*

「鉄旅日記」2019年弥生Part.3 初日(東京-多治見)その4-古虎渓、釜戸、美乃坂本、多治見(中央本線) 【明知鉄道、名鉄築港線。その2線に乗るために、東海道を下っていったのでございます。】

公開日: : 最終更新日:2025/05/10 旅話, 旅話 2019年

鉄旅日記2019年3月23日・・・古虎渓駅、釜戸駅、美乃坂本駅、多治見駅(中央本線)

18:23 古虎渓(ここけい)駅(中央本線 岐阜県)
初めて中央本線で名古屋から塩尻に向かって以来、降りてみたかった駅にようやく立てた。
名古屋にほど近い地に、忽然と渓谷美が現れたあの日の衝撃は忘れていない。

2年前の夏にもここにいるはずだったけど、列車の遅れで叶わなかった。

土岐川に沿う古虎渓から定光寺にかけての渓谷ルートは桜の名所だという。

橋の上から眺めた古虎渓は特別な景色ではないけれど、旅の者の目を楽しませるものは持っている。

まだ明るさの残るうちにここにこれてうれしい。


19:16 釜戸(かまど)駅(中央本線 岐阜県)
薄着の美濃人が寒いとこぼす。
昨日は暖かかったが、あの暖気は列島全体に及んでいたらしい。

中山道ゆかりの名所を紹介する案内板を眺め、宵闇の下りた村へと歩く。


古街道の趣はどこにも負けないほどの風格を闇の中に現出し、川辺へと通じる階段を下りて腰かけてみれば、春にも風流はあるのだとしばしたたずむ。

薄暗がりの川辺は彼岸を感じさせた。
ちょうどそんな時季でもある。

彼女から便りが届いている。
まだ開けていない。

こんなにも密に愛の言葉を交わし合う関係を、オレはこれまで知らずに生きてきた。

19:52 美乃坂本(みのさかもと)駅(中央本線 岐阜県)
ここでも待ち人が寒いとこぼす。
寒くないわけじゃないが、覚悟している寒さではある。

それにしても確かに美濃の夜は冷える。

この駅に降りる前からホームにたむろしていた異邦人の群れがいる。
こんなに暗くなったんじゃ、一番明るい場所はここなのかもしれない。
煙たく思ったりしないよ。

食堂の明かりがつく駅前には心が弾んだ。
人の営みが明かりとなる。
そんな光景に安心する。

改札をくぐると明かりは食堂だけのもので、すぐに尽きていた。
それでもこの駅を恋人との想い出とともに、いつまでも記憶しているだろう。

これで中央本線名古屋~中津川間のすべての駅に降りたことになる。

今夜の宿泊地の多治見に戻る。

20:44 多治見(たじみ)駅(中央本線/太多線 岐阜県)にて

22:13 ホテルトーノー613号
陶都多治見に夜降りるのは初めてになる。

ささやかな夜の明かりが灯る街をふらつくと、このホテルはすぐに分かった。

隣の焼鳥屋のメニューにラーメンの文字を見つけてさらに物色していると、ふっくらとした笑顔のかわいらしい女性に入店を促され、熱燗2本につまみ2品、締めにラーメン。

土岐川が流れる陶都大橋に出て、月見。
多治見の夜をすっかり気に入って、じきに寝ようとしている。

恋人ができたあとの初めての旅。
抱えている事情は複雑だけれど、それでもよくて、様々な愛を神々は祝福していると思っている。

彼女と一緒に暮らすことはできない。
でもソウルメイトでいることを神は否定しない。

春の宵とは本来冷たいものよとFbに投稿して店を出たら、冷たい空気は去ってほんのりと暖かみを感じる宵となっていた。

京都でそんな宵を過ごしたのもまた3月。
あれはもう19年も前のことになる。

明日の朝このホテル自慢の朝食をたらふく食べたら、この街を離れる。

【Facebookへの投稿より】
一番列車に乗って西へ向かいました。

相模、伊豆、駿河、遠州、三河と、冬の名残を思わせる空気の冷たさと時折の雨に凍えもいたしましたが、尾張に入りますと日差しに満ちて暖かく、人気のない名古屋東港で爽やかな夕暮れを迎えたのでございます。

今夜の宿場、「陶都」多治見に向かっております。

夜になって、また冷えてまいりましたが、春の宵とは本来このようなものでございます。

関連記事

「鉄旅日記」2020年卯月 初日(東京-新津)その1‐松戸、土浦、友部(常磐線) 【緊急事態宣言発令直前のことでございます。常磐線全線運転再開を祝して人知れず旅に出たのでございます。】

鉄旅日記2020年4月4日・・・松戸駅、土浦駅、友部駅(常磐線) 2020・4・4 5:29 松戸

記事を読む

「鉄旅日記」2019年霜月 最終日(北上-東京)その1‐北上、横手、醍醐、十文字、下湯沢(北上線/奥羽本線) 【津軽鉄道、弘南鉄道に乗りにいきました。羽州街道を歩いた晩秋の旅でございます。】

鉄旅日記2019年11月4日・・・北上駅、横手駅、醍醐駅、十文字駅、下湯沢駅(北上線/奥羽本線)

記事を読む

「車旅日記」1997年梅雨明け【疲れきっていた若き日々。またしても向かうのは北でございました。】(東京-鳴子温泉-東京)2日目~最終日-いわき久ノ浜パーキング、亘理、名取、松山町、鳴子サンハイツ、町田

車旅日記1997年7月20日 7:03 6号国道‐いわき久ノ浜パーキング 太陽光線で目が覚める。

記事を読む

「鉄旅日記」2020年睦月 最終日(鷹ノ巣-東京)その2‐角館、大曲、峰吉川、新庄(田沢湖線/奥羽本線) 【秋田内陸縦貫鉄道に乗りにいきました。五能線の名所も歩いた旅初めでございます。】

鉄旅日記2023年1月13日・・・角館駅、大曲駅、峰吉川駅、新庄駅(田沢湖線/奥羽本線) 10:0

記事を読む

「車旅日記」2005年冬 2日目(都城-人吉)走行距離284㎞ その1-都城駅、西都城駅、財部駅、霧島神宮駅、国分駅、錦江駅、鹿児島駅 【どこへ行こうか。まっさきに浮かんだのが、昨夏に旅した南九州でございました。】

車旅日記2005年2月12日・・・都城駅、西都城駅、財部駅、霧島神宮駅、国分駅、錦江駅、鹿児島駅

記事を読む

「鉄旅日記」2008年皐月 最終日(善通寺-東京)-善通寺、多度津、丸亀、坂出、岡山、京都、野洲、東京葛飾(土讃本線/予讃本線/本四備讃線/山陽本線/東海道本線) 【旅は京都から始まり、山陰から下関へ。そして四国へと渡ったのでございます。】

鉄旅日記2008年5月6日・・・善通寺駅、多度津駅、丸亀駅、坂出駅、岡山駅、京都駅、野洲駅(土讃本線

記事を読む

「鉄旅日記」2017年秋 その3-腰越、江ノ島、湘南江の島、片瀬江ノ島、新宿(江ノ島電鉄/小田急電鉄江ノ島線)/龍ノ口寺 【湘南へ向かう休日。江ノ電に乗りに行ったのでございます。】

鉄旅日記2017年11月12日・・・腰越駅、江ノ島駅、湘南江の島駅、片瀬江ノ島駅、新宿駅(江ノ島電鉄

記事を読む

「鉄旅日記」2020年文月 2日目(香住-東萩)その3‐末恒、浦安、米子、揖屋(山陰本線) 【コロナ禍でございます。内緒の旅でございました。余部鉄橋へ。萩へ。霧の街へ。東京五輪延期で浮いた4連休の記録でございます。】

鉄旅日記2020年7月24日・・・末恒駅、浦安駅、米子駅、揖屋駅(山陰本線) 10:39&n

記事を読む

「鉄旅日記」2020年文月 初日(東京-香住)その6‐上川口、養父、豊岡、香住(山陰本線) 【コロナ禍でございます。内緒の旅でございました。余部鉄橋へ。萩へ。霧の街へ。東京五輪延期で浮いた4連休の記録でございます。】

鉄旅日記2020年7月23日・・・上川口駅、養父駅、豊岡駅、香住駅(山陰本線) 18:35&

記事を読む

「鉄旅日記」2008年初夏 初日(東京-和歌山)その2-畝傍、高田、大和高田、近鉄郡山、郡山、王寺、五条、和歌山(桜井線/近鉄大阪線/近鉄橿原線/和歌山線) 【まほろばの路から紀州へ。紀伊半島で過ごした短い夏の記憶でございます。】

鉄旅日記2008年7月19日・・・畝傍駅、高田駅、大和高田駅、近鉄郡山駅、郡山駅、王寺駅、五条駅、和

記事を読む

Message

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

「鉄旅日記」2022年文月 ツレと訪ねた佐久海ノ口温泉~諏訪湖旅でございます。初日(東京-佐久海ノ口) ‐甲府、小淵沢、清里、野辺山、佐久海ノ口(中央本線/小海線)【Facbookへの投稿より振り返ります。】

鉄旅日記2022年7月23日・・・甲府駅、小淵沢駅、清里駅、野辺山駅

「鉄旅日記」2022年水無月 最終日(中山平温泉-東京)その4 ‐土浦、ひたち野うしく、亀有(常磐線)【鳴子温泉郷の湯を求めての旅でございます。】/葛西神社~江戸川堤葛飾情緒

鉄旅日記2022年6月12日・・・土浦駅、ひたち野うしく駅、亀有駅(

「鉄旅日記」2022年水無月 最終日(中山平温泉-東京)その3 ‐勝田、水戸、友部、宍戸(常磐線/水戸線)【鳴子温泉郷の湯を求めての旅でございます。】

鉄旅日記2022年6月12日・・・勝田駅、水戸駅、友部駅、宍戸駅(常

「鉄旅日記」2022年水無月 最終日(中山平温泉-東京)その2 ‐小牛田、松島、高城町、陸前浜田、榴ヶ岡、仙台(東北本線/仙石線)【鳴子温泉郷の湯を求めての旅でございます。】

鉄旅日記2022年6月12日・・・小牛田駅、松島駅、高城町駅、陸前浜

「鉄旅日記」2022年水無月 最終日(中山平温泉-東京)その1 ‐中山平温泉、鳴子温泉(陸羽東線)/旅館三之丞湯【鳴子温泉郷の湯を求めての旅でございます。】

鉄旅日記2022年6月12日・・・中山平温泉駅、鳴子温泉駅(陸羽東線

→もっと見る

    PAGE TOP ↑