*

「鉄旅日記」2013年夏 最終日(岩国-東京)-岩国、海田市、岡山、西大寺、播州赤穂、山科、南草津、豊橋、愛野、菊川、熱海(山陽本線、赤穂線、東海道本線) 【青春18きっぷで、鹿児島県志布志へ】

公開日: : 最終更新日:2025/06/09 旅話, 旅話 2013年

鉄旅日記2013年8月14日・・・岩国駅、海田市駅、岡山駅、西大寺駅、播州赤穂駅、山科駅、南草津駅、豊橋駅、愛野駅、菊川駅、熱海駅(山陽本線、赤穂線、東海道本線)

2013・8・14 4:50 岩国(いわくに)駅(山陽本線/岩徳線 山口県)
今旅一番早い朝を迎えている。
泊まったシティホテル安藤は、今旅で一番いいホテルだったよ。

昨夜酔客を多く見かけた岩国の街は、今静まり返っている。
オスプレイ問題で話題に上がるようになった街だが、瀬戸内工場群の明かりは美しく、沿線の灯も多い。
この夏の甲子園には山口県代業として岩国商業が出場を果たしている。

4年前は随分街を歩いた。
山口県内では下関に次ぐ賑やかさを持っているのではないか。
錦帯橋を模したアーケードが微笑ましい。
文化と誇りを持つ岩国。
もはや馴染みの街だ。

6:00 海田市(かいたいち)駅(山陽本線/呉線 広島県)
呉線との分岐駅で降りる。
西国街道と瀬野川による便で発展してきた町だという。
郊外の風情に山が重なる。

山陽本線は大野浦の手前から10分ほど瀬戸内海が見える。
明け方の海ほど神聖なものはない。
清められたかのように眠気は失せ、広島が遠ざかる。

8:53 岡山(おかやま)駅(山陽新幹線/山陽本線/赤穂線/津山線/吉備線/伯備線/瀬戸大橋線 岡山県)
ショートカットのステキな女性と向い合わせになった。
彼女は一級建築士の参考書を開いていた。
西条で列車切り離しのため6分の停車がある。
彼女の前にもうしばらく座っていたいが、西条駅での記憶も更新したい。
思いが揺れる中を列車は駅に進入する。
見ると駅は工事中だった。
降りる理由はそれで消えた。

彼女は欠伸をしてもかわいらしく、三原で降りていった。

糸崎から見える尾道水道はしっかりと目に焼き付けておきたかった。
やがて眠りに落ち、福山からはろくに覚えていない。

岡山駅も変わっていた。
あちこちに行く路線が集まる岡山は、東京駅に次ぐ大ターミナル駅と言ってもよく、凄まじい人波に揉まれた。

四国への乗換案内を聞いて、思わずそっちに行きたくなる。
発車時に奏でられる「瀬戸の花嫁」のメロディが聞こえてくる。

9:42 西大寺(さいだいじ)駅(赤穂線 岡山県)
「はだか祭」と吉井河畔の町。

お寺までは遠く、用意していた時間じゃ足りなくて、祭の日には大勢の「はだか」さんをもてなす参道までを往復できる目算はたたず、駅に引き返してビールとなった。

今日も暑い。
この分じゃ、このお盆時期に気温40度越えを果たした市町村にしばらく注目が集まるだろう。

10:40 播州赤穂(ばんしゅうあこう)駅(赤穂線 兵庫県)
4年振りでは懐かしさは湧かないものか。
でも、そうだな。
赤穂に限らず、日常まったく忘れて生きているわけじゃなくて、暇さえあれば旅で辿った道筋を数えたりしているわけだから、存在すら忘れていた友人と道でばったり出くわすのとは訳が違うってことか。

赤穂城へと続く道は暑さに焼かれ閑散としている。
日本の田舎の夏は確かにこんな感じだった。
乗り換えで僅か数分の滞在。

12:57 山科(やましな)駅(東海道本線/湖西線 京都府)
相生、姫路で乗り換え。
姫路では湖西線経由の新快速の敦賀行きに乗る。

米原に出るための乗り換えを、京都から山科に変更した。
遅れが発生したのと京都駅の混雑を考えてのことだ。
もともと満足な時間を用意していない。

10年前。
ザ・ローリング・ストーンズを見に大阪ドームに行った際のことだ。
京都に住む恋人に会う最後の機会だった筈だ。
祇園の「エルメ」で酔っ払い、湖西線の志賀に宿をとっていたオレは、始発が動くまで時間を潰さなきゃならなかった。
それで京都から山科まで、醍醐道を山越えするという暴挙に出て、翌日歩くのがつらいほど足を痛めた。

確かなことは言えないが、京阪山科駅はあの当時から変わっている筈だ。
ここでも10分程度の滞在。
駅前にいても、そんな思い出話しか出てこなかったよ。

京阪山科(けいはんやましな)駅(京阪京津線 京都府)にて

13:18 南草津(みなみくさつ)駅(東海道本線 滋賀県)
駅員に注意されてしまった。
車椅子に乗った障害を持つ方と有人改札で鉢合わせをして、身を横にして擦れ違った際のことだ。
オレとしては十分にマナーを守った行為と判断してのことだが、世間とは難しい。

昨日の川内駅でのことといい、間の悪い話だ。
申し訳ないという気持ちが起こらないこともないが、仕方のないこともあることも事実だ。
実際次の新快速に乗り遅れると大変なことになるから。
でもやっぱり障害のある方への配慮は足りなかったのか。
オレの中にまったくないとは言い切れない偏見を意識しつつ、さっきから答えを探している。

駅前のロータリーでは若者たちが輪になってダンスに興じ、周辺には高層マンションだけが目につき、商店は見かけない。
隣の草津には由緒ある商店街があるが、守山、野洲と似たような車窓風景を持つ駅が続いていく。

16:21 豊橋(とよはし)駅(東海道新幹線/東海道本線/飯田線/名鉄本線 愛知県)
米原、大垣で乗り換える。
大垣からは新快速の豊橋行きに乗る。

眠った。
とにかく眠った。
どこに行っても暑い。
三河の暑さもまた格別だ。

煙草を吸いに外に出たら路上生活者と思われる老人たちが大騒ぎをしていた。
三島由紀夫があの風景を見たら表情を曇らせるだろう。
彼の遺作となった「豊饒の海」4部作を読了して、自決という死を決断した彼には様々な事情があったのだろうが、老人になることを嫌悪していたのではないかと窺わせる内容だったことから、そうした一面もあったのではないかと勝手に解釈している。

40歳を過ぎたオレとしても、老いていくことに対して何かしらの意識を持つ必要を感じさせられた光景だった。
加えて、周囲から歌声が二つ三つ。
気怠い時間が流れていた。

ここでも10分ほどの滞在。
掛川行きに乗る。

17:28 愛野(あいの)駅(東海道本線 静岡県)
この町に世界がやってきたのは、つまりサッカーの日韓共催によるワールドカップがやってきたのは11年前。
駅のホームからその舞台「レコバ」が見える。
駅前にはポール上に据えられたサッカーボールと観客席のオブジェが据えられている。

改札口はやけに高い場所に設けられていた。
大塚製薬、ポーラ化粧品の巨大工場が並ぶ広々とした町だが、閑散として商店の類は見られない。

17:52 菊川(きくがわ)駅(東海道本線 静岡県)
今年も甲子園の静岡代表はニューヨーク・ヤンキース仕様のストライプのユニフォームを着る常葉菊川が射止めている。
今日が初戦。
結果は今夜の「熱闘甲子園」で明らかになる。

菊川にはビールを飲みに降りた。
白木屋の他に店はなく、散歩にも適当な街じゃなかった。

今夜は焼津の花火大会。
浴衣を着込んだ女性の姿もまた夏の風物詩だ。
東京でもそんな姿を見かけると、ごくささやかだけど心が躍る。

さて、この夏ここが最後の場所になるな。
蝉の声が聞こえるのは西国同様だが、しゅわしゅわ鳴く連中の声は聞こえない。
石神井公園にもいない。
西大寺では確か聞いた。
西日本限定の種族なのだろう。
また来年会おう。

19:56 熱海(あたみ)駅(東海道新幹線/東海道本線/伊東線 静岡県)
東京行きに乗り換える。

人様の顔のことを言えた義理じゃないが、決して器量良しとは言えない眼鏡顔の大柄な少女が表情に幸せを浮かべている。
手には「きゃりーぱみゅぱみゅ」の写真と「にんじゃりバンバン」と印刷された袋。
近くでイベントでもあったのだろう。
先に降りていった二人の友達とさっきまで一緒だった。

それを見て、人間という存在のかわいらしさを想った。
オレもいま幸せな気持ちでいる。

関連記事

「鉄旅日記」2020年晩秋 2日目(砺波-武生)その3‐羽咋、能登部、徳田、七尾、和倉温泉(七尾線) 【大人の休日倶楽部パスで北陸へ。新幹線、在来線特急乗り放題でございます。魚津、雨晴をめぐり、氷見線、万葉線、城端線、七尾線、えちぜん鉄道、福武線、北陸鉄道との再会でございます。】

鉄旅日記2020年11月22日・・・羽咋駅、能登部駅、徳田駅、七尾駅、和倉温泉駅(七尾線)

記事を読む

「鉄旅日記」2022年新春 初日(東京-湯瀬温泉)その1 ‐松戸、神立、友部、水戸、いわき(常磐線) 【巨大な土偶が貼りつく木造駅を見たくて冬の東北を旅しました。】

鉄旅日記2022年1月8日・・・松戸駅、神立駅、友部駅、水戸駅、いわき駅(常磐線) 2022

記事を読む

「鉄旅日記」2017年冬 最終日(喜多方-東京)その2-会津若松、芦ノ牧温泉、大川ダム公園、芦ノ牧温泉南(会津鉄道)/大塚山古墳群【会津へ。会津へ行きたかったのでございます。】

鉄旅日記2017年12月3日・・・会津若松駅、芦ノ牧温泉駅、大川ダム公園駅、芦ノ牧温泉南駅(会津鉄道

記事を読む

「鉄旅日記」2020年如月 初日(東京-大船渡)その3‐多賀城、高城町、石巻、鹿又(仙石線/石巻線) 【東日本大震災で被害を受けた大船渡に泊まりにまいりました。山田線完全乗車も目指しておりましたが・・。】

鉄旅日記2020年2月22日・・・多賀城駅、高城町駅、石巻駅、鹿又駅(仙石線/石巻線) 12:44

記事を読む

「鉄旅日記」2020年盛夏 最終日(門司港-東京)その4‐周防高森、徳山、下松、光(岩徳線/山陽本線)/虹ヶ浜 【コロナ禍の内緒旅VOl.2。宮島へ。錦帯橋へ。筑豊へ。島原へ。千綿駅へ。そして若松~戸畑の渡船。日本晴れの4日間の記録でございます。】

鉄旅日記2020年8月16日・・・周防高森駅、徳山駅、下松駅、光駅(岩徳線/山陽本線)/虹ヶ浜

記事を読む

「鉄旅日記」2017年夏 初日(東京-大垣)その1-保谷、品川、三島、静岡、浜松、鷲津、豊橋、岐阜、蘇原、美濃太田(東海道本線/高山本線)【私鉄王国で過ごす夏】

鉄旅日記2017年8月11日・・・保谷駅、品川駅、三島駅、静岡駅、浜松駅、鷲津駅、豊橋駅、岐阜駅、蘇

記事を読む

「鉄旅日記」2008年皐月 4日目(徳島-善通寺)その2-海部、桑野、阿南、穴吹、佃、琴平、善通寺(牟岐線/徳島本線/土讃本線) 【旅は京都から始まり、山陰から下関へ。そして四国へと渡ったのでございます。】

鉄旅日記2008年5月5日・・・海部駅、桑野駅、阿南駅、穴吹駅、佃駅、琴平駅、善通寺駅(牟岐線/徳島

記事を読む

「車旅日記」2006年皐月 4日目(大曲-青森)その1-大曲グランドホテル、角館駅、羽後中里駅、阿仁合駅、鷹ノ巣駅、大館駅、碇ヶ関駅、大鰐温泉駅、黒石駅 【東京から出かける最後の車旅。関東、東北を2,265㎞走った記録でございます。】

車旅日記2006年5月5日・・・大曲グランドホテル、角館駅、羽後中里駅、阿仁合駅、鷹ノ巣駅、大館駅、

記事を読む

「鉄旅日記」2020年卯月 初日(東京-新津)その4‐置賜、高畠、米沢(奥羽本線) 【緊急事態宣言発令直前のことでございます。常磐線全線運転再開を祝して人知れず旅に出たのでございます。】

鉄旅日記2020年4月4日・・・置賜駅、高畠駅、米沢駅(奥羽本線) 15:32 置賜(

記事を読む

「鉄旅日記」2020年初秋 最終日(高松-東京)その2 ‐茶屋町、岡山、倉敷、倉敷市、水島、常盤、栄、三菱自工前(宇野線/伯備線/水島臨海鉄道)/倉敷センター街、阿智神社、倉敷美観地区 【時空の友を訪ねて讃州高松へ。金比羅さん、瀬戸大橋、大歩危、小歩危などを友とめぐり、義仲寺に寄り、直島に渡り、水島臨海鉄道にも乗った4日間の記録でございます。】

鉄旅日記2020年9月22日・・・茶屋町駅、岡山駅、倉敷駅、倉敷市駅、水島駅、常盤駅、栄駅、三菱自

記事を読む

Message

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

「鉄旅日記」2022年皐月 ツレと訪ねた下部温泉~富士宮~田子の浦旅でございます。初日(東京-下部温泉) ‐市川大門、下部温泉(身延線)【Facbookへの投稿より振り返ります。】

鉄旅日記2022年5月28日・・・市川大門駅、下部温泉駅(身延線)

「鉄旅日記」2022年皐月 最終日(磐梯熱海-東京)その3 ‐駒形、前橋大橋、高崎、本庄(両毛線/高崎線)【日光線全駅乗降を果たし、猪苗代湖畔に遊び、磐梯熱海の湯につかり、国定忠治を訪ねた旅でございます。】

鉄旅日記2022年5月8日・・・駒形駅、前橋大島駅、高崎駅、本庄駅(

「鉄旅日記」2022年皐月 最終日(磐梯熱海-東京)その2 ‐国定(両毛線)/国定忠治墓(養寿寺)【日光線全駅乗降を果たし、猪苗代湖畔に遊び、磐梯熱海の湯につかり、国定忠治を訪ねた旅でございます。】

鉄旅日記2022年5月8日・・・国定駅(両毛線)/国定忠治墓(養寿寺

「鉄旅日記」2022年皐月 最終日(磐梯熱海-東京)その1 ‐磐梯熱海、新白河、小山(磐越西線/東北本線)【日光線全駅乗降を果たし、猪苗代湖畔に遊び、磐梯熱海の湯につかり、国定忠治を訪ねた旅でございます。】

鉄旅日記2022年5月8日・・・磐梯熱海駅、新白河駅、小山駅(磐越西

「鉄旅日記」2022年皐月 初日(東京-磐梯熱海)その4 ‐関都、猪苗代湖畔、上戸、磐梯熱海(磐越西線)/志田浜~上戸浜/伊東園ホテル磐梯向滝【日光線全駅乗降を果たし、猪苗代湖畔に遊び、磐梯熱海の湯につかり、国定忠治を訪ねた旅でございます。】

鉄旅日記2022年5月7日・・・関都駅、猪苗代湖畔駅、上戸駅、磐梯熱

→もっと見る

    PAGE TOP ↑