*

「鉄旅日記」2015年春 最終日その2(宇治-東京)-水口、水口石橋、水口城南、八日市、近江八幡、高宮、多賀大社前、彦根(近江鉄道本線/八日市線/多賀線) 【朝に宇治を出て、近江鉄道に乗る一日】

公開日: : 最終更新日:2025/06/03 旅話, 旅話 2015年

鉄旅日記2015年3月22日その2・・・水口駅、水口石橋駅、水口城南駅、八日市駅、近江八幡駅、高宮駅、多賀大社前駅、彦根駅(近江鉄道本線/八日市線/多賀線)

水口(みなくち)駅(近江鉄道本線 滋賀県)にて

水口~水口石橋間(徒歩)

水口石橋(みなくちいしばし)駅(近江鉄道本線 滋賀県)にて

水口石橋~水口城南間(徒歩)

10:23 水口城南(みなくちじょうなん)駅(近江鉄道本線 滋賀県)
2つ先の水口駅から歴史の町を歩き、1時間かけてここへ。
駅前の便所を借りて、そして水口での時をビールで締めた。

水口石橋駅を経由してここまでは約20分ほどの距離で、道に塗り込められたかのようなバス停と旧東海道水口宿の遺構の前で立ち止まる。

水口城は関ヶ原を境に所を変えていた。徳川三代将軍家光が立ち寄るにあたって建てられたのが一巡してきた城跡で、五奉行の長束正家が徳川家康暗殺を謀ったのは岡山城址と表示されているものらしい。
町に彼と奥方の悲劇が伝わっていて、姫塚は石橋駅近くにある。

その水口城は運動場になっていて、子供たちと応援にきた親の姿が多く見られた。そんな光景を眺めていると近くの学校の音楽室から練習の音が聞こえてくる。
ごくありふれた日曜日の風景。

20年以上前、1号国道走破を目論んで茨木の友人宅を何度か訪ねた際に水口を通ったことがあって、当時も何事かを感じたのを憶えている。
次の町は日野。近江商人と蒲生氏郷の町だ。
降りる時間はとっていないが、車窓を楽しみにしている。

「ホンマホンマ」と大声で連呼しながらうなだれ、謝り、愚痴るオッサンが乗っていた列車にいて、ワルいがとても笑えた。

11:15 八日市(ようかいち)駅(近江鉄道本線/近江鉄道八日市線 滋賀県)
街がある。そしてここはターミナル駅。
7分の時間しか用意していなかったのは、八日市に対してとても失礼だ。

車窓からは城址公園のようなものや、ぼんぼりの下がった桜の水路が望めて街への想像を掻き立てさせる。
駅を出ると正面に真っ直ぐに伸びていくメインストリートがある。
しばらくいたいと思える街だった。

近江八幡へ向けて列車が動き出すと、右手に宗教施設を思わせる横長の建造物が、抉られて岩肌が剥き出しになったみつくり山の中腹にへばりついている。
参集殿というらしい。

11:43 近江八幡(おうみはちまん)駅(東海道本線/近江鉄道八日市線 滋賀県)
ひとつ手前に武佐という駅がある。
中山道の宿場に数えられたところだという。
今じゃ一部の歴史好きにしかぴんとこないだろうが、そんな旧宿場町がある。

古い駅が多く見られる新八日市近江八幡間は開業100週年を迎えている。
当時この線が敷かれた背景には中山道に鉄道を通すという歴史的な使命があったのだろう。

ただ、人の流れは琵琶湖周遊道路に奪われてしまった。
現在びわ湖京阪奈線という計画が持ち上がっているらしい。
信楽から線路を伸ばして学研都市線につなげるというものだそうで、通っていく町並みのシブさと相まって、とても面白そうな計画だ。

ここから八日市に戻り、本線のさらに先へ行く。

12:40 高宮(たかみや)駅(近江鉄道本線/近江鉄道多賀線 滋賀県)
駅前で少年たちがサッカーボールで遊んでいる。
牧歌的でとても好ましい。

変則的な三角形ホームの中央には桜の古木がある。
蕾に変わるまでまだ少しかかりそうだ。

かつて徳島県の池谷駅で感動したこのホームの形。
大網、雀田、吉良吉田・・・。
あれから、こんな形の駅にたまに出会ってきた。
ここには近江鉄道の基地がある。

八日市からはまるで嫌味のように東海道新幹線の高架が寄り添っていた。
近江鉄道関係者から文句は出なかったのだろうか。
あるいは当時の国鉄から、新幹線との接続駅でも作るとの言質でも得ていたのだろうか。

ここ高宮も中山道の宿場町で、これから向かう多賀大社も当時は賑わったのだろう。

13:21 多賀大社前(たがたいしゃまえ)駅(近江鉄道多賀線 滋賀県)
絵馬通りを歩いて約10分。
大社様には威厳があり、深く祈る。
祈ることはいろいろある。

鉄道愛好者でもなければ関東からわざわざ訪れる者はいないと思うが、参道は趣に満ちて門前の店にも絶えず人の出入りがある。
大社様だから、出雲を思い出したりする。
東京に帰ったら由来を調べてみようか。

今日は初夏を思わせる上天気。
ビールが美味い。

多賀大社にて

13:55 彦根(ひこね)駅(東海道本線/近江鉄道本線 滋賀県)
彦根口と、石田三成の居城があった佐和山口と線を引いたような駅構内。
世の中は空前の戦国ブームらしい。
彦根はそういった文化財的な街ではある。

駅前の商圏は狭いが、彦根城周辺は観光地化されている。
かつての安土から彦根への道中を思い出す。
ひどい豪雨だった。

いま列車は佐和山を周り、当時の玄関口である鳥居本に到着しようとしている。
鳥居本もまた文化財的な駅舎を持ち、かつて中山道の宿場町だった。

終点の米原に着いたら、まっすぐに東京に帰る。

関連記事

「鉄旅日記」2009年秋 3日目(大分-佐賀)その2-大牟田、銀水、西鉄銀水、瀬高、荒木、久留米、鳥栖、佐賀(鹿児島本線/長崎本線) 【遅い夏休みをとり、長崎までの切符を買いました。】

鉄旅日記2009年9月20日・・・大牟田駅、銀水駅、西鉄銀水駅、瀬高駅、荒木駅、久留米駅、鳥栖駅、佐

記事を読む

「鉄旅日記」2008年初秋 初日(東京-羽咋)その1-東京、大垣、米原、長浜、敦賀、鯖江、西鯖江、大聖寺、加賀温泉(東海道本線/北陸本線) 【秋になると北陸に行きたくなるものでございます。能登半島をはじめ、いくつもの終着駅へと行き着いたのでございます。】

鉄旅日記2008年9月13日・・・東京駅、大垣駅、米原駅、長浜駅、敦賀駅、鯖江駅、西鯖江駅、大聖寺駅

記事を読む

「鉄旅日記」2020年如月 2日目(大船渡-釜石)その2‐平田、釜石、陸中山田(三陸鉄道リアス線) 【東日本大震災で被害を受けた大船渡に泊まりにまいりました。山田線完全乗車も目指しておりましたが・・。】

鉄旅日記2020年2月23日・・・平田駅、釜石駅、陸中山田駅(三陸鉄道リアス線) 8:52 平田(

記事を読む

「鉄旅日記」2008年初夏 初日(東京-和歌山)その1-浜松、豊橋、大垣、京都、六地蔵、城陽、京終、帯解、天理、桜井(東海道本線/奈良線/桜井線) 【まほろばの路から紀州へ。紀伊半島で過ごした短い夏の記憶でございます。】

鉄旅日記2008年7月19日・・・浜松駅、豊橋駅、大垣駅、京都駅、六地蔵駅、城陽駅、京終駅、帯解駅、

記事を読む

「車旅日記」1996年黄金週間【友を訪ねて大阪へ。そして約束の地、金沢へ。夢を見ながら国道を走った日々でございます。】3日目 金沢を後にして‐その3(R8→北陸道)小矢部、富山駅、有磯海SA

車旅日記1996年5月5日 22:15 8号国道‐小矢部 恋する女よ。 あれからオレはまだ走ってい

記事を読む

「鉄旅日記」2020年初秋 3日目(高松)その2 ‐金刀比羅宮、善通寺駅、高松港公園、八十場駅、白峰宮、天皇寺、磯禅師墓 【時空の友を訪ねて讃州高松へ。金比羅さん、瀬戸大橋、大歩危、小歩危などを友とめぐり、義仲寺に寄り、直島に渡り、水島臨海鉄道にも乗った4日間の記録でございます。】

車旅日記2020年9月21日・・・金刀比羅宮、善通寺駅、高松港公園、八十場駅、白峰宮、天皇寺、磯禅

記事を読む

「車旅日記」2004年秋 2日目(宇野-城崎)走行距離377㎞ その1-宇野駅、児島駅、下津井港、倉敷駅、総社駅、備中高梁駅、新見駅 【瀬戸内から山陰へ。そんな旅がしたかったのでございます。】

車旅日記2004年11月21日・・・宇野駅、児島駅、下津井港、倉敷駅、総社駅、備中高梁駅、新見駅

記事を読む

「鉄旅日記」2020年卯月 初日(東京-新津)その1‐松戸、土浦、友部(常磐線) 【緊急事態宣言発令直前のことでございます。常磐線全線運転再開を祝して人知れず旅に出たのでございます。】

鉄旅日記2020年4月4日・・・松戸駅、土浦駅、友部駅(常磐線) 2020・4・4 5:29 松戸

記事を読む

「鉄旅日記」2020年晩秋 2日目(砺波-武生)その5‐福井、新福井、勝山、福井口(えちぜん鉄道勝山永平寺線) 【大人の休日倶楽部パスで北陸へ。新幹線、在来線特急乗り放題でございます。魚津、雨晴をめぐり、氷見線、万葉線、城端線、七尾線、えちぜん鉄道、福武線、北陸鉄道との再会でございます。】

鉄旅日記2020年11月22日・・・福井駅、新福井駅、勝山駅、福井口駅(えちぜん鉄道勝山永平寺線)

記事を読む

「鉄旅日記」2020年弥生 最終日(速星-東京)その1‐速星、越中八尾、楡原(高山本線) 【富山地方鉄道に乗りにまいりました。太多線、高山本線に乗るのも楽しみにしていたのでございます。】

鉄旅日記2020年3月22日・・・速星駅、越中八尾駅、楡原駅(高山本線) 2020・3・22 7:

記事を読む

Message

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

「鉄旅日記」2022年水無月 最終日(中山平温泉-東京)その1 ‐中山平温泉、鳴子温泉(陸羽東線)/旅館三之丞湯【鳴子温泉郷の湯を求めての旅でございます。】

鉄旅日記2022年6月12日・・・中山平温泉駅、鳴子温泉駅(陸羽東線

「鉄旅日記」2022年水無月 初日(東京-中山平温泉)その3 ‐小牛田、古川、上野目、池月、鳴子温泉、中山平温泉(陸羽東線)【鳴子温泉郷の湯を求めての旅でございます。】

2022年6月11日・・・小牛田駅、古川駅、上野目駅、池月駅、鳴子温

「鉄旅日記」2022年水無月 初日(東京-中山平温泉)その2 ‐いわき、竜田、原ノ町、鹿島、新地、仙台(常磐線)【鳴子温泉郷の湯を求めての旅でございます。】

鉄旅日記2022年6月11日・・・いわき駅、竜田駅、原ノ町駅、鹿島駅

「鉄旅日記」2022年水無月 初日(東京-中山平温泉)その1 ‐金町、石岡、友部、水戸(常磐線)【鳴子温泉郷の湯を求めての旅でございます。】

鉄旅日記2022年6月11日・・・金町駅、石岡駅、友部駅、水戸駅(常

「鉄旅日記」2022年皐月 ツレと訪ねた下部温泉~富士宮~田子の浦旅でございます。最終日(下部温泉-東京) ‐下部温泉、波高島、身延、甲斐大島、内船、西富士宮、富士宮、東田子の浦(身延線/東海道本線)/富士浅間神社【Facbookへの投稿より振り返ります。】

鉄旅日記2022年5月29日・・・下部温泉駅、波高島駅、身延駅、甲斐

→もっと見る

    PAGE TOP ↑