*

「鉄旅日記」2019年霜月 初日(東京-五所川原)その3‐小牛田、一ノ関、盛岡、八戸、野辺地(東北本線/IGRいわて銀河鉄道/青い森鉄道) 【津軽鉄道、弘南鉄道に乗りにいきました。羽州街道を歩いた晩秋の旅でございます。】

公開日: : 最終更新日:2025/05/07 旅話, 旅話 2019年

鉄旅日記2019年11月2日・・・小牛田駅、一ノ関駅、盛岡駅、八戸駅、野辺地駅(東北本線/IGRいわて銀河鉄道/青い森鉄道)

12:49 小牛田(こごた)駅(東北本線/石巻線/陸羽東線 宮城県)
乗り換え時間16分。

この偉大なるターミナル駅だけはいつ降りても変わらない。
駅前旅館が迎え、星の通りに流れる水路の流れも絶えない。

乾いた風が吹き、誘われるように通りを歩くと酒屋を見つけた。
品数の少ない店内を見渡し、今日4本目のウイスキーハイボールとつまみを一品。
愛想のいい奥さんだった。




大屋、三河三谷、坂下、常陸大子、久慈。
駅前に酒屋がある駅の印象は忘れることがない。

明後日もまた乗り換えで降りる。

13:44 一ノ関(いちのせき)駅(東北・北海道新幹線/東北本線/大船渡線 岩手県)
乗り継ぎ時間7分。
ウイスキーハイボールを買い足しに改札を抜ける。

2両の盛岡行は混雑の内に発車した。

中国人旅行者は平泉を目指しているのか。
日本人集団には見られない熱を感じる。

背後に北上川の堤防を感じる。
9月旅以来で時間は経っていないが、まだ馴染みの風景とは言えない。

あれから台風と大雨が東日本を襲い、世界は変わっていく。

平泉に着いて、予測したとおり外国人旅行者の多くが降りた。

本数の少ないこの区間での乗車率はいつも比較的高くて、これまでは風景を見るより眠っていることの方が多かったのだろう。
移りゆく素朴な岩手の山河を美しいと感じながら眺めている。

15:22 盛岡(もりおか)駅(東北・北海道新幹線/秋田新幹線/東北本線/田沢湖線/山田線 岩手県)
乗り継ぎ時間8分。

お年寄りに席を譲り、あたたかな交歓。
オレも可愛いげのある年寄りにならなきゃな。
そしてお年寄りが話す南部弁に気持ちを潤す。

かつて仲間と盛岡駅前でわんこそばを食べたこともあった。
あれは20代の頃だろう。

100杯以上食べた女友達。
オレより数杯劣ったことを悔しがる可笑しな人だった。

それから数年経って、数夜を共に過ごす関係を持ったこともあるが、今は幸せな母として過ごしている。
今年も年賀状は届くだろう。

最後まで食べていたのは2歳年上の男。
最終盤になって、フタをしようと躍起になる彼。
ひとり残った彼に照準を絞り、本気の技を繰り出してそばを継ぎ足す給仕さん。
二人の攻防は相当な見応えがあった。

盛岡以北を電車旅するのは二度目になる。
前回を詳細に思い出せばつらくもなるだろうが、そうはならないのはそれなりに幸せな気持ちでいるからだろう。
さっき恋人からまた便りが届いた。

岩手山を正面に見ながら走り出したIGRいわて銀河鉄道。
でも今日は東北本線と呼ばせてほしい。

このまま青森までいくことに価値とロマンを感じている。

17:12 八戸(はちのへ)駅(東北・北海道新幹線/八戸線/青い森鉄道 青森駅)
乗り継ぎ時間4分。

車窓から姫神山を写し、岩手の景色を愛でて、時に眠り、一戸駅前風景にやがて降りる未来を想い、二戸で大半の乗客が降りた。



金田一温泉駅舎を確認してからは景色を覚えていない。
いつから闇が下りたのかも分からない。

それでいい。
旅の途中だ。

乗り継ぎで降りた八戸駅に寒さを感じた。
座席の埋まった車内で南部弁の聞こえる方を探した。

女子高生の言葉はまるきり標準語だった。

18:06 野辺地(のへじ)駅(大湊線/青い森鉄道 青森県)
8分の停車。

寒さは増していた。

常夜灯の町に降りると焼鳥屋が一軒。
ロータリーの先に酒屋が見えた。
近くに酒屋がある駅リストにまたひと駅加えることができた。

下田、三沢、上北町、乙供で乗客は降りていき、ここ野辺地で入れ替わった。

屈強な会津武士をかつて哭かせた大湊へ行く列車が入線してくる。

あれは3年前。
下北半島の入口の野辺地にいてさえ、最果ての下北大湊を遠く感じる。

関連記事

「鉄旅日記」2013年夏 2日目(徳山-南宮崎)その1-徳山、長府、西小倉、城野、行橋、新田原、中津、中山香、高城、佐志生、熊崎、上臼杵、臼杵(山陽本線、日豊本線) 【青春18きっぷで、鹿児島県志布志へ】

鉄旅日記2013年8月11日その1・・・徳山駅、長府駅、西小倉駅、城野駅、行橋駅、新田原駅、中津駅、

記事を読む

「鉄旅日記」2012年夏【青春18きっぷで、富山・岐阜途中下車旅】最終日(富山-東京)その2-美濃太田、可児、姫、下切、南木曽、田立、勝沼ぶどう郷(太多線、中央本線)

鉄旅日記2012年8月26日その2・・・美濃太田駅、可児駅、姫駅、下切駅、南木曽駅、田立駅、勝沼ぶど

記事を読む

「鉄旅日記」2021年春 初日(東京-松本)その3 ‐小淵沢、甲斐大泉、中込、三岡、小諸(小海線) 【週末パスで信濃へ。妙高高原駅で引き返し、松本の友人を訪ね、大糸線を旅して思い出の白馬へ。先の旅から一週間後のことでございました。】

鉄旅日記2021年4月24日・・・小淵沢駅、甲斐大泉駅、中込駅、三岡駅、小諸駅(小海線) 1

記事を読む

「鉄旅日記」2015年春 初日その3(東京-岩倉)-太田川、常滑、中部国際空港、上小田井、西春、岩倉(名鉄常滑線/名鉄空港線/名鉄犬山線) 【名鉄電車2DAYフリーきっぷで行く、中京旅】

鉄旅日記2015年3月7日その3・・・太田川駅、常滑駅、中部国際空港駅、上小田井駅、西春駅、岩倉駅(

記事を読む

「車旅日記」2004年春 4日目(旭川-稚内)走行距離428㎞その2-雄武町日の出岬、マリーンアイランド岡島、千畳岩、神威岬、クッチャロ湖、さるふつ公園、宗谷岬、稚内駅 【旭川に下りて、思う存分に北の大地を走った旅の記録でございます】

車旅日記2004年5月4日・・・雄武町日の出岬、マリーンアイランド岡島、千畳岩、神威岬、クッチャロ湖

記事を読む

「鉄旅日記」2020年文月 最終日(三次-東京)その3‐清音、倉敷、岡山、熊山、姫路(伯備線/山陽本線) 【コロナ禍でございます。内緒の旅でございました。余部鉄橋へ。萩へ。霧の街へ。東京五輪延期で浮いた4連休の記録でございます。】

鉄旅日記2020年7月26日・・・清音駅、倉敷駅、岡山駅、熊山駅、姫路駅(伯備線/山陽本線)

記事を読む

「鉄旅日記」2022年如月 初日(東京-常陸大子)その3 ‐鹿島神宮(鹿島線)・・・その1‐天狗党墓/鹿島神宮西の一之鳥居/大船津稲荷神社/鎌足神社/龍神社/鹿島神宮 【十二橋駅~潮来駅、鹿島神宮西の一之鳥居~鹿島神宮、棚倉を歩く旅。】

鉄旅日記2022年2月5日・・・鹿島神宮駅(鹿島線)/天狗党墓/鹿島神宮西の一之鳥居/大船津稲荷神

記事を読む

「鉄旅日記」2019年長月 2日目(盛岡-宮古)その2-釜石、津軽石、宮古、田野畑、堀内(三陸鉄道リアス線) 【三陸鉄道、八戸線に乗りにいきました。区界、吉里吉里など、駅旅の者として見過ごせない駅にも寄りましてございます。】

鉄旅日記2019年9月22日・・・釜石駅、津軽石駅、宮古駅、田野畑駅、堀内駅(三陸鉄道リアス線)

記事を読む

「鉄旅日記」2016年春 最終日(石巻-東京)その1-石巻、西塩釜、下馬、塩釜、岩切、利府、伊達、郡山、白河(仙石線、東北本線、利府支線) 【下北半島から東日本大震災被災地へ】

鉄旅日記2016年3月21日その1・・・石巻駅、西塩釜駅、下馬駅、塩釜駅、岩切駅、利府駅、伊達駅、郡

記事を読む

「鉄旅日記」2019年霜月 初日(東京-五所川原)その2‐郡山、福島、仙台、品井沼、松島(東北本線) 【津軽鉄道、弘南鉄道に乗りにいきました。羽州街道を歩いた晩秋の旅でございます。】

鉄旅日記2019年11月2日・・・郡山駅、福島駅、仙台駅、品井沼駅、松島駅(東北本線) 9:25

記事を読む

Message

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

「鉄旅日記」2022年弥生vol.2 最終日(静岡-東京)その1 ‐新静岡、静岡、由比、富士、芝川(東海道本線/身延線)/駿府城址 【念願の大井川鐡道に乗る旅。帰りは身延線経由、武蔵野線全駅下車達成でございます。】

鉄旅日記2022年3月21日・・・新静岡駅、静岡駅、由比駅、富士駅、

「鉄旅日記」2022年弥生vol.2 2日目(焼津-静岡)その3 ‐尾盛、千頭、金谷、静岡(大井川鐡道井川線/大井川鐡道本線/東海道本線)/くれたけインプレミアム静岡駅前 【念願の大井川鐡道に乗る旅。帰りは身延線経由、武蔵野線全駅下車達成でございます。】

2022年3月20日・・・尾盛駅、千頭駅、金谷駅、静岡駅(大井川鐡道

「鉄旅日記」2022年弥生vol.2 2日目(焼津-静岡)その2 ‐奥大井湖上、接岨峡温泉(大井川鐡道井川線) 【念願の大井川鐡道に乗る旅。帰りは身延線経由、武蔵野線全駅下車達成でございます。】

2022年3月20日・・・奥大井湖上駅、接岨峡温泉駅(大井川鐡道井川

「鉄旅日記」2022年弥生vol.2 2日目(焼津-静岡)その1 ‐焼津、金谷、千頭、井川(東海道本線/大井川鐡道本線/大井川鐡道井川線)/焼津温泉やいづマリンパレス 【念願の大井川鐡道に乗る旅。帰りは身延線経由、武蔵野線全駅下車達成でございます。】

鉄旅日記2022年3月20日・・・焼津駅、金谷駅、千頭駅、井川駅(東

「鉄旅日記」2022年弥生vol.2 初日(東京-焼津)その4 ‐アプトいちしろ、川根小山、千頭、金谷、焼津(大井川鐡道井川線/大井川鐡道本線/東海道本線)/焼津温泉やいづマリンパレス 【念願の大井川鐡道に乗る旅。帰りは身延線経由、武蔵野線全駅下車達成でございます。】

鉄旅日記2022年3月19日・・・アプトいちしろ駅、川根小山駅、千頭

→もっと見る

    PAGE TOP ↑