*

「鉄旅日記」2018年春【伊那谷へ。長篠へ。安曇野へ。木曽へ。青春18きっぷを握ったそんな旅でございます。】最終日(飯田-安曇野-木曽-東京)その2-安曇沓掛、信濃常盤、細野、海ノ口、信濃大町、信濃松川、安曇追分、南松本(大糸線/篠ノ井線)

公開日: : 最終更新日:2024/04/30 旅話, 旅話 2018年

鉄旅日記2018年4月8日・・・安曇沓掛駅、信濃常盤駅、細野駅、海ノ口駅、信濃大町駅、信濃松川駅、安曇追分駅、南松本駅(大糸線/篠ノ井線)
10:41 安曇沓掛(あずみくつかけ)駅(大糸線 長野県)
駅舎を持たない駅に降りた。
3段の階段を下りると外。
犬が寝そべっている。

里山風景は穏やかで、冷気に体は強ばり、吹く風もまた冷たい。

11:41 信濃常盤(しなのときわ)駅(大糸線 長野県)
安曇沓掛からひと駅を歩く。


恐ろしげな餓鬼岳への登山口で、舞っていた名残雪の降りが強くなった。

駅の待合室で、松本で買った押し寿司とカップ酒を。

道中家族総出で働く様を見て、一度は作った家族という構成員の資格をなぜ失わなければならなかったのかを考えるでもなく、ただただ寂しく感じていた。

こんな空の下じゃそれもやむなしと、気だるい風景に同化する。

11:56 細野(ほその)駅(大糸線 長野県)
信濃常盤で待っていられず、たまたまやってきた上り列車で4駅を戻る。

ここも駅舎を持たないことはさっき通った際に知っている。
北アルプスを眺めるために降りたようなものだが、景色が素晴らしい。


何事にも意味は見いだせるのだと感じる正午。
名残雪は上がった。

次の下り列車がくるまでの滞在時間約10分。
これ以上の時間はいられなかったけど、あの名残雪は、あの時あの場所にいた者だけが受け取れた天からの季節物だった。

12:43 海ノ口(うみのくち)駅(大糸線 長野県)
仁科の地に日差しが戻り、あたたかく、木崎湖の水面は揺れ、湖面は緑色をしている。


ボートを浮かべていた温泉口。
中綱湖、青木湖とある仁科三湖の中で、木崎湖はレジャーに適した湖のようだ。

湖畔にたたずむ時間までは用意していない。
まれに名残雪が舞い、ひとりきりになれる素晴らしい場所で10数分。

人生が用意する最高の瞬間はあまりにも短いが、さっきがそうだったのだと、過ぎ去ってから気づくことがたまにある。

13:10 信濃大町(しなのおおまち)駅(大糸線 長野県)
11分の停車。
9年振りの大町は零下の世界。

駅前を車が縦横に走り、山拵えの人が行き交い、「駅そば」には列ができている。

鉄道文化が栄える町は華やいでいて気分が上がる。
売店で、離れて暮らす愛しきものに鉄道グッズを見繕う。

今とても会いたいと思っている。

13:30 信濃松川(しなのまつかわ)駅(大糸線 長野県)
3分の停車。
駅員さんがいる駅だった。

かつて車で立ち寄った駅に、列車で再訪できたことに密かな喜びを見つけている。
国道に面していたと記憶していたが、ロータリーを備えた駅だった。

かわいらしい安曇娘の横顔と北アルプスを漫然と眺めている。

13:42 安曇追分(あずみおいわけ)駅(大糸線 長野県)
この駅にも以前寄ったことがある。

実直そうな駅長さんがいる駅だったけど、現在は嘱託員が詰めていた。
ここでも数分の停車。

威厳のある駅舎は健在で、桜木と電話ボックスを従え超然とする様は美しく、町への入口脇を2件の食堂が固めていた。

14:34 南松本(みなみまつもと)駅(篠ノ井線 長野県)
松本から塩山行きに乗ってひと駅。

駅を出るとかつて何度も走った19号国道が見えて、駅舎は飲み屋に隣接して鰹だしが香る。
「駅そば」が改札外にある。

4分の滞在で、次に来る中津川行きに乗る。
この列車は塩尻から名古屋方面に向かう。

座席は埋まっている。
広大な貨物基地を見て、幼い男の子がおにぎりを片手に「貨物列車」とつぶやく。

関連記事

「鉄旅日記」2018年春【伊那谷へ。長篠へ。安曇野へ。木曽へ。青春18きっぷを握ったそんな旅でございます。】最終日(飯田-安曇野-木曽-東京)その3-日出塩、贄川、村井、上諏訪、日野春、西国分寺、新松戸(中央本線/武蔵野線)

鉄旅日記2018年4月8日・・・日出塩駅、贄川駅、村井駅、上諏訪駅、日野春駅、西国分寺駅、新松戸駅(

記事を読む

「鉄旅日記」2007年如月【初日天王寺、2日目奈良。宿泊地だけを決めて、心のままに移動した記録でございます。】初日(東京-天王寺)-東京、名古屋、大垣、米原、草津、柘植、京都、木津、京橋、天王寺(東海道新幹線/東海道本線/草津線/奈良線/学研都市線/大阪環状線)

鉄旅日記2007年2月10日・・・東京駅、名古屋駅、大垣駅、米原駅、草津駅、柘植駅、京都駅、木津駅、

記事を読む

「鉄旅日記」2020年睦月【秋田内陸縦貫鉄道に乗りにいきました。五能線の名所も歩いた旅初めでございます。】2日目(湯沢-鷹ノ巣)その2‐鯉川、東能代、岩館、深浦(奥羽本線/五能線)

鉄旅日記2020年1月12日・・・鯉川駅、東能代駅、岩館駅、深浦駅(奥羽本線/五能線) 10:19

記事を読む

「車旅日記」2003年夏【北海道初上陸。2,300㎞を移動した5日間の記録でございます。】初日(函館-上ノ国-札幌)走行距離471㎞ -知内駅、道の駅上ノ国もんじゅ、瀬棚町、道の駅いわない、小樽駅、札幌東急イン

鉄旅日記2003年8月13日・・・知内駅、道の駅上ノ国もんじゅ、瀬棚町、道の駅いわない、小樽駅、札幌

記事を読む

「鉄旅日記」2011年夏【みちのくひとり旅】4日目(鹿角花輪-花巻)-鹿角花輪、荒屋新町、盛岡、北上、和賀仙人、横手、大曲、角館、田沢湖、雫石、小岩井、花巻空港、新花巻、花巻(花輪線/東北本線/北上線/田沢湖線/釜石線)

鉄旅日記2011年8月16日・・・鹿角花輪駅、荒屋新町駅、盛岡駅、北上駅、和賀仙人駅、横手駅、大曲駅

記事を読む

「鉄旅日記」2009年晩秋【陰陽を行き来した3日間。この国の秋は美しゅうございました。】初日(東京-倉敷)その2-北条町、姫路、播州赤穂、日生、備前片上、西片上、倉敷(北条鉄道/加古川線/山陽本線/赤穂線)

鉄旅日記2009年11月21日・・・北条町駅、姫路駅、播州赤穂駅、日生駅、備前片上駅、西片上駅、倉敷

記事を読む

「鉄旅日記」2013年夏【青春18きっぷで、鹿児島県志布志へ】3日目(南宮崎-隼人)その1-南宮崎、伊比井、北郷、飫肥、日向大束、志布志、油津、日南、木花、田吉、宮崎空港(日南線、宮崎空港線)

鉄旅日記2013年8月12日その1・・・南宮崎駅、伊比井駅、北郷駅、飫肥駅、日向大束駅、志布志駅、油

記事を読む

「鉄旅日記」2020年盛夏【コロナ禍の内緒旅VOl.2。宮島へ。錦帯橋へ。筑豊へ。島原へ。千綿駅へ。そして若松~戸畑の渡船。日本晴れの4日間の記録でございます。】最終日(門司港-東京)その3‐宇部、富海、福川、戸田(山陽本線)

鉄旅日記2020年8月16日・・・宇部駅、富海駅、福川駅、戸田駅(山陽本線) 8:57&nb

記事を読む

「車旅日記」1998年春【下北半島を目指した春。男の旅は北を目指すものと思っていた20代後半。高倉健さんの影響でございましょうか。】初日(東京-岩手山SA)-町田、蓮田SA、都賀西方PA、黒磯PA、阿武隈PA、吾妻PA、菅生PA、前沢PA、岩手山SA

車旅日記1998年5月1日 1998・5・1 11:53 東京町田 出発を前にして空が晴れてきた

記事を読む

「鉄旅日記」2018年春【伊那谷へ。長篠へ。安曇野へ。木曽へ。青春18きっぷを握ったそんな旅でございます。】最終日(飯田-安曇野-木曽-東京)その1-飯田、伊那大島、伊那松島、辰野、松本、柏矢町、豊科(飯田線/中央本線辰野支線/篠ノ井線/大糸線)

鉄旅日記2018年4月8日・・・飯田駅、伊那大島駅、伊那松島駅、辰野駅、松本駅、柏矢町駅、豊科駅(飯

記事を読む

Message

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

「鉄旅日記」2020年初秋【時空の友を訪ねて讃州高松へ。金比羅さん、瀬戸大橋、大歩危、小歩危などを友とめぐり、義仲寺に寄り、直島に渡り、水島臨海鉄道にも乗った4日間の記録でございます。】初日(東京-高松)その3 ‐坂本比叡山口、びわ湖浜大津、大津(京阪石山坂本線/東海道本線)/大津港

鉄旅日記2020年9月19日・・・坂本比叡山口駅、びわ湖浜大津駅、大

「鉄旅日記」2020年初秋【時空の友を訪ねて讃州高松へ。金比羅さん、瀬戸大橋、大歩危、小歩危などを友とめぐり、義仲寺に寄り、直島に渡り、水島臨海鉄道にも乗った4日間の記録でございます。】初日(東京-高松)その2 ‐石山、京阪石山、石場、膳所、京阪膳所(京阪石山坂本線)/今井兼平之墓/義仲寺

鉄旅日記2020年9月19日・・・石山、京阪石山、石場、膳所、京阪膳

「鉄旅日記」2020年初秋【時空の友を訪ねて讃州高松へ。金比羅さん、瀬戸大橋、大歩危、小歩危などを友とめぐり、義仲寺に寄り、直島に渡り、水島臨海鉄道にも乗った4日間の記録でございます。】初日(東京-高松)その1 ‐金町、東京、米原、坂田(常磐線/東海道新幹線/北陸本線)

鉄旅日記2020年9月19日・・・金町駅、東京駅、米原駅、坂田駅(常

「鉄旅日記」2020年盛夏【コロナ禍の内緒旅VOl.2。宮島へ。錦帯橋へ。筑豊へ。島原へ。千綿駅へ。そして若松~戸畑の渡船。日本晴れの4日間の記録でございます。】最終日(門司港-東京)その5‐岩国、五日市、広電五日市、広島(山陽本線/東海道・山陽新幹線)

鉄旅日記2020年8月16日・・・岩国駅、五日市駅、広電五日市駅、広

「鉄旅日記」2020年盛夏【コロナ禍の内緒旅VOl.2。宮島へ。錦帯橋へ。筑豊へ。島原へ。千綿駅へ。そして若松~戸畑の渡船。日本晴れの4日間の記録でございます。】最終日(門司港-東京)その4‐周防高森、徳山、下松、光(岩徳線/山陽本線)

鉄旅日記2020年8月16日・・・周防高森駅、徳山駅、下松駅、光駅(

→もっと見る

    PAGE TOP ↑