/篠ノ井線/大糸線)【伊那谷へ。長篠へ。安曇野へ。木曽へ。青春18きっぷを握ったそんな旅でございます。】
鉄旅日記2018年4月8日・・・飯田駅、伊那大島駅、伊那松島駅、辰野駅、松本駅、柏矢町駅、豊科駅(飯田線/中央本線辰野支線/篠ノ井線/大糸線)
2018・4・8 5:53 飯田(いいだ)駅(飯田線 長野県)
飯田と桜町から扇状に下っていく飯田の街。
ここからはずいぶん離れているが、城跡もある。
武田家最後の時、織田軍に対する最前衛基地だった南信の中心地飯田。
思っていた以上に大きな街だった。



やがて織田軍の足音が近づく頃、伊奈衆は自ら町を焼いて立ち退き、織田軍の手に落ちた。
朝の気温は3度。
晴天に細かな雹が顔に当たり、見上げた空に深い孤独を味わう。

列車の中は暖かく、安心できる場所だった。
6:31 伊那大島(いなおおしま)駅(飯田線 長野県)
織田軍が甲州攻めへと上る道。
伊那を守る諸将は戦わずに城を焼いて行方をくらましていく。
この町には武田信玄の実弟、逍遙軒信廉がいた。
「武田二十四将」に数えられる彼もまたこの地を去り、高遠での合流を否まれ、やがて甲府で斬られた。
伊那谷を攻め上がった織田軍は、武田信玄5男の仁科盛信が守る高遠城で唯一激しい抵抗を受けたが、その高遠城も一日で落ちる。
仁科盛信以下、城兵はことごとく戦死。
その高遠城址は桜の名所。
35年ほど前に両親に連れられて訪ねたことがある。
列車は伊那谷を粛々と進んだ。


高台にある駅から町は見えない。

列車が動き出すとさらに高台に割烹旅館が見えた。
乗ってきたのは少女が一人。
上伊那農業を背負っている。
愛しきものの姿が胸から離れない。
8:04 伊那松島(いなまつしま)駅(飯田線 長野県)
行き違い待ちで4分の停車。
長い飯田線の旅もじきに終わる。
清々しい冷気を浴びて伸びをする。
改札口に向かうと後方から走り来る音がする。
若い車掌さんが駆けてきて切符の確認をすると、爽やかな笑顔で発車時刻を告げる。
駅前はこじんまりとしたロータリーになっていて、何があるわけでもないが、好ましい。
運動系少年少女たちの多くは4つ手前の伊那北で降りている。


この列車は上諏訪まで行く。
飯田を出てから伊那谷の景色に大きな変化は見られない。

8:24 辰野(たつの)駅(飯田線/中央本線辰野支線 長野県)
有賀の本場で乗り換える。
かつて諏訪から有賀峠を越えて行き着いた辰野。
壁から何かが剥がされたような退廃的に感じる駅と狭い町並。
ここは鉄道の町。


これから乗る線は中央本線で、「大八廻り」と酷評された大迂回の上で岡谷から塩尻へと至る線だが、現在はみどり湖を経由していくバイパス線が主力になっている。
「大八廻り」とは中央本線敷設当時、伊那谷出身の帝国議会議員伊藤大八による議会工作により、塩尻峠をトンネルで突っ切る最短ルートから、伊那谷の入口にあたる辰野を通る案が採用されたことによる。
そのことが後の飯田線開設にもつながったとのこと。
日陰に雪が残るこの谷間の線区もまた、日陰を連想させる。
9:20 松本(まつもと)駅(篠ノ井線/大糸線/アルピコ交通上高地線 長野県)
押し寿司弁当を購入しに一旦降りる。
弁当売場の棚には空きが目立った。
塩尻までの小野迂回線の豪快ともいえる迂回ぶりは、ある意味笑えるほどだったが、塩尻峠の急勾配を上下するため線路はループを描き、景観は目を見張るほどだった。



心の支えでもある女性に今朝の心境を伝えたら、気持ちが落ち着いた。
そんな人が誰にも必要なんだ。
10:02 柏矢町(はくやちょう)駅(大糸線 長野県)
車窓越しに見た小野の雪は今朝降ったものらしい。
そう言えば飯田は雹。
越前大野の友人は桜に積もった雪をFacebooKに上げていた。
冷気に覆われた安曇野は寒く、日差しの下に逃げたが、すぐに翳る。
北アルプスの雪はまだらで春に霞んでいる。
ここでも桜は満開の時を迎えている。


駅前に居酒屋が一軒。
遠く聖高原に雪はない。

ひと駅戻り、豊科へ。
10:14 豊科(とよしな)駅(大糸線 長野県)
豊科の名は、中央自動車道の塩尻から松本方面に延長された路線の終点だったことで馴染み深い。
今じゃその路線も長野につながり、豊科インターチェンジは安曇野インターチェンジへと名称変更されている。
カナダに向かった安曇野出身の女性を思い出す。
同じ信濃の血を持つ、気の合う美しい人だった。
清楚な通りが町へと続いていた。

豊科で降りたくてこうしたけど、4分の滞在でまた下りへ。
絵本に登場しそうなメルヘン的な駅舎を愛でる。

関連記事
-
-
「鉄旅日記」2012年春 その2-猿田、旭、八日市場、八街、成東、本納、茂原、千倉、佐貫町、姉ヶ崎、市川(総武本線、東金線、内房線、外房線) 【青春18きっぷで、銚子へ、房総へ。】
鉄旅日記2012年3月12日その2・・・猿田駅、旭駅、八日市場駅、八街駅、成東駅、本納駅、茂原駅、千
-
-
「鉄旅日記」2019年弥生Part.2 その3-常陸太田、東海、大甕、南中郷、石岡(水郡線常陸太田支線/常磐線) 【青春18きっぷ常磐旅。この当時、常磐線は富岡止まりでございます。そしてこの季節、臨時駅の偕楽園駅に列車が止まります。】
鉄旅日記2019年3月10日・・・常陸太田駅、東海駅、大甕駅、南中郷駅、石岡駅(水郡線常陸太田支線/
-
-
「鉄旅日記」2018年春 初日(東京-飯田)その1-国立、高尾、宮田、伊那八幡、三河東郷、新城、三河一宮(中央本線/飯田線)【伊那谷へ。長篠へ。安曇野へ。木曽へ。青春18きっぷを握ったそんな旅でございます。】
鉄旅日記2018年4月7日・・・国立駅、高尾駅、宮田駅、伊那八幡駅、三河東郷駅、新城駅、三河一宮駅(
-
-
「鉄旅日記」2015年春 初日その3(東京-岩倉)-太田川、常滑、中部国際空港、上小田井、西春、岩倉(名鉄常滑線/名鉄空港線/名鉄犬山線) 【名鉄電車2DAYフリーきっぷで行く、中京旅】
鉄旅日記2015年3月7日その3・・・太田川駅、常滑駅、中部国際空港駅、上小田井駅、西春駅、岩倉駅(
-
-
「鉄旅日記」2022年皐月 初日(東京-磐梯熱海)その1 ‐金町、上野、宇都宮(常磐線/東北本線) 【日光線全駅乗降を果たし、猪苗代湖畔に遊び、磐梯熱海の湯につかり、国定忠治を訪ねた旅でございます。】
鉄旅日記2022年5月7日・・・金町駅、上野駅、宇都宮駅(常磐線/東北本線) 2022・5・
-
-
「鉄旅日記」2007年皐月 最終日(岡山-東京)-岡山、長船、明石、米原、大垣、沼津、平塚、北千住、東京葛飾(山陽本線/赤穂線/東海道本線)【夜汽車で東京を離れ、山陰山陽へ。鉄旅最初の長旅でございました。】
鉄旅日記2007年5月6日・・・岡山駅、長船駅、明石駅、米原駅、大垣駅、沼津駅、平塚駅、北千住駅(山
-
-
「鉄旅日記」2014年夏 2日目(津山-鳥取)その1-津山、坪井、久世、中国勝山、刑部、新見、総社、備中高松、吉備津(姫新線、伯備線、吉備線)/高松城址 【青春18きっぷで、中国ぶらぶら旅】
鉄旅日記8月14日その1・・・津山駅、坪井駅、久世駅、中国勝山駅、刑部駅、新見駅、総社駅、備中高松駅
-
-
「鉄旅日記」2021年師走 最終日(古川-東京)その3 ‐瀬見温泉(陸羽東線)/湯前神社/山神社 【特急乗り放題の大人の休日倶楽部パスで冬の国へ。山田線完全乗車と鳴子温泉郷を始めとした陸羽東線沿線を歩くことが目的でございました。】
鉄旅日記2021年12月6日・・・瀬見温泉駅(陸羽東線)/湯前神社/山神社 11:37 瀬見
-
-
「鉄旅日記」2018年弥生 初日 最終日(会津若松-東京)その3-燕三条、北三条、三条、長岡、水上、高崎(弥彦線/信越本線/上越線)【青春18きっぷを握り、目指したのはまたしても会津。練馬から旅立つ最後の旅でございます。】
鉄旅日記2018年3月4日・・・燕三条駅、北三条駅、三条駅、長岡駅、水上駅、高崎駅(弥彦線/信越本線
-
-
「鉄旅日記」2022年弥生vol.1 初日(東京-熱海)その3 ‐洋光台、港南台、本郷台、大船、湘南江の島、片瀬江ノ島、江ノ島(根岸線/湘南モノレール) 【金沢シーサイドライン、横須賀線、御殿場線、大雄山線、鶴見線、南武線etc.駅旅人本領発揮の旅でございます。】
鉄旅日記2022年3月5日・・・洋光台駅、港南台駅、本郷台駅、大船駅、湘南江の島駅、片瀬江ノ島駅、
