*

「鉄旅日記」2020年初秋 初日(東京-高松)その5 ‐岡山、児島、高松(本四備讃線/予讃本線)/児島の民話 【時空の友を訪ねて讃州高松へ。金比羅さん、瀬戸大橋、大歩危、小歩危などを友とめぐり、義仲寺に寄り、直島に渡り、水島臨海鉄道にも乗った4日間の記録でございます。】

公開日: : 最終更新日:2025/05/04 旅話, 旅話 2020年

鉄旅日記2020年9月19日・・・岡山駅、児島駅、高松駅(本四備讃線/予讃本線)/児島の民話

17:09  岡山(おかやま)駅(東海道・山陽・九州新幹線/山陽本線/津山線/宇野線/伯備線/吉備線/赤穂線/本四備讃線 岡山県)
閑散路線としてあまり注意を向けることのなかった相生~東岡山間。駅数は多くないが、降りたことのない駅は吉永、万富を残すのみとなり、暮れゆく山陽路を恋人とのチャットとともに楽しんだ。

岡山は大きな駅だ。東西南北へとひっきりなしに列車が行き来している。

高知行の特急南風の車体にはアンパンマンのキャラクターが描かれている。

今じゃ自由な身だが、最愛の存在が楽しむ傍らで、アンパンマンを見て過ごした日々はやはりかけがえのないものだと胸や目頭に熱を感じて、顔は笑ってる。

18:05  児島(こじま)駅(本四備讃線 岡山県)

30代の青春時代に寄った駅。もっとも今も青春時代のようなものだ。

瀬戸大橋線こと本四備讃線の開通によりできた岡山県最南端の駅。開業は32年前になる。

記憶の中の駅にはいつも人の姿がある。そんな心象風景を懐かしく思う。

観光港に出る。

それから民話通りへと限られた時間の中で歩く。

児島の民話もまた興味深い。

1.7人の王子・・・時代は詳らかじゃないが、都から7人の王子が下ってきて干拓、開拓を行った。

2.鴻ものがたり・・・お宮に巣を持つたくさんの鴻の鳥が雛を持つ時期は、大蛇を警戒してたいへん荒々しく、人々が寄りつかなくなって困っていたところ、氏神から難を除く旨のお告げがあり、翌朝に大蛇が現れ、鴻の鳥の群れに向かったところを逆に仕留められてしまった。

3.由加の鬼塚・・・人食い鬼を桓武天皇の命を受けた坂上田村麻呂が退治。その首を「鬼塚」に葬ったところ鬼は改心。75匹の白狐に生まれ変わり、世のため人のために生きた。

4.金浜の伝説・・・心がけのいい漁師の網に箱がかかり、開けると般若心経が入っていたため八幡院に納めると、数日後に海から稚児が現れ、彼の行為への礼だとつづらを渡される。家に帰るまで開けるなと釘を刺されるが、ついつい開けると中には金銀。喜び勇んで家に帰り再び開けると竜が現れた。驚き恐れ浜につづらを捨てて、翌日浜に様子を見にいくと一面に金が散らばっていた。

5.金の龍と青い龍・・・児島を荒らしまわる竜王山の青い龍に手を焼いた村人たち。大槌山の神に救いを求めたところ神は金の龍になって応じ、瀬戸内海上で激戦となり、やがて劣勢となって島に隠れた金の龍を追い、とぐろを巻いて島を締めつけた青い龍。にわかに島は膨張やがて爆発。四散した青い龍の目玉は竜王山にあたって砕け水晶となった。

6.くすみの哀話・・・見目麗しい若侍に出会った娘、鈴。逢瀬を重ねるうちに町では「鈴はくすみの主の精を宿している」との噂が広がり、若侍に質したところ戦慄し、煙にように消えた。面影を忘れられない鈴は待ち続け、やがて思いあまった挙句くすみの渦に身を投げる。くすみの主とは龍、蛇の類の化身か。

7.太閤の二つ岩・・・太閤秀吉が大坂城を築くにあたり各地に石の手配を命じたことが村にも伝わり、村人は八幡宮の大岩を差し出そうと砕き、二つに割れたところ岩を住処にしていた巨大な蛇が現れ恫喝。やがて消え失せ、村人はその後岩をあがめたてまつった。

8.幽霊船・・・水島灘の四つ子島は交通の難所で源平合戦の古戦場でもある。「杓をかせ」との物悲しい声が聞こえて、たまりかねて杓を貸すと何百何千の手が海中から現れ出て船は沈められてしまった。

9.彦九郎の樽流し・・・瀬戸内の漁場をめぐり備前、讃岐で争いが絶えなかったところ、児島の智者彦九郎が両国の王に対して樽を流してその行跡を境界にしようと持ち掛けて、承諾を得た。実証実験から自信満々でいた彦九郎だが、案に相違して樽は備前側に不利になるような動きをとった。

サイクリングロードとして整備されている旧下津井電鉄跡地へは行き着けない。

海峡の街に残る伝説のように、わずかな滞在では近づけないものもある。かつての旅でも下津井では迷った。

児島はジーンズの街。

そして海峡の街。

瀬戸の花嫁のメロディとともに入線したマリンライナーは児島を出てほどなくすると瀬戸大橋に差し掛かる。

暮れゆく瀬戸内を眺めたかった。思いは達した。高松では時空を超えた友が待つ。

18:10 瀬戸大橋車窓風景①櫃石島

18:10 瀬戸大橋車窓風景②岩黒島

18:15 瀬戸大橋車窓風景③坂出港

18:18 瀬戸大橋車窓風景④坂出市内

18:43 高松(たかまつ)駅(予讃本線/高徳本線 香川県)

高松番町二丁目公園にて

高松空港にて

関連記事

「車旅日記」1996年黄金週間【友を訪ねて大阪へ。そして約束の地、金沢へ。夢を見ながら国道を走った日々でございます。】最終日 北陸より東京へ‐その2(R8→R18→R19)直江津駅、新井、豊野町、長野駅、道の駅信州新町、道の駅大岡村

車旅日記1996年5月6日 6:58 直江津駅 恋する女よ、いつの間にか日本海とさよならしていたよ

記事を読む

「鉄旅日記」2020年盛夏 初日(東京-防府)その1‐金町、東京、広島(常磐線/京浜東北線/東海道・山陽新幹線) 【コロナ禍の内緒旅VOl.2。宮島へ。錦帯橋へ。筑豊へ。島原へ。千綿駅へ。そして若松~戸畑の渡船。日本晴れの4日間の記録でございます。】

鉄旅日記2020年8月13日・・・金町駅、東京駅、広島駅(常磐線/京浜東北線/東海道・山陽新幹線)

記事を読む

「鉄旅日記」2022年如月 初日(東京-常陸大子)その5 ‐常陸鴻巣、下小川、矢祭山、常陸大子(水郡線)/矢祭山鮎の里公園 【十二橋駅~潮来駅、鹿島神宮西の一之鳥居~鹿島神宮、棚倉を歩く旅。】

鉄旅日記2022年2月5日・・・常陸鴻巣駅、下小川駅、矢祭山駅、常陸大子駅(水郡線)/矢祭山鮎の里

記事を読む

「鉄旅日記」2018年水無月-松戸、八柱、新八柱、くぬぎ山、新鎌ヶ谷、北習志野、京成津田沼、ユーカリが丘、勝田台、東葉勝田台(新京成線/京成本線/山万ユーカリが丘線)【地元からひと駅先の松戸からは、新京成線が出ております。】

鉄旅日記2018年6月3日・・・松戸駅、八柱駅、新八柱駅、くぬぎ山駅、新鎌ヶ谷駅、北習志野駅、京成津

記事を読む

「鉄旅日記」2020年卯月 初日(東京-新津)その3‐仙台、北山、葛岡、山形(仙山線) 【緊急事態宣言発令直前のことでございます。常磐線全線運転再開を祝して人知れず旅に出たのでございます。】

鉄旅日記2020年4月4日・・・仙台駅、北山駅、葛岡駅、山形駅(仙山線) 12:25 仙台(せんだ

記事を読む

「鉄旅日記」2019年師走 最終日(酒田-東京)その1‐酒田、象潟、砂越(羽越本線) 【由利高原鉄道鳥海山ろく線に乗りにいきました。初冬の日本海は荒々しく、美しゅうございました。】

鉄旅日記2019年12月8日・・・酒田駅、象潟駅、砂越駅(羽越本線) 2019・12・8 5:34

記事を読む

「車旅日記」1998年夏 4日目(遠野-釜石-気仙沼-鳴子温泉)-遠野徳田屋旅館、遠野駅、釜石駅、釜石大観音、道の駅高田松原、気仙沼港、南気仙沼駅、小梨駅、一ノ関駅、鳴子サンハイツ 【20代最後の旅でございます。青森港から北海道上陸を目指して北へ向かったのでございますが・・・。】

車旅日記1998年8月15日 1998・8・15 8:00 遠野 徳田屋旅館 4日目。 宿で知り合

記事を読む

「車旅日記」2000年夏Part.1 3日目(能登島-氷見-小千谷)能登島、道の駅いおり、氷見港、道の駅ウェーブパークなめりかわ、朝日町栄食堂、親不知ピア・パーク、道の駅能生、長岡市宮本、道の駅おぢや 【信濃、飛騨、そして能登島。帰りは北陸路。この国の美しさをあらためて感じました夏旅でございます。】

車旅日記2000年7月22日 2000・7・22 9:00 能登島某リゾートクラブ 昨夜は風の音を

記事を読む

「鉄旅日記」2007年皐月 3日目(福山-岡山)-福山、三原、呉、広島、三次、備後落合、東城、岡山(山陽本線/呉線/芸備線/伯備線) 【夜汽車で東京を離れ、山陰山陽へ。鉄旅最初の長旅でございました。】

鉄旅日記2007年5月5日・・・福山駅、三原駅、呉駅、広島駅、三次駅、備後落合駅、東城駅、岡山駅(山

記事を読む

「鉄旅日記」2015年夏 初日(東京-新南陽)-はりま勝原、阿品、島田、新南陽(山陽本線) 【日本最南端の終着駅、枕崎までの往復旅】

鉄旅日記2015年8月12日・・・はりま勝原駅、阿品駅、島田駅、新南陽駅(山陽本線) 2015・8

記事を読む

Message

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

「鉄旅日記」2022年弥生vol.2 最終日(静岡-東京)その5 ‐東浦和、東川口、吉川、吉川美南、南流山(武蔵野線) 【念願の大井川鐡道に乗る旅。帰りは身延線経由、武蔵野線全駅下車達成でございます。】/江戸川堤菜の花絶景

2022年3月21日・・・東浦和駅、東川口駅、吉川駅、吉川美南駅、南

「鉄旅日記」2022年弥生vol.2 最終日(静岡-東京)その4 ‐西国分寺、北府中、新小平、青梅街道、北朝霞、朝霞台(武蔵野線) 【念願の大井川鐡道に乗る旅。帰りは身延線経由、武蔵野線全駅下車達成でございます。】

鉄旅日記2022年3月21日・・・西国分寺駅、北府中駅、新小平駅、青

「鉄旅日記」2022年弥生vol.2 最終日(静岡-東京)その3 ‐南甲府、金手、甲府、八王子、京王八王子(身延線/中央本線)/甲府城跡 【念願の大井川鐡道に乗る旅。帰りは身延線経由、武蔵野線全駅下車達成でございます。】

鉄旅日記2022年3月21日・・・南甲府駅、金手駅、甲府駅、八王子駅

「鉄旅日記」2022年弥生vol.2 最終日(静岡-東京)その2 ‐十島、鰍沢口、甲斐住吉、国母、常永(身延線) 【念願の大井川鐡道に乗る旅。帰りは身延線経由、武蔵野線全駅下車達成でございます。】

鉄旅日記2022年3月21日・・・十島駅、鰍沢口駅、甲斐住吉駅、国母

「鉄旅日記」2022年弥生vol.2 最終日(静岡-東京)その1 ‐新静岡、静岡、由比、富士、芝川(東海道本線/身延線)/駿府城址 【念願の大井川鐡道に乗る旅。帰りは身延線経由、武蔵野線全駅下車達成でございます。】

鉄旅日記2022年3月21日・・・新静岡駅、静岡駅、由比駅、富士駅、

→もっと見る

    PAGE TOP ↑