*

「鉄旅日記」2008年初夏 初日(東京-和歌山)その2-畝傍、高田、大和高田、近鉄郡山、郡山、王寺、五条、和歌山(桜井線/近鉄大阪線/近鉄橿原線/和歌山線) 【まほろばの路から紀州へ。紀伊半島で過ごした短い夏の記憶でございます。】

公開日: : 最終更新日:2025/06/11 旅話, 旅話 2008年

鉄旅日記2008年7月19日・・・畝傍駅、高田駅、大和高田駅、近鉄郡山駅、郡山駅、王寺駅、五条駅、和歌山駅(桜井線/近鉄大阪線/近鉄橿原線/和歌山線)

15:03 畝傍(うねび)駅(桜井線 奈良県)
歴史的な駅舎がある。


町が見える。
街道に面しているのか車通りが多い。

畝傍山、香具山。
富士山型のが畝傍山。
麓までと思ったが、小川が流れる涼しい場所で引き返した。


想像以上に町は大きく、近鉄沿線にある橿原神宮にJR駅から行くなら、ここで降りるようだ。

畝傍山も香具山も神性をまとい、太古の人々は礼拝の対象にしていたが、現在にその思いは引き継がれているのだろうか。

大きな構内には集積所が設けられている。
運ばれるのは木材か。

畝傍山が遠ざかる。

15:25 高田(たかだ)駅(桜井線/和歌山線 奈良県)にて

15:40 大和高田(やまとたかだ)駅(近鉄大阪線 奈良県)
JRから近鉄へ。
目指すは郡山。

交通の要衝高田は、郊外都市やベッドタウンといった表現が当てはまるような典型的な姿をしている。
古都にまつわる神的な要素は隠され、中層マンションや高圧電線塔が目立つ。

近鉄沿線の風景はJRとはずいぶん違い、郊外の風情。

大和八木に着く。
JRを外れると、どこの町でも不案内になる。

しかしこの大和八木は巨大なターミナル駅だ。

16:26 近鉄郡山(きんてつこおりやま)駅(近鉄橿原線 奈良県)にて

16:48 郡山(こおりやま)駅(関西本線 奈良県)
わっしょいの掛け声と太鼓の音が止んだ。
子供を中心にした祭の一団のパフォーマンス。

大和大納言豊臣秀長の100万石の城下町を近鉄からJRへと歩く。

JR周辺は集合住宅ばかりが目立つ。

江戸時代は天領だったか。

歴史の表舞台から消えて、目の前を豊かな田園が行き過ぎる。

駐輪場のおじさんも好人物。

17:26 王寺(おうじ)駅(関西本線/和歌山線 奈良県)
王寺機関区を擁する大鉄道駅に着いた。

ここを最初に通ったのは何年前のことになるのか。
当時はこのあたりを知る由もない。

王寺に一歩を記した。
そうした感慨がある。

賑わいを見せているのは駅周辺だけのようだ。
遠くに生駒山を望む。

関西私鉄の雄、近鉄は王寺から2本の線を敷いているが、地理をうまくつかめない。

不思議だが、一日中こうして関西地区をうろついていると、オレが東京から来た男などではなく、元々こっちの人間に思えてくる。

人々が人懐こいのだろう。

18:48 五条(ごじょう)駅(和歌山線 奈良県)
素朴な夕焼け空を眺めている。

ホームには吉野川祭の提灯が揺れている。

学生たちは高田方面に向かう列車に乗り込み、和歌山行を待つ姿は少ない。

すでに過ぎ去った吉野口では多くの乗降があった。
あの旅情あふれる駅も懐かしい。

高田を過ぎると「ICOCA」は使えず、この駅は自動改札への移行も遅れている。

素朴な街だ。

天誅組に襲われた代官所跡や吉野川を見たかったが、足を痛めた。

今日もいい旅だった。

23:05 和歌山東急イン436号
闇の中の和歌山線沿線を描写することはできない。

かつて寄った橋本駅で長く停車している間に眠ってしまい、目覚めてから見た風景は、闇の中のわずかな灯であり続けた。

和歌山駅の改札を抜けた風景には見覚えがあった。
あのスナック街の明かりに覚えがあった。

美味い和歌山ラーメンを食わせる駅前の店に入る。

ご主人もおかみさんも好人物で、先客としてきていた少年たちに、「和歌山商業のにーさんたちかい」と笑顔で話しかけ、会話は続いている。

少年たちも煙たがったりしない。

何より彼等は学校名が入ったジャージやTシャツを堂々と来ている。
そこが違う。

オレは20年以上前の高校生だが、着ていたジャージに学校名や剣道部などとは入っていなかった。

彼等はきっと立派な大人へと育つだろう。

ホテルはお堀端にある。
確かめて、歩き始める。

和歌山城のライトアップは22時に終了した。

夕暮れの音楽が流れていた。
「今日も陽は落ちて」。

音楽が鳴りやんだら灯が落ちた。

徳川吉宗と徳川家茂。
かつて天下人を二人輩出した街の象徴が、今もお城であることが素晴らしい。

それが歴史を持つ街というものだろう。

関連記事

「鉄旅日記」2011年夏【みちのくひとり旅】3日目(函館-鹿角花輪)-函館、木古内、湯ノ岱、江差、津軽新城、川部、深浦、能代、東能代、十和田南(江差線/津軽海峡線/奥羽本線/五能線/花輪線)

鉄旅日記2011年8月15日・・・函館駅、木古内駅、湯ノ岱駅、江差駅、津軽新城駅、川部駅、深浦駅、能

記事を読む

「鉄旅日記」2022年弥生vol.2 初日(東京-焼津)その4 ‐アプトいちしろ、川根小山、千頭、金谷、焼津(大井川鐡道井川線/大井川鐡道本線/東海道本線)/焼津温泉やいづマリンパレス 【念願の大井川鐡道に乗る旅。帰りは身延線経由、武蔵野線全駅下車達成でございます。】

鉄旅日記2022年3月19日・・・アプトいちしろ駅、川根小山駅、千頭駅、金谷駅、焼津駅(大井川鐡道

記事を読む

「鉄旅日記」2021年師走 初日(東京-古川)その2 ‐水沢江刺、盛岡、上米内(東北新幹線/山田線)【特急乗り放題の大人の休日倶楽部パスで冬の国へ。山田線完全乗車と鳴子温泉郷を始めとした陸羽東線沿線を歩くことが目的でございました。】

鉄旅日記2021年12月4日・・・水沢江刺駅、盛岡駅、上米内駅(東北新幹線/山田線) 9:4

記事を読む

「鉄旅日記」2022年新春 2日目(湯瀬温泉-三沢)その1 ‐湯瀬温泉、鹿角花輪、十和田南(花輪線)/和心の宿姫の湯 【巨大な土偶が貼りつく木造駅を見たくて冬の東北を旅しました。】

鉄旅日記2022年1月9日・・・湯瀬温泉駅、鹿角花輪駅、十和田南駅(花輪線)/和心の宿姫の湯

記事を読む

「鉄旅日記」2020年盛夏 初日(東京-防府)その1‐金町、東京、広島(常磐線/京浜東北線/東海道・山陽新幹線) 【コロナ禍の内緒旅VOl.2。宮島へ。錦帯橋へ。筑豊へ。島原へ。千綿駅へ。そして若松~戸畑の渡船。日本晴れの4日間の記録でございます。】

鉄旅日記2020年8月13日・・・金町駅、東京駅、広島駅(常磐線/京浜東北線/東海道・山陽新幹線)

記事を読む

「鉄旅日記」2018年秋 初日(松戸-流山-潮来-銚子-東金-松戸)その3-笹川、外川、犬吠、犬吠埼、銚子、椎柴、松岸(成田線/銚子電鉄)【サンキューちばフリーパスでめぐる上総下総安房旅】

鉄旅日記2018年9月22日・・・笹川駅、外川駅、犬吠駅、銚子駅、椎柴駅、松岸駅(成田線/銚子電鉄)

記事を読む

「鉄旅日記」2018年弥生 最終日(会津若松-新潟-吉田-三条-東京)その2-新潟、白山、内野、巻、吉田、燕(越後線/弥彦線) 【青春18きっぷを握り、目指したのはまたしても会津。練馬から旅立つ最後の旅でございます。】

鉄旅日記2018年3月4日・・・新潟駅、白山駅、内野駅、巻駅、吉田駅、燕駅(越後線/弥彦線) 11

記事を読む

「鉄旅日記」2016年夏 2日目(弘前-小樽)その1-弘前、蟹田、津軽二股、奥津軽いまべつ、木古内、札苅、桔梗、新函館北斗、大中山(奥羽本線/津軽線/北海道新幹線/道南いさりび鉄道/函館本線) 【じきに廃線を迎える留萌~増毛に用がありました】

鉄旅日記2016年8月11日・・・弘前駅、蟹田駅、津軽二股駅、奥津軽いまべつ駅、木古内駅、札苅駅、桔

記事を読む

「車旅日記」2004年秋 番外編(京都で過ごす日)-四条大宮駅、嵯峨駅前駅、嵯峨嵐山駅、京福嵐山駅、阪急嵐山駅、京都駅 【瀬戸内から山陰へ。そんな旅がしたかったのでございます。】

車旅日記番外編2004年11月23日・・・四条大宮駅、嵯峨駅前駅、嵯峨嵐山駅、京福嵐山駅、阪急嵐山駅

記事を読む

「鉄旅日記」2018年弥生 初日(東京-会津若松)その2-土合、越後湯沢、大沢、上越国際スキー場前、越後堀之内、小出(上越線) 【青春18きっぷを握り、目指したのはまたしても会津。練馬から旅立つ最後の旅でございます。】

鉄旅日記2018年3月3日・・・土合駅、越後湯沢駅、大沢駅、上越国際スキー場前駅、越後堀之内駅、小出

記事を読む

Message

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

「鉄旅日記」2022年弥生vol.2 最終日(静岡-東京)その5 ‐東浦和、東川口、吉川、吉川美南、南流山(武蔵野線) 【念願の大井川鐡道に乗る旅。帰りは身延線経由、武蔵野線全駅下車達成でございます。】/江戸川堤菜の花絶景

2022年3月21日・・・東浦和駅、東川口駅、吉川駅、吉川美南駅、南

「鉄旅日記」2022年弥生vol.2 最終日(静岡-東京)その4 ‐西国分寺、北府中、新小平、青梅街道、北朝霞、朝霞台(武蔵野線) 【念願の大井川鐡道に乗る旅。帰りは身延線経由、武蔵野線全駅下車達成でございます。】

鉄旅日記2022年3月21日・・・西国分寺駅、北府中駅、新小平駅、青

「鉄旅日記」2022年弥生vol.2 最終日(静岡-東京)その3 ‐南甲府、金手、甲府、八王子、京王八王子(身延線/中央本線)/甲府城跡 【念願の大井川鐡道に乗る旅。帰りは身延線経由、武蔵野線全駅下車達成でございます。】

鉄旅日記2022年3月21日・・・南甲府駅、金手駅、甲府駅、八王子駅

「鉄旅日記」2022年弥生vol.2 最終日(静岡-東京)その2 ‐十島、鰍沢口、甲斐住吉、国母、常永(身延線) 【念願の大井川鐡道に乗る旅。帰りは身延線経由、武蔵野線全駅下車達成でございます。】

鉄旅日記2022年3月21日・・・十島駅、鰍沢口駅、甲斐住吉駅、国母

「鉄旅日記」2022年弥生vol.2 最終日(静岡-東京)その1 ‐新静岡、静岡、由比、富士、芝川(東海道本線/身延線)/駿府城址 【念願の大井川鐡道に乗る旅。帰りは身延線経由、武蔵野線全駅下車達成でございます。】

鉄旅日記2022年3月21日・・・新静岡駅、静岡駅、由比駅、富士駅、

→もっと見る

    PAGE TOP ↑