*

「鉄旅日記」2020年卯月 初日(東京-新津)その1‐松戸、土浦、友部(常磐線) 【緊急事態宣言発令直前のことでございます。常磐線全線運転再開を祝して人知れず旅に出たのでございます。】

公開日: : 最終更新日:2025/05/05 旅話, 旅話 2020年

鉄旅日記2020年4月4日・・・松戸駅、土浦駅、友部駅(常磐線)

2020・4・4 5:29 松戸(まつど)駅(常磐線快速/常磐線/新京成電鉄線 千葉県)
コロナ騒動は加速した。

北陸富山を目指してから2週間。
世界は悲愴と混迷。

闘病中だった志村けんさんは亡くなり、ニューヨークは絶望している。

東京には先週から外出自粛要請が出ている。
そんな中。

都心に出るわけじゃないんだ。
常磐線で人気のない地域を目指している。

罪悪感がないわけじゃないが、オレなりのモラルを持ってクールな旅行者としてこの2日を過ごす。
それにしても朝、靴紐が切れた時は茫然となった。

金町を出るとすぐに江戸川を渡る。
毎朝その景色を楽しみにしている。


今は菜の花の季節。
自然の豊かさを想う黄色い群生は目を楽しませ、自らが暮らす地域を誇りに思う。

かつて車寅次郎が歩き、今は菜の花が咲き誇る。

そんな街を5:24に出て、5:27松戸着。
5:30発快速勝田行に乗り換える。

青春18きっぷ使用期間最後の週末。
その切符を握りしめた聞き分けのない大きな子供たちが、オレと同じように世相に逆らうようにこの列車に乗っている。

痛快ではある。

6:37 土浦(つちうら)駅(常磐線 茨城県)
利根川渡河の際に4月4日のお日様に気づいた。
遠く銚子へと流れていく先に一本の工場煙突を見た。

白煙が上がる。
かつて気づくことのなかった沿線風景を愛している。

3月14日のダイヤ改正から佐貫駅は龍ヶ崎市駅へと駅名が変更になった。
どんな事情があったのか知らないが、オレはこの変化を歓迎しない。

コロナ騒ぎで、すっかり桜の存在が霞んでしまった春。
でも人間界の事情など我関せずとばかりに咲き誇り、牛久沼に霧がたつ。

明治維新まで生き残った土浦藩。
改札を出ると駅ビルに心地よさげな喫茶スペースが設けられている。

霞城口ではなく、霞ヶ浦口へ。
群れからはぐれた鳩が一羽丸まり、しゃがみこんだ若い女性が話しかけ、連れの若いのが先を急ぎたがっていた。

西浦の端にお日様がかぶさっていた。
堤に沿って、桜木がさらに目を楽しませる。


関東じゃ、この週末で桜も終わりだろう。
土浦の桜祭りは明日までとなっていた。

邪悪なウイルスに揺さぶられて落ち着きをなくした世界で、オレがこうして2020年の春を讃えることに意味を感じている。

7:16 友部(ともべ)駅(常磐線/水戸線 茨城県)
土浦を出ると霧に包まれた。
さらに高浜あたりで霧は深くなる。

西浦の端は高浜に及ぶ。
霞ヶ浦は常磐線車窓からほんのわずかしか見えないが、この国で2番目の面積を誇る湖は様々な影響を沿線に与えている。

6分の停車。
水戸線と交わるこの駅には旅情があり、東京一極集中の現在となっては哀愁を漂わせる存在となったターミナル駅。
そのリアルな姿を知っていたいと思う。

古くからの旅館はまだ看板を下ろしていない。

関連記事

「車旅日記」1996年黄金週間【友を訪ねて大阪へ。そして約束の地、金沢へ。夢を見ながら国道を走った日々でございます。】3日目 いよいよ金沢へ‐その1(R1→湖岸道路)伏見、山科西野、大津駅、瀬田駅、守山、彦根

車旅日記1996年5月5日 1996・5・5 11:36 1号国道‐伏見 黄金週間の混雑は古都の上

記事を読む

「車旅日記」2004年秋 番外編(京都で過ごす日)-四条大宮駅、嵯峨駅前駅、嵯峨嵐山駅、京福嵐山駅、阪急嵐山駅、京都駅 【瀬戸内から山陰へ。そんな旅がしたかったのでございます。】

車旅日記番外編2004年11月23日・・・四条大宮駅、嵯峨駅前駅、嵯峨嵐山駅、京福嵐山駅、阪急嵐山駅

記事を読む

「車旅日記」1996年秋 初日 (東京‐新潟) 橋本、拝島、東松山、籠原駅、高崎、月夜野情報サービスセンター、猿ヶ京湖城閣、越後湯沢駅、堀之内パーキング、道の駅豊栄 【夏をあきらめきれず、秋。再び夏のルートへと向かったのでございます。】

車旅日記1996年11月1日 1996・11・1 12:13 東京町田 昨夜の決意は固かったけど、

記事を読む

「鉄旅日記」2021年春【週末パスで信濃へ。妙高高原駅で引き返し、松本の友人を訪ね、大糸線を旅して思い出の白馬へ。先の旅から一週間後のことでございました。】最終日(松本-東京)その3 ‐南小谷、白馬大池、信濃森上、白馬(大糸線)

鉄旅日記2021年4月25日・・・南小谷駅、白馬大池駅、信濃森上駅、白馬駅(大糸線) 11:

記事を読む

「車旅日記」1998年夏 4日目(遠野-釜石-気仙沼-鳴子温泉)-遠野徳田屋旅館、遠野駅、釜石駅、釜石大観音、道の駅高田松原、気仙沼港、南気仙沼駅、小梨駅、一ノ関駅、鳴子サンハイツ 【20代最後の旅でございます。青森港から北海道上陸を目指して北へ向かったのでございますが・・・。】

車旅日記1998年8月15日 1998・8・15 8:00 遠野 徳田屋旅館 4日目。 宿で知り合

記事を読む

「鉄旅日記」2020年神無月【ツレと筑波山を訪ねたのでございます。関東に暮らす身にとりまして、高所に上がりますと平野の果てに浮かぶ筑波山はいつか登るべき山でございました。】-北千住駅、つつじヶ丘駅、女体山、男体山、筑波山頂駅、宮脇駅、筑波山神社、沼田バス停、つくば駅(つくばエクスプレス/筑波山シャトル/筑波山ロープウェイ/筑波山ケーブルカー)

鉄旅日記2020年10月4日・・・北千住駅、つつじヶ丘駅、女体山、男体山、筑波山頂駅、宮脇駅、筑波

記事を読む

「鉄旅日記」2018年如月 初日(東京-直江津)その3-梓橋、姨捨、北長野、三才、直江津(大糸線/篠ノ井線/しなの鉄道/えちごトキめき鉄道)【冬の町を見たくて、週末パスを買いました。】

鉄旅日記2018年2月10日・・・梓橋駅、姨捨駅、北長野駅、三才駅、直江津駅(大糸線/篠ノ井線/しな

記事を読む

「鉄旅日記」2020年如月 2日目(大船渡-釜石)その4‐宮古、陸中山田、釜石(三陸鉄道リアス線) 【東日本大震災で被害を受けた大船渡に泊まりにまいりました。山田線完全乗車も目指しておりましたが・・。】

鉄旅日記2020年2月23日・・・宮古駅、陸中山田駅、釜石駅(三陸鉄道リアス線) 16:22 宮古

記事を読む

「車旅日記」2004年春 2日目(紋別-釧路)走行距離367㎞その2-止別駅、緑駅、裏摩周、摩周駅、塘路駅、釧路湿原駅、細岡駅、釧路パシフィックホテル 【旭川に下りて、思う存分に北の大地を走った旅の記録でございます】

車旅日記2004年5月2日・・・止別駅、緑駅、裏摩周、摩周駅、塘路駅、釧路湿原駅、細岡駅、釧路パシフ

記事を読む

「鉄旅日記」2008年初夏 最終日(松阪-東京)-松阪、鳥羽、伊勢市、宇治山田、亀山、名古屋、豊橋、浜松、熱海(近鉄山田線/参宮線/紀勢本線/関西本線/東海道本線) 【まほろばの路から紀州へ。紀伊半島で過ごした短い夏の記憶でございます。】

鉄旅日記2008年7月21日・・・松阪駅、鳥羽駅、伊勢市駅、宇治山田駅、亀山駅、名古屋駅、豊橋駅、浜

記事を読む

Message

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

「鉄旅日記」2022年新春 2日目(湯瀬温泉-三沢)その3 ‐川部、五所川原、木造(五能線)/神武食堂 【巨大な土偶が貼りつく木造駅を見たくて冬の東北を旅しました。】

鉄旅日記2022年1月9日・・・川部駅、五所川原駅、木造駅(五能線)

「鉄旅日記」2022年新春 2日目(湯瀬温泉-三沢)その2 ‐東大館、大館、弘前(花輪線/奥羽本線) 【巨大な土偶が貼りつく木造駅を見たくて冬の東北を旅しました。】

鉄旅日記2022年1月9日・・・東大館駅、大館駅、弘前駅(花輪線/奥

「鉄旅日記」2022年新春 2日目(湯瀬温泉-三沢)その1 ‐湯瀬温泉、鹿角花輪、十和田南(花輪線)/和心の宿姫の湯 【巨大な土偶が貼りつく木造駅を見たくて冬の東北を旅しました。】

鉄旅日記2022年1月9日・・・湯瀬温泉駅、鹿角花輪駅、十和田南駅(

「鉄旅日記」2022年新春 初日(東京-湯瀬温泉)その3 ‐盛岡、渋民、八幡平、湯瀬温泉(IGRいわて銀河鉄道/花輪線) 【巨大な土偶が貼りつく木造駅を見たくて冬の東北を旅しました。】

鉄旅日記2022年1月8日 盛岡駅、渋民駅、八幡平駅、湯瀬温泉駅(I

「鉄旅日記」2022年新春 初日(東京-湯瀬温泉)その2 ‐竜田、原ノ町、鹿島、仙台、小牛田、一ノ関(常磐線/東北本線) 【巨大な土偶が貼りつく木造駅を見たくて冬の東北を旅しました。】

鉄旅日記2022年1月8日・・・竜田駅、原ノ町駅、鹿島駅、仙台駅、小

→もっと見る

    PAGE TOP ↑