*

「鉄旅日記」2020年晩秋 最終日(武生-東京)その3‐西金沢、新西金沢、野町、鶴来、金沢、上野(北陸鉄道石川線/北陸新幹線) 【大人の休日倶楽部パスで北陸へ。新幹線、在来線特急乗り放題でございます。魚津、雨晴をめぐり、氷見線、万葉線、城端線、七尾線、えちぜん鉄道、福武線、北陸鉄道との再会でございます。】

公開日: : 最終更新日:2025/05/04 旅話, 旅話 2020年

鉄旅日記2020年11月23日・・・西金沢駅、新西金沢駅、野町駅、鶴来駅、金沢駅、上野駅(北陸鉄道石川線/北陸新幹線)

11:43 西金沢(にしかなざわ)駅(北陸本線 石川県)にて

11:57  新西金沢(しんにしかなざわ)駅(北陸鉄道石川線 石川県)
北鉄の鉄路として浅野川線と共に現在に生きる石川線。乗り換えのために西金沢で下りる。

西金沢駅は北陸新幹線橋脚の出現により変貌していた。おそらく建設にあたり旧駅舎の存在が障害となったのだろう。開業当初の駅名は野々市で、先に降りた野々市駅の歴史は新しく、1968年の開業。

駅前ロータリーを間に置く乗換駅の新西金沢駅に変化はなく、駅舎の先に昭和を見る。国鉄の歴史に倣い、開業時は新野々市駅だった。

踏み切りを越えて通りに出ると、家並みに懐かしさを感じてスマホを向けた。

12:08  野町(のまち)駅(北陸鉄道石川線 石川県)
新西金沢から2駅。滞在時間4分で折り返す。この駅にも変化はなく、場末の感がある。

12年前に降りた際は駅近くの情緒を感じさせる道を歩いたが、あれはどこだったのだろう。当時は場末感など持たなかった。

現在終着駅の野町駅はかつてターミナル駅であり、1955年に廃止された松任とを結ぶ松金線、1967年に廃止された金沢市内線とつながっていた過去を持ち、石川線は1972年まで野町のひとつ先の白菊町まで延びていてた。

新西金沢を出ると大きくカーブを切る。時にまるで住宅の隙間を往くかのように石川線は進む。

向かいに世の中のすべてが気に入らないとばかりに舌打ちや独り言を繰り返す男がいる。

どうしてそうなったのか。大人になって、この社会で暮らしていれば、誰もがその原因は見いだせるだろう。踏みとどまる何事かを持ち得た者と、持ち得なかった者の違いか。

何事かとは、大層なものではないが、生きてきた中で培った美学は含まれる。

12:50  鶴来(つるぎ)駅(北陸鉄道石川線 石川県)
12年前はこの先の加賀一の宮が終着駅だった。あの駅で降りて神々しい参道を上がったが、あれは白山比咩神社だったのだろう。

当時のオレには神も仏もなかったが、51歳になったオレが毎朝神仏に祈るようになったことを知れば、あるいは驚くかもしれない。

観光案内を見ると、11年前に廃駅になった旧加賀一の宮駅舎は保存されているようだ。あの駅舎は重要文化財として残すべきだ。

加賀一の宮から先も33年前までは金沢と名古屋を結ぶという大構想の元に立ちあがった金名線が延びていた。

ここにも味のある歴史的な駅舎が立っている。40年前までは北陸本線へとつながる能美線と接続するターミナル駅で、石川線と能美線は直通運転をしていたとのこと。

あたりを歩いたが誘うものはなく、酒を飲むにも店はなく、10分で立ち去ることに決めた。

地名から推し量れば、文字通り鶴が舞い降りた町なのだろうか。あるいはそれは「しらやまさん」の使者でもあったのかもしれない。

念のためググれば、金剱宮の門前町剱を由来とするとのこと。鶴のことは一言も書かれていない。

13:42  金沢(かなざわ)駅(北陸新幹線/北陸本線/七尾線/IRいしかわ鉄道 石川県)

新西金沢に戻り一風景を写す。西金沢での乗り継ぎはよく、順調に金沢に到着。

本来は富山から高山本線で越中八尾までの往復を計画していたが、富山から新幹線自由席を得る困難を思い、次の「はくたか」で東京に帰ることにした。

いつの旅にも積み残しはある。富山からは岩瀬浜にも行かなきゃならない。こうして次の旅が計画される。

無性に湯豆腐が食べたい。早めに旅を切り上げる理由のひとつにそれがある。

16:55  上野(うえの)駅(東北・北海道新幹線/上越新幹線/北陸新幹線/東北本線/山手線/京浜東北・根岸線/常磐線/上野東京ライン/東京メトロ銀座線/東京メトロ日比谷線 東京都)
「はくたか」は金沢から約3時間で上野に着いた。

やはり富山で自由席も埋まり、長野、高崎、大宮と立ち客を増していく。

空に近い新幹線からは月を見つけやすい。今夜は上弦の月か。半分の月が晴天の善光寺平上空に見られた。

新型コロナウイルスの脅威は理解しているが、旅行者移動者それぞれが適切かつ冷静な態度でいる。十分に理解しているのだ。

もうこれ以上規制は必要ない。

関連記事

「鉄旅日記」2012年春 その2-新清水、静岡、草薙、興津、裾野、御殿場、駿河小山、国府津、逗子、横須賀、田浦、新川崎(東海道本線、静岡鉄道、御殿場線、横須賀線) 【青春18きっぷで、鶴見線・伊豆・駿河途中下車旅】

鉄旅日記2012年4月8日その2・・・新清水駅、静岡駅、草薙駅、興津駅、裾野駅、御殿場駅、駿河小山駅

記事を読む

「鉄旅日記」2018年如月 初日(東京-直江津)その2-三つ峠、塩山、酒折、塩尻、新島々、西松本、松本(富士急行/中央本線/アルピコ交通上高地線) 【冬の町を見たくて、週末パスを買いました。】

鉄旅日記2018年2月10日・・・三つ峠駅、塩山駅、酒折駅、塩尻駅、新島々駅、西松本駅、松本駅(富士

記事を読む

「鉄旅日記」2020年文月 初日(東京-香住)その1‐東京、国府津、小田原、三島(東海道本線) 【コロナ禍でございます。内緒の旅でございました。余部鉄橋へ。萩へ。霧の街へ。東京五輪延期で浮いた4連休の記録でございます。】

鉄旅日記2020年7月23日・・・東京駅、国府津駅、小田原駅、三島駅(東海道本線) 2020

記事を読む

「鉄旅日記」2017年夏 3日目(姫路-十三)その2-新開地、湊川、鈴蘭台、三木上の丸、三木城址、三木、粟生、神鉄三田、ウッディタウン中央、横山、有馬口、有馬温泉、鵯越(神戸電鉄有馬線/粟生線/三田線/公園都市線) 【私鉄王国で過ごす夏】

鉄旅日記2017年8月13日・・・新開地駅、湊川駅、鈴蘭台駅、三木上の丸駅、三木駅、粟生駅、神鉄三田

記事を読む

「車旅日記」2005年初夏 初日(長岡-山形)走行距離388㎞ その1-長岡駅、小出駅、田子倉駅、只見駅、会津水沼駅、会津坂下駅、猪苗代駅 【長岡、会津、庄内。戊辰戦争ゆかりの地を巡りたかったのだと記憶しております。】

車旅日記2005年7月16日・・・長岡駅、小出駅、田子倉駅、只見駅、会津水沼駅、会津坂下駅、猪苗代駅

記事を読む

「鉄旅日記」2014年夏 2日目(津山-鳥取)その1-津山、坪井、久世、中国勝山、刑部、新見、総社、備中高松、吉備津(姫新線、伯備線、吉備線)/高松城址 【青春18きっぷで、中国ぶらぶら旅】

鉄旅日記8月14日その1・・・津山駅、坪井駅、久世駅、中国勝山駅、刑部駅、新見駅、総社駅、備中高松駅

記事を読む

鉄旅日記」2012年初冬 最終日(長野-東京)その2-小諸、岩村田、佐久平、中込、臼田、小海、野辺山、清里、大月(小海線、中央本線) 【週末パスで、甲信越途中下車旅】

鉄旅日記2012年12月9日その2・・・小諸駅、岩村田駅、佐久平駅、中込駅、臼田駅、小海駅、野辺山駅

記事を読む

「鉄旅日記」2022年弥生vol.2 最終日(静岡-東京)その3 ‐南甲府、金手、甲府、八王子、京王八王子(身延線/中央本線)/甲府城跡 【念願の大井川鐡道に乗る旅。帰りは身延線経由、武蔵野線全駅下車達成でございます。】

鉄旅日記2022年3月21日・・・南甲府駅、金手駅、甲府駅、八王子駅、京王八王子駅(身延線/中央本

記事を読む

「鉄旅日記」2019年霜月 初日(東京-五所川原)その4‐青森、新青森、津軽新城、鶴ヶ坂、浪岡(奥羽本線) 【津軽鉄道、弘南鉄道に乗りにいきました。羽州街道を歩いた晩秋の旅でございます。】

鉄旅日記2019年11月2日・・・青森駅、新青森駅、津軽新城駅、鶴ヶ坂駅、浪岡駅(奥羽本線) 19

記事を読む

「鉄旅日記」2019年師走 最終日(酒田-東京)その3‐押切、帯織、長岡(信越本線) 【由利高原鉄道鳥海山ろく線に乗りにいきました。初冬の日本海は荒々しく、美しゅうございました。】

鉄旅日記2019年12月8日・・・押切駅、帯織駅、長岡駅(信越本線) 15:35 押切(おしきり)

記事を読む

Message

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

「鉄旅日記」2022年皐月 初日(東京-磐梯熱海)その4 ‐関都、猪苗代湖畔、上戸、磐梯熱海(磐越西線)/志田浜~上戸浜/伊東園ホテル磐梯向滝【日光線全駅乗降を果たし、猪苗代湖畔に遊び、磐梯熱海の湯につかり、国定忠治を訪ねた旅でございます。】

鉄旅日記2022年5月7日・・・関都駅、猪苗代湖畔駅、上戸駅、磐梯熱

「鉄旅日記」2022年皐月 初日(東京-磐梯熱海)その3 ‐黒磯、泉崎、白河、郡山(東北本線) 【日光線全駅乗降を果たし、猪苗代湖畔に遊び、磐梯熱海の湯につかり、国定忠治を訪ねた旅でございます。】

鉄旅日記2022年5月7日・・・黒磯駅、泉崎駅、白河駅、郡山駅(東北

「鉄旅日記」2022年皐月 初日(東京-磐梯熱海)その2 ‐文挟、鹿沼、鶴田、宇都宮(日光線) 【日光線全駅乗降を果たし、猪苗代湖畔に遊び、磐梯熱海の湯につかり、国定忠治を訪ねた旅でございます。】

鉄旅日記2022年5月7日・・・文挟駅、鹿沼駅、鶴田駅、宇都宮駅(日

「鉄旅日記」2022年皐月 初日(東京-磐梯熱海)その1 ‐金町、上野、宇都宮(常磐線/東北本線) 【日光線全駅乗降を果たし、猪苗代湖畔に遊び、磐梯熱海の湯につかり、国定忠治を訪ねた旅でございます。】

鉄旅日記2022年5月7日・・・金町駅、上野駅、宇都宮駅(常磐線/東

「鉄旅日記」2022年弥生vol.2 最終日(静岡-東京)その5 ‐東浦和、東川口、吉川、吉川美南、南流山(武蔵野線) 【念願の大井川鐡道に乗る旅。帰りは身延線経由、武蔵野線全駅下車達成でございます。】/江戸川堤菜の花絶景

2022年3月21日・・・東浦和駅、東川口駅、吉川駅、吉川美南駅、南

→もっと見る

    PAGE TOP ↑