*

「鉄旅日記」2007年如月 最終日(奈良-東京)-奈良、亀山、桑名、弥冨、富士、沼津(関西本線/東海道本線) 【初日天王寺、2日目奈良。宿泊地だけを決めて、心のままに移動した記録でございます。】

公開日: : 最終更新日:2025/05/20 旅話, 旅話 2007年

鉄旅日記2007年2月12日・・・奈良駅、亀山駅、桑名駅、弥冨駅、富士駅、沼津駅(関西本線/東海道本線)

2007・2・12 東京葛飾金町
素っ裸で目覚めた朝。
いくら何でもこんな朝はかつてなかった。
シャワーを浴びたかどうかも定かじゃない。
そんな奈良の朝だった。

歴史的な旧奈良駅が使用されていた時代を知っている。
その旧駅舎は工事中の新駅の横に移されている。

昨夜のおでん屋での話じゃ、奈良に相応しくない駅舎が出来上がると噂されていた。
それはいつの頃だろう。

平城山あたりでは、近鉄列車はJRよりも高所を走る。
いくつか見られたJRと私鉄の差がそこにも表れていた。

木津から加茂へ。
待ち時間はなく、すぐに亀山行に乗り込む。

峡谷を進む関西本線。
駅間はとても長い。

閑散とした車内に日差しがこぼれる。
半袖姿になって目を細める。

勤王の聖地、笠置あたりは深い山で、おそらく後醍醐天皇が御座所を置かれた頃からたいして変わっていないのだろう。

由緒を持ちそうな無人駅にたんたんと止まっていく。
月ヶ瀬あたりで住宅街が現れた。
そこまでが京都府。

右手から単線の近鉄線路が近づいてくると伊賀上野。
去年の7月の記憶はまだ近い。

柘植でしばらく停車。
煙草を吸う。
一昨日の記憶は遠かった。

追憶の関駅は2駅先。
東海道関宿にオレの旅の原点がある。

懐かしい。
あの日に旅情を高めてくれたススキは季節から外れている。

亀山に往時をしのぶ。
でも時間はなかった。
駅前の大鳥居の先はどこの神社の神域だったのか。

次は名古屋行。

桑名もまた遠い街だった。
去年の7月にもたどり着けなかった。

駅前は車で通ったことがある。
でも記憶とは違っていた。
あるいはあれは桑名駅じゃなかったのかもしれない。

会津、長岡、庄内、そして桑名。
旧幕府軍として最後まで抵抗した気骨のある武士がいた街。
以前からずっと来たいと思っていた。

日露戦争で弘前師団を率いた立見尚文将軍は桑名藩の出身で、戊辰戦争では北越から会津、庄内まで転戦して、最後まで時代に対して頑強に逆らった。

古い商業ビルの中に食堂が並び、蕎麦屋に入ってビールときしめん。
7月に寄った阿下喜を終着駅に持つ三岐鉄道の始発駅、西桑名駅は健気にも独立した駅舎を持っていた。
揖斐、大垣、養老とたどる近鉄養老線もここ桑名が終点となる。

桑名には1時間ばかりいただろうか。
次の名古屋行で弥冨まで。

揖斐川、長良川を続けざまに渡り、そして木曽川。

愛知県の始点、弥冨は小さな町だった。
名鉄の一路線がここで終点を迎え、駅前には廃墟となった商店が、かつて確実にそこにあった時代を見せつけるように残っている。

2分ほど歩くと、町にはそぐわない立派な近鉄駅があった。
町は進化したのか。
それとも止まってしまったのか。
そんなことを考えながら暖かな日差しの下で次の名古屋行を待った。

やってきたのはわずかに2両を連ねたものだった。

名古屋からの豊橋行は4両編成。

蒲郡の競艇場の先に見える三河湾。
東海の景色を見直し、豊橋からは浜松行の4両編成。

弁天島に浜名湖。
遠州鉄道駅も確認した。
遠鉄は百貨店も持っていたのか。
どうやらオレは浜松をよくは知らないらしい。
浜松も今じゃ静岡に次いで政令指定都市。

その静岡に行く列車も4両編成だった。
大井川、安倍川。
馴染みの風景は次いで大都会に変わる。

浜松静岡間は約70分。
このあたりの東海道はとても長く感じる。

熱海行はすぐにきた。
清水からは富士山が覗き、何度も隠れては姿を現し、楽しませてくれる。

風光明媚な由比海岸に富士川。
いつか月が見えた橋からは富士山が見えた。

富士駅では赤富士になっていて、思わず降りる。
富士山に向かって商店街が続く様に旅の素晴らしさを感じていた。

おあつらえ向きの沼津行がやってきた。
夕食は沼津駅でとると決めていた。
ホームのおでん屋で熱燗をひっかけるんだよ。

さらに味をよく知る美味い「駅そば」。
沼津は「駅そば」発祥地とのこと。

おでん屋のオバチャンは陽気で、「今日のこの気候はおかしいね」と真面目な顔で言い、「日本人なら一度は富士山に登るべき」で、「富士山はこのあたりから見るのが一番いい」とも。
「富士宮に行ってみな。近すぎて怖いよ。」

いい夜だった。
熱海行から東京行。

小田原の手前で彼女にメールを送る。
そして彼女からは今までで一番長いメールが届いた。
都内の高級ホテルでヴァカンス気分を味わっているらしい。

記録的な暖冬下の2月は、伊吹山と富士山にだけ雪を残していた。

関連記事

「車旅日記」1996年夏【再び北を目指した夏。不慮の事故に遭い、打ち切らざるを得なくなったのでございます。】最終日 事故から帰京を振り返って。

車旅日記1996年8月15日 1996・8・15 東京 望郷の思いとは別に昨日家に帰り着いた。 後

記事を読む

「鉄旅日記」2013年春【青春18きっぷで、房総途中下車旅】その1-検見川浜、大貫、保田、那古船形、富浦、安房勝山、館山、太海、江見、勝浦、行川アイランド、東浪見、御宿(京葉線、内房線、外房線)

鉄旅日記2013年3月9日その1・・・検見川浜駅、大貫駅、保田駅、那古船形駅、富浦駅、安房勝山駅、館

記事を読む

「鉄旅日記」2007年皐月 初日(東京-米子)-静岡、豊橋、本竜野、播磨新宮、佐用、東津山、米子(東海道本線/姫新線/因美線/山陰本線)【夜汽車で東京を離れ、山陰山陽へ。鉄旅最初の長旅でございました。】

鉄旅日記2007年5月3日・・・静岡駅、豊橋駅、本竜野駅、播磨新宮駅、佐用駅、東津山駅、米子駅(東海

記事を読む

「鉄旅日記」2013年春 初日(東京-和歌山)その1-米原、弁天町、大正、芦原橋、今宮、杉本町、堺市、東羽衣、鳳(東海道本線、大阪環状線、阪和線、東羽衣支線) 【爆弾低気圧襲来日、青春18きっぷで西へ】

鉄旅日記2013年4月7日その1・・・米原駅、弁天町駅、大正駅、芦原橋駅、今宮駅、杉本町駅、堺市駅、

記事を読む

「鉄旅日記」2006年晩秋 初日-掛川、尾奈(東海道本線/天竜浜名湖鉄道)/リステル浜名湖 【浜名湖へ。そして飯田線に乗って、友に会いにいったのでございます。】

鉄旅日記2006年11月3日・・・掛川駅、尾奈駅(東海道本線/天竜浜名湖鉄道)/リステル浜名湖 2

記事を読む

「鉄旅日記」2017年秋 その1-東長崎、本鵠沼、鵠沼海岸、藤沢、石上、柳小路、鵠沼、湘南海岸公園、鎌倉(西武池袋線/小田急電鉄江ノ島線/江ノ島電鉄) 【湘南へ向かう休日。江ノ電に乗りに行ったのでございます。】

鉄旅日記2017年11月12日・・・東長崎駅、本鵠沼駅、鵠沼海岸駅、藤沢駅、石上駅、柳小路駅、鵠沼駅

記事を読む

「鉄旅日記」2008年初秋 2日目(羽咋-福井)その2-松任、小松、あわら湯のまち、三国港、福大前西福井、田原町、福井(北陸本線/えちぜん鉄道三国芦原線/福井鉄道福武線) 【秋になると北陸に行きたくなるものでございます。能登半島をはじめ、いくつもの終着駅へと行き着いたのでございます。】

鉄旅日記2008年9月14日・・・松任駅、小松駅、あわら湯のまち駅、三国港駅、福大前西福井駅、田原町

記事を読む

「鉄旅日記」2003年冬 初日(宇部-博多)その2-博多の夜 【ご縁と別れがあり、34歳の誕生日を北九州で迎えた日の記憶でございます。】

鉄旅日記2003年2月15日 2003・2・15 サンシティ博多フレックス21 507号 とうとう

記事を読む

「鉄旅日記」2018年弥生 最終日(会津若松-新潟-吉田-三条-東京)その2-新潟、白山、内野、巻、吉田、燕(越後線/弥彦線) 【青春18きっぷを握り、目指したのはまたしても会津。練馬から旅立つ最後の旅でございます。】

鉄旅日記2018年3月4日・・・新潟駅、白山駅、内野駅、巻駅、吉田駅、燕駅(越後線/弥彦線) 11

記事を読む

「鉄旅日記」2021年師走 最終日(古川-東京)その2 ‐川渡温泉、鳴子御殿湯、鳴子温泉(陸羽東線)/東鳴子温泉神社 【特急乗り放題の大人の休日倶楽部パスで冬の国へ。山田線完全乗車と鳴子温泉郷を始めとした陸羽東線沿線を歩くことが目的でございました。】

鉄旅日記2021年12月5日・・・川渡温泉駅、鳴子御殿湯駅、鳴子温泉駅(陸羽東線)/東鳴子温泉神社

記事を読む

Message

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

「鉄旅日記」2022年皐月 初日(東京-磐梯熱海)その4 ‐関都、猪苗代湖畔、上戸、磐梯熱海(磐越西線)/志田浜~上戸浜/伊東園ホテル磐梯向滝【日光線全駅乗降を果たし、猪苗代湖畔に遊び、磐梯熱海の湯につかり、国定忠治を訪ねた旅でございます。】

鉄旅日記2022年5月7日・・・関都駅、猪苗代湖畔駅、上戸駅、磐梯熱

「鉄旅日記」2022年皐月 初日(東京-磐梯熱海)その3 ‐黒磯、泉崎、白河、郡山(東北本線) 【日光線全駅乗降を果たし、猪苗代湖畔に遊び、磐梯熱海の湯につかり、国定忠治を訪ねた旅でございます。】

鉄旅日記2022年5月7日・・・黒磯駅、泉崎駅、白河駅、郡山駅(東北

「鉄旅日記」2022年皐月 初日(東京-磐梯熱海)その2 ‐文挟、鹿沼、鶴田、宇都宮(日光線) 【日光線全駅乗降を果たし、猪苗代湖畔に遊び、磐梯熱海の湯につかり、国定忠治を訪ねた旅でございます。】

鉄旅日記2022年5月7日・・・文挟駅、鹿沼駅、鶴田駅、宇都宮駅(日

「鉄旅日記」2022年皐月 初日(東京-磐梯熱海)その1 ‐金町、上野、宇都宮(常磐線/東北本線) 【日光線全駅乗降を果たし、猪苗代湖畔に遊び、磐梯熱海の湯につかり、国定忠治を訪ねた旅でございます。】

鉄旅日記2022年5月7日・・・金町駅、上野駅、宇都宮駅(常磐線/東

「鉄旅日記」2022年弥生vol.2 最終日(静岡-東京)その5 ‐東浦和、東川口、吉川、吉川美南、南流山(武蔵野線) 【念願の大井川鐡道に乗る旅。帰りは身延線経由、武蔵野線全駅下車達成でございます。】/江戸川堤菜の花絶景

2022年3月21日・・・東浦和駅、東川口駅、吉川駅、吉川美南駅、南

→もっと見る

    PAGE TOP ↑