*

「鉄旅日記」2009年秋【遅い夏休みをとり、長崎までの切符を買いました。】3日目(大分-佐賀)その1-大分、中判田、豊後竹田、宮地、肥後大津、水前寺、辛島町、熊電上熊本、上熊本(豊肥本線/熊本市電)

公開日: : 最終更新日:2024/05/25 旅話, 旅話 2009年

鉄旅日記2009年9月20日・・・大分駅、中判田駅、豊後竹田駅、宮地駅、肥後大津駅、水前寺駅、辛島町電停、熊電上熊本駅、上熊本駅(豊肥本線/熊本市電)

2009・9・20 7:48 大分(おおいた)駅(日豊本線/久大本線/豊肥本線 大分県)
去りがたい街の上空は日本晴れ。

車で旅をしていた頃、駅に寄った際に改札を行き来する人々を眺めて、そっちの住人になりたいと思ったのが、ここ大分駅。
そして徳島の阿波池田駅。

大分川を渡ると日豊本線と分かれ、街とも別れる。

大分の街並

8:37 中判田(なかはんだ)駅(豊肥本線 大分県)
JR九州の車両はどれも様子がいい。
まるで特急列車に乗ってるみたいだ。

今日も強烈な日差しが照りつけている。
つくづく西の国に来たのだと思う。

ここを終点にする列車に乗った。

大分の次の駅は駅舎のない無人駅。
ここは4駅目。
駅前商店街などない田舎駅。

川の気配を感じたのでそこまで歩く。
大野川という。
どうということもない眺めとも言えるが、心は動いた。

近くにいくつか城跡があるようだが、どこも歩いては行かれない。

駅に戻り、強烈な日差しに焼かれながらベンチに座って次の列車を待っている。

10:31 豊後竹田(ぶんごたけた)駅(豊肥本線 大分県)
水のまちを謳う涼しげな城下町に着いた。
稲葉川の流れはとても優雅だ。

「荒城の月」が駅に流れている。
その荒れ城、岡城址はそう遠くない。

いつかこんな町で月を眺めてみたい。
そんなことを5年前にも記したはずだ。

観音寺、十六羅漢、円通閣、愛染堂を巡って、町を歩く。
白壁の道が続いていた。

倉敷には行ったことはないが、いつか行ってこの町と比べてみたい。
この竹田の町を丸ごと文化財に指定する動きがあるとするなら、喜んで票を投じよう。

朽ち果てた能楽堂がある小高い神社から町を眺めた。

しきりに彼女の顔が浮かぶ。
素敵な場所に来ると彼女を想う。

宇多田ヒカルさんの楽曲「Automatic」は、確かそんな作用を歌っていた。






11:58 宮地(みやじ)駅(豊肥本線 熊本県)
赤とんぼが迷い込んだ。
秋なんだな。

日本晴れの下、阿蘇にいる。

願成就トンネルを抜けると阿蘇火山帯に入り、北外輪山が右手に見える。
車内にため息のようなものが漏れる。

阿蘇とは、そして日本とはかくも美しい。
どこか女性的な竹田から男っぽい阿蘇へ。
豊肥本線の旅は素晴らしい。

渋滞している豊後街道こと57号国道を5年前に通っている。
サングラスをかけた肥後娘が「Superfly」を大音量でかけながら苛立っていた。
お寺のような豪快な宮地駅に寄らなかったことを後悔したものだ。

駅に着いたら人懐こい猫が人々を驚かせ、北外輪山がよく見える場所を探して歩いたけど、うまく探せそうにない。

ビールと煙草を購入して駅に戻った。
阿蘇五岳の偉容は見てて飽きない。

阿蘇の全容は実はよく分かっちゃいないが、今ここにいること。
それだけで十分だ。




13:43 肥後大津(ひごおおづ)駅(豊肥本線 熊本県)
阿蘇は彼方。
この駅も懐かしい。

和食の店に入ってカツ丼とビールを注文。
お通しに食後のコーヒーまでついてきた。

テレビで流れていたNHKのお笑い番組も笑えた。
人のいい小さなおばあちゃんがかわいらしい。
大事にしたいと心から思える方だったよ。

宮地を出る普通列車は、たいてい肥後大津行。
でもホームには乗り継ぎ列車が待っているため、誰もこの駅に降りない。

オレは違うんだ。
肥後大津での思い出を増やせてうれしく思ってるよ。

阿蘇外輪山の姿がとうとう視界から消えてしまった。

14:32 水前寺(すいぜんじ)駅(豊肥本線 熊本県)
その駅名を聞いて思いが湧き、降りてみた。
肥後大津からは僅かな距離と言える。

熊本と阿蘇は近い。
でも都市型の駅を見て、通りを眺めて、やはり阿蘇は過ぎてしまったのだと思う。

駅の1階にはシックな美容室が入り、背後にはマンション。
周辺の商店の数は少なかった。

5分ほど歩いた通りを市電が走っている。
全日本プロレスがいくつかの王座戦を組んだ水前寺体育館は、そこから3つ目の電停で降りるようだ。

背後から自転車を猛スピードで走らせてきた少年が、おそらく自ら作ったのであろう焼物を落として割った。
拾う手助けをしたんだ。
きちんとした敬語を使う少年だったよ。

16:13 上熊本(かみくまもと)駅(鹿児島本線 熊本県)
衝撃を受けた。

上熊本駅舎、あの歴史的建造物が解体されていた。。

熊本駅も改装中だった。
九州新幹線開通に伴う高架化が大切なものを奪ってしまった。

旧上熊本駅舎は一部が保存され、市電の終着駅の上屋に転用されている。
だけど悲しいよ。
2006年のことだったそうだ。
あの勇壮な姿は、オレの記憶にしか残していない。

熊本に降りて同じように嘆いたあと、市電に乗った。
乗換の辛島町まで。

繁華街はそこにあった。
サンロード新市街、上通り、下通り。
そこから西銀座通り、酒場通りといった枝通りが熊本城や市役所に向かって延びている。

凄まじい人通りで、大阪御堂筋や神戸元町を思わせる。
駅前しか知らずにいたオレは、街の大きさに仰天したよ。

この上熊本を始発にして熊本電鉄が出ていて、聞いたことのないところを通って、聞いたことのないところで終点を迎える。

ホームで待つ。
博多行のリレー特急が停車した。

熊本の街並(辛島町周辺)


市電乗場

熊電上熊本(くまでんかみくまもと)駅(熊本電鉄)にて

関連記事

2018年秋【サンキューちばフリーパスでめぐる上総下総安房旅】最終日(松戸-五井-大原-安房鴨川-松戸)その2-養老渓谷、上総中野、大多喜、国吉、大原(小湊鉄道/いすみ鉄道)

鉄旅日記2018年9月23日・・・養老渓谷駅、上総中野駅、大多喜駅、国吉駅、大原駅(小湊鉄道/いすみ

記事を読む

「鉄旅日記」2019年師走【由利高原鉄道鳥海山ろく線に乗りにいきました。初冬の日本海は荒々しく、美しゅうございました。】初日(東京-酒田)その3‐新潟、村上、羽後本荘(信越本線/白新線/羽越本線)

鉄旅日記2019年12月7日・・・新潟駅、村上駅、羽後本荘駅(信越本線/白新線/羽越本線) 11:4

記事を読む

「鉄旅日記」2014年春【青春18きっぷで、丹後若狭から北陸、信州へ】最終日(魚津-東京)その2-有間川、谷浜、名立、直江津、犀潟、二本木、今井、川中島、姨捨、信濃境、すずらんの里、富士見(北陸本線/信越本線/篠ノ井線/中央本線)

鉄旅日記2014年3月23日その2・・・有間川駅、谷浜駅、名立駅、直江津駅、犀潟駅、二本木駅、今井駅

記事を読む

「鉄旅日記」2017年春【近鉄に乗る日々】2日目(新大宮-大阪難波)その1-近鉄奈良、新田辺、三山木、JR三山木、狛田、下狛、新祝園、祝園、学園前、学研奈良登美ヶ丘(奈良線/京都線/けいはんな線)

鉄旅日記2017年3月18日・・・近鉄奈良駅、新田辺駅、三山木駅、JR三山木駅、狛田駅、下狛駅、新祝

記事を読む

「鉄旅日記」2019年弥生Part.2【青春18きっぷ常磐旅。この当時、常磐線は富岡止まりでございます。そしてこの季節、臨時駅の偕楽園駅に列車が止まります。】その1-天王台、植田、泉、いわき、富岡(常磐線)

鉄旅日記2019年3月10日・・・天王台駅、植田駅、泉駅、いわき駅、富岡駅(常磐線) 2019・3・

記事を読む

「鉄旅日記」2015年春【朝に宇治を出て、近江鉄道に乗る一日】最終日その2(宇治-東京)-水口、水口石橋、水口城南、八日市、近江八幡、高宮、多賀大社前、彦根(近江鉄道本線/八日市線/多賀線)

鉄旅日記2015年3月22日その2・・・水口駅、水口石橋駅、水口城南駅、八日市駅、近江八幡駅、高宮駅

記事を読む

「鉄旅日記」2009年秋【女川を目指した旅。ここには震災前の女川の姿が残されております。】最終日(新庄-東京)その1-新庄、最上、鳴子温泉、岩出山、北浦、小牛田、鹿又、石巻(陸羽東線/石巻線)

鉄旅日記2009年10月11日・・・新庄駅、最上駅、鳴子温泉駅、岩出山駅、北浦駅、小牛田駅、鹿又駅、

記事を読む

「車旅日記」2005年初夏【長岡、会津、庄内。戊辰戦争ゆかりの地を巡りたかったのだと記憶しております。】初日(長岡-会津-福島-山形)走行距離388㎞ その1-長岡駅、小出駅、田子倉駅、只見駅、会津水沼駅、会津坂下駅、猪苗代駅

車旅日記2005年7月16日・・・長岡駅、小出駅、田子倉駅、只見駅、会津水沼駅、会津坂下駅、猪苗代駅

記事を読む

「車旅日記」2006年皐月【東京から出かける最後の車旅。関東、東北を2,265㎞走った記録でございます。】2日目(黒磯-郡山-いわき-仙台)その2-末続駅、双葉駅、原ノ町駅、相馬駅、亘理駅、岩沼駅、名取駅、ホテルイーストワン仙台

車旅日記2006年5月3日・・・末続駅、双葉駅、原ノ町駅、相馬駅、亘理駅、岩沼駅、名取駅、ホテルイー

記事を読む

「鉄旅日記」2020年如月【東日本大震災で被害を受けた大船渡に泊まりにまいりました。山田線完全乗車も目指しておりましたが・・。】最終日(釜石-東京)その3‐一ノ関、小牛田、仙台、福島、郡山(東北本線)

鉄旅日記2020年2月24日・・・一ノ関駅、小牛田駅、仙台駅、福島駅、郡山駅(東北本線) 11:48

記事を読む

Message

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

「鉄旅日記」2020年文月【コロナ禍でございます。内緒の旅でございました。余部鉄橋へ。萩へ。霧の街へ。東京五輪延期で浮いた4連休の記録でございます。】最終日(三次-東京)その1‐三次、上下、府中(福塩線)

鉄旅日記2020年7月26日・・・三次駅、上下駅、府中駅(福塩線)

「鉄旅日記」2020年文月【コロナ禍でございます。内緒の旅でございました。余部鉄橋へ。萩へ。霧の街へ。東京五輪延期で浮いた4連休の記録でございます。】3日目(萩-三次)その5‐備後落合、備後庄原、三次(芸備線)

鉄旅日記2020年7月25日・・・備後落合駅、備後庄原駅、三次駅(芸

「鉄旅日記」2020年文月【コロナ禍でございます。内緒の旅でございました。余部鉄橋へ。萩へ。霧の街へ。東京五輪延期で浮いた4連休の記録でございます。】3日目(萩-三次)その4‐宍道、加茂中、出雲横田、出雲坂根(木次線)

鉄旅日記2020年7月25日・・・宍道駅、加茂中駅、出雲横田駅、出雲

「鉄旅日記」2020年文月【コロナ禍でございます。内緒の旅でございました。余部鉄橋へ。萩へ。霧の街へ。東京五輪延期で浮いた4連休の記録でございます。】3日目(萩-三次)その3‐黒松、仁万、出雲市、荘原(山陰本線)

鉄旅日記2020年7月25日・・・黒松駅、仁万駅、出雲市駅、荘原駅(

「鉄旅日記」2020年文月【コロナ禍でございます。内緒の旅でございました。余部鉄橋へ。萩へ。霧の街へ。東京五輪延期で浮いた4連休の記録でございます。】3日目(萩-三次)その2‐益田、三保三隅、浜田、波子(山陰本線)

鉄旅日記2020年7月25日・・・益田駅、三保三隅駅、浜田駅、波子駅

→もっと見る

    PAGE TOP ↑