「鉄旅日記」2007年如月【初日天王寺、2日目奈良。宿泊地だけを決めて、心のままに移動した記録でございます。】2日目(天王寺-奈良)その2-なんば、上本町、鶴橋、桃谷、寺田町、天王寺、恵美須町、新今宮、奈良(南海電鉄南海線/関西本線)
鉄旅日記2007年2月11日・・・なんば駅、上本町駅、鶴橋駅、桃谷駅、寺田町駅、天王寺駅、恵美須町駅、新今宮駅、奈良駅(南海電鉄南海線/関西本線)
堺から難波はとても近かった。
南海なんば駅は、高島屋が入る歴史的建造物の中にある。
大相撲春場所が行われ、プロレスでは幾多の名勝負が生まれた大阪府立体育館に、大阪・新歌舞伎座。
戎橋通りは人で埋まり、うんざりして地下に潜る。
近鉄の大阪難波駅にJR難波駅。
あれは4年前。
当時は地上にあったJR駅も、また地下に潜っていた。
土産はその駅ビルの中で。
彼女には和泉の酒を。
さて、どうするか。
天王寺に戻るにはまだ早い。
電車に乗るという選択肢は最初からない。
ミナミは人であふれている。
こうなったら東へ行くか。
腹を括って、千日前通を鶴橋まで。
戎橋、千日前の人ごみの凄さには圧倒され、往く街並もまた大都会。
大阪環状線の内側はたいしたものだ。
近鉄電車の主要駅、上本町駅は近鉄百貨店の中。
天理教の一団とすれ違い、坂を上がり、下ると鶴橋駅。
足が痛み始めた。
鶴橋駅の高架下には狭い路地が密集していて、上野のアメ横のような昔ながらの商店街が形成されている。
その説明のつかない大阪らしさを気に入った。
隣の桃谷駅も同じような構造になっている。
とてもいい風情だ。
次の寺田町駅はそうした意味では寂しかった。
かつてほんの少しだけ思いを寄せた女性が通っていた高校は寺田町にあったと聞き、憂歌団は寺田町のゲンパチ会館を、「どんな台でもきっと勝てるぜ。300円もあれば十分さ。」と歌った。
やがて天王寺へ。
案外歩けるものだ。
近鉄の終着駅、大阪阿部野橋駅を写す。
天王寺公園では将棋盤を囲むオッチャンたちの塊がいくつかできている。
死に絶えた風景かと思っていたが、まだ生きていたんだな。
この街ではずっと生きていたのだろう。
動物園は閉園していた。
残念だ。
新世界へ。
恵美須町駅へ。
シブい終着駅だった。
通天閣周辺の市場で濁声を張り上げるオッサン。
オレはキタよりもミナミよりも、またアベノよりも新世界が好きだよ。
新今宮駅から奈良行大和路快速に乗る。
4人掛けのボックスシートは埋まった。
東京じゃあまり見かけない。
関西の人々はしっかり詰め合って座る。
飾りはない。
そんな関西とは肌が合う。
いよいよ奈良へ。
奈良駅の工事はまだ終わっていなかった。
宿泊するホテルは駅前にある。
閑散とした街の灯がオレを迎えた。
奈良一番の繁華街、三条通を北へ。
民宿の前に屋台を構えたおでん屋に入る。
話好きのおかみさんに愛想のないご亭主。
はんぺんが食べたかったが、
「こっちではないんよ。ごめんなあ。」
関東者のオレに対して「味が薄くないか」と、しきりに気遣ってくれる。
とても美味かったよ。
同志社大卒。
阪神電鉄勤務。
同年生まれのアメフト男。
後からやってきた眼鏡の埼玉娘。
肩を並べて飲んだのはこうした面々。
話は弾む。
酒も進んだ。
奈良の言葉は汚い。
お茶を飲みにいくことを、関西じゃ茶をシバきに行くと言うが、さらに言葉の汚い河内じゃ、茶をどつくという。
ちなみ上品な京都じゃ、茶をたたくという。
奈良の街中の家では鹿を飼っている。
これはすべて冗談。
吉野の桜を見たことがないという、おかみさん。
奈良にはJR、私鉄とも特急列車が走らないと憤慨する男。
オレと同じチョンガーの阪神電鉄勤務の休日は、パチンコをして適当に飲みに行き、最後はキャバクラで歌って終わるという。
鍵がかからない共通の便所に、陽気に騒ぐ大和青年。
埼玉娘の話を聞いていた。
仕事でツラいことがあったとかで、酔いにまかせてそのうちポロポロと大粒の涙を流す。
それでもう一杯。
完全に酔っぱらって、千鳥足でホテルに帰って素っ裸で眠ってしまった。
冷たい風が吹く夜だった。
関連記事
-
-
「鉄旅日記」2008年皐月【旅は京都から始まり、山陰から下関へ。そして四国へと渡ったのでございます。】3日目(柳井-徳島)-柳井、大畠、西条、岡山、高松、高松築港、オレンジタウン、引田、池谷、鳴門、徳島(山陽本線/本四備讃線/高徳本線/鳴門線)
鉄旅日記2008年5月4日・・・柳井駅、大畠駅、西条駅、岡山駅、高松駅、高松築港駅、オレンジタウン駅
-
-
「鉄旅日記」2005年初冬【鉄旅に目覚め、銚子へと向かったのでございます。】その1-松戸、我孫子、成田、銚子(常磐線/成田線/銚子電鉄)
鉄旅日記2005年12月10日・・・松戸駅、我孫子駅、成田駅、銚子駅(常磐線/成田線/銚子電鉄) 小
-
-
「鉄旅日記」2018年秋【「JR東海&16私鉄乗り鉄☆たびきっぷ」でめぐる東海旅】初日(東京-岳南江尾-豊橋-三河田原-岡崎-尾張瀬戸-勝川-枇杷島-桑名)その2-吉原、岳南江尾、本吉原、吉原本町、吉原、富士川、新蒲原、西焼津、新豊橋、三河田原(岳南電車岳南線/東海道本線/豊橋鉄道渥美線)
鉄旅日記2018年9月15日・・・吉原駅、岳南江尾駅、本吉原駅、吉原本町駅、富士川駅、新蒲原駅、西焼
-
-
「鉄旅日記」2006年如月【鉄道旅に目覚め、1泊2日で房総半島にまいりました。】初日-佐倉、成東、大網、上総一ノ宮、上総興津、安房鴨川、館山、安房勝山(常磐線/成田線/総武本線/東金線/外房線/内房線)
鉄旅日記2006年2月4日・・・佐倉駅、成東駅、大網駅、上総一ノ宮駅、上総興津駅、安房鴨川駅、館山駅
-
-
「鉄旅日記」2014年春【ふらっと両毛 東武フリーパスで、両毛ローカル旅】-館林、佐野、葛生、西小泉、赤城、太田、伊勢崎、新伊勢崎、足利、足利市(東武佐野線/東武小泉線/東武桐生線/東武伊勢崎線)
鉄旅日記2014年4月6日・・・館林駅、佐野駅、葛生駅、西小泉駅、赤城駅、太田駅、伊勢崎駅、新伊勢崎
-
-
「鉄旅日記」2018年春【伊那谷へ。長篠へ。安曇野へ。木曽へ。青春18きっぷを握ったそんな旅でございます。】最終日(飯田-安曇野-木曽-東京)その3-日出塩、贄川、村井、上諏訪、日野春、西国分寺、新松戸(中央本線/武蔵野線)
鉄旅日記2018年4月8日・・・日出塩駅、贄川駅、村井駅、上諏訪駅、日野春駅、西国分寺駅、新松戸駅(
-
-
「車旅日記」1997年夏【男鹿半島を目指した夏。友と過ごし、旧友と再会したみちのく旅でございます。】初日(東京-三国峠-新潟)-町田、東福生駅、山田うどん、前橋市田口町、月夜野道路情報ターミナル、奥平温泉遊神館、越後湯沢駅、堀之内パーキング、道の駅豊栄
車旅日記1997年8月13日 1997・8・13 10:30 東京町田 出発が遅れている。 急
-
-
「車旅日記」2004年夏【九州を一周してみよう。そう思いたった、真夏の日々でございます。】最終日(長崎-島原-唐津-福岡空港)走行距離291㎞その2-厳木駅、西唐津駅、唐津駅、筑前前原駅、葛飾金町
車旅日記2004年8月15日・・・厳木駅、西唐津駅、唐津駅、筑前前原駅、葛飾金町 2004・8・1
-
-
「鉄旅日記」2007年皐月【夜汽車に乗って東京を離れ、山陰山陽へ。鉄旅最初の長旅でございました。】3日目(福山-岡山)-福山、三原、呉、広島、三次、備後落合、東城、岡山(山陽本線/呉線/芸備線/伯備線)
鉄旅日記2007年5月5日・・・福山駅、三原駅、呉駅、広島駅、三次駅、備後落合駅、東城駅、岡山駅(山
-
-
「鉄旅日記」2020年弥生【富山地方鉄道に乗りにまいりました。太多線、高山本線に乗るのも楽しみにしていたのでございます。】最終日(速星-東京)その4‐藤枝、静岡、熱海、上野、北千住(東海道本線/常磐線)
鉄旅日記2020年3月22日・・・藤枝駅、静岡駅、熱海駅、上野駅、北千住駅(東海道本線/常磐線)