*

「鉄旅日記」2011夏【みちのくひとり旅】2日目(秋田-函館)-秋田、男鹿、追分、八郎潟、北金岡、大館、浪岡、新青森、青森、中沢、郷沢、蟹田、三厩、五稜郭、函館(男鹿線/奥羽本線/津軽線/津軽海峡線/江差線)

公開日: : 最終更新日:2025/06/18 旅話, 旅話 2011年

鉄旅日記2011年8月14日・・・秋田駅、男鹿駅、追分駅、八郎潟駅、北金岡駅、大館駅、浪岡駅、新青森駅、青森駅、中沢駅、郷沢駅、蟹田駅、三厩駅、五稜郭駅、函館駅(男鹿線/奥羽本線/津軽線/津軽海峡線/江差線)

2011・8・14 5:46 秋田(あきた)駅(秋田新幹線/奥羽本線/羽越本線/男鹿線 秋田県)
秋田美人を思わせるどことなく清楚な街のたたずまい。
秋田駅をオレは覚えていたよ。

秋田市内にいるのはいつも夜だったと錯覚していたけど、正確に思い出した。
一度だけ朝にいたことがある。
象潟に泊まった翌日のことだ。

日本の道100選というのがあるそうだが、そのひとつに選ばれているお堀端広小路を約10分。
宿泊したホテル「はくと」は旭川沿いにあった。

街を流れている風を気に入った朝。
駅に着く頃には湿気がまとわりついていた。
もうじきに離れる。

心地いい眠気と共にいる。
秋田は夜も朝も人通り車通りとも少なく、ひっそりと清潔感を漂わせている。

7:12 男鹿(おが)駅(男鹿線 秋田県)
夏の陽に焼かれたかつての男鹿駅。

上空には暗雲がたれこめ、船川港には腐臭が漂い、町はいつまでも眠っていそうな気配だ。
ヤマセはここにも吹くのか?
そんな風に吹かれたよ。

酒田も男鹿も記憶と違っている。
どうしてこうも小さく見えるのか。
当時の感動が再来しないことに苛立っている。

ほんの少しだけ寂しい気持ちでいるよ。

8:02 追分(おいわけ)駅(奥羽本線/男鹿線 秋田県)
男鹿線起点駅に戻る。

折り返しの車内ではずっと眠っていた。
ここで大館行に乗り換え。

男潟、女潟を巡る散歩コースの案内に惹かれた。

完全に朝になった秋田県内。
駅には人が集まってきている。

先の信号所で交換待ち停車。

8:29 八郎潟(はちろうがた)駅(奥羽本線 秋田県)
八郎太郎の伝説の地。

よくは知らないが竜の話らしい。
東北には民話伝説の類が似合う。

広大な秋田平野の先に八郎潟が見える。

八郎潟の干拓は子供の頃に社会科の授業で習ったな。
車窓風景が素晴らしい。

8:53 北金岡(きたかなおか)駅(奥羽本線 秋田県)
商店のない駅前。

簡素な駅舎はまるで集落の中の一軒のようだった。

ご高齢のご婦人が一人下りていった。

10:33 大館(おおだて)駅(奥羽本線/花輪線 秋田県)
あの日は雨だった。
鷹ノ巣から大館に向かう国道の風景を退屈だと感じていた。

でも今日は違った。
奥羽の山河は美しかった。

しかし大館駅を降りてまたもや途方に暮れることになる。
やはり記憶との誤差に対してだ。

あの廃線跡を通るまで、実は街の記憶は記憶は消えていた。
以前も確かに通ったアーケード街。
そこにオレの用を満たす店は存在せず、すぐに引き返す。

スナック街が団地の1階を占拠していた。
変わった趣向だ。
住民はきっとおおらかなのだろう。

大館は忠犬ハチ公の故郷だという。
今でさえ遠い東京まで、よくぞはるばる上ったものだ。

知人のAさんはこの街に嫁ぎ、やがて息子のみを連れて東京に戻ってきた。
亭主の不義が原因らしいが、この街の暮らしに耐えられなかったとも聞く。

大館には毎年厳しい冬がやってくる。

こんな夏の日にもその寒さを想像することができる。
あたりの山河を見れば分かるよ。
専門的な話をするつもりはないけれど。

この駅には明日も降り立つ。
街に着くといつも夜の姿を想像するが、そんなことをしなくても明日になれば分かる。

11:53 浪岡(なみおか)駅(奥羽本線 青森県)
能代商業甲子園2回戦突破。

うれしいね。
その能代を明日通る。

津軽平野の近代的な集落で3分停車。

新しい駅舎と整備されたロータリーがそう感じさせる。

リンゴ農園には美を感じる。

あるいは岩木山も見えていたのかもしれない。

12:19 新青森(しんあおもり)駅(東北新幹線/奥羽本線 青森県)
青森手前の平野に忽然と現れた新幹線駅。

新幹線がやってきた青森にも、そのことで悩みが生じたと聞いたが、青森にとって悪い話であるわけがない。

ただ、さすがに駅前にはまだ何もなく、当然の如くすべてが新しい。

13:00 青森にて
やあ、起きたかい。

昨夜楽しかったようでなによりなにより。
北の空の下で元気に旅してます。

青森に着いたよ。
これから本州最果ての駅まで行って、ちょっと戻って、青函トンネルくぐって、そんで函館。

着くのは18:00前だよ。
そんじゃ今日も楽しんでねー。

13:32 中沢(なかさわ)駅(津軽線 青森県)
駅舎もない駅で7分停車。
オレと一緒に下りたおばあさんは難儀の末に今、最後の階段を下っていった。

田圃に囲まれた、廃屋でもあれば似合いそうな駅だった。
津軽線ではそんな駅がずっと続いている。

13:38蓬田着。

海峡の海はまだ見えない。
もし見えたら、そこには道があり、オレはかつてそこを爆走したことがある。

13:45 郷沢(ごうさわ)駅(津軽線 青森県)
ここでも数分の停車。

変わらず退屈な風景が続いている。

津軽弁を操る老人が何か大声を出した。

ひとつとして言葉を理解することはできなかった。

14:14 蟹田(かにた)駅(津軽線/津軽海峡線 青森県)
あの藤色の花の名は。

海峡の海が見え、国道とも並走しだした。
オレにとって3度目の津軽路。

さっき海を眺めた浜の名は外ヶ浜。
去年大切な出会いがあり、共に暮らし、そして今ひとりで海を見ていた。

単純に海を愛でればいいのだと思った。
以前は恋だの愛だのを間において眺めていたんだ。
こうなれてよかったよ。

ありふれた漁村の風景と名産売りの建物。
太宰治の小説「津軽」に登場する町で、食べ物の豊かなところだと書かれてた筈だ。

前回通った時に寄りたかった場所だから、今回この旅の計画を立てた時から楽しみにしていたよ。

14:26中小国発。
ここも懐かしい。

あの日は雨で、どういう理由か知らないが、車の中でラジオの野球中継を聞いている男がいた。

オレはその男の横に車を止めて、簡素な駅へと歩いていったんだ。

15:18 三厩(みんまや)駅(津軽線 青森県)
外ヶ浜街道に暮らしは続いていた。

津軽線最果てはここ三厩。
竜飛崎観光を謳っている。

ここにも義経伝説が残り、近くに義経寺がある。
平泉を逃れ、大陸に渡ったという話だろう。

太宰治「津軽」の一節を記した額がかかった駅舎は変わっていないが、もっとぼろぼろだったような気がする。
壁の塗り替えくらいはしたのかもしれない。

廃墟と化したスナックのネオンサインは現役を思わせた。
あるいは雪に埋もれると、たいていの塵埃がこそげ落ちるのだろうか。

今別に奥津軽駅として新幹線駅が誕生するという。

三厩に吹いていた風の音を記憶に残したいと思った。

蟹田まで戻り、北の大地に渡る。

18:54 五稜郭(ごりょうかく)駅(函館本線/江差線 青森県)
海底トンネルから北の大地に上陸して1時間。

函館駅から歩き始め、土方歳三最期の地に詣で、ここ五稜郭駅まで。
結局オレはこれがやりたかったようだ。

函館駅前は人でいっぱいだった。
だからとても大きな街に着いたと感じた。

今はここで暮れ行く空の下で風に吹かれている。
これはこれで粋じゃないかと思ってる。

さっきここを出ていく大阪行の超豪華特急が出ていくところに立ち会った。

土方歳三最期の地にて

19:18 函館にて
いったん函館に着いて歩き回って、今は五稜郭駅で風に吹かれている。いい風だよ。
さすがに北の大地。
涼しいぜ。

そんでまた函館駅に戻るんだ。ここでこうしているうちに夜になった。
オレ的にはとても粋な時間だったよ。
さあ、何食おう。
明日からまた頑張ってな。

関連記事

「鉄旅日記」2020年初秋 2日目(高松)その1 ‐瀬戸大橋遠景、丸亀城、少林寺、津嶋神社参道、津島ノ宮駅、詫間海軍航空隊跡、箱浦(浦嶋伝説の地)、父母ヶ浜 【時空の友を訪ねて讃州高松へ。金比羅さん、瀬戸大橋、大歩危、小歩危などを友とめぐり、義仲寺に寄り、直島に渡り、水島臨海鉄道にも乗った4日間の記録でございます。】

車旅日記2020年9月20日・・・瀬戸大橋遠景、丸亀城、少林寺、津嶋神社参道、津島ノ宮駅、詫間海軍

記事を読む

「鉄旅日記」2009年秋 4日目(佐賀-松浦)その2-大村、竹松、早岐、佐世保、佐世保中央、中佐世保、左石、佐々、たびら平戸口、松浦(大村線/佐世保線/松浦鉄道) 【遅い夏休みをとり、長崎までの切符を買いました。】

鉄旅日記2009年9月21日・・・大村駅、竹松駅、早岐駅、佐世保駅、佐世保中央駅、中佐世保駅、左石駅

記事を読む

「鉄旅日記」2012年夏【青春18きっぷで、富山・岐阜途中下車旅】最終日(富山-東京)その2-美濃太田、可児、姫、下切、南木曽、田立、勝沼ぶどう郷(太多線、中央本線)

鉄旅日記2012年8月26日その2・・・美濃太田駅、可児駅、姫駅、下切駅、南木曽駅、田立駅、勝沼ぶど

記事を読む

「鉄旅日記」2019年如月 初日(東京-安中)その2-伊豆急下田、伊豆高原、橋本、八王子、東福生、福生、拝島(伊豆急行線/横浜線/八高線/青梅線) 【週末パスで東京から伊豆。そして上州、信州へ。友人は言ったものでございます。何気に大層な移動距離だと。】

鉄旅日記2019年2月9日・・・伊豆急下田駅、伊豆高原駅、橋本駅、八王子駅、東福生駅、福生駅、拝島駅

記事を読む

「鉄旅日記」2020年文月 2日目(香住-東萩)その2‐浜坂、東浜、福部、鳥取(山陰本線) 【コロナ禍でございます。内緒の旅でございました。余部鉄橋へ。萩へ。霧の街へ。東京五輪延期で浮いた4連休の記録でございます。】

鉄旅日記2020年7月24日・・・浜坂駅、東浜駅、福部駅、鳥取駅(山陰本線) 8:55&nb

記事を読む

「鉄旅日記」2008年初秋 最終日(福井-東京)-福井駅前、武生新、武生、大府、武豊、知多武豊、刈谷、安城、蒲郡、東京葛飾(福井鉄道福武線/北陸本線/東海道本線/武豊線) 【秋になると北陸に行きたくなるものでございます。能登半島をはじめ、いくつもの終着駅へと行き着いたのでございます。】

鉄旅日記2008年9月15日・・・福井駅前駅、武生新駅、武生駅、大府駅、武豊駅、知多武豊駅、刈谷駅、

記事を読む

「鉄旅日記」2019年年始 初日(東京-一ノ関)その1-金町、上野、高崎、六日町、長岡、見附(常磐線/高崎線/上越線/信越本線) 【雪が見たくて北へ向かいました。そして初めて仙台空港線に乗ったのでございます。】

鉄旅日記2019年1月5日・・・金町駅、上野駅、高崎駅、六日町駅、長岡駅、見附駅(常磐線/高崎線/上

記事を読む

「車旅日記」1998年夏 初日(東京-伊那-木曽)-東京町田、相模湖駅、鳥沢駅、道の駅甲斐大和、勝沼、長坂、伊那市駅、道の駅日義 木曽駒高原 【伊那、木曽から志賀高原へ。気乗りのしない旅で選んだ行き先は、初夏の信濃路でございました。】

車旅日記1998年7月18日 1998・7・18 12:48 東京町田 久しぶりに空がよく晴れてい

記事を読む

「鉄旅日記」2021年秋 最終日(飯坂温泉-東京)その1 ‐飯坂温泉駅、福島駅(福島交通飯坂線/奥羽本線) 【4度目の緊急事態宣言明け。これ以降そのようなものが発令されることはございませんでした。阿武隈急行、峠駅、立石寺。お宿は飯坂温泉。秋の東北を満喫すべく常磐線に乗りました。】

鉄旅日記2021年10月10日・・・飯坂温泉駅、福島駅(福島交通飯坂線/奥羽本線) 2021

記事を読む

「鉄旅日記」2020年文月 初日(東京-香住)その5‐並河、園部、胡麻、下山、福知山(山陰本線) 【コロナ禍でございます。内緒の旅でございました。余部鉄橋へ。萩へ。霧の街へ。東京五輪延期で浮いた4連休の記録でございます。】

鉄旅日記2020年7月23日・・・並河駅、園部駅、胡麻駅、下山駅、福知山駅(山陰本線) 16

記事を読む

Message

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

「鉄旅日記」2022年盛夏 2日目(伊那市-高松)その2 ‐木曽福島、上松、大桑、大垣、姫路(中央本線/東海道本線/山陽本線)【讃州高松に時空の友を訪ねて。小海線、津山線、播但線、山陰本線の駅旅も印象深い旅でございます。】

鉄旅日記2022年8月12日・・・木曽福島駅、上松駅、大桑駅、大垣駅

「鉄旅日記」2022年盛夏 2日目(伊那市-高松)その1 ‐伊那市、辰野、岡谷、塩尻(飯田線/中央本線)【讃州高松に時空の友を訪ねて。小海線、津山線、播但線、山陰本線の駅旅も印象深い旅でございます。】

鉄旅日記2022年8月12日・・・伊那市駅、辰野駅、岡谷駅、塩尻駅(

「鉄旅日記」2022年盛夏 初日(東京-伊那市)その4 ‐岡谷、北殿、伊那北、伊那市(飯田線)/ホテル青木【讃州高松に時空の友を訪ねて。小海線、津山線、播但線、山陰本線の駅旅も印象深い旅でございます。】

鉄旅日記2022年8月11日・・・岡谷駅、北殿駅、伊那北駅、伊那市駅

「鉄旅日記」2022年盛夏 初日(東京-伊那市)その3 ‐龍岡城、小海、青柳、下諏訪(小海線/中央本線)【讃州高松に時空の友を訪ねて。小海線、津山線、播但線、山陰本線の駅旅も印象深い旅でございます。】

鉄旅日記2022年8月11日・・・龍岡城駅、小海駅、青柳駅、下諏訪駅

「鉄旅日記」2022年盛夏 初日(東京-伊那市)その2 ‐横川、軽井沢、平原、乙女、馬流(信越本線/JRバス関東碓氷線/しなの鉄道/小海線)/秩父事件戦死者の墓【讃州高松に時空の友を訪ねて。小海線、津山線、播但線、山陰本線の駅旅も印象深い旅でございます。】

鉄旅日記2022年8月11日・・・横川駅、軽井沢駅、平原駅、乙女駅、

→もっと見る

    PAGE TOP ↑